ギルド・ティルナノーグサーガ『還ってきた男』

路地裏の喫茶店

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第二章 鍵の行方

魔剣〜最上部

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登場人物:

ヴェスカード: 獅子斬ししぎりと呼ばれた斧槍使いグラデュエーター
フィオレ: かつて王立図書館で働いていた女魔法剣士ルーンナイト
スッパガール: 斧戦士ウォーリアーの女傑
ミーナ:美しき回復術師ヒーラー
ヴァント: 鬼付おにつきの長刀使いツヴァイハンダー

12


「な……」


 山男は言葉を失った。
十年近く前に自らが命を絶った祖父が、いつの間にか隣の席に現れたからだ。



「……そんな……馬鹿な……」

 眼を見開いて動けぬヴェスカード。



「あんたは……死んだ……俺が……殺し――た……」


 胃から何かがせり上がってくるような感覚。慙悔、畏れ――そして、微かな喜び……。
 あの悪夢に出てくる出来事はひょっとして、それ自体が夢なのではないかと言うわずかな希望。



「そうじゃ。お前が――ベスが、儂にその斧槍を刺したな」

 老翁は生前よく身につけていた濃緑の着衣を身につけている。長く白い顎髭をいじると、ふいに山男の傍らにある魔法銀ミスリル斧槍ハルバードを指差した。かつてはこの老翁自身が握っていて、ある日ヴェスカードに譲った斧槍ハルバードだった。


「俺は――俺は……あんたを、刺したくなんて――」





「黙らぬかベス!己が――己が信じてやった事を否定するでない!」
 老翁は山男を厳しく叱責した。

「う……」


 老翁は何かに抗うようにぎこちなく右手を胸に置き、それを離すとそこにはヴェスカードが刺し貫いた傷穴が見えた。
 やがてそこから鮮血が漏れ出し、口の端からも血が漏れる。


「う……ム……、儂を殺めた責任を取ってギルドを抜けたか……。しかし鍛錬は怠っていなかった、ようじゃな。お前の佇まい、足取りを観れば、わかる……
 ――じゃがな、ちと実戦を離れすぎたようじゃ。あの戦いで――失った――まま、じゃったか。斧槍ハルバードは……」

 老翁は苦しそうに自分の後ろ、暗がりとなっている部屋の片隅を指差した。山男はつられて見るが暗くてよくわからぬ。


斧槍ハルバードの懐である近距離戦……に備えた小剣が必要だと、お、教えた筈、じゃぞ……うう……」


 老翁の胸と口から溢れる鮮血はやがてどす黒く、量を増した。顔中に脂汗をかき苦しそうに顔が歪む。


「爺さん、爺さん……!」

 その血を何としても止めたい。祖父に生き返ってほしい――と、山男は手を伸ばそうとする。


「く、口惜しい――……ベス、ベス。お前は――」






ザシュッ!





 もう一度祖父を呼び止めようとする刹那、何かを斬撃する音が聞こえ、キインと耳鳴りがして我に帰った。




「ム…………」

 頭を振る山男。何が起こったのかと顔を上げると心配そうに覗き込むヴァントの顔があった。



「大丈夫ッスかヴェスカードさん!」

「……どうしたのだ、ヴァント」
「夢魔っスよ!ヴェスカードさん取り憑かれていたッス!」

 床を見ると人の頭部大の海月のような、大きな虫のような残骸が転がっている。



「聖結界を張っていたのに……」
「いや、夢魔はアンデットではないからな、元々この部屋に生息していたのがいたんだろう」
 スッパガールが床を見ながら言った。


「他の皆は大丈夫ッスか?」
 周りの者も辺りを見回すが被害に遭ったのは山男だけで、一匹しかいなかったようであった。

「フフ……ヴェスカードさん、貸しイチッスね!」
 ヴァントが得意げに言った。

「……なんかあたしの真似してない?言い方」
「し、してないっスよ……!」
 女傑と長刀使いがやり取りしているのに目もくれず、



(…………)
 山男は残骸を見ながら暫し考えに耽る。


(全て夢魔が見せた夢、悪夢だったのか……?いや、だがそれにしては……)

 傍らに置いた斧槍ハルバードをまじまじと眺めた。すると、先程夢の中で老翁が指差していたのを思い出した。



「ヴェス?」
 山男はフラリと立ち上がると暗い部屋の奥へと歩を進めた。


「ヴェスカードさんどしたんスか?……あ……!」
 後ろを着いてきた長刀使いツヴァイハンダーが声を上げた。
暗闇に紛れたそこには、古びているが立派な木の宝箱があったのだ。





「た、宝箱だ……」

 一行は顔を見合わせた。次元界だけではなくダンジョンや迷宮では稀に宝具や武具が入った宝箱が存在する事がある。だが……



「お……おお、生の宝箱、初めて見た……一体何が……」

 ――ガチャ。


「ウワッッ!」

 驚きの声を上げて女傑がヴァントの身体をヒョイと後ろに放り投げた。



「いだッッ」

 尻餅をつくヴァント。


「あだだ……ス、スパ姐さん何を……」
 尻をさするヴァントにツカツカと女傑が近づくや否や頭に拳骨を落とした。

「アンタアホかぁ!もし罠があったらどうするんだ……!宝箱に仕掛けられた罠で全滅するパーティーだってあるんだよ!?」
「え……あ、ス、スミマセン!!」
 状況を察した長刀使いツヴァイハンダーは腰を最大限曲げて謝った。


「全くもう……アンタって奴は……ギルドに入った時勝手に宝箱を開けるなと座学で習った筈だがな」
「……そ、そこの座学ちょっと寝ていたかもしれないッス……」
 頭を掻くヴァントに女傑がまた拳を振り上げる。ガードするヴァントだったが今度は殴られなかった。


「アンタって奴は……痛い目見ながら身体で覚えてゆくタイプだね……こと冒険においてはそれは直さなくてはならないよ。一撃のミスで死んでしまう時だってあるんだから」
「は……ふぁい……」
 しょげる長刀使いではあったが一行の、そしてヴァントの身を案じて言ってくれているのだと思うと身に染みる思いであった。




「幸い罠はなかったようだが……」

 山男が慎重に蓋を開いてみる。すると、中には一振りの剣――小剣が入っていた。おお、と周りの者も覗き込んだ。



「鞘に銘が彫ってありますね――古い文字……カッツ――カッツバルゲル――で、しょうか」
 フィオレが考古学に詳しいところを見せた。


「フム……禍々しい気はない。呪いもかかっておらぬようだが……」

 山男がキン、と鞘から刀身を抜いてみる――すると。


 ボオオっと、刀身から火炎が立ち昇った!


「ウォッ!」
 危うく剣を取り落としそうになる。



「魔、魔剣ダーク・ブレードだ……」
 山男が驚いた顔をして呟いた。


 魔剣ダーク・ブレードとは剣に炎や雷などの魔法属性を秘めた宝剣を指す。ルミナリアにおいては魔法銀ミスリルの武具よりも更に希少で、強力な魔剣などを携える戦士はそのままその魔剣の名が通り名になる事も珍しくないのであった。

 誰かが後ろでゴクリと喉を鳴らした。




「――だ、誰のものになるんスか、これ……」


 一行は顔を見合わせた。






 ギルド・ティルナノーグの依頼には不文律がある。

 依頼中に発見した宝箱の武具は、余程の伝説級の武具ではない限りその依頼を遂行しているパーティーメンバーによって分配されるというものだ。

 それは日夜命を懸けて依頼に臨むメンバーの士気を鼓舞するものでもあったし、それによってメンバーの戦力向上にも繋がるものでもあった。




「――誰のものって……そりゃ、希望性か……希望者が重なればコインでも投げるしか――斧ではないからアタシは結構だが……クソ、本当斧だったらなあ……」

 普段あまり物欲を見せぬスッパガールでさえ惜しんだ。



「ハイ!ハイハイハイッ!俺欲しいです!」

 ヴァントが一番名乗りを挙げた。


「アンタ長刀使いツヴァイハンダーじゃないか。両手剣トゥハンデッドソード持ってどこに装備するんだい」
「い、いや……長刀を片手で持ってもう片方を魔剣ですよ……魔剣ダーク・ブレード二刀流……うおぉカッケェ……」
「いや無理だろ……まぁサブウェポンとすれば無しではないのか。じゃあヴァントと、後誰か希望がいるかい?」
 女傑が皆を見た。


「ウム、俺も希望しよう」
 山男が手を挙げる。ゲェッという声を出す長刀使い。

「フィオレ、あなたも希望したら?」
「ええ?女魔法剣士ルーンナイトとしては魔導伝達率が大事なのだけれど……あっでも炎の魔剣だから炎系魔導の威力や伝達率がよかったりするのかな……じゃあ、私も」
 ミーナに押されおずおずとフィオレも名乗り出た。



「――よーしではこの三人だね?コインで決めよう。三人が一斉に投げて表一、裏二の時か、裏一、表二の時の一名側が権利を得る事としよう!勝っても負けても恨みっこなしだ!!いいね」


 いつの間にかスッパガールが場を取り仕切っていた。だがこれはある意味では重要な局面であったのだ。

 冒険の戦利品や入手品の分配に関するトラブルは古今枚挙にいとまがない。他のギルドの酷い話になると分配に不満を持ったもの同士が揉めて殺し合いを始めるという話さえもある。後に禍根を残さぬよう初めにしっかりと取り決めをし、皆の納得のいくような分配法を取る事が大事なのだ。


「了承した」
「ええ、わかりました」
「フッフッフ……ヴェスカードさん、フィオレ姐さん……こういう時ばかりは先輩後輩もありま……」
「ではコインを投げてッッ!」女傑が掛け声をかけた。

「うわッちょっ待って……ッ」
 ヴァントも慌ててコインを投げる。投げ遅れやコイン落としは幸運の女神に嫌われる。問答無用で負けである。


 三者の手にコインが落ちる。
開けると三者とも裏であった。

 続いて二投目。三者とも表。


「中々粘るねぇ」

「絶対に負けないッ……!キエエッ」


 確かに中々決まりはしなかった――が、山男はこの時一つの確信があった。
 この一行の中で賭博場の経験があるのは山男だけであったが、賭博に身を置くものならば極稀に経験する感覚があった。

 七揃えの遊技機であるならば例えば、無作為にどの台を選んでも勝ってしまう。次の台に移動してもまたまた勝ってしまう。という必勝の瞬間。
 普段負け込むことの方が圧倒的に多い山男であったが、本当に稀にそのような日があった。人には恥ずかしくて言った事がないが、この必勝の感覚の事を山男は『神の時間』と呼んでいた。

 その『神の時間』が今この瞬間来ている気がしてならなかった。




 三投目!三者のコインは表、表……裏であった。




「フ……すまんな」

「ノォォオッ!」

 山男がヴァントに片目をつぶる。手の甲には一人裏のコインがあった。




「カッツバルゲル――か、よろしくな」

 山男が刀身を完全に抜き放つと炎はいっそう燃え盛るようだった。


「ヴェスを新たな主人と認めたようだな」
 女傑が長刀使いツヴァイハンダーの頭に手を置きながら言った。ヴァントはうう……とか、ずるいっすとかブツブツと言う。

「ヴァント、すまんな」

 すると山男は眼をキラキラとさせて、ヴァントの眼の前で鞘から刀身を少し抜き放つ。

 ボボオッ!

 キン……と鞘に閉じる。


 もう一度鞘から少し抜く。ボボオッ!

 キン……と鞘に閉じる。


「ウーム……カッコいい……」

 少しニヤニヤしながら山男が言った。ケエエッ!と怪鳥音を挙げるヴァント。

「ブ……ヴェスカードさん、ちょっと大人気ないですよ……」
 魔剣ダーク・ブレードを取れなかった事を惜しむでもなく、少し笑いながらフィオレがヴァントの肩に手をかけながら言った。

「ヴァ、ヴァント~依頼が終わったらお姐さんがバレーナで玩具の剣を買ってあげるよ~」
 と冗談半分に言う。

「うう……い、いらないッス……」
 フィオレにそう言われては、長刀使いツヴァイハンダーも不承不承納得する他はなかった。フフと笑って女傑が頭を乱暴に撫でる。
 それをミーナは優しげな、嬉しげな顔をして見ていた。



(ヴァントには申し訳なかったが――この魔剣ダーク・ブレードは爺さんが導いてくれたような気がしてならぬのだ……。夢魔が見せると言う悪夢の力――それを利用して爺さんが来てくれたような……)

 山男は右手に持つ魔法銀ミスリル斧槍ハルバードを静かに握りしめた。

(確かに爺さんが言った通り、斧槍ハルバードには近接に備えて小剣を携えるものだ。この魔剣ダーク・ブレードは大事にしよう)

 祖父を殺めて以来悪夢の中でしか現れる事のなかった祖父アイスクレイス――その祖父が夢魔の力を借りてとは言え、叱り、褒め、導いてくれた。その事がヴェスカードは嬉しかったのだ。



「そろそろ聖結界が切れます。ここを出て上を目指しましょう」
 ミーナが扉を見て言った。聖なる力を携えた扉の光は弱まって今にも消えそうだった。

「承知した。フィオレ、俺が魔剣ダーク・ブレードで先頭に立つ。この炎の量ならば死霊を祓えるだろうから隊列を変えよう。フィオレはミーナの後ろにつきフォローしてやってくれ」

「そうですか、そうですね。わかりました!」



「ではいいか?開けるぞ」
 スッパガールが扉を出て先頭に立つヴェスカードに確認をする。山男は右手に斧槍ハルバード、左手に炎燃え立つ魔剣ダーク・ブレードを携えている。無言で頷くヴェスカード。

 女傑がドアを開けると死霊が部屋に入ってこようとした。が、魔剣ダーク・ブレードを払うと怯える様に死霊は散ってゆく。

「ウム、これはいい」

 明らかに死霊は魔剣ダーク・ブレードの生み出す炎を恐れている様であった。遠巻きに恨みがましい表情をするがついぞ近づいて来る様子はなかった。


 やがて一行は古城を探索して二つの階段を上がると更に上階に続く扉を発見した。それを開けると見張り台のような場所に出たが、普通のそれではなかった。
 扉を開けた先に光る透明の板のような物が階段状に浮かんでいて、その先を見やるとそれも空に浮かんでいる闘技場のような円形の建造物に繋がっていたのだ。



「……恐らくはあそこが最終目的地であろうな。鍵もあそこに……」

 山男が後ろに続く一行を振り返りながら言った。

 だが、誰もそれに続く言葉を発する事が出来ずにいた。
階段の先の闘技場からは、目に見えぬ威圧感が発せられていたからであった。





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