王子の苦悩

忍野木しか

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最終章

生き残ったもの

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 吉田障子は何度も何度も目を擦った。
 眠気を感じていたわけではない。やっと夢から覚めたようなそんな心地だった。
 障子の手の中にはまだ新しい白い布があった。それは鈴木夏子が縫った千本針で、けれど彼女の姿はもうなく、障子がずっと背負い続けてきた山本千代子の姿もない。おおよそ七十年、ずっと入れ替わったままだった二人の魂がとうとう元あった場所に帰った。そうして二人はやっとあの世へと旅立った。だけど障子の心は軽くならなかった。むしろ重くなった体に、哀しみと切なさがズッシリとのしかかって、もう一歩とて動けそうにない。障子は千本針を握りしめたままわんわんと泣き続けた。
「イタッ!」
 しばらくして、メソメソと鼻水を啜っていた障子の体がビクッと飛び上がる。また青い薔薇の棘が手に刺さったのだ。
「紗夜……先輩?」
 障子は指を舐めると、むせ返るような甘い香りに目を瞬きながら、恐る恐る薔薇を持ち上げた。まだやらなければいけない事があって、だからいつまでも子供のように泣き喚いているわけにはいかないぞと、叱られたような気持ちになる。障子はその薔薇を先輩の手に返さなければならなかった。それは誰に言われたことでもない。障子自身が決めたことである。
 障子は涙を拭うと、足を震わせながら立ち上がった。それでも溢れ出てくる涙を拭い、ひっくと喉を鳴らした。白い布を右手に、青い薔薇を左手に、暗い廊下の先を見つめる。とてもゆっくりとしたペースで、先輩の名前を呼びながら、千代子と夏子のことを想いながら、歩き出す──。
「うわっ」
 するとすぐに校舎が明るくなった。
 静寂が消え去り、沢山の声と活気に包まれる。窓の向こうは陰鬱な雲に覆われていたが、長いこと夜を歩いていた障子にとっては真夏の校庭のように眩しく、校舎を歩く生徒は少なかったが、長いこと一人だった障子にとっては祭りの最中のように騒がしい。障子は怖くなって廊下の影にそっも身を寄せた。
「あれ?」
 と、すぐに身を乗り出した。
 見覚えのある少女を見たのだ。小柄でおかっぱ頭の少女。まん丸とした目に柔らかそうな頬。山本千代子が廊下の先から恐々と障子を見つめていた。
「千代子ちゃん?」
 千代子はひまわりの種を落としたハムスターのようにピョッと飛び上がった。陽の光に明るい木造の校舎に小さな足音が響き始める。
「あ、待ってよ!」
 障子もまた飛び上がると、彼女の後を追って駆け出した。


 澄み切った夜空が窓の向こうに広がっていた。
 それは冬に近い秋の景色か。
 まるで木枯らしのように、花子の破壊した壁の向こうから、絶えず冷気が流れてきた。
「つ、つまり……」
 徳山吾郎は声を震わせていた。
「つまり生徒たちは……」
 ひどく怯えた様子で、乾いた唇を舐めながら、慎重に言葉を紡いでいった。
「こ、この学校の誰かに殺されたと……?」
「ああ」
 カボチャの仮面が傾けられる。清水狂介は長い腕を組みながら、普段通りの飄々とした態度で、虚空に視線を漂わせていた。
「く、空襲が直接的な原因ではなかったと……? 何者かが防空壕の出口を塞ぎ、そうして生徒たちの命を奪ったと……? つまり……つまりそれは、戦争とは関係のない、猟奇殺人であったと……?」
「さて」
「さて、ではなかろう! その考えが正しいというのなら……それは、ま、ま、まさに集団殺人事件だ! 途方もない数の生徒が死んでいる! それを……そ、そんな……ま、ま、まさか、それを行った人間がこの学校に……」
「飛躍し過ぎでしょ」
 三原麗奈はどこか気怠げに腕を組んでいた。その瞳は空色のまま、自らが傷付けた左の頬の火傷を隠す素振りもない。
「確かにあの女神像自体に存在意義はなさそうだった。けど、だからってそれがカモフラージュの為だったなんて話は流石にぶっ飛び過ぎてて面白くない。戦争の後、暇で暇で暇で暇で仕方なかった暇人が、校舎の西側が何となく寂しいなーって、じゃあ噴水でも置いてみよっかなって適当に建てた可能性の方が現実的だし。……まぁ、仮にアンタの言う通りアレが何かのカモフラージュだったとして、それが防空壕の出口でしたなんて妄想、あまりにもバカバカし過ぎて君の頭が心配だよ。そもそもさぁ、たとえ出口が二つあったとして、その一つを噴水でカモフラージュしようなんてマジでバカ通り越して火に飛び込むゴリラ以下でしょ。むしろ目立つってば。ナンセンスなんだよねー」
「そ、その通りだッ!」
 吾郎は流れ星をヘディングするように大きく頷いた。その勢いで黒縁メガネが大穴の向こうに飛んでいった。
「別にカモフラージュだと断定したわけではない。ただオブジェと壁に繋がりがないことを確認しておきたかったのみ」
「どうしてかな?」
「壁の作者が小野寺文久だからだ」
 麗奈はうっと口を紡いだ。彼女にとって小野寺文久の存在は未だに恐怖の対象だった。その名前すらも不愉快で、麗奈はツンとそっぽを向いた。
「であるならばあのオブジェも怪しいと──。だが、杞憂だった。麗奈の言う通り、アレはナンセンスだ」
「麗奈ってゆうな。死ね」
「つまりアレは無用の長物。超芸術トマソンに近い」
「ならば、どうして防空壕の出口のカモフラージュなどという突拍子もないことを言い始めたんだね?」
 大穴の向こうからトボトボと吾郎が帰ってきた。吹っ飛んでいったメガネは無事のようである。
「それが本当であったならば絶対に無視できない話だが」
「今や無用の長物と成り果てたアレにも始まりには何らかの意図があったはず。それがカモフラージュであったとするならば、防空壕の出口だろうと予想したまで」
「だからそれが突拍子もないと言ってるんだが。そもそも空襲の最中に防空壕を塞ぐ余裕などなかろう」
「もしその空襲自体が作り話だったとしたら」
「はあ……?」
「空襲はなかった。それが俺の考えだ」
「あーのーさぁー」
 明後日の方をツンと見つめていた麗奈の視線が戻った。今の言葉には流石に呆れ果ててしまった。空色の瞳を極限まで細めた麗奈はカボチャの仮面を被った彼の頭を本気で心配するように睨んだ。
「君、多動思考だよね? どんどんどんどん話が飛躍していくよ? もう喋るの辞めて病院行った方がいいよ?」
「落ち着け。空襲による悲劇か、殺人による惨劇か、そこに大きな違いはない」
「あり得ないから! 私はこの瞳で戦争を見てるの! 空襲による惨劇がこの夜に刻み込まれてるの!」
「いいか、麗奈」
「だから麗奈って呼ぶな!」
「記憶など当てにはならない」
 麗奈はカーッと頬を赤らめた。刹那の内に、どうしようもなく燃え上がった怒りに、指先が震えた。どんどんと進んでいく狂介の思考を追うのは難しかった。お門違いだと頭から否定してやりたかった。空襲がなかったなどと、歴史が違ったなどと、それこそ絶対にあり得ない。もしそれが本当だったならば、それは舞台の根底が覆るような、世界の崩壊だった。
「空襲のあった過去は消えない。それはヤナギの記憶だけじゃない、この街に記録として残されてる」
「言い方が悪かった。この学校は空襲の被害に遭っていない」
「それがあり得ないって話! この学校は焼け落ちたの。空襲で皆んな死んじゃったの。だからこんな夜が生まれたんじゃない!」
「ならばどうして西側の校舎は被害に遭わなかった」
「それは……」
 麗奈はまたグッと口を紡いだ。確かに空襲の被害に遭ったのはこの学校の講堂のみで、校舎の西側に被害はなかった。
「空襲にあったのは講堂のみだという。だが、それでは被害の規模と釣り合わない」
 そもそもほぼ全ての生徒と教師が犠牲となった空襲において、その爆撃の中心となった講堂の真横で揺れるシダレヤナギが生き残っていること自体が不自然であった。
 麗奈は激情に瞳を揺らしながら、見えなくなった世界をそれでも見渡そうと、彼からプイッと視線を逸らした。
「あの、話を戻しても宜しいか……?」
 吾郎は弱々しく口を窄めていた。完全に置いてけぼりを喰らわされていた彼だったが、それでも女神像の一件をそのまま放置する気にはならなかった。
「その、どうして女神像が防空壕の出口のカモフラージュなどという話になったのか、もう少し詳しく聞きたいのだが……?」
 ちょうどその時、呆然と床にへたり込んでいた宮田風花の側で、小田信長がひょこりと顔を上げた。花子の開けた大穴の向こうから彼が慕う先輩である鴨川新九郎の野太い声が響いてきた気がしたのだ。「先輩?」と首を傾げた彼はやはり自分を呼ぶ新九郎の声が聞こえてきたような気がして、するともう居ても立っても居られなくなって、トンボを見上げた猫のようにタッと飛び上がると、夜の奥へと駆け出した。風花もまた驚いて「信長くん!」と敏捷な母猫のように彼を追いかける。やれやれと立ち上がった長谷部幸平がミイラ衣装そのままにノロノロと二人の後に続いた。
「俺は、この学校の防空壕はいわゆる防空洞と呼ばれる形、つまりは坑道のような作りだったと考えている」
 彼らの行動は狂介たちの視界に入らなかった。巫女の瞳を持つ麗奈でさえも消えてしまった三人の影に気付いていない。
「防空洞だって? トンネルのような作りだったと言いたいのかね?」
「全校生徒が隠れられる規模で、生徒たちが素早く避難出来るよう設計するとすれば、学校の西端から東端へと繋がる坑道のような形が好ましい」
「まさか……。貧しい時代にそこまでの労力を費やせるとは思えんが……」
「この学校の裏手は土地が低い。ここは高台にあるんだ。職員駐車場の擁壁がそのまま城壁となっていたのはその為。下に掘り進める工事となれば確かに大規模な労力が必要となろう。だが、横に掘り進めるだけでいいというのなら、むしろ途中で止まってしまうよりは、トンネルのように二つの出入り口を繋げてしまった方が全校生徒を避難させるための防空壕として利便性が高くなる」
「ふぅむ。いいや、たとえ防空洞だったとして、あの女神像が塞がれた出入り口を隠すためのカモフラージュだったなどと、やはり話が飛躍し過ぎている」
「吾郎くんも東側に残された旧校舎には疑問を覚えていただろう。この学校の誰もが旧校舎の存在に意識を向けていたはず。そしてヤナギの霊の噂もある。七不思議で有名なシダレヤナギもまた学校の東側に存在している。そこに校舎の西側に意識を向けさせまいとする何者かの意図が感じられる」
「ならばどうして天使像までもが七不思議に加えられていたんだね?」
「ただの無用の長物ではすぐに撤去されてしまうからだ」
「それは……あまりも稚拙ではないか? たかが旧校舎を残したぐらいで、ましてや七不思議などという子供騙しを流行らせたくらいで、天使像の存在を隠し通せるはずがない」
「その通りだ。だからこそアレはナンセンスなんだ。壁との繋がりがあろうはずもない。凡庸な作者による稚拙な仕掛けといえよう」
 狂介は如何にも退屈げに腰に手を当てていた。すでに彼の思考は次の次へと進んでしまっている。
 それでも吾郎は喰い下がるように質問を続けた。憔悴し切った可愛い幼馴染の手前、こんなヌッと現れたような高身長イケメン部外者を相手に、生徒会書記である自分までもが論破されるわけにはいかないと──。そんな小さなプライドを胸に吾郎は黒縁メガネをギラギラと光らせた。
「ならば、ならば先ほどの空襲がなかったという話は? 空襲がなかったなどと、それこそあり得ない話だと僕は思うがねぇ?」
「先ほども言ったように空襲による被害と規模が釣り合っていない」
「だからといって話があまりにも飛躍し過ぎている。空襲がなかったのならば生徒たちが集団で命を落とすこともなかっただろう。そもそも防空壕の中には逃げ込まない。そして何より、ほら、周りを見てみろ。この夜の校舎の存在こそが何よりの証拠さ。空襲の悲劇はここに記憶として残されているんだ」
「もう一度だけ言っておこう。記憶など当てにはならない。特に年端もいかぬ少女の記憶など──先ほど花子を復活させられたのもその為」
 そんな吾郎の質問攻めに対して、狂介はいつになく律儀であった。どうにも黒縁メガネをクイクイと動かして止まない彼のことが気に入った様子である。
「吾郎くんの言う通り、この街に空襲があったのは事実なのだろう。ゆえに何者かによる惨劇が可能となったとも推測できる」
「どういう意味かね?」
「空襲警報と絨毯爆撃だ。あたかも地震や火事と同じように、それを聞いた生徒たちは一目散に防空壕へと逃げ込んだはず。その際に片側の出口を塞げば、防空壕は袋のネズミとなり、個人による集団殺人も安易となる。あとは講堂を燃やすだけで証拠は残らない。いいや、たとえ残ったとしても、大戦末期の空襲の最中に行われた惨劇だ。隠し通すのはそれほど難しいことじゃない」
「ま、まさか……。あり得ない……。よくもそんな恐ろしいことを……」
「ああ、恐ろしい。想像の及ばぬ事態だ。一人の少女がそれを空襲による悲劇だと思い込みながら死んだとしても不思議ではない。この夜の校舎はそうした幻想の中で完成した」
「しかし……しかし……」
「そして吾郎くん、これらの考察もまたナンセンスなんだ」
 すっかりとしょげてしまった吾郎はそれでも何とかメガネの位置を直した。チラリと麗奈を振り返るも、彼女は大穴の奥を睨んでおり、二人の会話などもはや眼中にもない様子だった。
「ナンセンスとは?」
「誰がどのようにして死んだか。どうして女神像が作られたか。それらの考察に意味はない。我々は歴史の探究者ではないんだ」
「はぁ……」
「重要なのは女神像の作者」
「回りくどいやつ」
 麗奈はやっと顔を上げ、彼と正面から向き合った。その瞳は淡い栗色に戻っていた。
「要はそいつが鍵だって話でしょ」
「うむ」
「そいつが生き残りだから」
「そうだ」
 狂介はコクリとカボチャの仮面を傾けた。何処までも暗い大穴の奥に視線を向ける。ブラックアンドグレーの髑髏のタトゥーが彼の右腕で微笑んでいる。
「その者の記憶は戦前から戦後へと繋がっている」
「つまり」
「つまり過去を変えるためには──」


「三島恒雄は殺すな」
 それはまさに壁が崩壊した瞬間だった。
 刹那の時間の内側で、姫宮玲華は確かに彼の声を聞いた。
「なんで?」
 校舎の時間が止まった。
 舞い上がった砂塵は白い霧のように固まり、崩壊した壁は静止画のように動きを止め、吹き飛んだ椅子や机は奇妙な芸術作品のように宙を漂った。
「小物だからだ。むしろ救ってやれ」
 それは木崎隆明の声だった。何処か機械的な、人としての感情を失ったような、淡々とした響き。だが、玲華には彼の瞳の奥に燻る激情の炎が見えていた。だから玲華は渋々ながらも頷くと、彼女の真下で目を見開いた水口誠也の前髪を撫で、そうして彼女の側で目を瞑ったサラの手をギュッと握り締めた。
「てか、三島恒雄って誰だっけ?」
 玲華はキョトンと白い首を傾けた。すると木崎の表情が柔らかくなる。そんな気がした。木崎の顔は赤黒く鬱血し、両腕はへしゃげ、ダラリとしている。それでもその声は落ち着いていて、聞き取りやすく、この夜の静寂と同じくらい穏やかだった。
「奴はこの学校の教師だ」
「ふーん」
「臆病で、卑怯で、小さな男だ」
「へぇ」
「そして唯一の生き残りだ」
「そっか」
「だから──奴を殺せば取り返しが付かなくなる」
「分かったよ」
 だから玲華も安心して、ふぅ、と窓辺の壁に背中を預けた。
「分かったから。木崎クンも死なないでね」
「分かった」
「約束だよ?」
「ああ、約束だ──」
 木崎はゆったりと笑った。そんな風に見えた。実際には彼の動きは素早くて、目の前にいた宗則の痩せた首に腕を回し、そうして真後ろに落っこちた。平面の教室だったが、その落ちるという動作は至極当たり前のことのように思えた。玲華たちもまた「あっ」と声を上げる間もなく、彼らとは逆の方向へと落ちていった。
 時間が戻った。壁がドカンと破裂した。木屑が弾丸のように飛び散り、砂塵が白い嵐のように渦巻く。凄まじい音と衝撃に目の前が真っ暗になる──。
 それでも校舎の西側に向かって体が落ちていく不思議な感覚だけは玲華には鮮明だった。
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