我が道の疾駆

有村凜咲

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前編

出会い

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僕は佐藤尚志、19歳
写真の専門学校に通っている。

僕は元々めんどくさいことが苦手だった。
そして、特にこれといった趣味もなく

唯一、写真を撮ることだけが好きで、
カメラマンなら気楽になれると思い、
僕はカメラマンを目指した。

「尚志ー、おはよう!」

と声をかけたのは、
僕の親友でもある、鈴村慎太郎だった。

「おお、おはよう」

「なぁ、尚志」

「ん?」

彼はどこか深刻そうな表情だ。

「俺さ、学校卒業したら、上京しようと思うんだけど、尚志もどうかな?」

「え?」

「俺まじでカメラマンなること目指してんだよね!尚志も前に言ってたじゃん、真剣にカメラマンなること考えてるって!」

「あ、ああ……」

僕、そんなこと言ったっけ?

時々、自分の言ったことを忘れる時がある。
でも僕は言っていないと思っている

「やるなら今しかないと思うんだよな!」

「…………………………………」

「尚志!!!?」

!!!

鈴村の声で我に返る。

「あ、ごめん!!」

「尚志って、たまに聞いてない時あるよな」


そう、僕は右から左へと流すことが
しょっちゅうある。
前の彼女にも言われて、
それが原因で別れたんだっけ


「まぁいいけど……、上京の話は考えといてな!おっと、2限目遅れる!!じゃあまたな、尚志」

「あ、ああー」

鈴村は先走っていった。



上京か・・・・・・


鈴村に上京の話を持ち込まれ、
考えながらもカメラを手に構え、写真を撮る。


【 数分後 】


!!

夢中で撮っていると、
ある女の子がこちらに向かって来た。

え・・・・・・?

元カノの、仲西美帆(愛称みぽりん)だった

「あれーー?尚志、こんなとこで何してるのー?」

「い・・・・・・い、や、写真を・・・」

気まずい・・・

「なるほどねぇ!相変わらず、尚志は写真撮るの好きなんだねぇ」

「ま・・・まあ、な」

「ねぇー尚志・・・」
といきなりみぽりんは真剣な顔をした。

「相談にのってほしいんだけど・・・今から大丈夫かな?」



(#2へ続く)
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