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ロック様が会いに来てくれるようになってから、以前にも増して凄く元気になったような気がする。
いつも明るく笑顔を絶やさず、皆の心を照らし続けている、まさに太陽の化身のようなお方。
両親は当然として、家の者たちも全員がロック様に好意を抱いていた。
「今日も今日とて美しいな、マリア」
「ふふふ。本当にそんな風に思ってくれているのですか?」
「当然さ! 君を美しいと思わない瞬間などないぐらいだ」
微笑を浮かべ、そう言い切るロック様。
お世辞かもしれないけれど、単純に私は喜んでいた。
美しいと言われて嫌な気分はしない。
そして面白いことに、毎日ロック様にそんなことを言われ続けていると、周囲からも綺麗になったなどと言われ始めた。
「マリア。前からお前は可愛かったが、さらに可愛くなったな」
「そうですわね。ロック様がいらっしゃるようになってから、また綺麗になりましたね、この子」
両親がお茶を飲みながら、そんなことを言ってくる。
ふと、そこでロック様が顔を出してくれるようになった前のことを思い返す。
ルーファウス様と一緒にいる時は不幸でもなんでもなかったけれど、あの頃より充実感と幸福感を覚える。
まぁソフィアがいなくなったことだけで、周囲の空気もよくなったのだけれど。
それを抜いたとしても、本当に幸せな日々。
ルーファウス様とはいったい何だったのか。
そう思えるぐらい、ロック様は幸せな時間を提供してくれる、素敵な人だ。
「パーティーですか?」
「ああ。君が良ければ、僕と参加してくれないか?」
そんなロック様はある日のこと、相変わらずの笑顔で私にパーティーに行かないかと尋ねてきた。
一緒に行くとなれば、きっと周囲からはそういう関係だと思われるだろう。
ロック様の意図もそこにあるのかもしれない。
私は二つ返事でロック様に答える。
「はい。構いませんよ」
全然嫌じゃなかった。
むしろ、そう思われる方がいいとさえも思っていた。
いつの間にか私は、こんなにもロック様に惹かれていたのだ。
これはそう気づける誘いであった。
「本当かい!? よし、では来週、パーティーの予定を入れておいてくれ」
「はい」
それはとても嬉しそうで、心の底から喜ぶロック様。
彼のそんな顔を見て、私もまた心を躍らせていた。
こうやって物事を一緒に喜べるというのは、素敵なことだな。
キラキラ輝くロック様の笑顔を見て、私はそんなことを考えながら笑みをこぼしていた。
いつも明るく笑顔を絶やさず、皆の心を照らし続けている、まさに太陽の化身のようなお方。
両親は当然として、家の者たちも全員がロック様に好意を抱いていた。
「今日も今日とて美しいな、マリア」
「ふふふ。本当にそんな風に思ってくれているのですか?」
「当然さ! 君を美しいと思わない瞬間などないぐらいだ」
微笑を浮かべ、そう言い切るロック様。
お世辞かもしれないけれど、単純に私は喜んでいた。
美しいと言われて嫌な気分はしない。
そして面白いことに、毎日ロック様にそんなことを言われ続けていると、周囲からも綺麗になったなどと言われ始めた。
「マリア。前からお前は可愛かったが、さらに可愛くなったな」
「そうですわね。ロック様がいらっしゃるようになってから、また綺麗になりましたね、この子」
両親がお茶を飲みながら、そんなことを言ってくる。
ふと、そこでロック様が顔を出してくれるようになった前のことを思い返す。
ルーファウス様と一緒にいる時は不幸でもなんでもなかったけれど、あの頃より充実感と幸福感を覚える。
まぁソフィアがいなくなったことだけで、周囲の空気もよくなったのだけれど。
それを抜いたとしても、本当に幸せな日々。
ルーファウス様とはいったい何だったのか。
そう思えるぐらい、ロック様は幸せな時間を提供してくれる、素敵な人だ。
「パーティーですか?」
「ああ。君が良ければ、僕と参加してくれないか?」
そんなロック様はある日のこと、相変わらずの笑顔で私にパーティーに行かないかと尋ねてきた。
一緒に行くとなれば、きっと周囲からはそういう関係だと思われるだろう。
ロック様の意図もそこにあるのかもしれない。
私は二つ返事でロック様に答える。
「はい。構いませんよ」
全然嫌じゃなかった。
むしろ、そう思われる方がいいとさえも思っていた。
いつの間にか私は、こんなにもロック様に惹かれていたのだ。
これはそう気づける誘いであった。
「本当かい!? よし、では来週、パーティーの予定を入れておいてくれ」
「はい」
それはとても嬉しそうで、心の底から喜ぶロック様。
彼のそんな顔を見て、私もまた心を躍らせていた。
こうやって物事を一緒に喜べるというのは、素敵なことだな。
キラキラ輝くロック様の笑顔を見て、私はそんなことを考えながら笑みをこぼしていた。
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