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第三章:嵐の悪友
17.気持ちの理由
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「こ、こんちゃん!?」
「白!?」
突然後ろから声がしたことに驚きびくりと体が跳ねる。
同じく驚いたらしい鬼さんは、おそらくまた私を担いでどこかへ行こうと慌てて私へと手を伸ばし――
「同じ手に何度も引っかからないよ」
伸ばされたその手をダァンと机へ叩き落としたかと思ったら、すぐに後ろ手へ捻り込んだ。
「い……ッ!」
「こ、こんちゃん、そのっ」
「何がしたいのかわかんないし、この漂うお酒の匂いなんなの? お前が飲んだくれるのはいいけどゆっこまで巻き込まないでくんない」
“来てくれたんだ……!”
別に悪意があって拐われた訳じゃなかったが、やはりこんちゃんと離れている間心細かったのだろう。
そして来てくれたというその事実に、沈んだ気持ちが一気に浮上し胸の奥が熱くなった。
「ううっ、こんちゃ、こんちゃん……!」
さっきまでの不安な気持ちが嘘のように感じ、慌てて立ち上がった私はキリキリと鬼さんの腕を捻り上げているこんちゃんへと駆け寄り抱き付く。
「えっ、ゆ、ゆっこ?」
「こんちゃん、会いたかった、心細かったよぅ……!」
どうしてこんなことを口にしたのかわからないが、何故か私の口からするりと溢れたその言葉と涙はしっかりと伝わったようだった。
「ゆっこ……、不安にさせてごめん」
「痛い痛いッ、ちょ、さっきより腕が……!」
「なんでかわかんないんだけど、私はこんちゃんがいいの、清子さんよりこんちゃんなのぉ……!」
「ゆっこ……!」
「待て待て待て、俺っちは!? 見えていらっしゃらない!?」
ひしっとこんちゃんの背中にしがみつくと、こんちゃんの尻尾がそっと足に絡み付いた。
「こん、ちゃん?」
「ゆっこ、俺だって」
「えぇいッ!! 俺っちを思い出せぇぇ!!」
「うわっ」
ガバッと無理やり体を起こした鬼さんに驚いて私がよろめくと、すかさずこんちゃんが私の体を支えてくれる。
そのお陰で完全に拘束から解放された鬼さんが、こんちゃんに捻られた腕を擦りながらジロッと睨んだ。
「流石に俺っちを痛め付けながらいちゃつくのは酷くねぇか?」
「そもそもゆっこを連れ回すお前が完全悪だろ」
「そこまでっ!?」
ムスッとしながら抗議する鬼さんの言い分をあっさりとぶった斬ったこんちゃんは、しれっとした顔で私へと向き直る。
「酷いこと、されなかった?」
「うん、私は大丈夫」
「俺っちだって! 白に酷いことされたの俺っち!」
「あ、この手拭いありがとう。洗って返したいんだけど、次はいつ会えるかわからないから」
「二人揃って普通にスルーか!? あー、手拭いはこのまま貰ってく、大事なものだから」
結局使わなかったその手拭いを鬼さんへと返すと、やはりとても大事なものだったらしくその手拭いへと視線を落とした鬼さんがふわりと微笑んだ。
「あ、例の話なんだけど」
「うん?」
“こんちゃんの誕生日プレゼント……”
ちらっとこんちゃんを見ると、また私が拐われないかを懸念しているのか眉をひそめて鬼さんを見る彼がそこにいた。
そしてその不機嫌そうなその顔がなんだか嬉しいと感じてしまって。
“きっと、不機嫌な顔を見てこんな気持ちになるのはこんちゃんだから”
例え同じものを貰ったとしても、それを選んでくれた人が自分にとってどういう人かで嬉しさは変わるだろう。
“呼び名だって、『誰に』呼ばれるかが重要――”
鬼さんが言っていたことを反芻しこくりと頷いた私は、改めて鬼さんの方へと顔を向けた。
「何でもいいと思う。それが例え道端の花でも、何でも。大事なのは『誰に』って部分でしょ?」
「……!」
私のその言い方に、自分が言った言葉を思い出したのかぽかんとした表情をした鬼さんは、すぐにその顔を破顔させる。
「あぁ、そうだった!」
そしてわっはっは、と大きな口で笑ったと思ったら、私の頭をがしがしと乱暴に撫でた。
「おい!!!」
その腕をすかさずこんちゃんが掴もうとするが、流石に二度目だからかひらりと交わし後退りように跳んだ鬼さんがニッと笑って。
「嫁っ子は、一度『仮初め』って言葉の意味を調べた方がいいぜ!」
「?」
「またな!」
突然こんちゃんの家の庭に現れた時のように、消えるように去っていったのだった。
「……うぐぐ、いっ、たたた……!」
「ゆっこ大丈夫!?」
ズキズキと痛むこめかみを押さえ思わず唸ると、水を持ってきてくれたこんちゃんが慌てて駆け寄ってくる。
「はい、水飲める?」
「あ、ありがとう……」
気遣ってくれる優しい声に頬が熱くなるのは、絶対昨日の失態のせいだ。
“なんで私、昨日あんなことを!”
半泣きになり縋るように抱き付いた自分を思い出し、この二日酔いの痛み以上に頭が痛む。
お酒に惑わされたとしか言えない自分の行動が恥ずかしくて堪らなかった。
「そういや昨日の話なんだけど」
「ひぇっ!? き、昨日……?」
「? そう、あいつちゃんとプレゼント渡して謝って、許して貰ったって」
「あ、あぁ、そっち……って、え、プレゼント?」
その単語にきょとんとした私と同じように、私の様子にきょとんとしたこんちゃんと目が合った。
「あぁ、なんかお嫁さん怒らせたらしくって」
「お嫁さん!?」
「そう。あいつ結婚を許して貰うために八年前鬼の当主になったんだけどさ」
「それが理由!?」
鬼さんが来たとき、確かにこんちゃんとの会話で八年前が、と言っていたことを思い出す。
だがまさかここと繋がってくるとは思わなかった私は唖然とした。
「ち、ちなみにそのお嫁さんって」
「雷神の娘さんで、あー、ほら、あいつまたなんかやらかしたっぽい」
そう言いながらこんちゃんが外を指差すと、遠くに見える山に雷が光った。
「え、今の光って」
「雷、落とされたみたい。今度は何やらかしたんだろ」
“怒りで雷が物理的に落ちる世界線!”
その光景を愕然として眺めていると、こんちゃんが私の額にそっと触れる。
「ッ!?」
「二日酔い、痛む?」
「まぁ……。でも、これは自業自得だから」
「あ、そうだ、清子さんに二日酔いに効く薬貰ってこようか?」
「流石にそれは申し訳なさすぎるから!」
まるで名案だと言わんばかりに顔を綻ばせるこんちゃんにギョッとし、慌てて顔を振るとその振動でズキンと更に頭が痛む。
「ちょ、ほらとりあえずゆっこは寝て」
「うぅう……」
促されるまま布団に横になると、私からコップを受け取ったこんちゃんが小さなお盆ごと近くの机へと置いた。
そして布団近くに座り、先ほどは指先で軽く触れただけだった額を手のひらで覆う。
「手当て、って知ってる?」
「うん?」
「こうやって手のひらで温めると、痛みが薄らぐんだよ」
柔らかい声色が耳をくすぐり、額に感じる彼の手のひらが温かい。
なんだか恥ずかしくて今すぐ離して欲しいような、でもこの心地よさをもう少し感じていたいような不思議な気持ちになった。
“頭が痛いから、だよね”
体のどこかしらに不調が出ている時は気持ちも落ちてしまうから、きっとこの気持ちはそういうことなのだと無理やりに納得させた私は、彼から与えられるこの温もりに甘えそっと目を閉じる。
こんな風に甘やかして貰えるのも、私が仮初めの恋人だから。
“あと、どれくらいこうしていられるんだろう”
期間は彼のお姉さんが新婚旅行から帰ってくるまで。
あんなに早く帰りたいと思っていたのに、もちろんその気持ちは今もあるのに――それなのに、彼の側の心地よさを知ってしまったせいか、『終わり』を想像して寂しく感じる。
“この感情もきっと、頭が痛いから……”
――そうであって欲しいと願いながら、私はそっと目を閉じたのだった。
「白!?」
突然後ろから声がしたことに驚きびくりと体が跳ねる。
同じく驚いたらしい鬼さんは、おそらくまた私を担いでどこかへ行こうと慌てて私へと手を伸ばし――
「同じ手に何度も引っかからないよ」
伸ばされたその手をダァンと机へ叩き落としたかと思ったら、すぐに後ろ手へ捻り込んだ。
「い……ッ!」
「こ、こんちゃん、そのっ」
「何がしたいのかわかんないし、この漂うお酒の匂いなんなの? お前が飲んだくれるのはいいけどゆっこまで巻き込まないでくんない」
“来てくれたんだ……!”
別に悪意があって拐われた訳じゃなかったが、やはりこんちゃんと離れている間心細かったのだろう。
そして来てくれたというその事実に、沈んだ気持ちが一気に浮上し胸の奥が熱くなった。
「ううっ、こんちゃ、こんちゃん……!」
さっきまでの不安な気持ちが嘘のように感じ、慌てて立ち上がった私はキリキリと鬼さんの腕を捻り上げているこんちゃんへと駆け寄り抱き付く。
「えっ、ゆ、ゆっこ?」
「こんちゃん、会いたかった、心細かったよぅ……!」
どうしてこんなことを口にしたのかわからないが、何故か私の口からするりと溢れたその言葉と涙はしっかりと伝わったようだった。
「ゆっこ……、不安にさせてごめん」
「痛い痛いッ、ちょ、さっきより腕が……!」
「なんでかわかんないんだけど、私はこんちゃんがいいの、清子さんよりこんちゃんなのぉ……!」
「ゆっこ……!」
「待て待て待て、俺っちは!? 見えていらっしゃらない!?」
ひしっとこんちゃんの背中にしがみつくと、こんちゃんの尻尾がそっと足に絡み付いた。
「こん、ちゃん?」
「ゆっこ、俺だって」
「えぇいッ!! 俺っちを思い出せぇぇ!!」
「うわっ」
ガバッと無理やり体を起こした鬼さんに驚いて私がよろめくと、すかさずこんちゃんが私の体を支えてくれる。
そのお陰で完全に拘束から解放された鬼さんが、こんちゃんに捻られた腕を擦りながらジロッと睨んだ。
「流石に俺っちを痛め付けながらいちゃつくのは酷くねぇか?」
「そもそもゆっこを連れ回すお前が完全悪だろ」
「そこまでっ!?」
ムスッとしながら抗議する鬼さんの言い分をあっさりとぶった斬ったこんちゃんは、しれっとした顔で私へと向き直る。
「酷いこと、されなかった?」
「うん、私は大丈夫」
「俺っちだって! 白に酷いことされたの俺っち!」
「あ、この手拭いありがとう。洗って返したいんだけど、次はいつ会えるかわからないから」
「二人揃って普通にスルーか!? あー、手拭いはこのまま貰ってく、大事なものだから」
結局使わなかったその手拭いを鬼さんへと返すと、やはりとても大事なものだったらしくその手拭いへと視線を落とした鬼さんがふわりと微笑んだ。
「あ、例の話なんだけど」
「うん?」
“こんちゃんの誕生日プレゼント……”
ちらっとこんちゃんを見ると、また私が拐われないかを懸念しているのか眉をひそめて鬼さんを見る彼がそこにいた。
そしてその不機嫌そうなその顔がなんだか嬉しいと感じてしまって。
“きっと、不機嫌な顔を見てこんな気持ちになるのはこんちゃんだから”
例え同じものを貰ったとしても、それを選んでくれた人が自分にとってどういう人かで嬉しさは変わるだろう。
“呼び名だって、『誰に』呼ばれるかが重要――”
鬼さんが言っていたことを反芻しこくりと頷いた私は、改めて鬼さんの方へと顔を向けた。
「何でもいいと思う。それが例え道端の花でも、何でも。大事なのは『誰に』って部分でしょ?」
「……!」
私のその言い方に、自分が言った言葉を思い出したのかぽかんとした表情をした鬼さんは、すぐにその顔を破顔させる。
「あぁ、そうだった!」
そしてわっはっは、と大きな口で笑ったと思ったら、私の頭をがしがしと乱暴に撫でた。
「おい!!!」
その腕をすかさずこんちゃんが掴もうとするが、流石に二度目だからかひらりと交わし後退りように跳んだ鬼さんがニッと笑って。
「嫁っ子は、一度『仮初め』って言葉の意味を調べた方がいいぜ!」
「?」
「またな!」
突然こんちゃんの家の庭に現れた時のように、消えるように去っていったのだった。
「……うぐぐ、いっ、たたた……!」
「ゆっこ大丈夫!?」
ズキズキと痛むこめかみを押さえ思わず唸ると、水を持ってきてくれたこんちゃんが慌てて駆け寄ってくる。
「はい、水飲める?」
「あ、ありがとう……」
気遣ってくれる優しい声に頬が熱くなるのは、絶対昨日の失態のせいだ。
“なんで私、昨日あんなことを!”
半泣きになり縋るように抱き付いた自分を思い出し、この二日酔いの痛み以上に頭が痛む。
お酒に惑わされたとしか言えない自分の行動が恥ずかしくて堪らなかった。
「そういや昨日の話なんだけど」
「ひぇっ!? き、昨日……?」
「? そう、あいつちゃんとプレゼント渡して謝って、許して貰ったって」
「あ、あぁ、そっち……って、え、プレゼント?」
その単語にきょとんとした私と同じように、私の様子にきょとんとしたこんちゃんと目が合った。
「あぁ、なんかお嫁さん怒らせたらしくって」
「お嫁さん!?」
「そう。あいつ結婚を許して貰うために八年前鬼の当主になったんだけどさ」
「それが理由!?」
鬼さんが来たとき、確かにこんちゃんとの会話で八年前が、と言っていたことを思い出す。
だがまさかここと繋がってくるとは思わなかった私は唖然とした。
「ち、ちなみにそのお嫁さんって」
「雷神の娘さんで、あー、ほら、あいつまたなんかやらかしたっぽい」
そう言いながらこんちゃんが外を指差すと、遠くに見える山に雷が光った。
「え、今の光って」
「雷、落とされたみたい。今度は何やらかしたんだろ」
“怒りで雷が物理的に落ちる世界線!”
その光景を愕然として眺めていると、こんちゃんが私の額にそっと触れる。
「ッ!?」
「二日酔い、痛む?」
「まぁ……。でも、これは自業自得だから」
「あ、そうだ、清子さんに二日酔いに効く薬貰ってこようか?」
「流石にそれは申し訳なさすぎるから!」
まるで名案だと言わんばかりに顔を綻ばせるこんちゃんにギョッとし、慌てて顔を振るとその振動でズキンと更に頭が痛む。
「ちょ、ほらとりあえずゆっこは寝て」
「うぅう……」
促されるまま布団に横になると、私からコップを受け取ったこんちゃんが小さなお盆ごと近くの机へと置いた。
そして布団近くに座り、先ほどは指先で軽く触れただけだった額を手のひらで覆う。
「手当て、って知ってる?」
「うん?」
「こうやって手のひらで温めると、痛みが薄らぐんだよ」
柔らかい声色が耳をくすぐり、額に感じる彼の手のひらが温かい。
なんだか恥ずかしくて今すぐ離して欲しいような、でもこの心地よさをもう少し感じていたいような不思議な気持ちになった。
“頭が痛いから、だよね”
体のどこかしらに不調が出ている時は気持ちも落ちてしまうから、きっとこの気持ちはそういうことなのだと無理やりに納得させた私は、彼から与えられるこの温もりに甘えそっと目を閉じる。
こんな風に甘やかして貰えるのも、私が仮初めの恋人だから。
“あと、どれくらいこうしていられるんだろう”
期間は彼のお姉さんが新婚旅行から帰ってくるまで。
あんなに早く帰りたいと思っていたのに、もちろんその気持ちは今もあるのに――それなのに、彼の側の心地よさを知ってしまったせいか、『終わり』を想像して寂しく感じる。
“この感情もきっと、頭が痛いから……”
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