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婚約破棄されたはずの俺が気付けば結婚していた話

最終話.これが運命というならば(存続)

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「わかりました、励みましょう⋯!」
「ん、んんん!?」

“励む?励むってまさか、え?そういう意味か⋯!?”
真剣な表情のシエラに、思わずズクンと期待が表れそうになった俺は誤魔化すように大きく深呼吸をした。


「えっと、励むってまさか⋯」
「えぇ、子作りです!」
「やっぱり!?」

“あれか、俺が子供が好きみたいなことを言ったから⋯!?”

「何人でも産んでみせるわ。バルフの⋯赤ちゃん⋯っ」
「~~~ッ!」


代理領主という未来を考えながら、そういう意味では全然下心なく言った言葉。
⋯とはいえ。

“可愛い妻が、こんなに可愛い事を言って我慢出来るかと聞かれると⋯っ”


元々盛りすぎてシエラに無茶させている、と考えたところから始まった今回の旅行。
なのにこんな野外でまた求めるだなんて⋯とは思いつつ。


「バルフ、私⋯んっ」

さっと掠めるように彼女の唇を塞ぐ。
そのままじっと彼女を見つめると、赤く染まった彼女がすり、と顔を腕に寄せてきて。


そのまま寝そべるようにキスをしながら彼女を押し倒す。

“芝生だから痛くはないと思うけど⋯”

それでも心配だから、と俺は左手で彼女の頭を支えた。


ちゅ、ちゅと重ねるだけの可愛いキスを繰り返していると、唇に舌でなぞる感触がして。

誘われるまま薄く唇を開けるとたどたどしくシエラの舌が入ってくる。


“キスももう何回もしてるのに⋯”
いつまでもどこか初心な彼女が堪らなく愛おしく、入ってきた舌を唇で挟むようにして俺の口内に閉じ込めた。

そのまま彼女の舌を強く扱くと、俺の背中に回されている彼女の手が連動しているかのようにきゅっと握られる。


「⋯シエラってなんでそんなに可愛いの⋯」
「ん、や⋯ばか、恥ずかしい⋯」

耳元で囁くだけで息を荒げる彼女が可愛くて、ぐちゅりと耳中を舌でなぞる。

「ひゃあ⋯っ」

その突然の刺激に驚いたのか、嬌声をあげたシエラは慌てて口をきゅっと閉じて。


「大変、この近くに誰か来たらシエラの可愛い声が聞こえちゃうなぁ⋯」
「⋯や、だめ、恥ずかしい⋯っ」
「うん、俺も嫌だよ、可愛いシエラは俺だけで一人占めしたいんだ」

“⋯なんて、エリウス様からこの場所は穴場で全然人が来ないって聞いてたんだけどさ”

だけど、誰かが来るかもと慌てている彼女がやっぱり堪らなく可愛くて。


「⋯だから、頑張って我慢してね?」
「⋯なッ」

くすりと笑い、胸元のボタンを外す。
庶民風の簡易ワンピースは柔らかい胸当てはあるもののガッチリとしたコルセットは装着していなくって。

「待っ、だめよバル⋯っ、ひゃあん!」

ぐっとまとめて下ろし露になった胸を右手でもにゅもにゅと揉んだ。

首筋から鎖骨に滑らせるようち唇を這わせ、胸元をぢゅっと強く吸う。
まるで真っ赤な蕾が現れたように印を何個もつけていくと、気付けばその花が咲いたように見えて。


「凄く綺麗に咲いたけど、俺以外には見せないでね?」
「も⋯っ、当たり前、よ⋯ッ!」

可愛くぽかぽかと叩くシエラに気をよくした俺は、彼女の先端にだけは触れないよう注意しつつそのまま何個も彼女の体に痕をつけていって。

「⋯っ、ん、ば、バルフ?」
「ん?」
「あの⋯私、その⋯」
「どうしたの?ね、教えて?」
「だからその、⋯えっと⋯っ」

いつもの乳首への刺激がなく物足りないのだろうシエラは、もじもじと太股を擦り合わせる。
それでも恥ずかしくて言えないのだろう、羞恥に染まる彼女を俺はじっと眺めていて――


“あんま意地悪しちゃダメだよな”

いじらしい彼女にイタズラ心が擽られたが、それでも自身の腕の中で気持ち良いと求める彼女が一番可愛いから。

「⋯ん、ここかな」
「ひゃぁっ」

ピンッとまだ柔らかい彼女の乳首を指で弾くと、一際大きく体を揺らして。

「きもちい?」

その柔らかい先端を引っ掻くようにカリカリと指先で刺激すると、あっという間にツンと尖った。

“俺のする事全てに反応しちゃって⋯”
そしてそんなところがまた堪らない。

「次は反対の胸も尖らせなくちゃね」

今度は吸い出すように柔らかい乳首に舌を這わせた俺は、そのまま痕をつけた時と同じように強く吸う。

全体的にぷっくりとしてきた乳輪ごと吸い、舌で強く乳首を弾くとあっさりと両方の乳首がツンと勃ちあがった。


「⋯ここお外なのに、すごくえっちな格好だね?」「⋯っ!や、そんなこと、言わな⋯でっ」
「なんで?可愛いのに。本当に言っちゃダメなの?」
「だめ、恥ずかしいもの、だめ⋯っ」
「んー⋯、そっか。シエラがそこまで言うなら言うのはやめるね」

“ま、『言うのは』だけど”

内心そう付け加えた俺は、彼女のワンピースをお腹の辺りまでたくしあげる。
露になってしまった下半身に動揺したシエラは、一瞬ポカンとし、そしてすぐに慌て出して。


「ま、まさか最後までするの⋯っ!?」
「励むんでしょ?」
「は、励む、けど⋯っ」

外でなんて、とあわあわしている彼女の言葉を口で塞ぎ、蜜壺に触れると既にしっとりと濡れていて。


「ふふ、シエラも期待してくれてたんだ?」
「ちが、いや違わないんだけど、でもそうじゃ⋯っ」
「違わない、のか⋯」

まさかそんな言葉を貰えると思わなかった俺は、そろそろ止めなきゃ止まれなくなる⋯なんて思っていた理性を簡単に崩壊させた。


「⋯ごめん、抱く」
「ぁ⋯っ!」

言うが早いか、ぐちゅりと指をシエラのナカに挿入する。
そのまま内壁を擦るように抽挿しつつ、貪るように彼女と口付けを交わした。


“本当は舌でも解したいんだけど⋯”

彼女の頭を支えている体勢的にそれは叶わない。
でもその敏感で繊細なソコを突くなら少しでも多く解した方がいい訳でー⋯


「あ」
「?」


そうだ、とあることに気付いた俺は、そのままシエラに提案した。


「ね、シエラのここもっと解して気持ちよくさせたいから、立って俺の顔に跨がって?」
「!!!」


我ながらいい提案だ、と思ったのだが、俺の言葉を聞いたシエラは一瞬で青ざめてしまって。

「あ、あれ⋯?その、ダメだった⋯かな」
「~~ッ、~~ッ!!そ、そんなはしたないことを、それも外で⋯だなんて」
「⋯だめ?」
「ば、バルフにしかッ!しません、からッ!!」
「ありがと、シエラ」

俺だけだなんて、そんな当たり前な事を言いながら渋々了承してくれたシエラは半分脱げているワンピースの裾を持ち上げて立ってくれて。

俺はそんな彼女のスカートの中に頭を突っ込むようにしてお尻を揉みながら舌を這わせた。

じわりと溢れる愛液を舐めとりながら舌で入り口のあたりをぐちゅぐちゅと刺激する。
そのまま舌先に力を込めて先っぽを挿入すると、彼女の白い脚がガクガクと震えた。


「俺の顔に座っちゃってもいいよ?」
「ば、ばか⋯っ!」

羞恥からか小さく叫んだ彼女は、舌と一緒に指も挿れると脚に力が入らなくなってしまったのか俺の顔に体重がかかって。

そしてその勢いでいつもより深く舌が挿るとビクンと腰を跳ねさせた。

暫くそのまま指と舌で解しつつ左腕で彼女の体を支えていた俺は、“そろそろいいかな⋯”とちゅぽっとどちらも一気に抜いて。


「シエラ、俺の上に座ってくれる?」
「⋯ぇ?」

少しぼんやりしているのか蕩けた顔をしていたシエラが、再びみるみる顔を強張らせた。

「ば、バルフ、まさか⋯」
「君を寝かせて突くなんて出来ないから」
「さっきまで組み敷かれてた気がするけどっ!?」
「頭は守ってたよ?」

にこにこと押し問答し、俺が折れないと察した彼女が恐る恐る腰を落とす。

“そもそもシたくないって言えばいいのに⋯”

頑なに受け入れ、無茶な要求にも必死で答えようとしてくれる彼女が愛おしい。

「俺があてがっとくから、そのまま自分で挿入して?」
「う、うぅう⋯っ」

恥ずかしすぎてじわりと涙が滲む彼女の目元にそっと吸い付くと、キッと俺の方に顔を向けたシエラがむちゅっとキスをしてきて。

「⋯っ!?」

“あー、もう⋯っ!!だから可愛すぎるんだって!”

目眩がするような衝撃に襲われた俺は、『自分で挿入して』なんて言ったくせにもどかしさを覚え、堪らず彼女の腰を掴み下から一気に突き上げた。


「――ッ!?」

ぢゅぷんと貫かれ、彼女が息を詰める。

「なんでっ、そんなにっ、可愛いかなぁ⋯!?」

そのままガツガツと下から何度も突き上げると、言葉になっていない嬌声をシエラが突く度に口から溢れさせていて。

“可愛い、ほんと堪んない⋯っ”

はじめての夜のように彼女を求め、貪るようにひたすら突き上げる。
余裕をなくしたせいで単調な動きになっているとわかっているのに、無我夢中で腰を振った。

そしてそんな俺の全てに彼女は感じてくれていてー⋯


「あ、ぅうんっ、ひゃあ⋯っ!」
「ん、シエラのナカっ、あっつい⋯!」
「あんっ、あぁんっ、んん⋯っ」

ギュウギュウと熱く締め付ける彼女にあっさりと絶頂に導かれてしまった俺は、そのままドクドクと奥に放った。

荒い息を整えるように抜かずにぎゅっとシエラを抱き締めて⋯


「⋯出来るといいわね」

ぽそっと呟かれたその言葉に、ドッと心臓が跳ねた。

“シエラとの、子供⋯”

男の子でも女の子でも彼女に似れば絶対可愛い。
俺の遺伝子はなんか俺の存在感のように薄い気がするから、きっと彼女に似てくれるはず。

可愛い子供にパパ、なんて呼ばれる未来を想像しー⋯


「ば、バルフ?なんかその、またおっきく⋯」
「⋯ごめん、その、もっかい励も?」

シエラのナカで再び臨戦態勢になってしまった俺は、そのまま抜かずに彼女を下からゆっくりと突き上げて。


「や、やぁんっ!休憩っ、休憩を所望しますけどっ!?」
「ん、わかった、なるべく早く終わらせるね」
「ちがっ、そうじゃなー⋯っ!」

目の前で上下する彼女の胸に吸い付きながら、少しずつ抽挿のスピードを上げた俺はガクガクと足腰を震わせるシエラをギュッと抱き締めたのだった。





「シエラ、シエラさん?あの、大丈夫、かな⋯?」

さすがにヤりすぎた自覚のある俺は、彼女の服を再び着せながらそう声をかける。
有り難いことにここの湖はとても澄んでいて綺麗だったので、簡易的ではあるがお互いのベタついた体はサッパリさせる事は出来ていて。


“あとは彼女の機嫌だけなんだけどー⋯”

なんだかんだでこれが一番の難関か、と内心焦りながらシエラの顔を覗き込む。


「⋯歩けませんわ」
「もちろんおぶらせていただきます」
「抱っこ」
「了解」
「ここ、お兄様のプロポーズされた神聖な場所だったのに」

“そうだった!”

あっ、と思い動揺した俺が面白かったのか、プンッとしていたシエラはすぐにくすくすと笑いだして俺の首に腕を回して。


「お兄様には内緒ですわね」
「お土産もいっぱい買って帰ろ⋯」


そのまま彼女を抱き上げたのだった。




――たまに思う。
こんなに釣り合わない俺達だけど、それでも運命だったんじゃないかって。

身分も合わない上に、順当に進めば俺達は別の相手と結婚する予定だった。

それなのにあの夜婚約破棄されたはずの俺は、気付けば彼女に拐われるようにして結婚してー⋯


これが彼女の作ってくれた『運命』だとしたら。
その『運命』を繋げる為にどんな努力でもしようと、俺はそっと心の中で愛する俺の奥さんに誓うのだった。
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