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【続】だったら私が貰います!婚約破棄からはじめた溺愛婚(熱望)

最終話.今日も明日も、ずっと未来も(欲望)

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馬車に乗るために差し出された手を掴んだ私は、馬車に乗り込んでもその手を離さなかったしバルフもしっかり握り返してくれていて。

“もっと早く言えば良かったわ⋯”




本当に、もっと早く言えば良かった。

「次はバルフを抱きたいって⋯!!!」
「違う違う違うからッ!!!」

予定よりかなり早く帰宅した私達は、まだ夜も更けきっていないうちから寝室に直行していて。

そして相変わらずどこか残念な攻防を繰り広げていた。


勢いよく彼にのし掛かり、彼のタイをせっせと脱がしながらイメトレの成果を発揮すべくバルフの顔をチラリと確認し――


「んっ!」


それは約2週間ぶりの口付けで。

グッと引き寄せられ彼の上に寝転がる形で重なる唇が少しずつ角度を変え深くなってくる。
久しぶりの口付けに溺れるように絡む舌を必死に動かし応えて⋯

“このままじゃ、また私ばっかり⋯!”

そして少し焦っているのに気付いたのか、バルフが突然小さく吹き出した。

「!!!」
「⋯っと、ごめん」
「あ、あ、謝るなら笑わないでくださるかしらっ!?」
「タイ、握ってても脱がせられないよ?」
「わ、わかっているわよッ!!」

ごめん、なんて言いながら笑うのを止めてくれず、私は悔しさと羞恥を誤魔化したくて、いつかの失敗した初夜の時のように力任せに引き千切ろうとしー⋯

「ほら、こうするだけで取れるから」

私の手に重ねられたバルフの手によって簡単にタイがほどけた。

そのまま私の手を器用に操りつつするするとバルフの服が脱げていく。

“脱がせてるのは私のはず、なのに⋯”

私の手が脱がせてるのは間違いないが、実際動かしているのがバルフ本人だからか、それとも彼がどこか楽しそうに私を眺めつつしているからか。

まだ服をしっかり着ている私の方がなんだかやたらと恥ずかしく、じわじわと頬が熱くなる。


段々目のやり場に困った私が少し顔を逸らすと、その逸らした先から覗き込むようにバルフが顔を近付けてきて。

「⋯シエラは?俺が脱がしていいの?自分で脱ぐ?」
「ぅ、えっ!?」
「シエラのこと、抱いていいんだよね⋯?」
「⋯⋯ッ!!」

最近あまり合わなかった優しげなオリーブ色の瞳は、月光を反射したのかいつもより灰暗く激しい劣情を揺らめかせていた。


返事をしたいのに、主導権が欲しいのに。
バルフをメロメロにして私だけに溺れさせたいのに、彼の瞳の揺らめきに私が溺れそうになる。

強く見つめられるだけでジュン、と下腹部が熱くなり否応なしに彼のモノが欲しくなりー⋯


“わ、私ばかりはダメだわ⋯っ、私だってもっとバルフを気持ちよくさせたいもの⋯!”


ゴクリと息を呑み、上体を起こして彼のお臍らへんに腰を下ろした私はそのまま胸を突き出すように体を反らし、腕を後ろへ持っていく。
そして既に芯を持ち始めていたバルフのソコを服の上から優しく擦った。

「ーーッ!?」

ビクリと肩を跳ねさせバルフは、少し焦りながら私を見るがもちろん手を止めるつもりなんて私はなくて。

「どう、かしら?この2ヶ月、何もしないでいた訳じゃないのよ⋯!」

後ろ手で緩急をつけて握ったり擦ったり。
この体勢を選んだ理由は、暗にバルフの表情を見ながらなら喜んでくれているかどうかわかるから⋯というだけだったのだけれども。


「⋯そんなに胸を突き出すって事は、触って欲しいって事だよね?」
「え?」

仕返しとばかりにどこか意地悪く笑ったバルフは、やはり器用に私のコルセットを簡単に外しあっという間に私の胸が露になった。

「――や、待ってバル⋯ひゃんっ」

バサリとドレスを脱がされたと思ったらぢゅ、とすぐさま先端に吸い付いてくる。

まだ柔らかかった私の乳首は、バルフに強く吸われ段々と尖ってきて⋯


「固くなってきたね、どう触れて欲しい?」
「そんな、の、言えな⋯っ!ぁあんっ」

下から持ち上げるようにもにゅもにゅとバルフの手で形を変えられ、主張し出した先端をピンッと軽く弾く。

弾かれた刺激がビクビクと背中を走り、無意識に更に胸を反らすとふるりとバルフの眼前で大きく揺れてー⋯

そしてまたすぐ吸い付かれた。

指と舌で交互に与えられる刺激は、なんだかんだでこの2ヶ月お預け状態だったからかそれともハジメテの時に教え込まれた快感を連想し体が期待しているのか、もっともっととバルフを求めてしまって。


「や、やだぁ、ダメ、それダメなのぉ⋯っ!」
「ダメなのにこんなに押し付けてくるの?それともこういう刺激の方をねだられてるのかな」

なんて言いながら、痛くない程度にカリッと歯をたてられる。

「ひん⋯ッ!」


乳首を甘噛みされた瞬間、バチバチと快感が目の前で弾けて⋯

そんな私の様子に気を良くしたのか、バルフは胸への愛撫をより激しくしていった。


「⋯ぁ、あぁ⋯っ、や、それ⋯っ!」
「ん、こう?」
「~~ッ、やぁあっ!待⋯、ひゃあ」

指先で乳首を潰すように押し込まれ、反対の胸は乳輪ごとすべて口に含まれたと思ったらぴちゃりとわざと音を立てつつ見せつけるように舌を動かされる。

視覚だけでなく聴覚からも羞恥を煽られ、真っ赤になってしまった顔を見られるのがたまらなく恥ずかしい。
そんな顔を見られたくなくて横を向くと、すぐに激しく口付けられ定位置に戻しては、また私を見ながら胸を弄ばれた。


バルフに舐められ扱かれる度にぷくりと赤く、ぽってりとしていく胸がテラテラといやらしく濡れてー⋯

“私のおっぱい、バルフに作り替えられてるみたいだわ⋯”

左右交互に満遍なく与えられるその刺激に、私の頭は痺れてしまった。


「シエラ、舌出して?」
「し、た⋯?」

主導権を取りたくてしていたはずなのにすっかり言いなりになってしまった私は、言われるがままそっと舌を出すとすぐにバルフが吸い付いてくる。


「ん、んん⋯っ!」

バルフの熱い舌が乳首にしていたように私の舌を強く扱き、口内を火傷しそうな錯覚に陥る。
熱いのが彼の舌なのか私の舌なのかは私にはもうわからなくてー⋯


「ん、ッ!ぁ⋯っ、ひゃぁぁあん!」
熱に浮かされたようにバルフの舌を感じていると、突然両乳首を捏ねられ腰がビクリと跳ねた。


「シエラ、手、止まってるよ?」
「あ、や⋯バル、バルフ⋯っ?」


そんな私をくすりと見たバルフは、気付けば後ろ手で添えるだけになっていた手のひらをいつの間にか外していて。


「⋯気持ちよくしてくれるんでしょ?ほら、早くしないと勝手に楽しんじゃうけど?」
「ーーーッ、ひゃぁあっ!?」

スルリと腰を撫でた彼の手がそのままガッシリと掴み、既に蜜を溢れさせていた私の割れ目に反り返ったソレを擦り付ける。

ゴリゴリとした感覚が擦り付け入り口を往復させる度に、ぷっくりと尖った私の豆を刺激してー⋯


「や、ぁ、あぁ⋯ぅ、んぁあ⋯っ」

溢れるままに嬌声が零れ、ぐちゅぐちゅとした卑猥な水音と共に部屋に響いていた。

グリッと豆を強く擦られる度に声が溢れ、ジンジンと熱く痺れる。


「このまま挿れたい、けど⋯シエラにも気持ちよくなって欲しいからゆっくり慣らそうね」


表面を掠めつつ強く擦りながら耳元で囁くバルフの声は、最早苦しいくらいの快感を植え付けられた私にはまるで絶望に落とす悪魔の言葉にも聞こえてー⋯


「や、いい、も、だいじょ、ぶ⋯だからっ、だからもうバルフの⋯っ」
「ふふ、俺がしっかり解してあげるから」
「だめ、もう無理なの、これ以上⋯はっ、おかしく⋯っ!」
「ダーメ」

右手で私のお尻をギュッと握ったバルフは、入り口にグリグリと自身のモノをあてがいながら反対の親指で強く豆を潰す。

掠めるでもなく、当たるでもなく確実に狙われ刺激を与えられた私は声にならない嬌声を上げ一気に絶頂へ導かれて。


「下から眺めるシエラもいいけど、まだまだ沢山イかせるから⋯ほら、全部委ねて?」

ビクビクと痙攣するように体を震わせる私を、まるで宝物のように丁寧にベッドに寝かせたバルフは私の両太腿を大きく左右に開かせて。

「ーーッ!?」

ダメ、と思った時にはもう遅くバルフの舌が溢れた蜜を掬うように動かされ、そのままぐちゅりと舌が挿いってきた。

熱い舌が蠢く感覚は激しい羞恥と言い様のない快感を誘い、達したばかりで敏感になっていた私をまた絶頂へ誘う。


そして私が達したのを見たバルフは、上がった息が整うのを待たずすぐにヌプ、と今度は指も挿れてきて。

「ん、んあぁあっ」

ナカを強く擦られ、舌で優しく舐められて。
指が抽挿される度にこぽりと愛液が溢れ出る。

そして垂れた愛液を掬っては豆に塗りつけるようにソコも刺激されて――

「~~ッ!!!」


かなりの時間をかけて何度も何度もイかされた私がゼェゼェと息を荒げ、意識が若干朦朧としだした時に突然サッパリとしたフルーツウォーターが口内に流れ込んでくる。

欲するがままねだり少し落ち着きはじめて、やっとバルフが口移しで飲ませてくれていた事に気付きー⋯


「⋯落ち着いた?」
「ぁ⋯、うん、ありがとうバルフ⋯」
「全然。だって本番はこれからなんだから」
「へ⋯?」

にこりと弧を描いたバルフの口元に一瞬気を取られた私を襲ったのは、ぐぷりとバルフのを挿入された圧迫感だった。


「――ッッ!」
「ん、すご、シエラのナカ絡み付いてくるみたい」

ゆっくりと、しかし確実に進む腰は何度も登り詰めた私の絶頂を簡単に促して。

ぐちゅりと奥まで挿入されただけでビクビクと体を跳ねさせた。


「待⋯、お⋯おねが、そのまま⋯っ」
「ん、わかった、このまま動くね?」
「ち、ちがー⋯っ、ぁあんっ!」

奥まで挿入したバルフは、私の腰を掴んだままゆっくりとした抽挿を繰り返す。
激しく突かれない変わりに与えられたこのゆっくりとした揺さぶりは、私のナカをバルフの形に変えるようにじっくりと刻まれて。


「ん、んんっ、んんん⋯っ!」
「シエラ、唇そんなに噛まないで、ね?」

優しく諭すように囁かれ、彼の荒い吐息が耳にかかる。
そのまま掠めるような口付けをされ、唇をそっと舐められた。

長時間与えられた快感のせいでどこもかしこも敏感になっていた私は、それだけの事で堪えようとした嬌声を溢れさせてしまって。


「ぁ、ひゃぁあっ」
「シエラの声ずっと聞いてたいなぁ」
「や、ば⋯かぁ⋯⋯っ!」
「でもごめん、そろそろもっと欲しい」
「⋯ぁ、え?」

馴染ませるようにゆっくり奥を揺すっていたバルフが、ズズッと抜けるギリギリまで腰を引いたと思ったら⋯

――ぱちゅん!

さっきまでの緩やかな動きではなく、勢いよく奥を貫かれ息が詰まる。

「――ひ、ぁああ⋯ッ」
「気持ちい、シエラのナカ、めちゃくちゃ熱くて腰ごと溶けそう⋯!」
「ぁ、あぁんっ、んぁあっ!」

部屋中に肌と肌がぶつかり合う音が響き、掴まれた腰が激しく貫かれる。

揺さぶられる度にふるふると胸が大きく揺れ、軽く上体を倒したバルフが揺れるおっぱいを捕まえるように強く吸った。


最奥を突きながら胸まで同時に刺激された私は、今日何度目かもうわからない絶頂を迎えていて。

瞳の奥がパチパチと星を瞬かせ、痺れる思考が気持ちよすぎたのか無意識にナカをぎゅうっと締め付けると、バルフも少し顔を歪める。


「ーーん、シエラ、もう⋯っ」
「あ、ぁあん、きて、も⋯っ早く、おねが⋯っ!」

少し上体を倒していたバルフがそのまま私をぎゅっと抱き締め、すっかり降りてきていた子宮口を抉じ開けるようにバルフのモノの先端がグリッと捩じ込まれる。

そのままドピュドピュとナカで広がる熱を下腹部に感じながら、快楽の波で疲れきっていた私はそのまま意識を手放した。




「⋯んん⋯?」

そっと髪を撫でられ掬われる感触に気付き瞼を開けると、ベッドに腰掛けたバルフが汗で貼り付いてしまっていた髪を清潔な布で拭いてくれている事に気付く。


「⋯あ、ごめん起こしちゃったね、シエラはこのままゆっくり寝てて?」

優しく瞼に口付けられ、その心地好さから促されるまま瞳を閉じる。

“平凡な幸せって、こういう日常を言うのかしら⋯?”


なんてじわりと温かくなった心を抱き締めるように考え――

――いや、平凡にしてはあまりにも初心者向きではなかったわよね?と考えを改めた。


“初夜から2ヶ月も溜めたからいけなかったのよ!もっと頻繁に発散させれば私にもそのうち主導権が来るはずだわ”

と、まだぼんやりした頭で考えつつのそのそと体を起こした私は、全身怠い体でバルフの元までずりずりと進み、膝にボスンとダイブする。


「シエラ?」
「ん?んふふ」


ぴったりと引っ付ける距離に彼が居てくれる事が何よりも嬉しくて――


「貴方のハジメテを奪った責任を取って、私の一生をかけて幸せにするわ」

ふふ、と笑いながらそう伝えると、

「なら俺はシエラの最後の男になった責任を取って、君だけを一生愛し続けるよ」

はは、と笑ったバルフがそう返してくれる。



婚約破棄からの逆プロポーズではじめた私達は、外から見たらまだどこか歪かもしれないけれど。

それでも、未来を約束出来るのが貴方とならば。


「⋯約束だからねっ!」


私がきゅっと彼の手を握ると、バルフが力強く包むように握り返してくれて。


その手の強さに応えるように、委ねるように。

今も、そしてこれからも。

目を閉じればきっと、何よりも大好きな彼からの口付けが降ってくるから――
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