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ソフィアは一度実家に帰るも、両親から大目玉を食らい、逃げるようにルーファウスの家に転がり込んでいた。
問題は山積みであったが、ルーファウスが彼女を気に入り、問題全てを解決するように尽力を注いだ。
ソフィアは猫をかぶり、ルーファウスに近づいていたので彼に本性はバレていなかった。
彼女の醜悪な性格を知ればどう思うだろうか……
しかしその正体を知るのは、そう遠くない話である。
一緒に住みだして分る彼女の欠点。
それはとてつもなく多く、見逃すのが難しい程であった。
「ねえ、どっちのドレスの方がいいと思う?」
侍女に訊ねるソフィア。
ベッドの上に置かれた赤と青のドレス。
侍女は真剣に考えながら、答えを出す。
「こちらの赤いドレスの方が良いように思えます」
「そう。だったら青いドレスを着るわ。あなたセンス無さそうだし、逆の方がいいでしょ」
「…………」
苛立ちを覚え、心の中でソフィアを睨む付ける侍女。
相変わらず、人をイジメたり罵ったりするのが趣味のソフィア。
それからも色んな人間に意地悪をしていく。
「こんなマズい物を食べられるわけないじゃない。ちょっとあなた、食べてごらんなさい」
それは食堂での出来事。
ルーファウスが見ている前で、地面に肉をわざと落とすソフィア。
侍女は戸惑うも、ソフィアが本気だというのが分かり、落ちた肉を手で拾い口にする。
「……あの、悪くないと思うのですが」
「そ。あなたは落ちた肉を平気で食べるような卑しい人なのね」
「っ……」
顔をしかめ、しかし冷静なフリをして汚れた床を掃除する侍女。
その様子を見ていたルーファウスは唖然とする。
ソフィアの奴……あんなことをするような人間だったのか?
もっとおしとやかで、虫も殺さないような顔をしていたのに……
これではまるで、ソフィアが語っていたマリアのようじゃないか。
ソフィアはルーファウスにマリアの事に関してメチャクチャなことを話していた。
それは気づかないうちに、まるまる自分のことを語っていたのだ。
どれだけ醜い人間なのか、結果として自分のことが完璧に当てはまっていた。
そしてそれからもソフィアの暴挙は続いていき、頭を悩ませるルーファウスと彼の両親。
それはソフィアがルーファウスのもとに来て、わずか一週間後のことであった。
ソフィアは息を吸う様に意地悪をする。
家を追い出されるような形でストレスが溜まっていたこともあってか、その行為はエスカレートするばかり。
すでに家に仕える者たちからは嫌われており、味方など周りにいない状態。
だが彼女はルーファウスに嫁ぎにやって来ていた。
彼女に何も言えないままに、地獄の時間は過ぎていく。
いつの間にかエルレガーダ家の中には絶望だけが蔓延していた。
問題は山積みであったが、ルーファウスが彼女を気に入り、問題全てを解決するように尽力を注いだ。
ソフィアは猫をかぶり、ルーファウスに近づいていたので彼に本性はバレていなかった。
彼女の醜悪な性格を知ればどう思うだろうか……
しかしその正体を知るのは、そう遠くない話である。
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それはとてつもなく多く、見逃すのが難しい程であった。
「ねえ、どっちのドレスの方がいいと思う?」
侍女に訊ねるソフィア。
ベッドの上に置かれた赤と青のドレス。
侍女は真剣に考えながら、答えを出す。
「こちらの赤いドレスの方が良いように思えます」
「そう。だったら青いドレスを着るわ。あなたセンス無さそうだし、逆の方がいいでしょ」
「…………」
苛立ちを覚え、心の中でソフィアを睨む付ける侍女。
相変わらず、人をイジメたり罵ったりするのが趣味のソフィア。
それからも色んな人間に意地悪をしていく。
「こんなマズい物を食べられるわけないじゃない。ちょっとあなた、食べてごらんなさい」
それは食堂での出来事。
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侍女は戸惑うも、ソフィアが本気だというのが分かり、落ちた肉を手で拾い口にする。
「……あの、悪くないと思うのですが」
「そ。あなたは落ちた肉を平気で食べるような卑しい人なのね」
「っ……」
顔をしかめ、しかし冷静なフリをして汚れた床を掃除する侍女。
その様子を見ていたルーファウスは唖然とする。
ソフィアの奴……あんなことをするような人間だったのか?
もっとおしとやかで、虫も殺さないような顔をしていたのに……
これではまるで、ソフィアが語っていたマリアのようじゃないか。
ソフィアはルーファウスにマリアの事に関してメチャクチャなことを話していた。
それは気づかないうちに、まるまる自分のことを語っていたのだ。
どれだけ醜い人間なのか、結果として自分のことが完璧に当てはまっていた。
そしてそれからもソフィアの暴挙は続いていき、頭を悩ませるルーファウスと彼の両親。
それはソフィアがルーファウスのもとに来て、わずか一週間後のことであった。
ソフィアは息を吸う様に意地悪をする。
家を追い出されるような形でストレスが溜まっていたこともあってか、その行為はエスカレートするばかり。
すでに家に仕える者たちからは嫌われており、味方など周りにいない状態。
だが彼女はルーファウスに嫁ぎにやって来ていた。
彼女に何も言えないままに、地獄の時間は過ぎていく。
いつの間にかエルレガーダ家の中には絶望だけが蔓延していた。
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