サラマ・アンギュース～王位継承者

【第六部：終わりと始まり】序章

いにしえの歌

悲しみと喜びとともに　希望へ向かって歩く
幸せの高嶺に在るときは　澄みきった青空にさえ手が届く
不幸の底に在るときは　雲の厚い空ですら光明の証
太陽と雲が互いに交わり　一縷の黄金の糸は何にも勝り美しい
天は祝福に満ちている

痛みと尊びとともに　希望へ向かって歩く
すべてのものには優しさがあり　慈愛の中にも悲しみがある
恐れは喜びの中で育ち　弱さは誠実な人にこそある真
影は光の足元にかしずき　けして立ち上がることはない
すべては神の望むままに

――サラマ・レーナに伝わる古の歌より