23 / 107
第一部 第四章 神の世界侵略編
霧の魔女
しおりを挟む
――周囲を霧が包み込む。
眼前には犬型や鳥型、様々な種類の魔獣の群れ。
どう考えても、一人では捌き切れない。
立ち向かうのは無謀だ。
そんな事をしても、待っているのは死のみだ。
しかし、村唯一の魔法使い――霧の魔女アンナは魔法を振るう。
夫と息子、そして村の皆を守るために。
その赤茶色の髪をなびかせ、アンナは戦う。
自分がやらなくてはいけない。
一分、一秒でも、長く魔獣たちを足止めし、村の皆を逃がす為の時間を――。
・・・
ゴーフ村とラルク村は合併し、新たにラルフ村として生まれ変わった。
ラルフ村でアンナは村長の妻として、そして村唯一の魔法使いとして暮らしていた。
かつて若かりしアンナは魔法を制御できず、脱出不可能の霧の牢獄を無意識下の魔法で作り出してしまい、それが原因で危うく婚約が破談の危機に陥るところだった。
しかし、それを解決してくれたのが旅の夫婦だ。
アンナの使う魔法は、その旅の夫婦から貰った――正確には、貸していた部屋に置かれていた、忘れ物と思われる数冊の本から覚えた物だ。
その本は魔導書だった。
アンナは魔導書とは持ち主以外には中身を読むことが出来ないという事を知識として知っていた。
だから、その忘れ物だと思っていた魔導書の中身を読むことが出来た時点で、アンナは気づくことが出来た。
アンナがまた魔法を暴走させない様に、自分でコントロール出来るように、と旅の夫婦がそれを譲ってくれたのだと理解出来た。
そして、魔導書はすぐにアンナに魔法の使い方を教えてくれた。
そんな魔法に助けられながら今日まで、この以前よりも大きくなったラルフ村で幸せに暮らしてきた。
しかし、ある日突然それは訪れた。
空に立ち込める暗雲。
押し寄せる強い魔力の波。
それにいち早く気づいたのは、アンナだ。
異常な量の魔力を感知したアンナは、すぐさま村の皆に避難を呼びかけた。
「魔獣の群れが迫って来ています。危ないので、避難していてください」
中には自分も応戦すると申し出る男達も居た。
しかし、「あなた方に魔法が使えるのですか?」と問うと、彼らも押し黙るしか無かった。
それ程までに、魔法の有無による戦力差は大きい。
元々あまり裕福ではないこの村には魔道具の類も無い。
実質対魔法戦闘での戦力はアンナ一人だ。
勿論、現ラルフ村の村長であるアンナの夫は、アンナが一人魔獣討伐に残る事を拒む。
しかし、二人の間には子供が居る。
それに、村長である彼がここで死んでしまえば、誰が村をまとめると言うのか。
馬車の台数も足りない。
すぐに全員が安全な所まで非難するのは難しい。
誰かが応戦する必要が有り、それをアンナの夫も分かってはいた。
しかし、頭ではわかっていても心がそれを許容出来るかと言うと別の話だ。
自分の妻にもしもの事が有るかと思うと、それを許容はし難いだろう。
だからアンナは、
「全部倒して私もすぐに合流しますから、あなたは安心して待っていて下さい」
そう言って、夫に軽く口付けをした。
それはそれ以上の問答はしないと言う意思表示であり、アンナにとっては別れの挨拶でもあった。
勿論、全部を倒すなんて到底不可能な数だという事を、アンナ自身は分かっている。
しかし、その魔獣の気配からある程度の数を察知を出来る能力。
所詮『魔力感知』と呼ばれる能力すら、この村の中ではアンナだけが持つ物なのだ。
きっと、村の者の中には「まあ何とかなるだろう」くらいに思っている者も居るだろう。
しかし、長年連れ添った夫にはアンナの鬼気迫る心の内も見透かされていたはずだ。
村の皆の避難を見送ると、アンナは振り返り、村のゲートの方へと歩みを進める。
そのゲートは村がゴーフとラルクの二つに分かれていた頃から使われている物だ。
今はゴーフの看板の上から、別の板でラルフ村の文字が刻まれている。
そのゲートから、かつての自分の魔法の霧事件が思い起こされる。
アンナは懐かしい気持ちに浸りながらも、そこで来たる魔獣の群れを迎え撃つ。
程なくして、押し寄せる魔力の波の実態が見えてきた。
それは犬型や鳥型、様々な種類の魔獣の群れ。
どう考えても、一人では捌き切れない。
立ち向かうのは無謀だ。
そんな事をしても、待っているのは死のみだ。
しかし、村唯一の魔法使い――霧の魔女アンナは魔法を振るう。
夫と子、そして村の皆を守るために。
その赤茶色の髪をなびかせ、アンナは戦う。
周囲を霧が包み込む。
「はあぁっ……!」
アンナが腕を振るうと、それに追従する様にその魔法の霧は流れを作り、その帯状の霧に触れた魔獣の身体を切り裂いた。
その『霧』の魔法による攻撃を繰り返し、一匹、また一匹と魔獣は倒され、塵となって行く。
しかし、魔獣の数はアンナ一人では捌き切れない数だ。
倒せど倒せど、次の魔獣が襲い掛かって来る。
アンナの魔力も、体力も、そして精神力も、もはや限界が近い。
そんな擦り切れた限界状態のアンナの隙に、魔獣の一撃が叩き込まれる。
アンナはすぐに受け身の体勢を取るが、大きく身体を吹き飛ばされ、地に伏せる。
絶体絶命のアンナ。
しかし、その前に現れたローブを被った人影。
風に靡いたローブのフードが取れ、姿を見せる。
夜空の様に黒い長髪、紫紺の瞳、長く尖ったエルフ耳。
それは、王都に伝わる、あの姿に相違無い。
「――災厄の、魔女……!」
アンナはその姿を見て、様々な考えが頭を過る。
この魔獣の群れはこの災厄の魔女の仕業なのではないか。
かつての“大災厄”と同じ様に魔獣を扇動し、再び世界を混沌に陥れようとしているのではないか。
そう考えたアンナは恐怖を押し殺し、村と家族を守るために、覚悟を決める。
(この魔女を、ここで私が、止めないと……)
「あら、アンナさん。わたしの事を、憶えていませんか?」
しかし、アンナの思いとは裏腹に、災厄の魔女は優しく語りかけて来る。
そんな災厄の魔女の態度に、アンナは虚を突かれて威勢を削がれる。
その声には聞き覚えがあった。
懐かしいその声に、アンナは先程までの恐怖心とは違う感情を目の前の黒髪のエルフに対して抱いた。
「あなたは、もしかして……」
その記憶は十年以上も前の、あの忘れもしない、魔法の霧事件。
「ええ、助けに来ました。――わたしの“友達”を」
「エルさん……!」
アンナに目には安堵の涙が浮かび上がる。
突然現れた黒髪のエルフの正体。
それは魔獣を扇動していた災厄の魔女なんかでは無かった。
かつてこの村で起こった魔法の霧事件を解決し、アンナに魔導書を譲り、魔法の使い方を教えてくれた夫婦の一人、エルだった。
あの時はフードを取らず、顔を見せてはくれなかった。
しかし、今はその素顔を晒して、アンナをまた助けに来てくれた。
何故あの時にフードで顔を隠していたのか、何故その顔を隠す理由で顔の傷と言う嘘をついていたのか。
アンナはその理由を、十年越しにやっと理解した。
彼女はこの災厄の魔女と恐れられる黒髪のエルフという容姿を隠すために、ずっとローブのフードを被っていたのだ。
「すぐに、終わらせますね」
黒髪のエルフ――エルはそう言って一歩、また一歩と少しずつ魔獣の方へ歩を進める。
エルが片腕を振るうと、炎や氷、風、他にもありとあらゆる種類の魔法が同時に繰り出され。
そして、数百は居たであろう魔獣たちが、一気に薙ぎ払われる。
ある魔獣は炎に包まれ塵となり、ある魔獣は氷の槍に貫かれ、ある魔獣は風の刃で切り刻まれる。
しかし、魔獣は倒しても倒しても、更に奥から、まるで湧き出す様に現れる。
「これじゃあ、切りが……」
「大丈夫ですよ」
アンナのそんな悲観的な呟きにも、エルは微笑みそう答える。
そのままおもむろに、パチンと、エルが指を鳴らす。
指を鳴らす音が木霊し、辺りに響き渡る。
すると途端に、蠢く魔獣の群れがその動きを止め、当たりが一気にしんと静まり返る。
「――伏せ」
それはエルの魔法『獣使い』。
この場の全ての魔獣を、魔法で従えたのだ。
エルに操られた魔獣たち。
その全ては主人の命に従うままに、鳥型は地に落ち、犬型はばたりと地に倒れ込む。
そして――、
「――『ファイアボール』」
エルが天に手をかざすと、暗雲立ち込める空を割き、巨大な炎球が現れる。
その業火、浄化の炎は隕石の様に、地上へと落ちて来る。
『獣使い』によって動きを封じられた魔獣の群れは、抵抗すら許されない。
その『ファイアボール』業火によって、全て焼き払われ、灰燼と帰す。
ラルフ村に押し寄せてきた魔獣の群れ。
その全てが、この僅かな間に、たった一人の手によって消滅した。
アンナは地に腰を下ろしたまま。
そんな光景の一部始終を、どこか夢でも見ている様な感覚で、ぼうっと見ていた。
眼前には犬型や鳥型、様々な種類の魔獣の群れ。
どう考えても、一人では捌き切れない。
立ち向かうのは無謀だ。
そんな事をしても、待っているのは死のみだ。
しかし、村唯一の魔法使い――霧の魔女アンナは魔法を振るう。
夫と息子、そして村の皆を守るために。
その赤茶色の髪をなびかせ、アンナは戦う。
自分がやらなくてはいけない。
一分、一秒でも、長く魔獣たちを足止めし、村の皆を逃がす為の時間を――。
・・・
ゴーフ村とラルク村は合併し、新たにラルフ村として生まれ変わった。
ラルフ村でアンナは村長の妻として、そして村唯一の魔法使いとして暮らしていた。
かつて若かりしアンナは魔法を制御できず、脱出不可能の霧の牢獄を無意識下の魔法で作り出してしまい、それが原因で危うく婚約が破談の危機に陥るところだった。
しかし、それを解決してくれたのが旅の夫婦だ。
アンナの使う魔法は、その旅の夫婦から貰った――正確には、貸していた部屋に置かれていた、忘れ物と思われる数冊の本から覚えた物だ。
その本は魔導書だった。
アンナは魔導書とは持ち主以外には中身を読むことが出来ないという事を知識として知っていた。
だから、その忘れ物だと思っていた魔導書の中身を読むことが出来た時点で、アンナは気づくことが出来た。
アンナがまた魔法を暴走させない様に、自分でコントロール出来るように、と旅の夫婦がそれを譲ってくれたのだと理解出来た。
そして、魔導書はすぐにアンナに魔法の使い方を教えてくれた。
そんな魔法に助けられながら今日まで、この以前よりも大きくなったラルフ村で幸せに暮らしてきた。
しかし、ある日突然それは訪れた。
空に立ち込める暗雲。
押し寄せる強い魔力の波。
それにいち早く気づいたのは、アンナだ。
異常な量の魔力を感知したアンナは、すぐさま村の皆に避難を呼びかけた。
「魔獣の群れが迫って来ています。危ないので、避難していてください」
中には自分も応戦すると申し出る男達も居た。
しかし、「あなた方に魔法が使えるのですか?」と問うと、彼らも押し黙るしか無かった。
それ程までに、魔法の有無による戦力差は大きい。
元々あまり裕福ではないこの村には魔道具の類も無い。
実質対魔法戦闘での戦力はアンナ一人だ。
勿論、現ラルフ村の村長であるアンナの夫は、アンナが一人魔獣討伐に残る事を拒む。
しかし、二人の間には子供が居る。
それに、村長である彼がここで死んでしまえば、誰が村をまとめると言うのか。
馬車の台数も足りない。
すぐに全員が安全な所まで非難するのは難しい。
誰かが応戦する必要が有り、それをアンナの夫も分かってはいた。
しかし、頭ではわかっていても心がそれを許容出来るかと言うと別の話だ。
自分の妻にもしもの事が有るかと思うと、それを許容はし難いだろう。
だからアンナは、
「全部倒して私もすぐに合流しますから、あなたは安心して待っていて下さい」
そう言って、夫に軽く口付けをした。
それはそれ以上の問答はしないと言う意思表示であり、アンナにとっては別れの挨拶でもあった。
勿論、全部を倒すなんて到底不可能な数だという事を、アンナ自身は分かっている。
しかし、その魔獣の気配からある程度の数を察知を出来る能力。
所詮『魔力感知』と呼ばれる能力すら、この村の中ではアンナだけが持つ物なのだ。
きっと、村の者の中には「まあ何とかなるだろう」くらいに思っている者も居るだろう。
しかし、長年連れ添った夫にはアンナの鬼気迫る心の内も見透かされていたはずだ。
村の皆の避難を見送ると、アンナは振り返り、村のゲートの方へと歩みを進める。
そのゲートは村がゴーフとラルクの二つに分かれていた頃から使われている物だ。
今はゴーフの看板の上から、別の板でラルフ村の文字が刻まれている。
そのゲートから、かつての自分の魔法の霧事件が思い起こされる。
アンナは懐かしい気持ちに浸りながらも、そこで来たる魔獣の群れを迎え撃つ。
程なくして、押し寄せる魔力の波の実態が見えてきた。
それは犬型や鳥型、様々な種類の魔獣の群れ。
どう考えても、一人では捌き切れない。
立ち向かうのは無謀だ。
そんな事をしても、待っているのは死のみだ。
しかし、村唯一の魔法使い――霧の魔女アンナは魔法を振るう。
夫と子、そして村の皆を守るために。
その赤茶色の髪をなびかせ、アンナは戦う。
周囲を霧が包み込む。
「はあぁっ……!」
アンナが腕を振るうと、それに追従する様にその魔法の霧は流れを作り、その帯状の霧に触れた魔獣の身体を切り裂いた。
その『霧』の魔法による攻撃を繰り返し、一匹、また一匹と魔獣は倒され、塵となって行く。
しかし、魔獣の数はアンナ一人では捌き切れない数だ。
倒せど倒せど、次の魔獣が襲い掛かって来る。
アンナの魔力も、体力も、そして精神力も、もはや限界が近い。
そんな擦り切れた限界状態のアンナの隙に、魔獣の一撃が叩き込まれる。
アンナはすぐに受け身の体勢を取るが、大きく身体を吹き飛ばされ、地に伏せる。
絶体絶命のアンナ。
しかし、その前に現れたローブを被った人影。
風に靡いたローブのフードが取れ、姿を見せる。
夜空の様に黒い長髪、紫紺の瞳、長く尖ったエルフ耳。
それは、王都に伝わる、あの姿に相違無い。
「――災厄の、魔女……!」
アンナはその姿を見て、様々な考えが頭を過る。
この魔獣の群れはこの災厄の魔女の仕業なのではないか。
かつての“大災厄”と同じ様に魔獣を扇動し、再び世界を混沌に陥れようとしているのではないか。
そう考えたアンナは恐怖を押し殺し、村と家族を守るために、覚悟を決める。
(この魔女を、ここで私が、止めないと……)
「あら、アンナさん。わたしの事を、憶えていませんか?」
しかし、アンナの思いとは裏腹に、災厄の魔女は優しく語りかけて来る。
そんな災厄の魔女の態度に、アンナは虚を突かれて威勢を削がれる。
その声には聞き覚えがあった。
懐かしいその声に、アンナは先程までの恐怖心とは違う感情を目の前の黒髪のエルフに対して抱いた。
「あなたは、もしかして……」
その記憶は十年以上も前の、あの忘れもしない、魔法の霧事件。
「ええ、助けに来ました。――わたしの“友達”を」
「エルさん……!」
アンナに目には安堵の涙が浮かび上がる。
突然現れた黒髪のエルフの正体。
それは魔獣を扇動していた災厄の魔女なんかでは無かった。
かつてこの村で起こった魔法の霧事件を解決し、アンナに魔導書を譲り、魔法の使い方を教えてくれた夫婦の一人、エルだった。
あの時はフードを取らず、顔を見せてはくれなかった。
しかし、今はその素顔を晒して、アンナをまた助けに来てくれた。
何故あの時にフードで顔を隠していたのか、何故その顔を隠す理由で顔の傷と言う嘘をついていたのか。
アンナはその理由を、十年越しにやっと理解した。
彼女はこの災厄の魔女と恐れられる黒髪のエルフという容姿を隠すために、ずっとローブのフードを被っていたのだ。
「すぐに、終わらせますね」
黒髪のエルフ――エルはそう言って一歩、また一歩と少しずつ魔獣の方へ歩を進める。
エルが片腕を振るうと、炎や氷、風、他にもありとあらゆる種類の魔法が同時に繰り出され。
そして、数百は居たであろう魔獣たちが、一気に薙ぎ払われる。
ある魔獣は炎に包まれ塵となり、ある魔獣は氷の槍に貫かれ、ある魔獣は風の刃で切り刻まれる。
しかし、魔獣は倒しても倒しても、更に奥から、まるで湧き出す様に現れる。
「これじゃあ、切りが……」
「大丈夫ですよ」
アンナのそんな悲観的な呟きにも、エルは微笑みそう答える。
そのままおもむろに、パチンと、エルが指を鳴らす。
指を鳴らす音が木霊し、辺りに響き渡る。
すると途端に、蠢く魔獣の群れがその動きを止め、当たりが一気にしんと静まり返る。
「――伏せ」
それはエルの魔法『獣使い』。
この場の全ての魔獣を、魔法で従えたのだ。
エルに操られた魔獣たち。
その全ては主人の命に従うままに、鳥型は地に落ち、犬型はばたりと地に倒れ込む。
そして――、
「――『ファイアボール』」
エルが天に手をかざすと、暗雲立ち込める空を割き、巨大な炎球が現れる。
その業火、浄化の炎は隕石の様に、地上へと落ちて来る。
『獣使い』によって動きを封じられた魔獣の群れは、抵抗すら許されない。
その『ファイアボール』業火によって、全て焼き払われ、灰燼と帰す。
ラルフ村に押し寄せてきた魔獣の群れ。
その全てが、この僅かな間に、たった一人の手によって消滅した。
アンナは地に腰を下ろしたまま。
そんな光景の一部始終を、どこか夢でも見ている様な感覚で、ぼうっと見ていた。
1
お気に入りに追加
686
あなたにおすすめの小説

少し冷めた村人少年の冒険記
mizuno sei
ファンタジー
辺境の村に生まれた少年トーマ。実は日本でシステムエンジニアとして働き、過労死した三十前の男の生まれ変わりだった。
トーマの家は貧しい農家で、神から授かった能力も、村の人たちからは「はずれギフト」とさげすまれるわけの分からないものだった。
優しい家族のために、自分の食い扶持を減らそうと家を出る決心をしたトーマは、唯一無二の相棒、「心の声」である〈ナビ〉とともに、未知の世界へと旅立つのであった。
レベルを上げて通販で殴る~囮にされて落とし穴に落とされたが大幅レベルアップしてざまぁする。危険な封印ダンジョンも俺にかかればちょろいもんさ~
喰寝丸太
ファンタジー
異世界に転移した山田(やまだ) 無二(むに)はポーターの仕事をして早6年。
おっさんになってからも、冒険者になれずくすぶっていた。
ある日、モンスター無限増殖装置を誤って作動させたパーティは無二を囮にして逃げ出す。
落とし穴にも落とされ絶体絶命の無二。
機転を利かせ助かるも、そこはダンジョンボスの扉の前。
覚悟を決めてボスに挑む無二。
通販能力でからくも勝利する。
そして、ダンジョンコアの魔力を吸出し大幅レベルアップ。
アンデッドには聖水代わりに殺菌剤、光魔法代わりに紫外線ライト。
霧のモンスターには掃除機が大活躍。
異世界モンスターを現代製品の通販で殴る快進撃が始まった。
カクヨム、小説家になろう、アルファポリスに掲載しております。
レベルが上がらない【無駄骨】スキルのせいで両親に殺されかけたむっつりスケベがスキルを奪って世界を救う話。
玉ねぎサーモン
ファンタジー
絶望スキル× 害悪スキル=限界突破のユニークスキル…!?
成長できない主人公と存在するだけで周りを傷つける美少女が出会ったら、激レアユニークスキルに!
故郷を魔王に滅ぼされたむっつりスケベな主人公。
この世界ではおよそ1000人に1人がスキルを覚醒する。
持てるスキルは人によって決まっており、1つから最大5つまで。
主人公のロックは世界最高5つのスキルを持てるため将来を期待されたが、覚醒したのはハズレスキルばかり。レベルアップ時のステータス上昇値が半減する「成長抑制」を覚えたかと思えば、その次には経験値が一切入らなくなる「無駄骨」…。
期待を裏切ったため育ての親に殺されかける。
その後最高レア度のユニークスキル「スキルスナッチ」スキルを覚醒。
仲間と出会いさらに強力なユニークスキルを手に入れて世界最強へ…!?
美少女たちと冒険する主人公は、仇をとり、故郷を取り戻すことができるのか。
この作品はカクヨム・小説家になろう・Youtubeにも掲載しています。

俺は善人にはなれない
気衒い
ファンタジー
とある過去を持つ青年が異世界へ。しかし、神様が転生させてくれた訳でも誰かが王城に召喚した訳でもない。気が付いたら、森の中にいたという状況だった。その後、青年は優秀なステータスと珍しい固有スキルを武器に異世界を渡り歩いていく。そして、道中で沢山の者と出会い、様々な経験をした青年の周りにはいつしか多くの仲間達が集っていた。これはそんな青年が異世界で誰も成し得なかった偉業を達成する物語。
能力値カンストで異世界転生したので…のんびり生きちゃダメですか?
火産霊神
ファンタジー
私の異世界転生、思ってたのとちょっと違う…?
24歳OLの立花由芽は、ある日異世界転生し「ユメ」という名前の16歳の魔女として生きることに。その世界は魔王の脅威に怯え…ているわけでもなく、レベルアップは…能力値がカンストしているのでする必要もなく、能力を持て余した彼女はスローライフをおくることに。そう決めた矢先から何やらイベントが発生し…!?

うっかり『野良犬』を手懐けてしまった底辺男の逆転人生
野良 乃人
ファンタジー
辺境の田舎街に住むエリオは落ちこぼれの底辺冒険者。
普段から無能だの底辺だのと馬鹿にされ、薬草拾いと揶揄されている。
そんなエリオだが、ふとした事がきっかけで『野良犬』を手懐けてしまう。
そこから始まる底辺落ちこぼれエリオの成り上がりストーリー。
そしてこの世界に存在する宝玉がエリオに力を与えてくれる。
うっかり野良犬を手懐けた底辺男。冒険者という枠を超え乱世での逆転人生が始まります。
いずれは王となるのも夢ではないかも!?
◇世界観的に命の価値は軽いです◇
カクヨムでも同タイトルで掲載しています。
異世界でぺったんこさん!〜無限収納5段階活用で無双する〜
KeyBow
ファンタジー
間もなく50歳になる銀行マンのおっさんは、高校生達の異世界召喚に巻き込まれた。
何故か若返り、他の召喚者と同じ高校生位の年齢になっていた。
召喚したのは、魔王を討ち滅ぼす為だと伝えられる。自分で2つのスキルを選ぶ事が出来ると言われ、おっさんが選んだのは無限収納と飛翔!
しかし召喚した者達はスキルを制御する為の装飾品と偽り、隷属の首輪を装着しようとしていた・・・
いち早くその嘘に気が付いたおっさんが1人の少女を連れて逃亡を図る。
その後おっさんは無限収納の5段階活用で無双する!・・・はずだ。
上空に飛び、そこから大きな岩を落として押しつぶす。やがて救った少女は口癖のように言う。
またぺったんこですか?・・・
本当の仲間ではないと勇者パーティから追放されたので、銀髪ケモミミ美少女と異世界でスローライフします。
なつめ猫
ファンタジー
田中一馬は、40歳のIT会社の社員として働いていた。
しかし、異世界ガルドランドに魔王を倒す勇者として召喚されてしまい容姿が17歳まで若返ってしまう。
探しにきた兵士に連れられ王城で、同郷の人間とパーティを組むことになる。
だが【勇者】の称号を持っていなかった一馬は、お荷物扱いにされてしまう。
――ただアイテムボックスのスキルを持っていた事もあり勇者パーティの荷物持ちでパーティに参加することになるが……。
Sランク冒険者となった事で、田中一馬は仲間に殺されかける。
Sランク冒険者に与えられるアイテムボックスの袋。
それを手に入れるまで田中一馬は利用されていたのだった。
失意の内に意識を失った一馬の脳裏に
――チュートリアルが完了しました。
と、いうシステムメッセージが流れる。
それは、田中一馬が40歳まで独身のまま人生の半分を注ぎこんで鍛え上げたアルドガルド・オンラインの最強セーブデータを手に入れた瞬間であった!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる