捨てられた者同士でくっ付いたら最高のパートナーになりました。捨てた奴らは今更よりを戻そうなんて言ってきますが絶対にごめんです。

亜綺羅もも

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「お前! 何度も俺の所に来いと連絡を入れておいたはずだぞ!」
「ようやく来てくださったのですね。お待ちしておりましたわ」

 何度呼んでも来ないレイチェルにしびれを切らせ、ニコライドは彼女の自宅へと怒鳴り込みに来ていた。
 涼しい顔をしているレイチェルにイライラし、さらに声を張り上げるニコライド。

「お前は俺の妻となる女だぞ! 俺の言うことを聞かないなんて、話にならない!」
「あなたは私の旦那様となる人。あなたが私の言う通りにしてくださいな!」

 衝突する二人。
 レイチェルの両親は二人の様子を見て、大慌て。
 二人に割って入るような勇気もなく、遠くから傍観するのみ。

「俺の女なら俺好みの女になれ。俺の言うことには逆らわず、常に俺に従え!」
「私のことが好みだったから私を選んだのでしょう? だったらそのままの私を愛してくれればいいでしょうに!」
「こいつ……」

 お互いに苛立ち、お互いに怒りを覚え、お互いに憎しみ合う。
 早々と二人は関係を修復できない程にまでなっていた。

「……こんなことならアニエルと一緒になるんだった」
「それはこちらのセリフです。レオはいつも私の言うことを聞いてくれていましたから!」

 ここでようやく、二人は元婚約者のありがたみを感じ始めていた。
 
「…………」
「何を考えておりますの?」
「お前と別れることをだ」
「あら、奇遇ですわね。私も貴方とはお別れしようと思っていたところです」
「ふん。なら俺たちはここで終わりだな。お前との時間は本当に無駄だった」
「無駄だったのは私の方ですわ。本当、つまらない男の人」

 また睨み合う二人。
 だがこれでもうお互いの顔を見なくてくて済む。
 自分たちは最悪のパートナーを選んでしまったが、元の鞘に戻ればいいだけのこと。

 ニコライドは考える。
 アニエルは自分の言うことに絶対服従だと。

 レイチェルは考える。
 レオはどんなことだって自分の言うことを聞いてくれると。

 どうということはない。
 少し間違いが生じただけだ。

 二人はほくそ笑みながら、目の前にいる元パートナーを睨む。

「お父様、お母さま、私、レオとの婚約関係を修復しようと思いますの」
「え? 何を言っているんだ……レオニードはコールドマン家のアニエル嬢と婚約をしたぞ」
「「……はぁ!?」」

 この時ばかりは息を合わせたように素っ頓狂な声を上げる二人。
 まさか二人が婚約していたとは……

 だが二人は考える。
 どうせ自分たちが言えば二人は別れると。

 そんなはずは無いと言うのに。
 逃がした魚はデカく、そして二度と自分たちの元に戻ってくることはないとは知らず。
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「デブは出て行け!」と追放されたので、チートスキル【マイホーム】で異世界生活を満喫します。今更戻って来いと言われても旦那が許してくれません!
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