十年前の片思い。時を越えて、再び。

赤木さなぎ

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#EX 解説、雑記(ネタバレ)

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・END-01 高橋ホームズ

 高橋先輩はホームズ君の推理に負けて全てを話してしまった。
 全てをホームズ君が知った時点で選択を迫られ、時へ干渉したという判定になり、内なる執行者に殺されてしまう。
 しかし高橋先輩がこの時間軸に現れる以前に『仮称:タイムトラベル』を読んでいた為、そのラストシーンが思い浮かび、それを再現する。
 物語の始まりの場面で二人の高橋杏子が出会い、共喰いを行う事で全てを無かった事にするEND。
 ここでは高橋ホームズ先生は史実通り小説家として大成し、後に世界は時の干渉に歯止めが利かなくなり崩壊するだろう。


・高橋杏子(本物)

 実はホームズ君が図書室で出会った頃から既に彼氏がいた(#06で出て来た当時大学生の男)
 その彼氏とデート中に事故に会い亡くなる。
 その彼氏が死後も一生引きずる程に魅力的な女性だったのだろう。
 ホームズ君もその例に漏れず、彼女の魅力に惹かれてしまった。
 しかし、その時点で高橋杏子には交際している相手が居て、図書室に頻繁に会いに来るホームズ君に若干困っていた。
 だからホームズ君は高橋杏子の優しい微笑みの表情なんて見た事が無い。
 ホームズ君の記憶の中では少し思い出が美化されているが、きっと当時の彼女は適当にあしらっていただろう。


・高橋先輩(執行者)

 Dらえもんのタイムパトロール的な組織の末端の執行者。
 『仮称:タイムトラベル』の作者を殺す為に派遣された人。
 最後は時の管理者に遠隔操作的に影を動かされてホームズ君を殺めてしまった。

 ホームズ君の記憶の中の、妄想の中の、想像上の高橋先輩を投影していたたので、十年前までの記憶しか無く、ホームズ君の知らない一面も持ち合わせていない。
 ホームズ君は十年の間に拗らせて自分に好意を抱く高橋先輩を思い描いていたので、それが強く投影されている。
 その影響で時間が経って馴染むに連れてホームズ君に好意を抱いていると勘違いしてしまっている。

 結果的に最後は愛する人を自分の手で殺めたのだと思っているので、助ける為に時を越える。
(本当は執行者の仕事をきちんと熟しているので望んだ結果のはずなのだが、この時点で彼女は高橋先輩に成り切り過ぎてしまった)


・ホームズ君

 小説を書いたらタイムマシンが出来ちゃった人。
 #07で自分が選択を迫られた時点で自分が詰んだ事を察して、最後の思い出作りとして理想の高橋先輩を連れまわして好きな事をやった。
 きっと彼は好きな人と最後の時を過ごせて幸せだっただろう。

 本来の世界線では『仮称:タイムトラベル』きっかけで売れ出して、それなりに幸せに暮らしていた。
 しかしきっかけが産まれど、実際にタイムマシンが完成して一般流通するのは先の未来。
 世界の崩壊なんてのは彼が生きている間には全く関係が無い。
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