10 / 23
10.会いに行ってもいいんですか
しおりを挟む
“最ッ悪のタイミングだわ!”
まさか咥えている途中で寝落ちるなど、娼婦の恥である。
あの後ルミール様……、いや、公爵様はどうされたのだろうか。
「か、噛んでないといいんだけど」
そんな想像をしゾッと青ざめる。
それにあの状態で眠るのは男性にとって辛いはず。
寝ている相手と、というプレイはまだ教えていないので普通ならば自分で処理することになるのだろうが、そもそもその方法を彼は知っているのだろうか。
“知らないかも……”
もしそうであれば、私はどれだけの苦行を彼に課したということになるのかと考え思わず頭を抱えた。
「っていうか、ここって」
どう見ても公爵様の部屋である。
私が寝てしまった後、どうやら彼は私を起こすこともせず寝かせてくれたようで申し訳なさが倍増した。
「おはようございます、サシャ様」
「あ、イレナさん」
扉をノックし中へと入ってきたのはイレナだった。
「体調はどうでしょうか?」
「すごくいいです」
“体調は、だけど”
残念ながらメンタルは自分のやらかしでボロボロだった、のだが。
「朝食は召し上がれそうですか? こちらにお持ちいたします」
「え!? ここ、公爵様の部屋なんじゃ」
「はい。お疲れだろうから、とルミール様からそう申しつけられております」
あんな状態の彼を放置し寝てしまった私を叱るどころか気遣ってくれたことに驚く。
“本当に知れば知るほど悪徳というイメージから離れる人だわ”
さっきまであんなに申し訳なさと情けなさでいっぱいだったのに、そんな彼のひとつの気遣いで私の心には温かいものがじわりと広がるようだった。
お言葉に甘え、彼の部屋で簡単な朝食をいただいた後は私に与えられた部屋へと戻る。
まだここに来て四日しかたっていないのに、なんだか戻ってきたという感覚になり私は思わず苦笑した。
“このまま慣れちゃまずいわね”
私はあくまでも彼の閨係として買われた娼婦。
その一線を見誤ると、後で痛い目をみるのは私だろう。
「ねぇ、私にも何か仕事を貰えないかしら」
「え?」
私の発言にイレナの琥珀色の瞳が見開かれる。
「何かしていないと夜まで暇なの。邪魔にならずに出来ることはないかしら? これでもノースィルでは料理の下ごしらえとかもしていたから、野菜の皮むきとかも得意なのよ」
戸惑ったような表情の彼女に、「お願い」とダメ押しのおねだりをするとしぶしぶ彼女が連れてきてきれたのは調理場だった。
「ここで味見の仕事など」
「それ仕事じゃなくない!?」
なんとか私に仕事をさせないようあがく彼女に思い切りツッコミつつあたりを見回すと、カゴに積まれた大量の野菜に気が付いた。
“ここに置いてあるってことは今から洗うのよね”
その野菜をひとつ手に取り、調理場の人たちの方へ振り返る。
「これ、洗ったらいいですか?」
「え、でも……」
一番見習いっぽい少年が戸惑ったようにイレナへと視線を送ると、観念したように頷くイレナ。
そんな彼女を見た少年が私へと視線を戻す。
「洗った後は皮をむいてそっちのカゴに移してください」
「その後は?」
「切って湯がきながらアク抜きをしますが……、でも重いですよ」
“確かにこの量を一気に茹でると鍋はそうとう重くなりそうね”
だがこれでもノースィルでは私が料理の下ごしらえもしていたのだ。
流石にこの量は初めてだが、これくらいは大丈夫だと笑って頷き早速作業を開始する。
私の手つきが思ったよりも手慣れていたからか、一瞬驚いた顔をしたイレナがすぐに私の隣に立った。
「私もやります」
「え? でも他の仕事があるんじゃ」
「それはサシャ様も一緒ですよ。それに私の仕事はサシャ様が快適にお過ごしいただくことなので問題ありません」
“い、いい子!”
嫌な顔をせずそう言い切る彼女にうっかりきゅんとしつつ、お言葉に甘えて私たちは野菜の下処理を始めたのだった。
下処理を終え、自室に帰ってきた私たち。
「思ったよりも大変だったわね……」
「お休みになられますか?」
「ううん、大丈夫。イレナさんこそ大丈夫?」
野菜の下ごしらえというのは結構な重労働だ。
いくら慣れているとは言っても、結構な量を一気に処理したので体が軋む。
だがそれだけにこの適度な疲労が夜の安眠を支えてくれ――……って、寝ちゃダメだった!
ハッとした私はチラリと自室のベッドへと視線を向ける。
“適度な疲労感はあるけど、まだ眠くはないのよね”
仮眠を取れば今晩呼ばれても大丈夫だろうが、眠気がないのに眠ることは難しい。
「というか、そもそも連続で呼ばれるのかしら?」
跡継ぎを熱望しているということはゆっくり閨指導を求めている訳ではないだろう。
きっと出来るようになればすぐに誰かと再婚し子作りに励むはず。
であれば、この間のように仕事が押さなければ毎日呼ばれる可能性だってあるかもしれない。
“でもそれって、公爵様はいつ休まれるのかしら?”
ふとそんなことが気になった。
「ねぇ、公爵様だって疲れるわよね?」
「それはもちろんですが……、あ、でもお体を鍛えられておりますので私たちよりずっと体力はあると思いますよ」
「え! 仕事もして鍛えもしてるの!?」
にこりと告げられたその言葉にギョッとする。
そういえば隣の領地と揉めた時、彼自らが剣を持ち相手を降伏させたという噂があったんだったなと思い出した。
“あの噂は本当だったのね”
これは本格的に怒らせてはいけない相手だわ、なんて考えていた私の表情をどう捉えたのか、突然パチンと手を叩いたイレナがパッと顔をあげた。
「この時間でしたら丁度訓練に参加されていると思いますよ、見に行きますか?」
「……え、ええっ!?」
見に行くって、まさか私が?
「そんなのダメよ! だって私はただの娼婦でっ」
「大丈夫ですよ、場所はこの公爵城の中ですし!」
“それ全然大丈夫じゃないんですけどっ!?”
買った娼婦がこんな明るい時間から無断で訪ねてくるなど面倒でしかないだろう。
しかも他にも訓練している部下がいる前で、だ。
いくらこの「初夜で妻を捨てる悪徳公爵が娼婦を囲っている」という事実が外に漏れないとしてもあまりいい提案ではないとそう思った。の、だが。
「さあ、行きましょうか!」
「だ、ダメだったら~ッ!」
焦る私の背を押すイレナに連れられ訓練場へと向かったのだった。
訓練場は少し離れた場所にあるらしく、イレナにがっつり腕を組まれる形で歩いて向かう。
邸で働く使用人とすれ違うたびに会釈され私の冷や汗が止まらない。
“どうしよう、本当にいいのかしら”
腕を拘束されているので逃げれはしないが、こんなに堂々と向かうことに焦ってしまう。
だって私は娼婦なのだ。
この仕事を恥に思っているわけではないが、他の人からどう見られるかくらいは知っている。
そのせいで彼に良くない噂が立ちでもしたら、と思うと不安で胃が痛い。
彼にはよくして貰っている。いや、彼だけではない。アドルフさんやシグネ、イレナにミリーなどまだ沢山の人と知り合ったわけではないが、それでもとても丁重に扱われていることをわかっているからこそ迷惑をかけたくはなかった。
“少しでも嫌な顔をされたら全力で走って去ろう”
もうそれしかない。
夜や閨ならともかく、昼間の外で会うことに嫌悪感を抱くかもしれないから。
――そう内心決意した私は、渋々訓練場へと足を踏み入れた。
まさか咥えている途中で寝落ちるなど、娼婦の恥である。
あの後ルミール様……、いや、公爵様はどうされたのだろうか。
「か、噛んでないといいんだけど」
そんな想像をしゾッと青ざめる。
それにあの状態で眠るのは男性にとって辛いはず。
寝ている相手と、というプレイはまだ教えていないので普通ならば自分で処理することになるのだろうが、そもそもその方法を彼は知っているのだろうか。
“知らないかも……”
もしそうであれば、私はどれだけの苦行を彼に課したということになるのかと考え思わず頭を抱えた。
「っていうか、ここって」
どう見ても公爵様の部屋である。
私が寝てしまった後、どうやら彼は私を起こすこともせず寝かせてくれたようで申し訳なさが倍増した。
「おはようございます、サシャ様」
「あ、イレナさん」
扉をノックし中へと入ってきたのはイレナだった。
「体調はどうでしょうか?」
「すごくいいです」
“体調は、だけど”
残念ながらメンタルは自分のやらかしでボロボロだった、のだが。
「朝食は召し上がれそうですか? こちらにお持ちいたします」
「え!? ここ、公爵様の部屋なんじゃ」
「はい。お疲れだろうから、とルミール様からそう申しつけられております」
あんな状態の彼を放置し寝てしまった私を叱るどころか気遣ってくれたことに驚く。
“本当に知れば知るほど悪徳というイメージから離れる人だわ”
さっきまであんなに申し訳なさと情けなさでいっぱいだったのに、そんな彼のひとつの気遣いで私の心には温かいものがじわりと広がるようだった。
お言葉に甘え、彼の部屋で簡単な朝食をいただいた後は私に与えられた部屋へと戻る。
まだここに来て四日しかたっていないのに、なんだか戻ってきたという感覚になり私は思わず苦笑した。
“このまま慣れちゃまずいわね”
私はあくまでも彼の閨係として買われた娼婦。
その一線を見誤ると、後で痛い目をみるのは私だろう。
「ねぇ、私にも何か仕事を貰えないかしら」
「え?」
私の発言にイレナの琥珀色の瞳が見開かれる。
「何かしていないと夜まで暇なの。邪魔にならずに出来ることはないかしら? これでもノースィルでは料理の下ごしらえとかもしていたから、野菜の皮むきとかも得意なのよ」
戸惑ったような表情の彼女に、「お願い」とダメ押しのおねだりをするとしぶしぶ彼女が連れてきてきれたのは調理場だった。
「ここで味見の仕事など」
「それ仕事じゃなくない!?」
なんとか私に仕事をさせないようあがく彼女に思い切りツッコミつつあたりを見回すと、カゴに積まれた大量の野菜に気が付いた。
“ここに置いてあるってことは今から洗うのよね”
その野菜をひとつ手に取り、調理場の人たちの方へ振り返る。
「これ、洗ったらいいですか?」
「え、でも……」
一番見習いっぽい少年が戸惑ったようにイレナへと視線を送ると、観念したように頷くイレナ。
そんな彼女を見た少年が私へと視線を戻す。
「洗った後は皮をむいてそっちのカゴに移してください」
「その後は?」
「切って湯がきながらアク抜きをしますが……、でも重いですよ」
“確かにこの量を一気に茹でると鍋はそうとう重くなりそうね”
だがこれでもノースィルでは私が料理の下ごしらえもしていたのだ。
流石にこの量は初めてだが、これくらいは大丈夫だと笑って頷き早速作業を開始する。
私の手つきが思ったよりも手慣れていたからか、一瞬驚いた顔をしたイレナがすぐに私の隣に立った。
「私もやります」
「え? でも他の仕事があるんじゃ」
「それはサシャ様も一緒ですよ。それに私の仕事はサシャ様が快適にお過ごしいただくことなので問題ありません」
“い、いい子!”
嫌な顔をせずそう言い切る彼女にうっかりきゅんとしつつ、お言葉に甘えて私たちは野菜の下処理を始めたのだった。
下処理を終え、自室に帰ってきた私たち。
「思ったよりも大変だったわね……」
「お休みになられますか?」
「ううん、大丈夫。イレナさんこそ大丈夫?」
野菜の下ごしらえというのは結構な重労働だ。
いくら慣れているとは言っても、結構な量を一気に処理したので体が軋む。
だがそれだけにこの適度な疲労が夜の安眠を支えてくれ――……って、寝ちゃダメだった!
ハッとした私はチラリと自室のベッドへと視線を向ける。
“適度な疲労感はあるけど、まだ眠くはないのよね”
仮眠を取れば今晩呼ばれても大丈夫だろうが、眠気がないのに眠ることは難しい。
「というか、そもそも連続で呼ばれるのかしら?」
跡継ぎを熱望しているということはゆっくり閨指導を求めている訳ではないだろう。
きっと出来るようになればすぐに誰かと再婚し子作りに励むはず。
であれば、この間のように仕事が押さなければ毎日呼ばれる可能性だってあるかもしれない。
“でもそれって、公爵様はいつ休まれるのかしら?”
ふとそんなことが気になった。
「ねぇ、公爵様だって疲れるわよね?」
「それはもちろんですが……、あ、でもお体を鍛えられておりますので私たちよりずっと体力はあると思いますよ」
「え! 仕事もして鍛えもしてるの!?」
にこりと告げられたその言葉にギョッとする。
そういえば隣の領地と揉めた時、彼自らが剣を持ち相手を降伏させたという噂があったんだったなと思い出した。
“あの噂は本当だったのね”
これは本格的に怒らせてはいけない相手だわ、なんて考えていた私の表情をどう捉えたのか、突然パチンと手を叩いたイレナがパッと顔をあげた。
「この時間でしたら丁度訓練に参加されていると思いますよ、見に行きますか?」
「……え、ええっ!?」
見に行くって、まさか私が?
「そんなのダメよ! だって私はただの娼婦でっ」
「大丈夫ですよ、場所はこの公爵城の中ですし!」
“それ全然大丈夫じゃないんですけどっ!?”
買った娼婦がこんな明るい時間から無断で訪ねてくるなど面倒でしかないだろう。
しかも他にも訓練している部下がいる前で、だ。
いくらこの「初夜で妻を捨てる悪徳公爵が娼婦を囲っている」という事実が外に漏れないとしてもあまりいい提案ではないとそう思った。の、だが。
「さあ、行きましょうか!」
「だ、ダメだったら~ッ!」
焦る私の背を押すイレナに連れられ訓練場へと向かったのだった。
訓練場は少し離れた場所にあるらしく、イレナにがっつり腕を組まれる形で歩いて向かう。
邸で働く使用人とすれ違うたびに会釈され私の冷や汗が止まらない。
“どうしよう、本当にいいのかしら”
腕を拘束されているので逃げれはしないが、こんなに堂々と向かうことに焦ってしまう。
だって私は娼婦なのだ。
この仕事を恥に思っているわけではないが、他の人からどう見られるかくらいは知っている。
そのせいで彼に良くない噂が立ちでもしたら、と思うと不安で胃が痛い。
彼にはよくして貰っている。いや、彼だけではない。アドルフさんやシグネ、イレナにミリーなどまだ沢山の人と知り合ったわけではないが、それでもとても丁重に扱われていることをわかっているからこそ迷惑をかけたくはなかった。
“少しでも嫌な顔をされたら全力で走って去ろう”
もうそれしかない。
夜や閨ならともかく、昼間の外で会うことに嫌悪感を抱くかもしれないから。
――そう内心決意した私は、渋々訓練場へと足を踏み入れた。
66
お気に入りに追加
250
あなたにおすすめの小説
お知らせ有り※※束縛上司!~溺愛体質の上司の深すぎる愛情~
ひなの琴莉
恋愛
イケメンで完璧な上司は自分にだけなぜかとても過保護でしつこい。そんな店長に秘密を握られた。秘密をすることに交換条件として色々求められてしまう。 溺愛体質のヒーロー☓地味子。ドタバタラブコメディ。
2021/3/10
しおりを挟んでくださっている皆様へ。
こちらの作品はすごく昔に書いたのをリメイクして連載していたものです。
しかし、古い作品なので……時代背景と言うか……いろいろ突っ込みどころ満載で、修正しながら書いていたのですが、やはり難しかったです(汗)
楽しい作品に仕上げるのが厳しいと判断し、連載を中止させていただくことにしました。
申しわけありません。
新作を書いて更新していきたいと思っていますので、よろしくお願いします。
お詫びに過去に書いた原文のママ載せておきます。
修正していないのと、若かりし頃の作品のため、
甘めに見てくださいm(__)m
獅子の最愛〜獣人団長の執着〜
水無月瑠璃
恋愛
獅子の獣人ライアンは領地の森で魔物に襲われそうになっている女を助ける。助けた女は気を失ってしまい、邸へと連れて帰ることに。
目を覚ました彼女…リリは人化した獣人の男を前にすると様子がおかしくなるも顔が獅子のライアンは平気なようで抱きついて来る。
女嫌いなライアンだが何故かリリには抱きつかれても平気。
素性を明かさないリリを保護することにしたライアン。
謎の多いリリと初めての感情に戸惑うライアン、2人の行く末は…
ヒーローはずっとライオンの姿で人化はしません。
若社長な旦那様は欲望に正直~新妻が可愛すぎて仕事が手につかない~
雪宮凛
恋愛
「来週からしばらく、在宅ワークをすることになった」
夕食時、突如告げられた夫の言葉に驚く静香。だけど、大好きな旦那様のために、少しでも良い仕事環境を整えようと奮闘する。
そんな健気な妻の姿を目の当たりにした夫の至は、仕事中にも関わらずムラムラしてしまい――。
全3話 ※タグにご注意ください/ムーンライトノベルズより転載
日常的に罠にかかるうさぎが、とうとう逃げられない罠に絡め取られるお話
下菊みこと
恋愛
ヤンデレっていうほど病んでないけど、機を見て主人公を捕獲する彼。
そんな彼に見事に捕まる主人公。
そんなお話です。
ムーンライトノベルズ様でも投稿しています。
地味女で喪女でもよく濡れる。~俺様海運王に開発されました~
あこや(亜胡夜カイ)
恋愛
新米学芸員の工藤貴奈(くどうあてな)は、自他ともに認める地味女で喪女だが、素敵な思い出がある。卒業旅行で訪れたギリシャで出会った美麗な男とのワンナイトラブだ。文字通り「ワンナイト」のつもりだったのに、なぜか貴奈に執着した男は日本へやってきた。貴奈が所属する博物館を含むグループ企業を丸ごと買収、CEOとして乗り込んできたのだ。「お前は俺が開発する」と宣言して、貴奈を学芸員兼秘書として側に置くという。彼氏いない歴=年齢、好きな相手は壁画の住人、「だったはず」の貴奈は、昼も夜も彼の執着に翻弄され、やがて体が応えるように……
【R18】深層のご令嬢は、婚約破棄して愛しのお兄様に花弁を散らされる
奏音 美都
恋愛
バトワール財閥の令嬢であるクリスティーナは血の繋がらない兄、ウィンストンを密かに慕っていた。だが、貴族院議員であり、ノルウェールズ侯爵家の三男であるコンラッドとの婚姻話が持ち上がり、バトワール財閥、ひいては会社の経営に携わる兄のために、お見合いを受ける覚悟をする。
だが、今目の前では兄のウィンストンに迫られていた。
「ノルウェールズ侯爵の御曹司とのお見合いが決まったって聞いたんだが、本当なのか?」」
どう尋ねる兄の真意は……
泡風呂を楽しんでいただけなのに、空中から落ちてきた異世界騎士が「離れられないし目も瞑りたくない」とガン見してきた時の私の対応。
待鳥園子
恋愛
半年に一度仕事を頑張ったご褒美に一人で高級ラグジョアリーホテルの泡風呂を楽しんでたら、いきなり異世界騎士が落ちてきてあれこれ言い訳しつつ泡に隠れた体をジロジロ見てくる話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる