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第3章
ヴィフ・クルール④
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その日の夜から、哲平も窓を開けて寝ることにした。急に家族が入ってきたりしたらすぐ窓から逃げられるし、自由に出入りできる。紺碧のように、紅も自由にしていていいんだよと伝えたが、紅は首を横に振った。
「あたしは、哲平くんのそばが一番安心だから、ずっとここにいるよ」
今日朱里に選んでもらった寝間着に着替えて、紅は布団に入った。
元はといえば、紅のほうから哲平を見込んで近づいてきたのに、こうして生活を共にしてみると、紅が哲平に頼るさまはまるで赤子のようで、むしろ哲平のほうが彼女に振り回されているように感じる。紺碧は、紅が一番若いといっていた。VCとして何歳なのか、そもそもVCの寿命が何年なのかも知らないが、確かに、やや幼い紅の言動は、見た目とは少し不釣り合いな気もする。
人間ではないくせに、見た目だけは可愛い年頃の女の子だから、妙に意識ちゃうんだよな……。実際のところ、「女」なのかも、わからないし……?
考えても、答えは出ない。静かに寝息を立てて安心しきった様子の紅を見ながら、哲平もまた、今日の出来事を消化しきれないままいつの間にか眠りに落ちていた。
「あたしは、哲平くんのそばが一番安心だから、ずっとここにいるよ」
今日朱里に選んでもらった寝間着に着替えて、紅は布団に入った。
元はといえば、紅のほうから哲平を見込んで近づいてきたのに、こうして生活を共にしてみると、紅が哲平に頼るさまはまるで赤子のようで、むしろ哲平のほうが彼女に振り回されているように感じる。紺碧は、紅が一番若いといっていた。VCとして何歳なのか、そもそもVCの寿命が何年なのかも知らないが、確かに、やや幼い紅の言動は、見た目とは少し不釣り合いな気もする。
人間ではないくせに、見た目だけは可愛い年頃の女の子だから、妙に意識ちゃうんだよな……。実際のところ、「女」なのかも、わからないし……?
考えても、答えは出ない。静かに寝息を立てて安心しきった様子の紅を見ながら、哲平もまた、今日の出来事を消化しきれないままいつの間にか眠りに落ちていた。
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