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全力で走る馬車。
後方からニコライド様とレイチェル様の乗った馬車が追いかけて来る。
焦る気持ちが次第に強くなっていき、私はレオ様の腕にしがみ付いた。
「怖い……一体どうしたらあの人たちは諦めてくれるのでしょうか?」
「分からない……話が通用しない相手にはどうしたらいいんだろう」
レオ様も戸惑っているらしく、どうするべきか険しい表情で思案をしている。
話の通用しない人たちとは思っていたけど、まさか言うことを聞かなかったら追いかけて来るほどまでとは思ってもみなかった。
普通、こんな相手を追い詰めるような真似はしないと思うのだけれど……
でもニコライド様たちはそれを平然とやってのけてしまう。
とことんまで相手を追い詰め、自分たちの思い通りに事を進めようとしているのだ。
でも今更レオ様とお別れなんて絶対に嫌。
やっと出会えた最高のパートナー。
たとえどんなことが起ころうとも私はレオ様から離れない。
もうニコライド様みたいな傲慢なお方と一緒にいるのは無理だ。
そうこうしていると、大きな木が生えており南北に分かれている道までやって来ていた。
そこでギミーさんの言った言葉を思い出す。
「お願い! 北の道を行ってちょうだい!」
「は、はい、かしこまりました!」
御者の人は私の突然の叫びにビックリしていた。
普段は大人しく、声を張ることもないからだろう。
それに背後から追いかけられているプレッシャーもあると察する。
「北の道を行けばどうなるんだろうか?」
「分かりません……でも今はギミーさんの言葉を信じるしかありません。これまでにあの人が言った事に間違いはありませんでしたから」
「僕も助けられたしね……うん。信じるよ、僕も」
馬車は私の言った通りに北の道を走る。
レオ様は私の手を握りながら神妙な面持ちをしていた。
追いかけられたまま道を行くと、山へとさしかかる。
山へ入ると雨が降ってきて視界が悪くなってきた。
「このまま行けるかしら?」
「な、なんとか行けそうです!」
それでも馬車は駆ける。
後方の馬車から逃げるように雨の中を疾走していた。
「あっ!?」
少し足場が悪くなっていたようで、車輪が一瞬浮き沈みする。
雨の影響であろう。
だが問題はないようだ。
そのまま馬車は走る。
しかし――
「ああっ! レイチェルたちが乗っている馬車が!」
私たちの馬車の車輪が取られた場所、そこで後ろの馬車も泥に車輪を取られ――
半回転して地面を転がる。
馬は倒れ、馬車は凄まじい勢いで大木に衝突し大破してしまった。
「……ふ、二人は大丈夫なのでしょうか?」
馬車を止め恐る恐る壊れた馬車の方へ近づくと……
血まみれで気絶している二人の姿がある。
生きていることに私たちはホッとしつつも、救護を呼ぶため私の住む町まで急ぐのであった。
後方からニコライド様とレイチェル様の乗った馬車が追いかけて来る。
焦る気持ちが次第に強くなっていき、私はレオ様の腕にしがみ付いた。
「怖い……一体どうしたらあの人たちは諦めてくれるのでしょうか?」
「分からない……話が通用しない相手にはどうしたらいいんだろう」
レオ様も戸惑っているらしく、どうするべきか険しい表情で思案をしている。
話の通用しない人たちとは思っていたけど、まさか言うことを聞かなかったら追いかけて来るほどまでとは思ってもみなかった。
普通、こんな相手を追い詰めるような真似はしないと思うのだけれど……
でもニコライド様たちはそれを平然とやってのけてしまう。
とことんまで相手を追い詰め、自分たちの思い通りに事を進めようとしているのだ。
でも今更レオ様とお別れなんて絶対に嫌。
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たとえどんなことが起ころうとも私はレオ様から離れない。
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そうこうしていると、大きな木が生えており南北に分かれている道までやって来ていた。
そこでギミーさんの言った言葉を思い出す。
「お願い! 北の道を行ってちょうだい!」
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それに背後から追いかけられているプレッシャーもあると察する。
「北の道を行けばどうなるんだろうか?」
「分かりません……でも今はギミーさんの言葉を信じるしかありません。これまでにあの人が言った事に間違いはありませんでしたから」
「僕も助けられたしね……うん。信じるよ、僕も」
馬車は私の言った通りに北の道を走る。
レオ様は私の手を握りながら神妙な面持ちをしていた。
追いかけられたまま道を行くと、山へとさしかかる。
山へ入ると雨が降ってきて視界が悪くなってきた。
「このまま行けるかしら?」
「な、なんとか行けそうです!」
それでも馬車は駆ける。
後方の馬車から逃げるように雨の中を疾走していた。
「あっ!?」
少し足場が悪くなっていたようで、車輪が一瞬浮き沈みする。
雨の影響であろう。
だが問題はないようだ。
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しかし――
「ああっ! レイチェルたちが乗っている馬車が!」
私たちの馬車の車輪が取られた場所、そこで後ろの馬車も泥に車輪を取られ――
半回転して地面を転がる。
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馬車を止め恐る恐る壊れた馬車の方へ近づくと……
血まみれで気絶している二人の姿がある。
生きていることに私たちはホッとしつつも、救護を呼ぶため私の住む町まで急ぐのであった。
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下記の作品で第14回ファンタジー小説大賞に参加しています。
よろしくければ、投票のほどお願いします。
「デブは出て行け!」と追放されたので、チートスキル【マイホーム】で異世界生活を満喫します。今更戻って来いと言われても旦那が許してくれません!
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