溺愛コーヒーの淹れ方

茶山さく

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第一章

12 溺れそう※微R18

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 アカン!迷ったのもあって遅くなってしもた!!
 怒ってたらどうしよ……


 ― コンコン -

 俺は恐る恐る部屋のドアをノックして、お盆に乗せたコーヒーと共に部屋を開け入った。

「想、待ってたよ」
「遅くなってごめん、なさい……」
「はは、いいよ。一緒にお茶しよっか?」
 連夜さんはそう微笑むと、夏目さんが焼いてくれたというクッキーを持ってきて、一緒に目の前のソファに座った。
 

 ― ゴクッ -

「ん、美味い。…昨日も思ったけど、想の淹れるコーヒーはやっぱり美味いな」
「あ、ありがとう……」
 急な言葉に、ドキッと心臓が跳ね上がる。
 アカン、イケメン過ぎて顔見られへん!!

 な、何でこんなに甘い雰囲気やねん!!もうっ//無駄にあのエロ大魔神がイケメンなんがわるいて!!



 うつむく俺に笑いながら近付き、顎を持ち上げられると、またしてもチュッとキスをされる。

 ほのかにコーヒーの味がする…


「…んっ、やだ……待って」
「待たない」

 連夜さんの舌でペロリと唇を舐められたかと思うと、隙をみて唇を割ってきた舌に絡み取られ、深いキスをされる。

「んぁ…やぁ、ぁっ…」
「ちゅっ…はぁ、可愛い…」
「想…もっと…くち、あけて…」
「んっ…ぁ、むっ、り…」
「あ…んっ…」

 いつの間にか隣に座ってる連夜さんに色々な角度で口付けをされる…
 部屋中に甘い声と水音が響き渡り恥ずかし過ぎる…




 …んっ…アカン…

 このキス、気持ちよ過ぎる…

 ここ数年は誰かとキスなんかする暇無かったし…

 
 溺れてまう…

「ぁ…ちゅっ…やらぁ。連夜さん…もぅ…や、めて…」
 下半身に熱を感じてきた俺は、泣きながらポカポカと胸を叩く。
 唇を少し外された時、俺は肩を力いっぱい押してハァハァと肩で息をしなアカンくらい酸欠になってた…




「っ…エッロ…」

 2人の唾液でグチャグチャになった唇をペロリと舐めながら連夜さんはセクシーな声でそんな事を言う…

 しばらくして、また近付いてくるイケメンの唇を手でガードして抵抗してた時やった…






 - コンコン -



「失礼します…あ、失礼しました。」
 ドアをノックして開け、中を見てすぐ閉めようとする夏目さんに必死で訴える。

「な、な、夏目さん…いかんといて~」
 俺は必死で体を起こして夏目さんの方に逃げる…

「…チッ!」
 え、今すんごい舌打ち聞こえたけど…

 と、とにかく助かったみたい。

 とりあえず、このエロ大魔神の隣から逃げ出して夏目さんの方に行くと、連夜さんも一緒に立ち上がり、髪をかき上げながら夏目さんの方に歩き出す。

 こころなしか、空気がヒンヤリするんやけど…

 アカン!
 髪をかき上げる仕草も何かイケメン…
 しかもさっきまであの唇で…
 
 うわぁああ!

 な、なに考えてんねん俺は!!

 頬に熱を感じながら、連夜さんを見んように夏目さんに問いかけた。
「な、夏目さん、どうしたん?」
「えっ、あ、そろそろ店に行くかなって思って迎えに…(やばい…連夜に殺されるわ…)」
「えっ?!ホンマ?めっちゃ嬉しい!」

 あ、でも行っていいか連夜さんに確認せな。
 もう見ても大丈夫かな?

 連夜さんに近付いて、見上げて尋ねる。

「……いっていい?」
「……やばっ……」
「?」
「……っ……いいよ……」
「ほ、ホンマに?ありがとう!」
 
 そうと決まれば早くここを抜け出さな。
「な、夏目さん行こ!」
「ちょっ…想、腕っ!!(本格的に殺される…)」
 こうして俺は夏目さんの腕を引っ張りながら、急いでエロ大魔神の部屋から離れた。



 ◇◇◇◇◇◇◇

 連夜side




 部屋に取り残された俺は1人ニヤニヤが収まらなかった。


 想の唇は甘すぎた…
 そしてエロ過ぎる…

 涙目になりぷるぷる震えながらも、俺の舌に絡め取られると甘い声を出す…
 久々に下半身に熱を感じながら、この後ベッドへ行こうと思ったのに…

 邪魔が入った。



 はぁ……


 夏目さんを半殺しにしようと思ってたら、想から可愛すぎるお願い。

 あれは反則…


 可愛すぎる。



「……イっていい?」のセリフはベッドで言わせたいからな?覚悟しろよ?




 悶々としながらも今日の仕事を早急に片付けて、俺も想の店に行ってみようと思った。



 あと、想に腕を引かれた夏目さんには、後でたっぷり仕事を押し付けることに決めた。



    
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