34 / 44
第一章
30 ヒヨコ
しおりを挟む
多部side
(はぁ……駄目だ駄目だ)
意識しないでおこうと思ってたけど、自然と目が追いかけてしまう。
黄色のヒヨコ……
天真爛漫さと、屈託のない笑顔、可愛い顔に真ん丸おめめ……それに金髪のふわふわ頭。
想の店で出会って俺は佐倉にどんどん惹かれていった。
想はもちろん守ってあげたいと思ったけど……佐倉に関しては守って、甘やかして、俺に依存させて……誰にも渡したくないんだよね~
連夜にも、らしくなく必死に頼んで佐倉を許して貰ったんだけど、まさか監視役で一緒に住むとか……もうさ! 意識しちゃうじゃん?
一つ屋根の下にあの可愛いヒヨコがいるんだよ? 俺は毎日理性をフル動員させながら耐えているんだよ?
しかも、佐倉の過去を知れば知るほど、誰にも渡したくないし自分に甘えて欲しいって思うんだけど……
何か避けられてる? ぐらい部屋からは出てこない。
こうなったら迎えに行って、アピールしまくるから、覚悟して?
「まさかこんなに誰かの事に必死になるなんてね……」
おれは自嘲気味に笑いながら、想の店へと向かった。
しかし……想が佐倉くんに何かしたら、大キライになるって言われた時の連夜の顔は最高だった! あの二人もやる事やってるんだから、素直になればいいのに……連夜は好きな子に意地悪するタイプだし、想はネガティブに捉え過ぎだし。
まあ、それが面白いんだけどね? ふふふ
「何か……多部ちゃん悪い事考えてる?」
あ、ヤバッ! 佐倉には何故か気付かれちゃうんだよね? じゃあ、俺の気持ちも気付いてよ~って感じだけど……
まあ、その鈍感さも可愛いけど。
絶対逃さないから覚悟しててね?
「佐倉の事考えてただけだよ?」
ニコリと微笑むと、その瞬間、顔が真っ赤になる佐倉を見て内心ニヤニヤが止まらなかった。
(はあ……いっぱい恥ずかしくさせて、困らせて、めちゃくちゃ甘えさせて俺の事だけをずっと考えさせたい)
「ふふふ、顔真っ赤だけどどうしたの?」
「……っ、な、なんでもないよ! 暑いからかなぁ~」
ほんと可愛いなぁ……
この手は使いたくなかったけど、連夜が想にしたように契約書で縛りつけようかな?猫カフェ再建の話も、連夜に許可は取ってあるし。
もちろん土地も建物も俺が出すから……でも……ふふふ、聞いたら佐倉はどんな顔するかな?
とりあえず、今日帰ったら話してみようかな。
俺は今夜の事を考えるとワクワクが止まらなかった。
――――――――
連夜side
想の店に迎えにきたけれど、相変わらずうっとりしながらコーヒーを淹れてる。
(はぁ……可愛いが過ぎる)
つくづく想に出会ってからの俺は甘すぎる。
想に嫌われたくない! ただそれだけで佐倉くんくんを雇っちゃったし……
あの二人、本当に気が合うみたいで、仲が良すぎてめちゃくちゃ苛つくし、羨ましい。
だから……佐倉くんは、多部ちゃんに早く喰われてよ。あの多部ちゃんが必死で頼んで来たとか、笑えるっしょ? 他人なんて寄せ付けない多部ちゃんだよ?
俺より腹黒だから絶対囲う理由を何か考えてるはずだろうし……
そういえば想の借金もだいぶ減ったんだけど、この先どうしようかな……想も俺の事嫌いではないと思うし、このまま一緒に居たいと思ってるはずだけど?
(あ、いい事閃いたかも)
「あ、連夜さん、いらっしゃいませ」
「……ん」
「もうすぐ終わるし、ちょっと待っててな?」
「わかった。そういえば、今日辰巳さんと輝久さんが家に来るから想を紹介しなきゃね」
「え……辰巳さん達って櫂の親御さん達やんな? だ、大丈夫やろか? すでに緊張してきた」
「ふふふ、ニ人共良い人達だし大丈夫だよ」
まあ、想を買った時はモノじゃない! ってめちゃくちゃ怒られたけどね~櫂がきっと上手く話してるだろ。多分……
不安そうにしている想の手を後部座席で握りながら、今後も想との関係を縛りつけれるようにさっき閃いた事を実行しようと頭の中で画策していた。
(はぁ……駄目だ駄目だ)
意識しないでおこうと思ってたけど、自然と目が追いかけてしまう。
黄色のヒヨコ……
天真爛漫さと、屈託のない笑顔、可愛い顔に真ん丸おめめ……それに金髪のふわふわ頭。
想の店で出会って俺は佐倉にどんどん惹かれていった。
想はもちろん守ってあげたいと思ったけど……佐倉に関しては守って、甘やかして、俺に依存させて……誰にも渡したくないんだよね~
連夜にも、らしくなく必死に頼んで佐倉を許して貰ったんだけど、まさか監視役で一緒に住むとか……もうさ! 意識しちゃうじゃん?
一つ屋根の下にあの可愛いヒヨコがいるんだよ? 俺は毎日理性をフル動員させながら耐えているんだよ?
しかも、佐倉の過去を知れば知るほど、誰にも渡したくないし自分に甘えて欲しいって思うんだけど……
何か避けられてる? ぐらい部屋からは出てこない。
こうなったら迎えに行って、アピールしまくるから、覚悟して?
「まさかこんなに誰かの事に必死になるなんてね……」
おれは自嘲気味に笑いながら、想の店へと向かった。
しかし……想が佐倉くんに何かしたら、大キライになるって言われた時の連夜の顔は最高だった! あの二人もやる事やってるんだから、素直になればいいのに……連夜は好きな子に意地悪するタイプだし、想はネガティブに捉え過ぎだし。
まあ、それが面白いんだけどね? ふふふ
「何か……多部ちゃん悪い事考えてる?」
あ、ヤバッ! 佐倉には何故か気付かれちゃうんだよね? じゃあ、俺の気持ちも気付いてよ~って感じだけど……
まあ、その鈍感さも可愛いけど。
絶対逃さないから覚悟しててね?
「佐倉の事考えてただけだよ?」
ニコリと微笑むと、その瞬間、顔が真っ赤になる佐倉を見て内心ニヤニヤが止まらなかった。
(はあ……いっぱい恥ずかしくさせて、困らせて、めちゃくちゃ甘えさせて俺の事だけをずっと考えさせたい)
「ふふふ、顔真っ赤だけどどうしたの?」
「……っ、な、なんでもないよ! 暑いからかなぁ~」
ほんと可愛いなぁ……
この手は使いたくなかったけど、連夜が想にしたように契約書で縛りつけようかな?猫カフェ再建の話も、連夜に許可は取ってあるし。
もちろん土地も建物も俺が出すから……でも……ふふふ、聞いたら佐倉はどんな顔するかな?
とりあえず、今日帰ったら話してみようかな。
俺は今夜の事を考えるとワクワクが止まらなかった。
――――――――
連夜side
想の店に迎えにきたけれど、相変わらずうっとりしながらコーヒーを淹れてる。
(はぁ……可愛いが過ぎる)
つくづく想に出会ってからの俺は甘すぎる。
想に嫌われたくない! ただそれだけで佐倉くんくんを雇っちゃったし……
あの二人、本当に気が合うみたいで、仲が良すぎてめちゃくちゃ苛つくし、羨ましい。
だから……佐倉くんは、多部ちゃんに早く喰われてよ。あの多部ちゃんが必死で頼んで来たとか、笑えるっしょ? 他人なんて寄せ付けない多部ちゃんだよ?
俺より腹黒だから絶対囲う理由を何か考えてるはずだろうし……
そういえば想の借金もだいぶ減ったんだけど、この先どうしようかな……想も俺の事嫌いではないと思うし、このまま一緒に居たいと思ってるはずだけど?
(あ、いい事閃いたかも)
「あ、連夜さん、いらっしゃいませ」
「……ん」
「もうすぐ終わるし、ちょっと待っててな?」
「わかった。そういえば、今日辰巳さんと輝久さんが家に来るから想を紹介しなきゃね」
「え……辰巳さん達って櫂の親御さん達やんな? だ、大丈夫やろか? すでに緊張してきた」
「ふふふ、ニ人共良い人達だし大丈夫だよ」
まあ、想を買った時はモノじゃない! ってめちゃくちゃ怒られたけどね~櫂がきっと上手く話してるだろ。多分……
不安そうにしている想の手を後部座席で握りながら、今後も想との関係を縛りつけれるようにさっき閃いた事を実行しようと頭の中で画策していた。
29
お気に入りに追加
56
あなたにおすすめの小説
未経験でも出来ますか?
七々虹海
BL
両親が事故で死んでしまった。
俺、島野瑞希。残されたのは多額の借金。
借金を返せとやってきてのは、高校時代の同級生…鈴木遼一で。
借金返済の為に男性向けソープで働けって……それってなに?
瑞希と遼一、視点が変わる時はページを変えていきます。

飼われる側って案外良いらしい。
なつ
BL
20XX年。人間と人外は共存することとなった。そう、僕は朝のニュースで見て知った。
なんでも、向こうが地球の平和と引き換えに、僕達の中から選んで1匹につき1人、人間を飼うとかいう巫山戯た法を提案したようだけれど。
「まあ何も変わらない、はず…」
ちょっと視界に映る生き物の種類が増えるだけ。そう思ってた。
ほんとに。ほんとうに。
紫ヶ崎 那津(しがさき なつ)(22)
ブラック企業で働く最下層の男。悪くない顔立ちをしているが、不摂生で見る影もない。
変化を嫌い、現状維持を好む。
タルア=ミース(347)
職業不詳の人外、Swis(スウィズ)。お金持ち。
最初は可愛いペットとしか見ていなかったものの…?

嫁側男子になんかなりたくない! 絶対に女性のお嫁さんを貰ってみせる!!
棚から現ナマ
BL
リュールが転生した世界は女性が少なく男性同士の結婚が当たりまえ。そのうえ全ての人間には魔力があり、魔力量が少ないと嫁側男子にされてしまう。10歳の誕生日に魔力検査をすると魔力量はレベル3。滅茶苦茶少ない! このままでは嫁側男子にされてしまう。家出してでも嫁側男子になんかなりたくない。それなのにリュールは公爵家の息子だから第2王子のお茶会に婚約者候補として呼ばれてしまう……どうする俺! 魔力量が少ないけど女性と結婚したいと頑張るリュールと、リュールが好きすぎて自分の婚約者にどうしてもしたい第1王子と第2王子のお話。頑張って長編予定。他にも投稿しています。

【連載再開】絶対支配×快楽耐性ゼロすぎる受けの短編集
あかさたな!
BL
※全話おとな向けな内容です。
こちらの短編集は
絶対支配な攻めが、
快楽耐性ゼロな受けと楽しい一晩を過ごす
1話完結のハッピーエンドなお話の詰め合わせです。
不定期更新ですが、
1話ごと読切なので、サクッと楽しめるように作っていくつもりです。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
書きかけの長編が止まってますが、
短編集から久々に、肩慣らししていく予定です。
よろしくお願いします!

美貌の騎士候補生は、愛する人を快楽漬けにして飼い慣らす〜僕から逃げないで愛させて〜
飛鷹
BL
騎士養成学校に在席しているパスティには秘密がある。
でも、それを誰かに言うつもりはなく、目的を達成したら静かに自国に戻るつもりだった。
しかし美貌の騎士候補生に捕まり、快楽漬けにされ、甘く喘がされてしまう。
秘密を抱えたまま、パスティは幸せになれるのか。
美貌の騎士候補生のカーディアスは何を考えてパスティに付きまとうのか……。
秘密を抱えた二人が幸せになるまでのお話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる