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番外編

3.可愛い顔は免罪符?

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「あッ、ひぁあ!」
「んっ、すご、俺の指めちゃくちゃ締めてきてますよ」
「ば、ばか……っ」

 あの後彼は宣言通り、クリトリスを親指で潰すように擦りながら舌で舐め、指を二本奥まで挿入しナカをかき混ぜて。

 休む間もなくイかされた私はいつしか喘ぎながらぐったりとベッドに寝転ぶしか出来なくなっていた。
 せめてもの抵抗で両腕を突っ張ったりしてみたが、力の入らない体では彼の前髪をなでるくらいにしかならなくて。

「煽ってます?」
“そんな訳ないでしょ!”

 はふはふと浅い呼吸を繰り返した私は、精一杯の抗議を込めて睨むと彼の口元がゆるりと上がる。
 その顔に不穏さを感じた私は、焦って制止しようと口を開いたのだが――……


「そろそろ欲しいってことですね」
「……ッ!」

 手を伸ばしベットに付属している棚からゴムを取り出した結翔が、慣れた手付きで装着する。
 そしてそのまま私のソコへとあてがって。


「ひ……っ、や、おっき……!」

 指や舌とは全然違う、押し開かれるようにナカを抉られた。

「……は、きつ……」

 ぽつりと呟く彼の言葉に反応することすら出来ず、腰が甘く痺れ視界がチカチカとする。
 彼がゆっくりと腰を進め、そして抜けるギリギリまで腰を引き――ばちゅん、と今度は勢いよく奥まで貫く。

「ッッ」

 それらの行為を何度も繰り返し、そして突く度に速度を増す抽挿のせいでぱちゅんぱちゅんと卑猥な水音が部屋に響いた。

「あっ、あっ、あっ」

 口からは同じ嬌声しか出ず、彼から与えられる快感に耐えるだけで精一杯で。


「は、きもち……、美月さんは? どこがイイですか」
「あっ、わか……な、ひんっ」
「奥を強くされたい? それとも浅いところをグリグリ抉ろうか」
「ひっ、だめ、それだめっ」
「どっち? あぁ、これも、どっちも?」
「やぁあ!」

 部屋中にパンパンと肌同士がぶつかる音がして私の耳からも羞恥を誘う。
 
 快感を与えられる度に息を詰める私の腰を両手で掴んだ結翔は、全てをぶつけながら私の腰を何度も揺すった。


「俺が突く度にきゅうきゅうって締め付けてる自覚、あります?」

 少し掠れた声でそんなことを言われると、逆に反応してしまう。

「ほら、また。そんなに気持ちいいですか? 俺は凄くいいですけど、もっと気持ちよくなって欲しいなぁ」
「ひっ、だ、ダメ、もう……!」
「ふふ、それこそダメです。だってほら、俺のピストンに合わせてぶるぶる揺れるおっぱいももっと可愛がってあげなくちゃ」
「!!!」

 彼のその言葉を聞いただけで次にされることが頭に過り、ぞわりとした期待と少しの恐怖が駆け巡る。
 既にもう何も考えられなくなっているのに、これ以上の快感を与えられたらどうなるのか――

 逃がすことの出来ない快感が体に溜まり、弾けそうな錯覚すら感じていて。


「こういうの、どうですか」
「あ、あぁぁあッ!?」

 まるで実験するようなことを言いながら揺れる乳首に唇を寄せた彼が、そのままカリッと甘噛みをする。
 その瞬間、ギリギリまで溢れそうになっていた私の快感が弾け思い切り背中を反り返した。


「すご、乳首だけでイっちゃいました?」
「あ、あぁ……っ」
「違うか、だってナカも突かれてますもんね」
「あんっ!」

 白く視界が染まりパチパチと星が舞う。
 返事なんて出来ない私の反応をどう捉えたのか、ちゅぱちゅぱと再び乳首を刺激した彼が腰の動きを少し止めて。


「……そろそろ俺も、いいですか?」

 なにが、なんて聞かなくてもそれが何かわかった私は、早くこの快感の渦から逃れたくて何度もこくこくと頷いた。

 私が頷いたことを確認した彼が一瞬触れるだけのキスをして。


「ひんッ」

 ズンッと深く貫くと、降りてきた子宮口に捩じ込むようにグリグリと奥を抉る。
 腰を引き奥を貫くように何度も腰を打ち付けられ――

「くっ、みつきさ……っ」
「あっ、はやく、あんっ、も……っ!」

 びゅくびゅくと彼のモノが私のナカで震えたのだった。




「すみません」
「……何が」
「えっとその、ヤりすぎました」
「ふぅーん?」
「うっ」

 完全にベットで動けなくなった私がジト目を向けると、気まずそうに顔を背ける結翔。
 だがその口元が緩んでいることに気が付いて。

「わ、笑ってるじゃない!」
「いや、それは……っ、だってその、可愛いから」
「なっ」

“そ、そんな言葉に騙されないんだから!”

 簡単に絆されそうになる自分を律しながら小さく首を振ると、優しく額を撫でられる。


「うどん、続きは俺が作りますね。完成したらベッドまで持ってきましょうか? リビングで食べるなら連れて行きますけど」
「……リビングで、食べるわ」
「ははっ、その後は家で映画でも観ましょうか。晩ご飯は俺が作ってもいいし」
「…………」

 にこにこと笑う彼が、制止も聞いて貰えず散々抱かれた後なのにやはりどうしても可愛くて。

「私も、作るから」

 移動するために抱き上げようとしてくれていた彼の首に両腕を回しぎゅっと抱き付く。

「ふふ、本当に新婚さんみたいね」

 自分もそんな妄想をし、そして彼も口にしていたその言葉を思い出した私がぽつりとそう呟いて。


「……また煽ってます?」
「へっ!?」
「どうしてそんな可愛いこと言うかなぁ、やっぱりうどんはベッドに運びましょうか。リビングで抱かれるより体は楽ですよ、多分」
「多分!? というかリビングでもするつもりなの!?」
「可愛いのが悪いですよね」
「ひぇっ」


 可愛い、と思ってしまう笑顔を向けられながら、その可愛さが獰猛な獣の顔を隠しているだけなのだと実感させられた私は、今更どうしたって逃れることは出来ないらしい――
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