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【R18】なまごろし

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R18です。R15までにするつもりがいつの間にか年齢制限上がってました。(何故こうなった…)
18歳未満の方は直ちにリターンお願いします。
致してはおりませんが、官能描写が少しあります。

​───────​───────

ざわざわと廊下が騒がしい。

「どうしたんだ?何か騒がしいな」
「向こうに人集りが出来てるね」
「取り敢えず、確認は必要だろう」

デジレ、ロラン、スタニスラスの三人は50mほど先に人集りが出来ているのを確認してその原因を突き止めるべく、人集りに近付いた。
徐々に生徒達の言葉も明瞭に聞き取れる位置に来た。

「なあ、おい。あれってルイーズ嬢じゃないか?」
「ど、どうしたんだ?」
「何だかとても苦しそうだわ」

人集りの中心の人物はどうやらスタニスラスの婚約者であるルイーズだと分かった。
スタニスラスが足を早めた。その時、

「てか、…何か…いつもより色っぽくないか…?」
「あ、ああ…。色気がヤバいな…」

生唾を飲み込む複数人の男子生徒の声が聞こえた。
その瞬間、ブリザードが吹き荒れる。

「おい、スタン!」
「あーあ、完全に切れちまったよ」

原因も分からぬうちに男子生徒の囁きだけでブチ切れたスタニスラスの様子にロランは慌て、デジレは嘆息混じりにその様子を眺めた。
スタニスラスが婚約者のルイーズを溺愛しているのは周知の事。それも、ルイーズの事を異性が色目で見ようものならば背筋が凍るほどの冷たい笑顔でスタニスラスからの牽制が入る。

「る、ルイーズ嬢大丈夫ですか?」
「御手をお貸し致しましょうか」
「い…え、だいじょ、ぶ…ですわ」

ルイーズは壁に凭れるようにしながら廊下を歩いていた。
戸惑い潤んだ瞳。上気し桜色に染まる頬。乱れる呼吸。しっとりと肌を濡らす汗。
ルイーズの色香にあてられた男子生徒がルイーズの周辺にまとわりつき囲っている。
欲情したような目を向けて赤い顔をしてルイーズに話しかける様は婚約者でなくとも、いい気分がするものではなかった。
現に、下心が見え隠れしている男子生徒の様子にロランとデジレの二人は柳眉を歪め眉間に深い皺を刻んでいた。

「…どけ」

低い声が、ルイーズを囲む男子生徒達にかけられる。少し離れてルイーズの様子を眺めていた生徒達は顔を青くさせているが、ルイーズに近付いていた生徒達はすぐ後ろに迫る存在に気付いていなかった。
そして、二人程強い力で後ろに引かれルイーズから引き剥がされる。

「いってーな。誰だ──」
「何をする!侯爵家の僕に触れるなど──」

男子生徒二人が憤って振り返ると動きが止まる。

「あ?」

すぐ後ろには、背後にブリザードが見えそうな程に冷たく鋭い目をした自国の王子が立っていた。
二人の生徒は他の生徒達同様青い顔をして震え上がった。

「「し、失礼しましたーー」」

二人は一目散に逃げて行った。
それを、遠目から見ていたロランは呆れてものも言えないとばかりに溜息を吐いて片手で顔を覆う。
デジレは普段は冷静沈着で余裕があるスタニスラスの豹変に口元を抑え笑い出しそうなのを我慢していた。
いつもは何事も顔色一つ変えずに熟すというのに、婚約者の事となるとこれだ。仮にも一国の王太子が下の者を威圧するなど以ての外だが、今のスタニスラスには"冷静"という二文字が欠けていた。

「お前達も今すぐ私の婚約者から離れて消え失せろ」

男子生徒二人の一目散に逃げ去る声にルイーズを囲んでいた他の男子生徒達も次々とスタニスラスの姿を認めて、青い顔をして逃げ去って行った。
ルイーズは慌ただしい、周囲の様子に何事かと俯きがちになっていた顔を上げて横を見る。
そこには、先程までしつこい程につきまとっていた男子生徒は消えて愛しい人の姿を認めれば壁に持たれたまま頽れ、床に座り込んだ。

「スタン…さ、まぁ」

胸元を抑え肩で息をしながら、潤んだ瞳をスタニスラスに向ける。

「ルゥ!!大丈夫かい?どうしたんだ?!」

廊下に座り込むルイーズに慌ててスタニスラスは近寄った。
熱でもあるのかと思い直ぐに助け起こそうとルイーズの身体に触れた。

「ん…っ、!」

ビクン、とルイーズの身体が揺れた。

「ごめんっ」

ルイーズの色っぽい声に驚いてスタニスラスは手を離す。
ルイーズを見ると、先程よりも顔を赤らめて口元を抑えていた。

「す、すみっ、ませ…んっ…。からだが……あつく、て……ふっ、…んぅっ、」

両手で顔を覆いビクビクと小刻みに震える。

「申し訳…ございませ、ん…っ。とんだ醜態を……っっ、お見せしま……した」

発情──

ルイーズの様子を見ていると、その言葉が当て嵌るような気がした。
ルイーズは手を着いて立ち上がろうと足に力を入れる。
しかし、半分程立ち上がったところで膝が折れてバランスを崩した。
スタニスラスはルイーズが倒れる前に支えた。
ブレザーを脱いでルイーズの頭から被せると姫抱きにして彼女を抱える。

「ロラン、デジレ!後は頼む!」

人集りは減るどころか増える一方で、こんな状態のルイーズをこれ以上他人の目に晒してなるものかと自身の身体でルイーズを観衆の目から隠し、後方にいた他国の王子ではあれど、同い年で友人でもある二人に生徒達の口止めを頼んだ。
ロランもデジレもスタニスラスが言いたいことを即座に汲み取り任された、と片手を挙げた。
スタニスラスはルイーズを抱えて保健室へと向かった。

「すぐに保健医の元に連れて行ってあげるからもう少し辛抱するんだ」

未だ苦しそうに肩で呼吸をするルイーズに、安心させるように声をかける。
というか、何か声をかけて他のことを意識していないとスタニスラスの理性の方が大変なことになってしまいそうだった。
しかし、ルイーズは首を振った。
顔を覆うブレザーをずらしてスタニスラスを見上げる。

「……無理…です……」

小さな声でルイーズは言った。

「わたくしの…中にいる…ナニカ…が…言っているのです……」

ルイーズはスタニスラスのシャツをキュッと握りしめる。

「登りたい…って。い…イきたっ、い…って。……でないと…出られ……ない……と…っ、」

スタニスラスは言葉を失った。
ルイーズに何かが取り憑いているような、そんな感じはしていた。
だが、霊の類いをどうにか出来る人物はこのダルシアク国にはいない。
ルイーズが言うのであれば、事実なのだろう。
そうであれば、保健室に連れて行っても意味が無い。

「すた…ん、さま……苦し、い…んです……」

ルイーズの双眸からポロポロと涙が零れ落ちる。

「たす…けて……ください……」

ぎゅぅぅ、とスタニスラスのシャツを握り締めて助けを求めるルイーズ。
理性が飛びそうになるのを気合いで押し留め、スタニスラスは思考する。
そして、保健室から生徒会室へと行先を変えた。
無言で歩くスタニスラスにルイーズは顔を俯かせて下唇を噛み締めた。
生徒会室に着くとそのまま、生徒会長に与えられた別室へと入る。
スタニスラスはゆっくりとルイーズを立たせると部屋の鍵を閉めた。

「もうし…わけ、ござい…ませんっ。はしたない…真似を、っ…いたし…ました……」

ルイーズは倒れそうになる身体を叱咤してスタニスラスに向かって腰を折る。
しかし、頭を下げる行為はスタニスラスがルイーズを抱き締めたことによって阻まれた。

「ルイーズ…私を、信じてくれるか?」

スタニスラスは己の中の葛藤に折り合いをつけて真摯な目でルイーズを見つめた。
コトを致さなくとも、要はルイーズをイかせる事が出来ればいいのだ。
汚さなくとも、登りつめさせる事が出来ればいい。
後は、自分自身との葛藤に打ち勝つことが出来ればいいのだと結論付けたスタニスラスは上気して火照ったルイーズの頬を撫でた。

「……っ、はいっ!」

 ルイーズはスタニスラスに全てを任せることにした。
スタニスラスは近くのソファに腰掛ける。

「此方へおいで、ルゥ」

ルイーズは差し伸べられたスタニスラスの手を取って彼の元へ向かう。
目の前まで来ると腰を引かれて後ろ向きにスタニスラスの膝上に座らせる形でルイーズを抱き込んだ。
スタニスラスは指先でルイーズの腰部を撫でる。

「ふぁっ…ん、っ」

腰部を撫でる手つきに反応してルイーズの身体が小さく跳ねる。
スタニスラスの手は右手は太腿に、左手はルイーズの柔らかな双丘の一つに到達した。

「はっ…んぅっ」
「気持ち悪くは無いかい…?」

此処で気持ち悪い等と言われようものならば、立ち直れない程のダメージを受けるだろうがスタニスラスはルイーズを気遣う事を忘れなかった。

「そっ…なこと…ありまっ…せん、わ……っ」

その言葉を聞いて僅かに安堵する。

「…外すよ」
「え…待っ……んぁ」

スタニスラスはルイーズの制止を無視して胸元のボタンに手をかけた。下にはシュミーズを着用しており、布一つ隔てた状態で胸の頂きを人差し指と親指で挟み優しく捏ねる。

「ひぅっ…ぁっ」
「ルゥは此処が弱いんだね」

徐々に固くなる乳頭に刺激を与える度に身体を震わせて反応を示す彼女に、スタニスラスは僅かな嗜虐心が湧き先程よりも強めに摘み眼前に晒すルイーズの首筋に舌を這わせた。

「やっ……い…ゥ……ッぁ」

執拗に乳頭ばかり弄るスタニスラスにルイーズは僅かな物足りなさを感じて更なる刺激を求め、眉尻を下げてスタニスラスを蕩けた視線で見つめる。
恍惚とした表情を間近で見て、求める視線にスタニスラスは思わず反応してしまう。
おまけに、上の方からシュミーズの中に手を入れて直接胸を揉みしだけば手に吸い付くような質感にマシュマロのように柔らかい弾力に欲情しない男はいないだろう。

──や…わらか……ッ

初めて触れる女性の乳房。それも、好きな女性のものなのだと思うと下半身に熱が集まるのは必然で。

「ルゥ…ごめん。背凭れをしっかり掴んでるんだよ」
「ふぇ…?」

スタニスラスはルイーズを膝上から降ろし立ち上がると、ルイーズの身体を反転させ膝立ちでソファの上に乗せ背凭れに手をつけさせる。
左手をスカートの中に入れ、太腿を撫で上げながら付け根へと北上する。
下穿きはしていないようで直に指先に彼女の大事な部分が触れる。
ルイーズのソコは既に潤沢に濡れそぼっており、指に蜜が絡み付いてくる。
スタニスラスは官能が疼き、ルイーズの首筋に何度も口付けて吸い付いた。
ルイーズはすぐ横に顔を埋める愛しい人を横目に、甘えているようだと思い愛おしさが増す。

「スタンさ……ぁンッ!!」

ルイーズは愛しい人の名前を口にしようとすると、強い刺激に軽く身体を仰け反らせた。
スタニスラスが親指で彼女の陰核を直接摩り上げ刺激を加えていく。

「あっ…ゃ。んン、っ…ッぁ…すた、ンッ…さ…まあああぁぁ───……ッ!!!」

ルイーズは弓なりに反って登り詰める。
その瞬間、ルイーズの身体からナニカが抜け出し昇天して行った。
スタニスラスは最後まで耐え抜いた自分を心の中で褒めながら安堵の息を吐いた。
ルイーズは初めての絶頂にそのまま気を失ったようで、スタニスラスは乱れた衣服を整えてやる。
ルイーズは気を失ってから五分もしない内に目を覚ました。

──もう少し眠ってくれていても良かったんだけどな……

なんて、思っているスタニスラスの事情など知る由もないルイーズは、ソファに腰掛けるスタニスラスの姿を認めると勢い良く立ち上がり何度も何度も頭を下げた。

「申し訳ございませんっ、本当に、申し訳ございませんっっ。わ、わたくし…スタン様になんて事をっっ」
「ルイーズの所為じゃないんだから、そう気にしなくていいよ」
「し、しかしっ…」
「私の方こそごめんね?他に良い方法があれば良かったんだけど……」
「いえっ…そんな」

ルイーズはスタニスラスの言葉に萎縮してしまい首を振ることしか出来なかった。

「提案なんだけど、確かムルエラ国に記憶を封印することが出来る御老人がいたと思うんだ。その御老人をお呼びして今回の記憶を封印してもらおうか」

明日にでも声をかけてみるよ、とスタニスラスは提案した。

「それって…スタン様も忘れるってことですか…?」

ルイーズは顎を引いて上目遣いにスタニスラスを見つめ尋ねる。

「その方がルゥにとってもいいだろう?」

本当は忘れたく無いけどという思いは心の奥底に飲み込んで、務めて穏やかな笑みで返す。

「…です…」
「え?」
「嫌…です。……スタン様との思い出は何一つ忘れたくありませんっ、」

思いがけないルイーズの言葉にスタニスラスの動きが止まる。
ルイーズは羞恥に顔を赤らめ瞳を潤ませながらも、芯のある目をスタニスラスに向けた。

「……そ、うッ……かい、」

このまま覚えていても、生殺し状態が続くだけだから勿体ないが仕方ないと思った矢先の出来事でルイーズの思わぬ返答にそう答えるのが精一杯だった。

──どうやら、私の生殺し状態はこの先も続くようだ…

スタニスラスはソファに深く腰掛け、天井を仰ぎ見た。

「ルゥは身体が何ともないなら先に戻っていていいよ」

スタニスラスは当分この場から動く事は出来ないだろう。
折角、治まってきていた熱が再び熱を帯びて来ていた。

「スタン様は戻らないのですか?」
「私はもう少しゆっくりしてから出るよ」
「ならば、わたくしも一緒にいますわ。一秒でも長く、スタン様と二人きりになれるチャンスですもの」

そう言って、ルイーズは無邪気に笑いスタニスラスの隣に座った。

「ん゙っ……」

あんな事があった後だ。ルイーズの笑顔にあてられて変な声が出てしまったスタニスラスは悪くないだろう。
ただ、スタニスラスの下半身を覆うように膝上に掛けられたままのブレザーはまだまだ外す事が出来ないことは確かであった。




​───────​───────

反省はしている。後悔はしていない( ー`дー´)キリッ
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感想 18

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