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目覚めると、本当に清々しい朝だった。
ジュリアン様とはお別れをしたのだが……どうして私は、彼が浮気をしていたことを知っていたのだろう?
不思議だ。
いきなり浮気していたことだけを理解していた。
頭にその事実が浮かび上がってきたのだ。
それは真実で、私は晴れてジュリアン様との婚約関係を破棄することができた。
「おはよう、モニカ」
「おはようございます、ヴィクトール様」
ヴィクトール様は目覚めた私に優しく微笑みかけてくれる。
昨日は一日いてくれたのだろう。
私の手を握りしめ、眠たそうに私を見つめている。
「どんな気分だ?」
「清々しいです。何かを忘れてしまったような気がしますが……私の人生に必要のないことだと言うのは分かっています」
「……そうか」
ヴィクトール様は私をベッドから起こし、ため息をつく。
「なら……今すぐ出かける用意をしてくれ」
「何故ですか?」
「君の両親に挨拶へ行きたい」
「……はい!」
新たにヴィクトール様との婚約をする。
そのことと、ジュリアン様との婚約を解消した話を両親にしに行かなければいけない。
両親はどう思うだろうか?
婚約を解消すると同時に、新しい婚約話がすでに決まっているなんて。
少し怖いと思う部分もある。
だけど、それ以上に胸のときめきが収まらない。
きっとこれから、幸せな日々が続いていくのだ。
私はヴィクトール様と共に屋敷を出た。
ジュリアン様とは違う新しい婚約者。
幸せな未来へと向けて、私たちは歩き出す。
共に笑い合える、輝かしい未来へと。
おわり
ジュリアン様とはお別れをしたのだが……どうして私は、彼が浮気をしていたことを知っていたのだろう?
不思議だ。
いきなり浮気していたことだけを理解していた。
頭にその事実が浮かび上がってきたのだ。
それは真実で、私は晴れてジュリアン様との婚約関係を破棄することができた。
「おはよう、モニカ」
「おはようございます、ヴィクトール様」
ヴィクトール様は目覚めた私に優しく微笑みかけてくれる。
昨日は一日いてくれたのだろう。
私の手を握りしめ、眠たそうに私を見つめている。
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「清々しいです。何かを忘れてしまったような気がしますが……私の人生に必要のないことだと言うのは分かっています」
「……そうか」
ヴィクトール様は私をベッドから起こし、ため息をつく。
「なら……今すぐ出かける用意をしてくれ」
「何故ですか?」
「君の両親に挨拶へ行きたい」
「……はい!」
新たにヴィクトール様との婚約をする。
そのことと、ジュリアン様との婚約を解消した話を両親にしに行かなければいけない。
両親はどう思うだろうか?
婚約を解消すると同時に、新しい婚約話がすでに決まっているなんて。
少し怖いと思う部分もある。
だけど、それ以上に胸のときめきが収まらない。
きっとこれから、幸せな日々が続いていくのだ。
私はヴィクトール様と共に屋敷を出た。
ジュリアン様とは違う新しい婚約者。
幸せな未来へと向けて、私たちは歩き出す。
共に笑い合える、輝かしい未来へと。
おわり
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おゆうさん、いつもコメントありがとうございます!
理由は違えど、何度も何度もモニカは死んでしまうので、ようやくたどり着いたハッピーエンドといった感じです!