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ニコライドに会いにやって来ていたレイチェル。
二人は婚約者として新しい日々を送り始めていた。
「お前は美しい。俺に相応しいのはお前だ」
「あら。そんなの当然でございますわ。私は誰よりも美しく気高いのですから」
レイチェルの言動に引っかかるニコライド。
しかし彼女ほど美しい女性がいないのもまた事実。
このぐらいの態度には目をつむっておこう。
「おい。それより来週のパーティーにはちゃんと参加しろよ。これは命令だ」
「……ええ。分かっておりますわ」
侯爵家に嫁ぐ身として、パーティーに参加するのは当然としても、それでもこの物言いはどういうことかしら?
ニコライドの言葉に苛立ちを覚えるレイチェル。
二人はお互いに良いパートナーを見つけたと喜んでいたが……
それは大きな間違いであった。
お互い気が強く、意見を曲げず、意見を押し付けるような二人。
これから先、衝突するのは火を見るよりも明らか。
だがこの時の二人はまだそのことに気が付いていなかった。
互いの魅力的な部分にしか目がいっておらず、お互いの醜悪な部分は見て見ないふりをしていたのだ。
「ねえニコライド様。次は私の屋敷へ来て下さりませんか?」
「何故男の俺が女の家に出向かなければならないのだ。お前がここに来い」
「……嫌ですわ。あなたが来てください。私だってわざわざここに来たくなんてないのですから」
「来たくないだと!? お前……それが婚約者に言う言葉か!」
「そう言うのなら、婚約者らしくあなたも私に会いに来てくだされてばいいだけでは?」
二人は眉間に皺を寄せ睨み合う。
信じられない速度で頭に血が上る二人。
「俺の婚約者になるというのなら、もっとわきまえるんだな。俺の言ったことは黙って聞いておけばいいんだ!」
「ニコライド様こそ、私の言う通りにしてくださいな! 私には私に考えがあるのですから!」
絶対に譲り合うことのない二人。
この日は折り合いがつかないままにレイチェルが帰宅することになった。
レイチェルが帰った後、ニコライドは怒りのままに椅子でテーブルを破壊する。
「あの女! 俺を誰だと思っているんだ!」
ニコライドの命令口調をどうしても許せないレイチェルは、帰りの馬車の中でギャーギャー騒ぎ立てていた。
「あの男! 私を誰だと思っているのよ!」
少しづつ……お互いのいい部分よりも悪い部分が見え始める二人。
そして交際を始めて一月もする頃には、既にいい部分など見えないようになっていた。
ただ憎しみ合うだけの二人。
会う度に喧嘩ばかりする日々が訪れていた。
二人は婚約者として新しい日々を送り始めていた。
「お前は美しい。俺に相応しいのはお前だ」
「あら。そんなの当然でございますわ。私は誰よりも美しく気高いのですから」
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しかし彼女ほど美しい女性がいないのもまた事実。
このぐらいの態度には目をつむっておこう。
「おい。それより来週のパーティーにはちゃんと参加しろよ。これは命令だ」
「……ええ。分かっておりますわ」
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「ねえニコライド様。次は私の屋敷へ来て下さりませんか?」
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「来たくないだと!? お前……それが婚約者に言う言葉か!」
「そう言うのなら、婚約者らしくあなたも私に会いに来てくだされてばいいだけでは?」
二人は眉間に皺を寄せ睨み合う。
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「俺の婚約者になるというのなら、もっとわきまえるんだな。俺の言ったことは黙って聞いておけばいいんだ!」
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ただ憎しみ合うだけの二人。
会う度に喧嘩ばかりする日々が訪れていた。
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下記の作品で第14回ファンタジー小説大賞に参加しています。
よろしくければ、投票のほどお願いします。
「デブは出て行け!」と追放されたので、チートスキル【マイホーム】で異世界生活を満喫します。今更戻って来いと言われても旦那が許してくれません!
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