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第20話 揺れる天秤
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キスをしている間、数をかぞえる余裕はなく、どれくらいそうしていたのかわからない。
それでも頭のどこか、片隅で、アキはどうしてこんなことを知ってるのかな、と不思議に思う。
柱に押し付けられた時、顎を掴まれて斜めに傾けられた。くいっと、ほんの少し。
「こうすると鼻と鼻がぶつからないんだよ」とアキは囁いた。
どこかにキスの予備校があるのかもしれない⋯⋯とは思わない。誰か別の女の子としたのかもしれない。
アキなら練習台になってくれる子はたくさんいそうだ。
ダメだ。
闇落ちする手前で、また意識をツイと、持っていかれる。
なんでも知ってるはずだったアキの、深い深い知らないところに引っ張られる。
同時にわたしの、自分でも気付かなかった女の子の部分にアキが触れようとしている気がして、息をするのが苦しい。
ああ、女の子になっちゃったな、たぶん。
引き返すことはできないんだ。
はぁ、自然にため息はこぼれる。
いつまでも夢の中に溺れていたいような、目が覚めたら忘れたくないようなそんな夢。
アキがくれたのは、形のないなにかだった。
体が変わっていくような、不思議な気分。
受け入れてしまったら、もう離れることが難しくなる。
わたしは虚ろな目のままアキを見ていた。
瞳が潤んでるのは悲しみのせいじゃない。
この人がわたしの『彼氏』なんだな、と、脳に刻みつけられた。
「そんな顔するなよ」
「え、あ、どんな顔?」
「⋯⋯離したくなくなる」
どうやら同じ気持ちだったようだ。
わたしたちは二人でひとつみたいに育てられ、今、二人でひとつに重なった。十七年もかけて。
「離したくない。どこか、また終点まで二人で行っちゃおうか。一晩くらいどこかに泊まれるお金はあるよ」
アキはわたしの体にふざけて腕を回した。
「海かぁ。夏の海は混んでそうだよ」
「ダメかな、じゃあ山にする? 静かな高原で二人きりもいいよね」
きっと、星空がキレイに見えるはず。
街より空気が澄んでいるから。
まだたどり着いていない、その場所の空気を深呼吸する。
秋の、少し冷たい空気が肺に流れ込む。
「時間」
わたしは言った。
言わなければいけなかったから。
「そろそろ行かなくちゃね」
時間と距離がわたしたちを引き裂く。
ようやくわたしの想いがアキに追いついて、気持ちが重なったのに。人生ってめちゃくちゃだな。
このまま二人をセットにしておいた方が、神様も手間が省けると思うんだけど。
アキはわたしの耳の後ろに軽くキスをした。そして「知ってる? 耳の裏側が一番、体臭が強いんだって」と笑顔を見せた。
わたしは両手で耳を塞いだ。
顔は嫌でも赤くなった。
「へ、変態」
「行こう」とまるでピクニックにでも行くように、アキは易々と手を繋いだ。人混みの中、絡まった指は簡単に解けてしまいそうで不安になる。その度にアキの手が力強くわたしの手を握る。
夢の中にいるようで気持ちはふわふわしてるのに、頭の中では駅までの距離を考えてる。自分が分裂してしまいそうだ。
予定通りの時間に駅に着いたアキは特急券を買った。
わたしは入場券を買った。
アキは少し驚いた顔をした。
わたしってそんなに薄情そうかな、と目を逸らす。
アキの手が、腰に回された。距離がグッと縮まる。
「ホームまで送ってもらえると思わなかった」
「だって、アキ、お金もすごく使って」
「夏休みにバイトしたんだよ、少し。だから気にしないで。もう一回分くらいは余裕であるよ」
特急列車は、待っているとやって来るのはまだまだ先に思えた。時間が引き伸ばされて、濃厚な空気がわたしたちを纏う。
「はい、これ」
「え、なに?」
百貨店の、小さな包みだった。
開けてみるとそれは例のミニタオルで、そんなに欲しそうに見えたのかなと恥ずかしくなる。
「今はまだ、これくらいしか買ってあげられないけど、今日の記念にはなるよね」
「うん、そうだね⋯⋯」
やっぱりわたしよりアキの方が大人だ。
いつ買ったのかも気付かなかった。
特急列車が間もなくホームに入るとアナウンスがあり、黄色い線の内側に、意識して下がる。
この黄色い線が、これから二人を隔てる。
二人はまた、ひとりずつになる。
「そんな顔しないで。寂しくなったらまた呼んで。できるだけ早く駆けつけるから、家出したりしないで。Suicaはいつでもチャージしておくよ」
なにかのCMのように、アキはわたしを抱き寄せたりしなかった。ただ頬を撫でて、親指で唇をなぞった。
「これは僕のものってしるし」
魔法にかけられてしまう。
アキは王子様じゃなくて、魅力的な魔法使いなのかもしれない。その証拠に、目を離すことができない。
列車は決まり通りに停車して、ドアが開くとアキは躊躇わずその一歩を踏み出した。
「イレギュラーで呼ばれてもここまで来られるってわかったでしょ?」
わたしは頷く。声は出なかったから。
「恭司さんによろしく伝えて。スミレちゃんには上手く説明しておくから、⋯⋯ゆっくりって言いたいけど、早く帰るんだよ。いい人でも、男のところにいるんだと思うと」
列車の出る音楽が流れた。
「またね」
黄色い線の内側に下がる。
アキは手を振ると、自分の座席を探しに車内を歩き始めた。
「行かないで」なんて引き止める暇もなく、機械的に物事は流れて、そして、アキは行ってしまった。
わたしを遠く離れた街に残して。
「ただいま」
おかえりなさい、を言う元気もなく、テーブルに突っ伏していた。全身の空気が抜けた浮き輪のようだった。
「行ったか」
「うん」
恭司はいつも通り、着替えに開かずの間に入って、しばらくしてから戻ってきた。
いつもなら汗をかいたからとすぐシャワーを浴びに行くところなのに、今日はなぜかわたしの向かいに座った。
「どうして一緒に行かなかった? 夏休みはまだあるじゃないか」
「⋯⋯それとこれはたぶん別で。つまりアキを想う気持ちと、家を出てきた気持ちは別々のところにあるから」
「親にバレたんだろう?」
「ママは現実主義だから。わたしが家を出たことを、ママなりにもう受け止めてると思う」
「そうか、難しいな。アキくんも気持ちは大人でも、まだ世間的には高校生だし」
「高校生じゃダメなの⋯⋯?」
恭司はわたしを憐れむような目で見た。
下から見たからそういう風に見えたのかもしれない。
でも、それはアキとわたしが今は一緒にいられないと語っていた。
「難しいな」
シャワー浴びてくる、と恭司は立ち上がった。
テーブルの上になにかの包み紙を残して。
それはさっきまでわたしたちがいた、あの百貨店の包みで、そっと開くと、あのミニタオルが入っていた。
なんて言うか⋯⋯すごく複雑な気持ちになる。
わたしを思って、服飾コーナーに入っていく恭司の背中を想像した。
あの店員に声をかけたかもしれない。
思いがけず、同じタオルを二枚持つことになった。
どちらも同じブランドの、同じ柄、同じ色。
どこにも変わりはない。
でも二人がわたしのために買ってくれたことは間違いない。
そう思うと、天秤が、揺れる。
なんの天秤?
わたしの小さな脳みそはなにかの答えを探そうと動き始めたけれど、誰かがそれを内側から止めた。
――それ以上、考えないで。
脳は思考を停止する。
シャワーの音が聞こえる。
小さなショルダーバッグから、もう一枚のタオルを取り出す。
これって、どう受け取ったらいいんだろう?
わかってる、恭司はわたしの保護者代理で、子供におもちゃを与えるように、わたしにプレゼントを与えた。
それだけのことだ。
シャワーを止める音がする。
扉が開いて脱衣所に入る恭司の足音がする。
踏みしめるようなしっかりとした。
「戻ってこないかと思ったよ」
小さな呟きだった。耳を澄まさなければ聞こえないような。
「⋯⋯ただいま」
「おかえり、ハル」
それでも頭のどこか、片隅で、アキはどうしてこんなことを知ってるのかな、と不思議に思う。
柱に押し付けられた時、顎を掴まれて斜めに傾けられた。くいっと、ほんの少し。
「こうすると鼻と鼻がぶつからないんだよ」とアキは囁いた。
どこかにキスの予備校があるのかもしれない⋯⋯とは思わない。誰か別の女の子としたのかもしれない。
アキなら練習台になってくれる子はたくさんいそうだ。
ダメだ。
闇落ちする手前で、また意識をツイと、持っていかれる。
なんでも知ってるはずだったアキの、深い深い知らないところに引っ張られる。
同時にわたしの、自分でも気付かなかった女の子の部分にアキが触れようとしている気がして、息をするのが苦しい。
ああ、女の子になっちゃったな、たぶん。
引き返すことはできないんだ。
はぁ、自然にため息はこぼれる。
いつまでも夢の中に溺れていたいような、目が覚めたら忘れたくないようなそんな夢。
アキがくれたのは、形のないなにかだった。
体が変わっていくような、不思議な気分。
受け入れてしまったら、もう離れることが難しくなる。
わたしは虚ろな目のままアキを見ていた。
瞳が潤んでるのは悲しみのせいじゃない。
この人がわたしの『彼氏』なんだな、と、脳に刻みつけられた。
「そんな顔するなよ」
「え、あ、どんな顔?」
「⋯⋯離したくなくなる」
どうやら同じ気持ちだったようだ。
わたしたちは二人でひとつみたいに育てられ、今、二人でひとつに重なった。十七年もかけて。
「離したくない。どこか、また終点まで二人で行っちゃおうか。一晩くらいどこかに泊まれるお金はあるよ」
アキはわたしの体にふざけて腕を回した。
「海かぁ。夏の海は混んでそうだよ」
「ダメかな、じゃあ山にする? 静かな高原で二人きりもいいよね」
きっと、星空がキレイに見えるはず。
街より空気が澄んでいるから。
まだたどり着いていない、その場所の空気を深呼吸する。
秋の、少し冷たい空気が肺に流れ込む。
「時間」
わたしは言った。
言わなければいけなかったから。
「そろそろ行かなくちゃね」
時間と距離がわたしたちを引き裂く。
ようやくわたしの想いがアキに追いついて、気持ちが重なったのに。人生ってめちゃくちゃだな。
このまま二人をセットにしておいた方が、神様も手間が省けると思うんだけど。
アキはわたしの耳の後ろに軽くキスをした。そして「知ってる? 耳の裏側が一番、体臭が強いんだって」と笑顔を見せた。
わたしは両手で耳を塞いだ。
顔は嫌でも赤くなった。
「へ、変態」
「行こう」とまるでピクニックにでも行くように、アキは易々と手を繋いだ。人混みの中、絡まった指は簡単に解けてしまいそうで不安になる。その度にアキの手が力強くわたしの手を握る。
夢の中にいるようで気持ちはふわふわしてるのに、頭の中では駅までの距離を考えてる。自分が分裂してしまいそうだ。
予定通りの時間に駅に着いたアキは特急券を買った。
わたしは入場券を買った。
アキは少し驚いた顔をした。
わたしってそんなに薄情そうかな、と目を逸らす。
アキの手が、腰に回された。距離がグッと縮まる。
「ホームまで送ってもらえると思わなかった」
「だって、アキ、お金もすごく使って」
「夏休みにバイトしたんだよ、少し。だから気にしないで。もう一回分くらいは余裕であるよ」
特急列車は、待っているとやって来るのはまだまだ先に思えた。時間が引き伸ばされて、濃厚な空気がわたしたちを纏う。
「はい、これ」
「え、なに?」
百貨店の、小さな包みだった。
開けてみるとそれは例のミニタオルで、そんなに欲しそうに見えたのかなと恥ずかしくなる。
「今はまだ、これくらいしか買ってあげられないけど、今日の記念にはなるよね」
「うん、そうだね⋯⋯」
やっぱりわたしよりアキの方が大人だ。
いつ買ったのかも気付かなかった。
特急列車が間もなくホームに入るとアナウンスがあり、黄色い線の内側に、意識して下がる。
この黄色い線が、これから二人を隔てる。
二人はまた、ひとりずつになる。
「そんな顔しないで。寂しくなったらまた呼んで。できるだけ早く駆けつけるから、家出したりしないで。Suicaはいつでもチャージしておくよ」
なにかのCMのように、アキはわたしを抱き寄せたりしなかった。ただ頬を撫でて、親指で唇をなぞった。
「これは僕のものってしるし」
魔法にかけられてしまう。
アキは王子様じゃなくて、魅力的な魔法使いなのかもしれない。その証拠に、目を離すことができない。
列車は決まり通りに停車して、ドアが開くとアキは躊躇わずその一歩を踏み出した。
「イレギュラーで呼ばれてもここまで来られるってわかったでしょ?」
わたしは頷く。声は出なかったから。
「恭司さんによろしく伝えて。スミレちゃんには上手く説明しておくから、⋯⋯ゆっくりって言いたいけど、早く帰るんだよ。いい人でも、男のところにいるんだと思うと」
列車の出る音楽が流れた。
「またね」
黄色い線の内側に下がる。
アキは手を振ると、自分の座席を探しに車内を歩き始めた。
「行かないで」なんて引き止める暇もなく、機械的に物事は流れて、そして、アキは行ってしまった。
わたしを遠く離れた街に残して。
「ただいま」
おかえりなさい、を言う元気もなく、テーブルに突っ伏していた。全身の空気が抜けた浮き輪のようだった。
「行ったか」
「うん」
恭司はいつも通り、着替えに開かずの間に入って、しばらくしてから戻ってきた。
いつもなら汗をかいたからとすぐシャワーを浴びに行くところなのに、今日はなぜかわたしの向かいに座った。
「どうして一緒に行かなかった? 夏休みはまだあるじゃないか」
「⋯⋯それとこれはたぶん別で。つまりアキを想う気持ちと、家を出てきた気持ちは別々のところにあるから」
「親にバレたんだろう?」
「ママは現実主義だから。わたしが家を出たことを、ママなりにもう受け止めてると思う」
「そうか、難しいな。アキくんも気持ちは大人でも、まだ世間的には高校生だし」
「高校生じゃダメなの⋯⋯?」
恭司はわたしを憐れむような目で見た。
下から見たからそういう風に見えたのかもしれない。
でも、それはアキとわたしが今は一緒にいられないと語っていた。
「難しいな」
シャワー浴びてくる、と恭司は立ち上がった。
テーブルの上になにかの包み紙を残して。
それはさっきまでわたしたちがいた、あの百貨店の包みで、そっと開くと、あのミニタオルが入っていた。
なんて言うか⋯⋯すごく複雑な気持ちになる。
わたしを思って、服飾コーナーに入っていく恭司の背中を想像した。
あの店員に声をかけたかもしれない。
思いがけず、同じタオルを二枚持つことになった。
どちらも同じブランドの、同じ柄、同じ色。
どこにも変わりはない。
でも二人がわたしのために買ってくれたことは間違いない。
そう思うと、天秤が、揺れる。
なんの天秤?
わたしの小さな脳みそはなにかの答えを探そうと動き始めたけれど、誰かがそれを内側から止めた。
――それ以上、考えないで。
脳は思考を停止する。
シャワーの音が聞こえる。
小さなショルダーバッグから、もう一枚のタオルを取り出す。
これって、どう受け取ったらいいんだろう?
わかってる、恭司はわたしの保護者代理で、子供におもちゃを与えるように、わたしにプレゼントを与えた。
それだけのことだ。
シャワーを止める音がする。
扉が開いて脱衣所に入る恭司の足音がする。
踏みしめるようなしっかりとした。
「戻ってこないかと思ったよ」
小さな呟きだった。耳を澄まさなければ聞こえないような。
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「おかえり、ハル」
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