68 / 150
第二章 ガイアの遺伝子編
#68 不死鳥
しおりを挟む
「――ま! ――ちゃま!」
「う……、ううん?」
自分を揺すり起こす声と、同時にぱちぱちと聞き慣れない音。
「――坊ちゃま! 起きてください!」
ぐっすりと眠っていた来人は、イリスに叩き起こされる。
「イリスさん? どうしたんですか?」
「大変です! 森が!」
ぱちぱち、ぱちぱち。
意識を覚醒させた来人は、外から聞こえて来る異音と共に何やら熱を感じる。
そして、イリスの言葉と同時に脳裏に浮かんだその音の正体に驚き、飛び起きる。
「ガーネとジューゴは!?」
「先に向かっていますわ」
「僕たちも行きましょう!」
来人とイリスは外へ出る。
「――酷い。どうして、こんな事に……」
来人の想像通りだ。
自然の大地リンクフォレストの森は火の海に包まれていた。
「分かりませんわ。わたくしも目が覚めたら、急にこんな事に……」
来人たちは周囲の様子を見回してみる。
ガイア族たちは消化に当たる者も居れば、騒ぎの中心に居る“何か”に向かっている者も居る。
ガーネとジューゴは消化班に加勢している様だったが、余りに火の手が早すぎて追い付いていない。
「向こうに何かあるみたいです。行ってみましょう」
来人の言葉にイリスはこくりと頷き、指す方に二人は走る。
少し進むと、昨日も通った橋まで来た。
しかし、その橋も既に燃え落ちていて通る事が出来なくなっていた。
「――イリス、跳ぶぞ」
「へ? 坊ちゃん?」
来人の髪色が白金に染まり、『鎖』の色を発動。
まだ無事な大樹の上方へ向けて鎖のアンカーを放ち、鎖の先をぐっと引っ張り固定した後、イリスを抱き上げたままターザンの様に弧を描いて橋の落ちた先の大樹へと飛び移った。
そしてその先の大樹にアンカーを打ち直し、再び跳躍。
そうやって次々と木々を飛び移って行き、騒ぎの渦中へと辿り着く。
ガイア族たちが集まり、遠巻きに囲う騒ぎの中心に居た者。
それは、轟々と燃え盛る炎を放つ火の鳥。――巨大な不死鳥だった。
不死鳥は悲鳴のような鳴き声を上げながら飛び回り、周囲の緑を真っ赤に染めて行く。
そんな暴れる鳥を諫めようと何人ものガイア族が立ち向かうが、翼の姿で暴走する不死鳥を誰も止められはしない。
「――あれは、お兄様!?」
「お兄様って――、あの鳥が、ジャックなのか?」
「ええ。お兄様の翼の姿、それがあの不死鳥ですわ。でも、どうして? お兄様の声が、聞こえませんわ」
「あいつも、ジュゴロクや山の大地のグリフォンみたいに暴走状態に――」
来人は周囲のガイア族の群衆に目をやり、以前に水の大地で見たのと同じ怪しい人影が無いか探る。
しかし、誰も彼もが必死で消化や羽ばたく火の鳥を止める為に動いていて、この状況を傍観してほくそ笑む何者かの姿は無い。
「――居ないか」
「坊ちゃま! お兄様を!」
イリスの悲痛な訴えに、来人は一度小さく深呼吸をして、そして二本の柱を金色の剣へと変える。
「ああ。イリス、ジャックを止めるぞ」
その時。
一閃、そして一拍遅れての轟音。
来人たちは驚き、その閃光の根元を見る。
そこに居たのは、来人と同じ髪色をした金色の弓を構える青年、ティルだった。
「邪魔だよ」
ティルが次の光の矢を手の中で生成し、再び弓の弦を引き絞る。
「ティル!!」
「それはわたくしのお兄様ですわ! ティル様、お待ちください!」
ティルは来人とイリスを一瞥した後、それを一蹴する様にふんと鼻を鳴らして矢を放つ――、その直前。
「ティル様!」
ティルの傍に走って来たライオンのガイア族、ダンデはあろうことか主人であるティルに体当たりをした。
ティルの矢はその体当たりの勢いで狙いを反れ、大樹に命中。
光速の矢はその威力で大樹に風穴を空けた。
「おい、ダンデ。どういうつもりだ」
ティルは苛立ちを含んだ声でダンデを睨みつける。
「ティル様、あれは我々自然の大地の民の仲間です」
「それは先程聞いた。しかし、このまま放置していては全てが灰になる。だからこそ、私の手でそれを止めてやる」
しかし、ダンデは首を振る。
「ティル様の矢は強すぎます。それでは、あの者の命すら奪ってしまいます」
「私に、矛を治めろと」
「はい」
「お前は、私に楯突くというのか」
「……はい」
これまでティルの元でイエスマンとして従順に働いてしたダンデが、今日初めてその命令に背いて動いている。
ティルは苛立ちを更に募らせるが、ダンデは毅然としてティルの瞳を真っ直ぐとみて、言葉を重ねる。
「我々はこのガイア界に異変の調査に来ました。ですが、今のところ成果は上げていません。しかし、あの者を生かして救うことが出来れば、この異変を起こしている原因が分かるやもしれません」
「では、私の力も無しに、お前があの火の鳥を止められるのか?」
「それは――」
ティルの問いに、ダンデは言い淀んでしまう。
相手は巨大な不死鳥だ。
一分一秒でも早く止めなければ、ティルの言う通りリンクフォレストの森は全て燃え尽きて灰になってしまう。
しかし、ただでさえ強いジャックが暴走状態となり更にその力を増している。
ダンデもまた翼の姿となって挑んだとしても、勝機が有るかどうか。
そうしていると、別の方からダンデに声がかかる。
「ダンデ、そのままティルを抑えておけ! ジャックは、俺たちで何とかする!」
そう言って、来人が颯爽と駆けて炎を撒き散らすジャックに向かって行く。
イリスも四肢を獣の爪へと変え、『虹』を纏い後に続く。
それを見たティルは、やはり苛立ちを多分に含んだ声色で声を荒げる。
「おい! 待て! そいつは私の獲物だぞ!」
しかし、その声に来人が答える事は無く、既に『鎖』での拘束や『泡沫』の水のバブルでの消化を試み始めている。
両の剣は不死鳥からの炎の波の反撃を往なす為だけに使い、その来人の攻撃で致命的な傷を負わせることは無い。
「――くそっ。このままでは、また手柄をあいつに……」
そうティルは苦い心の内を漏らす。
ここに居る者は自身の相棒を含めて皆森を守る事とジャックを救う事、その二つの共通の目的を持って動いている。
しかし、ティルの持ち得る手札では、殺さずに事を治める事は出来ない。
今ティルが独断で動きあの不死鳥を倒したとしても、それは賞賛されることは無いだろう。
それをティル自身も分かっているからこそ、相棒という絶対の味方を失った今下手に動く事は出来なかった。
歯がゆさに苦心するティルに対して、ダンデは更に一つ進言する。
「ティル様、今あそこで暴れている者――ジャックはこの大地の長の側近です」
「そんな事は、知っている」
「ええ、ですから。今、長のリーンを守る者は居ないのです。きっと今頃どこかへ避難しているか、もしくは逃げ遅れてまだ長の間に居る可能性も――」
そこまで言われれば、ティルにだって分かる。
つまり、ダンデはこう言いたいのだ。
自然の大地の長を守るという大義を果たす事は、ここで事件を治める事に等しい。
そして、それはティルの手柄として評価されるだろう、と。
「――長を探す。行くぞ、ダンデ」
「はい、ティル様!」
その進言にリーンを心配するダンデの私情が含まれている事はティルには秘密だ。
こうして、ティルとダンデは長リーンの救出に向かい、来人とイリスは不死鳥となったジャックの制圧に当たった。
「う……、ううん?」
自分を揺すり起こす声と、同時にぱちぱちと聞き慣れない音。
「――坊ちゃま! 起きてください!」
ぐっすりと眠っていた来人は、イリスに叩き起こされる。
「イリスさん? どうしたんですか?」
「大変です! 森が!」
ぱちぱち、ぱちぱち。
意識を覚醒させた来人は、外から聞こえて来る異音と共に何やら熱を感じる。
そして、イリスの言葉と同時に脳裏に浮かんだその音の正体に驚き、飛び起きる。
「ガーネとジューゴは!?」
「先に向かっていますわ」
「僕たちも行きましょう!」
来人とイリスは外へ出る。
「――酷い。どうして、こんな事に……」
来人の想像通りだ。
自然の大地リンクフォレストの森は火の海に包まれていた。
「分かりませんわ。わたくしも目が覚めたら、急にこんな事に……」
来人たちは周囲の様子を見回してみる。
ガイア族たちは消化に当たる者も居れば、騒ぎの中心に居る“何か”に向かっている者も居る。
ガーネとジューゴは消化班に加勢している様だったが、余りに火の手が早すぎて追い付いていない。
「向こうに何かあるみたいです。行ってみましょう」
来人の言葉にイリスはこくりと頷き、指す方に二人は走る。
少し進むと、昨日も通った橋まで来た。
しかし、その橋も既に燃え落ちていて通る事が出来なくなっていた。
「――イリス、跳ぶぞ」
「へ? 坊ちゃん?」
来人の髪色が白金に染まり、『鎖』の色を発動。
まだ無事な大樹の上方へ向けて鎖のアンカーを放ち、鎖の先をぐっと引っ張り固定した後、イリスを抱き上げたままターザンの様に弧を描いて橋の落ちた先の大樹へと飛び移った。
そしてその先の大樹にアンカーを打ち直し、再び跳躍。
そうやって次々と木々を飛び移って行き、騒ぎの渦中へと辿り着く。
ガイア族たちが集まり、遠巻きに囲う騒ぎの中心に居た者。
それは、轟々と燃え盛る炎を放つ火の鳥。――巨大な不死鳥だった。
不死鳥は悲鳴のような鳴き声を上げながら飛び回り、周囲の緑を真っ赤に染めて行く。
そんな暴れる鳥を諫めようと何人ものガイア族が立ち向かうが、翼の姿で暴走する不死鳥を誰も止められはしない。
「――あれは、お兄様!?」
「お兄様って――、あの鳥が、ジャックなのか?」
「ええ。お兄様の翼の姿、それがあの不死鳥ですわ。でも、どうして? お兄様の声が、聞こえませんわ」
「あいつも、ジュゴロクや山の大地のグリフォンみたいに暴走状態に――」
来人は周囲のガイア族の群衆に目をやり、以前に水の大地で見たのと同じ怪しい人影が無いか探る。
しかし、誰も彼もが必死で消化や羽ばたく火の鳥を止める為に動いていて、この状況を傍観してほくそ笑む何者かの姿は無い。
「――居ないか」
「坊ちゃま! お兄様を!」
イリスの悲痛な訴えに、来人は一度小さく深呼吸をして、そして二本の柱を金色の剣へと変える。
「ああ。イリス、ジャックを止めるぞ」
その時。
一閃、そして一拍遅れての轟音。
来人たちは驚き、その閃光の根元を見る。
そこに居たのは、来人と同じ髪色をした金色の弓を構える青年、ティルだった。
「邪魔だよ」
ティルが次の光の矢を手の中で生成し、再び弓の弦を引き絞る。
「ティル!!」
「それはわたくしのお兄様ですわ! ティル様、お待ちください!」
ティルは来人とイリスを一瞥した後、それを一蹴する様にふんと鼻を鳴らして矢を放つ――、その直前。
「ティル様!」
ティルの傍に走って来たライオンのガイア族、ダンデはあろうことか主人であるティルに体当たりをした。
ティルの矢はその体当たりの勢いで狙いを反れ、大樹に命中。
光速の矢はその威力で大樹に風穴を空けた。
「おい、ダンデ。どういうつもりだ」
ティルは苛立ちを含んだ声でダンデを睨みつける。
「ティル様、あれは我々自然の大地の民の仲間です」
「それは先程聞いた。しかし、このまま放置していては全てが灰になる。だからこそ、私の手でそれを止めてやる」
しかし、ダンデは首を振る。
「ティル様の矢は強すぎます。それでは、あの者の命すら奪ってしまいます」
「私に、矛を治めろと」
「はい」
「お前は、私に楯突くというのか」
「……はい」
これまでティルの元でイエスマンとして従順に働いてしたダンデが、今日初めてその命令に背いて動いている。
ティルは苛立ちを更に募らせるが、ダンデは毅然としてティルの瞳を真っ直ぐとみて、言葉を重ねる。
「我々はこのガイア界に異変の調査に来ました。ですが、今のところ成果は上げていません。しかし、あの者を生かして救うことが出来れば、この異変を起こしている原因が分かるやもしれません」
「では、私の力も無しに、お前があの火の鳥を止められるのか?」
「それは――」
ティルの問いに、ダンデは言い淀んでしまう。
相手は巨大な不死鳥だ。
一分一秒でも早く止めなければ、ティルの言う通りリンクフォレストの森は全て燃え尽きて灰になってしまう。
しかし、ただでさえ強いジャックが暴走状態となり更にその力を増している。
ダンデもまた翼の姿となって挑んだとしても、勝機が有るかどうか。
そうしていると、別の方からダンデに声がかかる。
「ダンデ、そのままティルを抑えておけ! ジャックは、俺たちで何とかする!」
そう言って、来人が颯爽と駆けて炎を撒き散らすジャックに向かって行く。
イリスも四肢を獣の爪へと変え、『虹』を纏い後に続く。
それを見たティルは、やはり苛立ちを多分に含んだ声色で声を荒げる。
「おい! 待て! そいつは私の獲物だぞ!」
しかし、その声に来人が答える事は無く、既に『鎖』での拘束や『泡沫』の水のバブルでの消化を試み始めている。
両の剣は不死鳥からの炎の波の反撃を往なす為だけに使い、その来人の攻撃で致命的な傷を負わせることは無い。
「――くそっ。このままでは、また手柄をあいつに……」
そうティルは苦い心の内を漏らす。
ここに居る者は自身の相棒を含めて皆森を守る事とジャックを救う事、その二つの共通の目的を持って動いている。
しかし、ティルの持ち得る手札では、殺さずに事を治める事は出来ない。
今ティルが独断で動きあの不死鳥を倒したとしても、それは賞賛されることは無いだろう。
それをティル自身も分かっているからこそ、相棒という絶対の味方を失った今下手に動く事は出来なかった。
歯がゆさに苦心するティルに対して、ダンデは更に一つ進言する。
「ティル様、今あそこで暴れている者――ジャックはこの大地の長の側近です」
「そんな事は、知っている」
「ええ、ですから。今、長のリーンを守る者は居ないのです。きっと今頃どこかへ避難しているか、もしくは逃げ遅れてまだ長の間に居る可能性も――」
そこまで言われれば、ティルにだって分かる。
つまり、ダンデはこう言いたいのだ。
自然の大地の長を守るという大義を果たす事は、ここで事件を治める事に等しい。
そして、それはティルの手柄として評価されるだろう、と。
「――長を探す。行くぞ、ダンデ」
「はい、ティル様!」
その進言にリーンを心配するダンデの私情が含まれている事はティルには秘密だ。
こうして、ティルとダンデは長リーンの救出に向かい、来人とイリスは不死鳥となったジャックの制圧に当たった。
0
お気に入りに追加
238
あなたにおすすめの小説
悪行貴族のはずれ息子【第1部 魔法講師編】
白波 鷹(しらなみ たか)【白波文庫】
ファンタジー
★作者個人でAmazonにて自費出版中。Kindle電子書籍有料ランキング「SF・ホラー・ファンタジー」「児童書>読み物」1位にWランクイン!
★第2部はこちら↓
https://www.alphapolis.co.jp/novel/162178383/450916603
「お前みたいな無能は分家がお似合いだ」
幼い頃から魔法を使う事ができた本家の息子リーヴは、そうして魔法の才能がない分家の息子アシックをいつも笑っていた。
東にある小さな街を領地としている悪名高き貴族『ユーグ家』―古くからその街を統治している彼らの実態は酷いものだった。
本家の当主がまともに管理せず、領地は放置状態。にもかかわらず、税の徴収だけ行うことから人々から嫌悪され、さらに近年はその長男であるリーヴ・ユーグの悪名高さもそれに拍車をかけていた。
容姿端麗、文武両道…というのは他の貴族への印象を良くする為の表向きの顔。その実態は父親の権力を駆使して悪ガキを集め、街の人々を困らせて楽しむガキ大将のような人間だった。
悪知恵が働き、魔法も使え、取り巻き達と好き放題するリーヴを誰も止めることができず、人々は『ユーグ家』をやっかんでいた。
さらにリーヴ達は街の人間だけではなく、自分達の分家も馬鹿にしており、中でも分家の長男として生まれたアシック・ユーグを『無能』と呼んで嘲笑うのが日課だった。だが、努力することなく才能に溺れていたリーヴは気付いていなかった。
自分が無能と嘲笑っていたアシックが努力し続けた結果、書庫に眠っていた魔法を全て習得し終えていたことを。そして、本家よりも街の人間達から感心を向けられ、分家の力が強まっていることを。
やがて、リーヴがその事実に気付いた時にはもう遅かった。
アシックに追い抜かれた焦りから魔法を再び学び始めたが、今さら才能が実ることもなく二人の差は徐々に広まっていくばかり。
そんな中、リーヴの妹で『忌み子』として幽閉されていたユミィを助けたのを機に、アシックは本家を変えていってしまい…?
◇過去最高ランキング
・アルファポリス
男性HOTランキング:10位
・カクヨム
週間ランキング(総合):80位台
週間ランキング(異世界ファンタジー):43位
異世界でぺったんこさん!〜無限収納5段階活用で無双する〜
KeyBow
ファンタジー
間もなく50歳になる銀行マンのおっさんは、高校生達の異世界召喚に巻き込まれた。
何故か若返り、他の召喚者と同じ高校生位の年齢になっていた。
召喚したのは、魔王を討ち滅ぼす為だと伝えられる。自分で2つのスキルを選ぶ事が出来ると言われ、おっさんが選んだのは無限収納と飛翔!
しかし召喚した者達はスキルを制御する為の装飾品と偽り、隷属の首輪を装着しようとしていた・・・
いち早くその嘘に気が付いたおっさんが1人の少女を連れて逃亡を図る。
その後おっさんは無限収納の5段階活用で無双する!・・・はずだ。
上空に飛び、そこから大きな岩を落として押しつぶす。やがて救った少女は口癖のように言う。
またぺったんこですか?・・・
勇者召喚に巻き込まれ、異世界転移・貰えたスキルも鑑定だけ・・・・だけど、何かあるはず!
よっしぃ
ファンタジー
9月11日、12日、ファンタジー部門2位達成中です!
僕はもうすぐ25歳になる常山 順平 24歳。
つねやま じゅんぺいと読む。
何処にでもいる普通のサラリーマン。
仕事帰りの電車で、吊革に捕まりうつらうつらしていると・・・・
突然気分が悪くなり、倒れそうになる。
周りを見ると、周りの人々もどんどん倒れている。明らかな異常事態。
何が起こったか分からないまま、気を失う。
気が付けば電車ではなく、どこかの建物。
周りにも人が倒れている。
僕と同じようなリーマンから、数人の女子高生や男子学生、仕事帰りの若い女性や、定年近いおっさんとか。
気が付けば誰かがしゃべってる。
どうやらよくある勇者召喚とやらが行われ、たまたま僕は異世界転移に巻き込まれたようだ。
そして・・・・帰るには、魔王を倒してもらう必要がある・・・・と。
想定外の人数がやって来たらしく、渡すギフト・・・・スキルらしいけど、それも数が限られていて、勇者として召喚した人以外、つまり巻き込まれて転移したその他大勢は、1人1つのギフト?スキルを。あとは支度金と装備一式を渡されるらしい。
どうしても無理な人は、戻ってきたら面倒を見ると。
一方的だが、日本に戻るには、勇者が魔王を倒すしかなく、それを待つのもよし、自ら勇者に協力するもよし・・・・
ですが、ここで問題が。
スキルやギフトにはそれぞれランク、格、強さがバラバラで・・・・
より良いスキルは早い者勝ち。
我も我もと群がる人々。
そんな中突き飛ばされて倒れる1人の女性が。
僕はその女性を助け・・・同じように突き飛ばされ、またもや気を失う。
気が付けば2人だけになっていて・・・・
スキルも2つしか残っていない。
一つは鑑定。
もう一つは家事全般。
両方とも微妙だ・・・・
彼女の名は才村 友郁
さいむら ゆか。 23歳。
今年社会人になりたて。
取り残された2人が、すったもんだで生き残り、最終的には成り上がるお話。
最強の職業は付与魔術師かもしれない
カタナヅキ
ファンタジー
現実世界から異世界に召喚された5人の勇者。彼等は同じ高校のクラスメイト同士であり、彼等を召喚したのはバルトロス帝国の3代目の国王だった。彼の話によると現在こちらの世界では魔王軍と呼ばれる組織が世界各地に出現し、数多くの人々に被害を与えている事を伝える。そんな魔王軍に対抗するために帝国に代々伝わる召喚魔法によって異世界から勇者になれる素質を持つ人間を呼びだしたらしいが、たった一人だけ巻き込まれて召喚された人間がいた。
召喚された勇者の中でも小柄であり、他の4人には存在するはずの「女神の加護」と呼ばれる恩恵が存在しなかった。他の勇者に巻き込まれて召喚された「一般人」と判断された彼は魔王軍に対抗できないと見下され、召喚を実行したはずの帝国の人間から追い出される。彼は普通の魔術師ではなく、攻撃魔法は覚えられない「付与魔術師」の職業だったため、この職業の人間は他者を支援するような魔法しか覚えられず、強力な魔法を扱えないため、最初から戦力外と判断されてしまった。
しかし、彼は付与魔術師の本当の力を見抜き、付与魔法を極めて独自の戦闘方法を見出す。後に「聖天魔導士」と名付けられる「霧崎レナ」の物語が始まる――
※今月は毎日10時に投稿します。
【完結】神様と呼ばれた医師の異世界転生物語 ~胸を張って彼女と再会するために自分磨きの旅へ!~
川原源明
ファンタジー
秋津直人、85歳。
50年前に彼女の進藤茜を亡くして以来ずっと独身を貫いてきた。彼の傍らには彼女がなくなった日に出会った白い小さな子犬?の、ちび助がいた。
嘗ては、救命救急センターや外科で医師として活動し、多くの命を救って来た直人、人々に神様と呼ばれるようになっていたが、定年を迎えると同時に山を買いプライベートキャンプ場をつくり余生はほとんどここで過ごしていた。
彼女がなくなって50年目の命日の夜ちび助とキャンプを楽しんでいると意識が遠のき、気づけば辺りが真っ白な空間にいた。
白い空間では、創造神を名乗るネアという女性と、今までずっとそばに居たちび助が人の子の姿で土下座していた。ちび助の不注意で茜君が命を落とし、謝罪の意味を込めて、創造神ネアの創る世界に、茜君がすでに転移していることを教えてくれた。そして自分もその世界に転生させてもらえることになった。
胸を張って彼女と再会できるようにと、彼女が降り立つより30年前に転生するように創造神ネアに願った。
そして転生した直人は、新しい家庭でナットという名前を与えられ、ネア様と、阿修羅様から貰った加護と学生時代からやっていた格闘技や、仕事にしていた医術、そして趣味の物作りやサバイバル技術を活かし冒険者兼医師として旅にでるのであった。
まずは最強の称号を得よう!
地球では神様と呼ばれた医師の異世界転生物語
※元ヤンナース異世界生活 ヒロイン茜ちゃんの彼氏編
※医療現場の恋物語 馴れ初め編
『収納』は異世界最強です 正直すまんかったと思ってる
農民ヤズ―
ファンタジー
「ようこそおいでくださいました。勇者さま」
そんな言葉から始まった異世界召喚。
呼び出された他の勇者は複数の<スキル>を持っているはずなのに俺は収納スキル一つだけ!?
そんなふざけた事になったうえ俺たちを呼び出した国はなんだか色々とヤバそう!
このままじゃ俺は殺されてしまう。そうなる前にこの国から逃げ出さないといけない。
勇者なら全員が使える収納スキルのみしか使うことのできない勇者の出来損ないと呼ばれた男が収納スキルで無双して世界を旅する物語(予定
私のメンタルは金魚掬いのポイと同じ脆さなので感想を送っていただける際は語調が強くないと嬉しく思います。
ただそれでも初心者故、度々間違えることがあるとは思いますので感想にて教えていただけるとありがたいです。
他にも今後の進展や投稿済みの箇所でこうしたほうがいいと思われた方がいらっしゃったら感想にて待ってます。
なお、書籍化に伴い内容の齟齬がありますがご了承ください。
無能扱いされ会社を辞めさせられ、モフモフがさみしさで命の危機に陥るが懸命なナデナデ配信によりバズる~色々あって心と音速の壁を突破するまで~
ぐうのすけ
ファンタジー
大岩翔(オオイワ カケル・20才)は部長の悪知恵により会社を辞めて家に帰った。
玄関を開けるとモフモフ用座布団の上にペットが座って待っているのだが様子がおかしい。
「きゅう、痩せたか?それに元気もない」
ペットをさみしくさせていたと反省したカケルはペットを頭に乗せて大穴(ダンジョン)へと走った。
だが、大穴に向かう途中で小麦粉の大袋を担いだJKとぶつかりそうになる。
「パンを咥えて遅刻遅刻~ではなく原材料を担ぐJKだと!」
この奇妙な出会いによりカケルはヒロイン達と心を通わせ、心に抱えた闇を超え、心と音速の壁を突破する。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる