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1.はじめての痛みは
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貴族には等しく魔力がある。
今より遥か昔は純粋な魔法なんてものを使える人もいたそうだが、残念ながら既に失われてしまった能力だ。
だが全てが失われてしまった訳ではなく、魔道具と呼ばれる魔力を蓄積することの出来る道具を媒体にして様々な魔法を使うことが出来た。
もちろんそれらの力も万能ではなく、無から有を作り出すことは出来ない。
だがその代わり、大気中の水分を使って防御魔法を展開したり、小さな火種を利用して大きな炎を作り出したり、逆に長時間消えずに燃え移らない光源を作り出したりも出来る。
そして私は人一倍魔力が少なかった。
だからこそ、少ない魔力でも役に立てるなにかを作ることに没頭し、気付けば令嬢でありながら研究員という職につく変わり者になってしまったのだ。
だが後悔はしていない。
私が研究員になったお陰で愛しい愛しいパトリスと出会えたのだから。
彼との出会いは私が十六の時だった。
魔力のあるひとりの孤児が魔法研究室へ預けられたのである。
(あの日の衝撃は忘れないわ)
突然目の前に現れたオレンジがかった金髪の痩せ細った少年。
だがその碧眼には強い意思を秘め、私をじっと見ていた。
魔力があるということはどこかの貴族の婚外子だったのだろう。
育ててくれたのはとある店の店主らしいが、高齢で亡くなりそこからはずっとひとりだったらしい。
行き倒れていたところを偶然見つけた魔法研究室の職員が、桁外れのその魔力に気付いて連れてきたという経緯らしいが――あの時の私はあまり聞いていなかった。
何故ならその儚げでありながら生命力溢れるその少年から目が離せなかったからである。
今思えば一目惚れ、だったのだろう。
元々研究員として頻繁に魔法研究室へと通っていた私は何かとその少年、パトリスに話しかけた。
毎日毎日話しかけ、食事を与え、魔道具の作り方を教えた。
最初は警戒していた彼も、次第に笑ってくれるようになり、その笑顔があまりにも尊くて鼻血を出したのも今ではいい思い出である。
そして私が教えたことを全て吸収し、応用までして見せたパトリスを我がグラニエ伯爵家の養子として迎えることになったのだ。
私は喜んだ。
これで朝も昼も夜もずっとパトリスと一緒にいられる。だって私たちは姉弟になったのだから。
(何故か弟と紹介すると少し不満そうな顔をするんだけど)
養子になった後も素直で可愛いパトリスは、いつの間にか肉付きも良くなりほどよく筋肉も引き締まった美青年になった。
誰もが振り向くその艶やかなオレンジがかった金髪が陽に輝き、憂いを帯びた碧眼を縁取る長い睫毛が妖艶に揺れる様は思わず見惚れてしまう。
そして気付いてしまったのだ、私の中の禁断の想いに。
――パトリスが、好き。
だが血は繋がっていなくとも、私たちは姉弟になったのだ。
パトリスにとってはやっと出来た家族。
そんな相手からこんな想いを向けられていると知ったら、きっとショックを受けるだろう。
「でも、せめて私のハジメテは貴方がいいの」
いつか私も誰かと結婚する日が来るだろう。
魔力が少なく研究ばかりの変わり者令嬢を好んで娶る人はいないかもしれないが、それでも伯爵家。
家と繋がりを持ちたい人はいるだろう。
そして私ももう二十四になったのだから、そんな未来はすぐそこまで迫っているかもしれない。
だからこそ、せめてハジメテの相手は心から愛する人がいい。
そう思った私が、何年も研究して作り上げたものこそ、この『大好き義弟パトリスの魔道ディルド』なのだ!
「我ながらこの裏筋に浮き出る血管とか完璧じゃないかしら? 見たことある訳じゃないけど」
土の力を使い形成したこの魔道ディルドは、作りたい相手の遺伝子を組み込むことで自動形成したもので、密かに拾ったパトリスの髪の毛を混ぜて作ったものだ。
なのでこれはれっきとしたパトリスの剛直と同等の形や硬さ、触り心地になっている。
「ごめんなさい、パトリス。変態……ごほん、ダメなお姉ちゃんでごめんね」
聞こえるはずがない口だけの謝罪を口にし、自身の秘部へとディルドをあてがう。
自分の濡らし方はわからなかったので、ディルドを沢山舐めて私の唾液でしっかりと濡らした。
これで痛みは少しマシになるだろう。
(本当は痛みを軽減する魔法薬を使ってもいいんだけど)
だがたった一回のハジメテなのだ。
この痛みすらも覚えておきたいとそう思った。
ちなみに魔法薬とは、通常の飲み薬に魔力を込めて効果を倍増させたものである。
モノによっては別の効果も期待できるため少し高めにはなるが好んで使われることが多かった。
「ん、く……っ、い、痛っ」
めりめりと私を引き裂きながらディルドが埋まる。
強烈な痛みを伴うのはちゃんと解せていなかったからだろう。
それでもこれは義弟の分身。
ゆっくりと抽挿するとディルドに血がついており、ズキンズキンと熱い痛みが走った。
圧迫感と異物感に息を吸うこともままならない。
暫く耐えるようにじっとし、少しだけ痛みが治まったタイミングで魔道ディルドのスイッチを入れる。
そう、このディルドは自動で目的のものを形成するだけではないのだ。
振動し、僅かにナカで伸びる。
その動きのお陰で奥を突かれる感覚もリアルに感じられる仕組みになっていた。
「ひ、あぁあッ!? やっ、ダメっ、いきなりそんなっ、あっ、あっ!」
だが相手はあくまでも道具。
こちらの状況を判断して動く訳ではないので、スイッチを入れた瞬間容赦なくナカを貫かれ私の口からは叫びに近い嬌声があがった。
「ひっ、あっ、あぁんっ、やだっ、ダメぇ!」
ドチュドチュと奥を貫き抉られる。
愛なんてないその単調な動きが私を何度も襲う。
破瓜の痛みもまだ残っているのに無理やり蠢くそのディルドに、まるで無理やり犯されているようだった。
(これが、パトリスのおちんちんのパワー……!)
それなのに、これがパトリスのモノだと思うと胸の奥に確かな悦びが芽生える。
身勝手な想いを向け、無断でこんなものを作り、悦ぶ私をパトリスが知ったらどれほど軽蔑されるのだろうか。
そうわかっているのに、私はこのディルドが愛おしくて堪らない。
「もっと突いて、私の奥……!」
ディルドの抽挿に夢中になる。
自然と自身の腰も揺れてしまっているが、それを止めることすら出来ず私は喘ぎ声を響かせながらその夜をひたすら楽しんだのだった。
今より遥か昔は純粋な魔法なんてものを使える人もいたそうだが、残念ながら既に失われてしまった能力だ。
だが全てが失われてしまった訳ではなく、魔道具と呼ばれる魔力を蓄積することの出来る道具を媒体にして様々な魔法を使うことが出来た。
もちろんそれらの力も万能ではなく、無から有を作り出すことは出来ない。
だがその代わり、大気中の水分を使って防御魔法を展開したり、小さな火種を利用して大きな炎を作り出したり、逆に長時間消えずに燃え移らない光源を作り出したりも出来る。
そして私は人一倍魔力が少なかった。
だからこそ、少ない魔力でも役に立てるなにかを作ることに没頭し、気付けば令嬢でありながら研究員という職につく変わり者になってしまったのだ。
だが後悔はしていない。
私が研究員になったお陰で愛しい愛しいパトリスと出会えたのだから。
彼との出会いは私が十六の時だった。
魔力のあるひとりの孤児が魔法研究室へ預けられたのである。
(あの日の衝撃は忘れないわ)
突然目の前に現れたオレンジがかった金髪の痩せ細った少年。
だがその碧眼には強い意思を秘め、私をじっと見ていた。
魔力があるということはどこかの貴族の婚外子だったのだろう。
育ててくれたのはとある店の店主らしいが、高齢で亡くなりそこからはずっとひとりだったらしい。
行き倒れていたところを偶然見つけた魔法研究室の職員が、桁外れのその魔力に気付いて連れてきたという経緯らしいが――あの時の私はあまり聞いていなかった。
何故ならその儚げでありながら生命力溢れるその少年から目が離せなかったからである。
今思えば一目惚れ、だったのだろう。
元々研究員として頻繁に魔法研究室へと通っていた私は何かとその少年、パトリスに話しかけた。
毎日毎日話しかけ、食事を与え、魔道具の作り方を教えた。
最初は警戒していた彼も、次第に笑ってくれるようになり、その笑顔があまりにも尊くて鼻血を出したのも今ではいい思い出である。
そして私が教えたことを全て吸収し、応用までして見せたパトリスを我がグラニエ伯爵家の養子として迎えることになったのだ。
私は喜んだ。
これで朝も昼も夜もずっとパトリスと一緒にいられる。だって私たちは姉弟になったのだから。
(何故か弟と紹介すると少し不満そうな顔をするんだけど)
養子になった後も素直で可愛いパトリスは、いつの間にか肉付きも良くなりほどよく筋肉も引き締まった美青年になった。
誰もが振り向くその艶やかなオレンジがかった金髪が陽に輝き、憂いを帯びた碧眼を縁取る長い睫毛が妖艶に揺れる様は思わず見惚れてしまう。
そして気付いてしまったのだ、私の中の禁断の想いに。
――パトリスが、好き。
だが血は繋がっていなくとも、私たちは姉弟になったのだ。
パトリスにとってはやっと出来た家族。
そんな相手からこんな想いを向けられていると知ったら、きっとショックを受けるだろう。
「でも、せめて私のハジメテは貴方がいいの」
いつか私も誰かと結婚する日が来るだろう。
魔力が少なく研究ばかりの変わり者令嬢を好んで娶る人はいないかもしれないが、それでも伯爵家。
家と繋がりを持ちたい人はいるだろう。
そして私ももう二十四になったのだから、そんな未来はすぐそこまで迫っているかもしれない。
だからこそ、せめてハジメテの相手は心から愛する人がいい。
そう思った私が、何年も研究して作り上げたものこそ、この『大好き義弟パトリスの魔道ディルド』なのだ!
「我ながらこの裏筋に浮き出る血管とか完璧じゃないかしら? 見たことある訳じゃないけど」
土の力を使い形成したこの魔道ディルドは、作りたい相手の遺伝子を組み込むことで自動形成したもので、密かに拾ったパトリスの髪の毛を混ぜて作ったものだ。
なのでこれはれっきとしたパトリスの剛直と同等の形や硬さ、触り心地になっている。
「ごめんなさい、パトリス。変態……ごほん、ダメなお姉ちゃんでごめんね」
聞こえるはずがない口だけの謝罪を口にし、自身の秘部へとディルドをあてがう。
自分の濡らし方はわからなかったので、ディルドを沢山舐めて私の唾液でしっかりと濡らした。
これで痛みは少しマシになるだろう。
(本当は痛みを軽減する魔法薬を使ってもいいんだけど)
だがたった一回のハジメテなのだ。
この痛みすらも覚えておきたいとそう思った。
ちなみに魔法薬とは、通常の飲み薬に魔力を込めて効果を倍増させたものである。
モノによっては別の効果も期待できるため少し高めにはなるが好んで使われることが多かった。
「ん、く……っ、い、痛っ」
めりめりと私を引き裂きながらディルドが埋まる。
強烈な痛みを伴うのはちゃんと解せていなかったからだろう。
それでもこれは義弟の分身。
ゆっくりと抽挿するとディルドに血がついており、ズキンズキンと熱い痛みが走った。
圧迫感と異物感に息を吸うこともままならない。
暫く耐えるようにじっとし、少しだけ痛みが治まったタイミングで魔道ディルドのスイッチを入れる。
そう、このディルドは自動で目的のものを形成するだけではないのだ。
振動し、僅かにナカで伸びる。
その動きのお陰で奥を突かれる感覚もリアルに感じられる仕組みになっていた。
「ひ、あぁあッ!? やっ、ダメっ、いきなりそんなっ、あっ、あっ!」
だが相手はあくまでも道具。
こちらの状況を判断して動く訳ではないので、スイッチを入れた瞬間容赦なくナカを貫かれ私の口からは叫びに近い嬌声があがった。
「ひっ、あっ、あぁんっ、やだっ、ダメぇ!」
ドチュドチュと奥を貫き抉られる。
愛なんてないその単調な動きが私を何度も襲う。
破瓜の痛みもまだ残っているのに無理やり蠢くそのディルドに、まるで無理やり犯されているようだった。
(これが、パトリスのおちんちんのパワー……!)
それなのに、これがパトリスのモノだと思うと胸の奥に確かな悦びが芽生える。
身勝手な想いを向け、無断でこんなものを作り、悦ぶ私をパトリスが知ったらどれほど軽蔑されるのだろうか。
そうわかっているのに、私はこのディルドが愛おしくて堪らない。
「もっと突いて、私の奥……!」
ディルドの抽挿に夢中になる。
自然と自身の腰も揺れてしまっているが、それを止めることすら出来ず私は喘ぎ声を響かせながらその夜をひたすら楽しんだのだった。
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