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2.喜んでと申しました
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“そんな純粋なお姿も堪らなくお可愛らしい……!本当に世界一です”
ギュドルンギュドルンと高鳴る鼓動。
流石にこの心音は恥ずかしいので、出来れば気付かれないといいなぁなんて思いつつ私は説明を続けた。
「お相手の胸を揉まれるということは、互いに望まれてその行為に及んでいるということでございましょう」
「互いに望んで……」
“あら?何故か少し落ち込んでしまわれたわね。けれど私の坊っちゃんが無理やりどこかのご令嬢に触れるなんてことするはずありません”
18歳、遅すぎる思春期だから繊細なのだろうと理由付け納得する。
「ならば、もっとお相手様の表情を読みつつ女性の感じるところにどんどん触れても構わないかと」
「その表情が読みにくいんだっ」
“練習相手が私ではそうなりますかね”
「大丈夫です、私は上手く表情が作れませんが、世のご令嬢はその限りではございません」
「他の令嬢じゃ意味がないんだが……くそ、感じさせればいいんだな!?揉むぞ!揉んじゃうからな!?」
「喜んで」
少しやけくそ気味になられているところも可愛い私の坊っちゃんは、意を決し両手で胸を揉みはじめる。
私の言葉が効いたのか、遠慮を捨てたらしく弾力や重さを確かめるようにぐにぐにと私の胸を揉んでいた坊っちゃんは、まだ少し遠慮気味に親指の腹で乳首を擦った。
“!”
手のひらが掠めたのとは違う、意思を持って触れる行為。
遠慮気味だったその指は、いつの間にか弄ぶという言葉がピッタリなほど乳首を中心に触れはじめていて。
「立ってきたな」
「はい。そうやって刺激されると案外簡単に立ってしまうものでございます」
「痛くはないか?」
「敏感な部分ですので、立ったからとすぐに強く弾いたりはせず労りながら徐々に強い刺激へ変えられるのがよろしいかと」
私の説明を聞いた坊っちゃんは、ふむ、と少し考え込む。
“まぁ!悩まれる姿はすっかり大人びておられるわ。壁画、壁画にするべきではないかしら。王城の壁画にいたしましょう、王族の顔は思い出せませんがウチの坊っちゃんの方が麗しいに決まっておりますし”
それとも金貨のデザインにすべきと嘆願書を出すべきか……と考えていた私を現実に引き戻したのは、指とは違う熱いものが突然私の乳首を這ったからだ。
「ゆ、指より舌の方がっ!その、痛くないかと思ってだな」
「まぁ。坊っちゃんがおっぱいを吸うまでになられるとは」
「待て、絶妙にニュアンスが違う。それだと退化だ成長させろ」
私の表現に少し不満そうな表情をしたものの、舐めるのは止めずにチロチロと舌が乳首をなぞる。
指で立たされた乳首は、私の進言通りに労りながら少しずつ刺激を強められた。
坊っちゃんはこんな才能までお持ちなのか、と思うほど的確に強弱をつけながら舌先でクリクリと乳首を捏ねられれば、私の腰は砕けそうになってしまって。
“気持ちいいですね”
ただの教育だとはわかっているが、大好きな坊っちゃんに触れられるというのはやはり嬉しく心が踊ってしまう。
“色っぽい表情の一つでも出来れば良かったのですが”
いかんせん鉄仮面。
反応もなく、表情も固定なら下手だと勘違いした坊っちゃんの心が折れてしまうかもしれない。
“せめて言葉でお伝えしなくては”
そう思った私が思いきって口を開く。
「とても気持ちいいです。はじめてとは思えないほどお上手ですよ」
「!そ、そうか?気持ちいいか?もっとして欲しいところはあるか?」
「感じるところは人それぞれでございますので、私に合わせてばかりはよろしくないのではありませんか?」
「俺はイメルダの感じるところが知りたいんだ!」
“私の?知ってどうするんでしょう”
坊っちゃんの言葉に心の中で首を傾げる。
“まぁ、経験の頭数にはなれますかね”
統計調査をするならまず母体が多ければ多い方がいい。
本命のご令嬢以外にあまりにも数をこなされるのはオススメできないが、だがこう見えて人一倍努力し勉強熱心な坊っちゃんのことだ。
人数ではなく色んな箇所を知りたいのかとも思った……のだが。
「申し訳ございません。私は経験がありませんので、どこが感じるという箇所をあまり知りません」
「!!そっ、そうだよな!?そうに決まってるもんな!つまり俺がはじめて……?」
「閨教育の師としてはあまり向きませんね。誰かいい師を探して……」
「探さなくていい!探さなくていいから!!むしろ俺はめちゃくちゃ嬉しいから!」
ちゃんと教えられるのかと不安になった私がそう言うと、私の腰に両腕でがっしり絡み付いた坊っちゃんが慌てだす。
そんな余裕のない様子もお可愛いらしいが、やはりここは経験豊富な者が適切だろう。
「いいえ、坊っちゃんに恥をかかす未来は見過ごせません。他がダメならせめて私がどこかでチャチャッと経験を積んで」
「くるなくるな!俺と積もう、経験は俺と積もう!」
“確かに坊っちゃんのお相手ならばそれはもう女神のような清廉潔白なご令嬢に決まっておりますね”
ならば変に経験豊富な相手より処女の私の方がいいのかも、と思い直した。
はじめて同士で探りながら気持ちいいところを見つけるというのが一番正解かもしれない。
「理解いたしました。どうぞお好きなだけ私でお試しください」
「なんか違う……」
再びしょぼんとしてしまうが、そんな捨てられた子犬のような姿はときめかせるだけ。
相変わらずドギュルンギュルギュルバッキュンと心音がパレードしつつ、そんな内心が顔に出ないことに少しだけ感謝した。
「……ベッドに移動してもいいか?」
少し戸惑いながらそう聞かれ、私は迷わず頷く。
手を引かれながらベッドに連れられると、まるでエスコートされているようでなんだかくすぐったい。
“こんなに立派になられて……”
坊っちゃんのベッドに、ベッドメイク以外で触れるだなんておこがましい気もしたが、ずっと立ったままの行為を望むご令嬢が何人いるだろうかと考え、促されるまま大人しく座った。
そのままバサリと上着を脱いだ坊っちゃんは、ベッド横の椅子に投げるようにかける。
7歳の頃のイメージが強いせいか可愛いとばかり思っていたのだが、18歳になられた坊っちゃんの体はしなやかな筋肉がついており、いつの間にか大人の男性になっていて。
その体を直視するのが恥ずかしくなり、私は思わず目を逸らしてしまった。
「……ま、まさか恥じらっているのか?」
「そのまさかです」
残念ながら表情筋はピクリとも動かなかったが、私の様子で察したらしい坊っちゃん。
私の返事を聞いた坊っちゃんの頬がじわじわと赤らむ。
「そうか、そうかそうか!いい傾向だ」
一気にご機嫌になった理由はわからないが、坊っちゃんが嬉しいと私までも嬉しくなった。
にこにこと満面の笑みを溢していた坊っちゃんだが、私と目が合った瞬間ハッとし表情を引き締める。
“微笑ましかったのですが、残念ですね”
きっと格好つけたいのだろう。
もっと見ていたい気もしたがそういうお年頃なのだ、仕方ない。
「さ、再開する」
「はい」
「キッ……ス、もして、いい……よな?」
「私と唇を合わせるのは構いませんが、『キッス』と仰られるより『キス』と端的にお話になられる方がスマートかと思いました」
「言い淀んで悪かったなッ!」
折角表情を引き締めたのに、すぐまたいつもの可愛いお顔に戻ってしまわれた坊っちゃんは、その勢いのまま私の肩を引き寄せる。
「んっ」
そのまま唇で塞がれると、私の口から小さな声が漏れた。
その声を聞いた坊っちゃんは、一瞬ピタリと停止しそのまま角度を変えて深く深くと口付ける。
貪るように唇を食まれ、私の唇を坊っちゃんの舌がつつき、求められるまま薄く唇を開くとすぐにぬるりと舌が口内に入れられた。
「……ぁ」
口付けを交わしつつ体重をかけられた私は、気付けば坊っちゃんに押し倒されていて。
「いいんだよな?」
「喜んでと申しましたよ」
お可愛らしいばかりだった深緑の瞳が、情欲に染まり私を見ている。
その瞳に見つめられただけで私の下腹部がじわりと熱を孕み、体がゾクリと震えた。
ギュドルンギュドルンと高鳴る鼓動。
流石にこの心音は恥ずかしいので、出来れば気付かれないといいなぁなんて思いつつ私は説明を続けた。
「お相手の胸を揉まれるということは、互いに望まれてその行為に及んでいるということでございましょう」
「互いに望んで……」
“あら?何故か少し落ち込んでしまわれたわね。けれど私の坊っちゃんが無理やりどこかのご令嬢に触れるなんてことするはずありません”
18歳、遅すぎる思春期だから繊細なのだろうと理由付け納得する。
「ならば、もっとお相手様の表情を読みつつ女性の感じるところにどんどん触れても構わないかと」
「その表情が読みにくいんだっ」
“練習相手が私ではそうなりますかね”
「大丈夫です、私は上手く表情が作れませんが、世のご令嬢はその限りではございません」
「他の令嬢じゃ意味がないんだが……くそ、感じさせればいいんだな!?揉むぞ!揉んじゃうからな!?」
「喜んで」
少しやけくそ気味になられているところも可愛い私の坊っちゃんは、意を決し両手で胸を揉みはじめる。
私の言葉が効いたのか、遠慮を捨てたらしく弾力や重さを確かめるようにぐにぐにと私の胸を揉んでいた坊っちゃんは、まだ少し遠慮気味に親指の腹で乳首を擦った。
“!”
手のひらが掠めたのとは違う、意思を持って触れる行為。
遠慮気味だったその指は、いつの間にか弄ぶという言葉がピッタリなほど乳首を中心に触れはじめていて。
「立ってきたな」
「はい。そうやって刺激されると案外簡単に立ってしまうものでございます」
「痛くはないか?」
「敏感な部分ですので、立ったからとすぐに強く弾いたりはせず労りながら徐々に強い刺激へ変えられるのがよろしいかと」
私の説明を聞いた坊っちゃんは、ふむ、と少し考え込む。
“まぁ!悩まれる姿はすっかり大人びておられるわ。壁画、壁画にするべきではないかしら。王城の壁画にいたしましょう、王族の顔は思い出せませんがウチの坊っちゃんの方が麗しいに決まっておりますし”
それとも金貨のデザインにすべきと嘆願書を出すべきか……と考えていた私を現実に引き戻したのは、指とは違う熱いものが突然私の乳首を這ったからだ。
「ゆ、指より舌の方がっ!その、痛くないかと思ってだな」
「まぁ。坊っちゃんがおっぱいを吸うまでになられるとは」
「待て、絶妙にニュアンスが違う。それだと退化だ成長させろ」
私の表現に少し不満そうな表情をしたものの、舐めるのは止めずにチロチロと舌が乳首をなぞる。
指で立たされた乳首は、私の進言通りに労りながら少しずつ刺激を強められた。
坊っちゃんはこんな才能までお持ちなのか、と思うほど的確に強弱をつけながら舌先でクリクリと乳首を捏ねられれば、私の腰は砕けそうになってしまって。
“気持ちいいですね”
ただの教育だとはわかっているが、大好きな坊っちゃんに触れられるというのはやはり嬉しく心が踊ってしまう。
“色っぽい表情の一つでも出来れば良かったのですが”
いかんせん鉄仮面。
反応もなく、表情も固定なら下手だと勘違いした坊っちゃんの心が折れてしまうかもしれない。
“せめて言葉でお伝えしなくては”
そう思った私が思いきって口を開く。
「とても気持ちいいです。はじめてとは思えないほどお上手ですよ」
「!そ、そうか?気持ちいいか?もっとして欲しいところはあるか?」
「感じるところは人それぞれでございますので、私に合わせてばかりはよろしくないのではありませんか?」
「俺はイメルダの感じるところが知りたいんだ!」
“私の?知ってどうするんでしょう”
坊っちゃんの言葉に心の中で首を傾げる。
“まぁ、経験の頭数にはなれますかね”
統計調査をするならまず母体が多ければ多い方がいい。
本命のご令嬢以外にあまりにも数をこなされるのはオススメできないが、だがこう見えて人一倍努力し勉強熱心な坊っちゃんのことだ。
人数ではなく色んな箇所を知りたいのかとも思った……のだが。
「申し訳ございません。私は経験がありませんので、どこが感じるという箇所をあまり知りません」
「!!そっ、そうだよな!?そうに決まってるもんな!つまり俺がはじめて……?」
「閨教育の師としてはあまり向きませんね。誰かいい師を探して……」
「探さなくていい!探さなくていいから!!むしろ俺はめちゃくちゃ嬉しいから!」
ちゃんと教えられるのかと不安になった私がそう言うと、私の腰に両腕でがっしり絡み付いた坊っちゃんが慌てだす。
そんな余裕のない様子もお可愛いらしいが、やはりここは経験豊富な者が適切だろう。
「いいえ、坊っちゃんに恥をかかす未来は見過ごせません。他がダメならせめて私がどこかでチャチャッと経験を積んで」
「くるなくるな!俺と積もう、経験は俺と積もう!」
“確かに坊っちゃんのお相手ならばそれはもう女神のような清廉潔白なご令嬢に決まっておりますね”
ならば変に経験豊富な相手より処女の私の方がいいのかも、と思い直した。
はじめて同士で探りながら気持ちいいところを見つけるというのが一番正解かもしれない。
「理解いたしました。どうぞお好きなだけ私でお試しください」
「なんか違う……」
再びしょぼんとしてしまうが、そんな捨てられた子犬のような姿はときめかせるだけ。
相変わらずドギュルンギュルギュルバッキュンと心音がパレードしつつ、そんな内心が顔に出ないことに少しだけ感謝した。
「……ベッドに移動してもいいか?」
少し戸惑いながらそう聞かれ、私は迷わず頷く。
手を引かれながらベッドに連れられると、まるでエスコートされているようでなんだかくすぐったい。
“こんなに立派になられて……”
坊っちゃんのベッドに、ベッドメイク以外で触れるだなんておこがましい気もしたが、ずっと立ったままの行為を望むご令嬢が何人いるだろうかと考え、促されるまま大人しく座った。
そのままバサリと上着を脱いだ坊っちゃんは、ベッド横の椅子に投げるようにかける。
7歳の頃のイメージが強いせいか可愛いとばかり思っていたのだが、18歳になられた坊っちゃんの体はしなやかな筋肉がついており、いつの間にか大人の男性になっていて。
その体を直視するのが恥ずかしくなり、私は思わず目を逸らしてしまった。
「……ま、まさか恥じらっているのか?」
「そのまさかです」
残念ながら表情筋はピクリとも動かなかったが、私の様子で察したらしい坊っちゃん。
私の返事を聞いた坊っちゃんの頬がじわじわと赤らむ。
「そうか、そうかそうか!いい傾向だ」
一気にご機嫌になった理由はわからないが、坊っちゃんが嬉しいと私までも嬉しくなった。
にこにこと満面の笑みを溢していた坊っちゃんだが、私と目が合った瞬間ハッとし表情を引き締める。
“微笑ましかったのですが、残念ですね”
きっと格好つけたいのだろう。
もっと見ていたい気もしたがそういうお年頃なのだ、仕方ない。
「さ、再開する」
「はい」
「キッ……ス、もして、いい……よな?」
「私と唇を合わせるのは構いませんが、『キッス』と仰られるより『キス』と端的にお話になられる方がスマートかと思いました」
「言い淀んで悪かったなッ!」
折角表情を引き締めたのに、すぐまたいつもの可愛いお顔に戻ってしまわれた坊っちゃんは、その勢いのまま私の肩を引き寄せる。
「んっ」
そのまま唇で塞がれると、私の口から小さな声が漏れた。
その声を聞いた坊っちゃんは、一瞬ピタリと停止しそのまま角度を変えて深く深くと口付ける。
貪るように唇を食まれ、私の唇を坊っちゃんの舌がつつき、求められるまま薄く唇を開くとすぐにぬるりと舌が口内に入れられた。
「……ぁ」
口付けを交わしつつ体重をかけられた私は、気付けば坊っちゃんに押し倒されていて。
「いいんだよな?」
「喜んでと申しましたよ」
お可愛らしいばかりだった深緑の瞳が、情欲に染まり私を見ている。
その瞳に見つめられただけで私の下腹部がじわりと熱を孕み、体がゾクリと震えた。
応援ありがとうございます!
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