捨てられた者同士でくっ付いたら最高のパートナーになりました。捨てた奴らは今更よりを戻そうなんて言ってきますが絶対にごめんです。

亜綺羅もも

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 私は気が付くと、自分の部屋でボーっとしていた。
 ニコライド様に婚約破棄を言い渡されたのは一週間も前のこと。
 あれから一週間も経つというのに、もぬけの殻状態。

 彼に依存していたわけではないが、何か大きな物を失ってしまったような感覚。
 婚約者を失ってしまった私。
 そんな私に価値などあるのだろうか?

 不安と絶望が胸に押しかかる。
 こんな私に……生きている価値などあるのだろうか。

「アニエル様。お客様がいらっしゃっておりますが……」
「……お客様?」

 誰だろう?
 友人は何人か来てくれたが……また誰か私の様子を見に来てくれたのだろうか。
 最近ずっとこんな調子だから。

 私はトボトボと玄関の方へと歩いていく。

「……あ」
「やぁ。久しぶりだね」

 なんと玄関にいたのは、お客様というのはレオニード様であった。

「レオニード様……どうしてこちらに?」
「ああ……君とニコライド様の婚約関係が解消されたという話を聞いてね」
 
 彼の言葉に、私は胸に痛みを覚える。
 そんな酷いことを言いにここにきたのですか?
 私は衝動的にそう言ってしまいそうになっていた。

 しかしレオニード様は悲しそうな笑みを浮かべ、私に言う。

「僕もレイチェルに婚約破棄をされてね」
「あ……」

 そうだ。
 ニコライド様はレイチェル様と新しく婚約をした。
 となれば、レイチェル様の婚約者であるレオニード様との関係を解消していなければおかしいのだ。
 
 そうだったんだ。
 レオニード様も私と同じで、婚約破棄をされた側だったのか。
 私と同じ……捨てられた側。

「なんだか、似た者同士のようですね」
「みたいだね」

 私たちは顔を合わせて笑い合う。
 なんだか急に、レオニード様との距離が縮まったような気がする。
 似た者同士。
 境遇が同じだから。

「君はこれからどうするつもりだい?」
「どうすると言っても……ニコライド様が決めたことだからどうしようもないので」
「あはは。僕も同じだ。レイチェルは昔から言い出したら聞かない性格だから……今回も自分勝手に話を決めて、自分勝手に婚約を破棄した」
「……本当に似た者同士でございますね」
「うん」

 レオニード様は大きくため息をつき、そして私の顔をジッと見つめてきた。
 その端正な顔立ちに、私はドキッとする。
 そしてレオニード様は信じられないようなことを言い出した。

「似た者同士……捨てれらた者同士で仲良くするのはどうかな?」
「え?」
「お互いにもうパートナーはいない。だったら僕らがパートナーになるというのはどうだろう? 傷のなめ合いになるかもだけれど……なんだか君となら上手くいくような気がするんだ」
「はぁ……」

 その時私はハッキリと断ることも受け入れることもできなかった。
 だけどレオニード様の優しい表情を見て、この方なら私を丁重に扱ってくれる。
 そんな風に考えていた。
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「デブは出て行け!」と追放されたので、チートスキル【マイホーム】で異世界生活を満喫します。今更戻って来いと言われても旦那が許してくれません!
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