13 / 33
本編
12.開き直った金持ちは怖い
しおりを挟む
「う、うぅ……」
「覚悟してって言ったからね」
「なんか違う、そうじゃない……」
結局メルヴィが選んだ背表紙が紺色の本を何冊か買い、メルヴィいわく街の散策デートへと行くことになったのだが。
「リリ、手を繋ごう」
店外に出てメルヴィが手を差し出す。
“どうしよう”
何度も繋いだし、私から繋いだこともある。
もっと言えば、街で初めて会ったときだって繋いだけれど。
“この手、取ってもいいのかしら”
先ほど不意打ちで口付けられたこともあり、少し警戒心が私の中に芽生えていた。
別に手くらい今更な気もするし問題はないが、魔法が解けた後彼は記憶を全部残しているのだろうか。
好きだと思い込んでいた感情だけが消え、勝手に自分の感情を変えた魔女と仲良く手を繋いでいたなんていう記憶だけが残っていたら?
家具代だけでなく慰謝料の請求なんてされたら――
“なんて”
はぁ、と小さくため息を吐く。
慰謝料だとかなんだとか苦しい言い訳だと自分でもわかっていた。
「自然と紺色の本を私も手に取ったなんて、わかりやすすぎるわね」
自嘲気味にポツリと呟く。
どこまで彼に近付いてもいいのか、いつまで許されるのか。
彼に心を許しすぎて、正気に戻った時に拒絶されたら。
彼がまるで当たり前だというように私へ触れたからかもしれない。
もう許されない距離感を望む自分が想像できて少し怖くなった。
「誰に見られるかわからないので嫌です」
「それはつまり、誰にも見られないところで色々したいってこと?」
「なんでそうなったんですか!? 全然違いますけど!」
「そう? じゃあ手を繋いでデートの続きをするか、……そうだな、さっきの続きをしにあの小部屋へ帰るのもいいかもね」
「手を繋ぎます!」
そんな小さな葛藤をぶち壊すようなメルヴィの言葉にぎょっとした私が慌てて彼の手を握ると、すぐにぎゅっと、そしてがっしりがっつりと手を握り返される。
“いや、つよ……”
痛くはないが、離さないという意志が繋がれた手から伝わり思わず苦笑した私は、それでも嫌悪感は感じなくて。
“むしろ嬉しいなんて”
これは本格的にマズイ。
「……って、いつから選択肢は二つしかなくなったんですか!? 手を繋がずにお買い物という可能性もあったのでは!」
「ははっ、その選択肢は売り切れだったみたいだね」
「買い占めたの誰よ!」
「あはは」
軽快に笑い飛ばすメルヴィに呆れつつ、それでも笑っている彼を見ていると少し落ち込んだ気持ちが浮上した。
くだらない話を、くだらないからこそ楽しみながらメルヴィと手を繋いで街を歩く。
前回は石鹸のお店しか見れなかったこともあり、うきうきとした気分で並ぶ店たちへ視線を動かせいていると、あるお店に目が留まった。
「ドレス……」
「入ってみる?」
そういやあの時は結局試着しなかったな、くらいの軽い気持ちだったのだが、私がドレスに興味を持ったと思ったのだろうか。
相変わらずにこにこと笑っている彼の瞳が一段ときらめいて。
「紺色のドレスを贈ろうね」
「着る場面がないんで!」
「なら着る場面を作ろうか」
「着る場面を作ろうか!?」
ずるずると引きずるように店内に入る。
半強制的に足を踏み入れた私は、外からチラッと見えたよりもずっと格式高そうな店内に完全に委縮する。
“こんな格好で入ってもいいの? お、怒られそうなんだけど!”
今の私たちは完全に庶民の服に身を包んでいて、完全にこの店の雰囲気から浮いていた、のだが。
「紺色のドレスはあるかな」
「はい、ただいまお持ちいたします」
何も言われないどころか嫌そうな顔もせず、メルヴィの言葉を聞いた店員だろう女性がすぐに店の奥へと向かった。
「ね、ねぇ、私たち追い出されたりしない?」
「え、なんで?」
二人きりになったタイミングで彼にそう耳打ちするが、私の言ってる意味がわからなかったのか怪訝な顔を向けられて。
「だって私たち、今こんな格好で……!」
「あぁ、大丈夫だよ。ちゃんと俺たちが何者かはわかってるから」
「えぇっ!」
あっけらかんとそう言われ唖然とする。
“それってメルヴィが王太子だって気付いてるってことよね”
一緒に店内に入ったのだ。
彼が身分を表す何かを見せている様子はなかった。
ならば、どこで気付いたというのだろう?
気になる。
どこで身分を明らかにしたのか。
それにさっきの書店でも、前回行った石鹸のお店でも彼を王太子として接しているようには見えなくて。
“なんでこの店でだけわかったのかしら”
「実は伝える合図がある?」
「はずれ」
「んー、じゃあ元々顔見知りだった!」
「ははっ、半分正解かな」
「半分かぁ~」
「この店は」
まるで内緒話をするようにそっと耳元へ顔を近付けられた私の心臓がドキリと跳ねる。
そんな私たちの間に割り込むように背後からコホンと咳払いが聞こえた。
「本日は足をお運びいただき誠にありがとうございます、殿下」
「あぁ、こちらこそ突然すまなかったね」
先ほど店の奥へ消えた女性が紺色のドレスを何着か抱えて戻り、そしてそんな彼女と一緒に現れた一際優雅なマダムがメルヴィへと一礼した。
「実はこの店はね、王族御用達のお店なんだよ」
“だからメルヴィの顔を知っていたのね”
ネタバラシされてしまえば割とすぐにわかりそうな答え。
けれども、ちょっとした謎の解を得ただけでも私の魔女の性は満たされたように感じた。
「そちらのご令嬢のドレスをお求めでしょうか?」
「本当はオーダーメイドにしたいんだけどね。けれど、ここなら一級の新作、それも一点ものが手に入るだろう?」
「重い、重いんですけど新作一点物! しかも王族御用達の高級店のとかっ」
「じゃあ今からオーダーにしようか。すまないが最短でいつ完成する?」
「そうですね、寝ずに作業するとして……」
「ど、どれもすっごく素敵だと思います!」
さらっと徹夜で作業する話になっていることに気付いた私は慌てて目の前に並べられたドレスに視線を移した。
出してくれたそのドレスたちはどれも高級品だと一目でわかるほど上質な布で仕立てられており、透かしレースが入っているものやフリルがふんだんに使われているもの、パールがたくさんついているものなどがあって。
「とりあえず全部?」
「突然王太子感出さないでください!」
メルヴィの瞳が割りと本気そうなことに恐れおののきつつ、出されたそのドレスの内の一着にふと目が止まった。
そのドレスの生地は、他のと違い足元から胸元へ向けて淡い色へと変化していて。
「そちらのドレスはネモフィラの花をイメージしているんですよ」
「ネモフィラの花?」
「はい、殿下。花言葉は『可憐』でございます。お嬢様にぴったりですわ」
「へぇ、それは悪くないね」
“花……?”
ドレスの説明を聞き頷いているメルヴィの頬に両手を添えた私は、そのままグギッと無理やり自分の方へと顔を向け、そして彼の顔をじっと見つめる。
“やっぱり、そうだわ”
「り、リリ!?」
「その花のことは知らないけれど、花じゃなくてメルヴィの瞳の色にそっくり」
「ッ」
彼の紺の瞳は外側から中心部へ濃紺から淡い青へとグラデーションになっている。
その色合いは見ているだけで引き込まれそうなほど美しくて。
「どれかを選ばなきゃなら、これにする」
“別に、一番メルヴィに近いからこれを選んだ訳じゃないけれど!”
それでも、興味を一番引いたそのドレスを私は選んだのだった。
「覚悟してって言ったからね」
「なんか違う、そうじゃない……」
結局メルヴィが選んだ背表紙が紺色の本を何冊か買い、メルヴィいわく街の散策デートへと行くことになったのだが。
「リリ、手を繋ごう」
店外に出てメルヴィが手を差し出す。
“どうしよう”
何度も繋いだし、私から繋いだこともある。
もっと言えば、街で初めて会ったときだって繋いだけれど。
“この手、取ってもいいのかしら”
先ほど不意打ちで口付けられたこともあり、少し警戒心が私の中に芽生えていた。
別に手くらい今更な気もするし問題はないが、魔法が解けた後彼は記憶を全部残しているのだろうか。
好きだと思い込んでいた感情だけが消え、勝手に自分の感情を変えた魔女と仲良く手を繋いでいたなんていう記憶だけが残っていたら?
家具代だけでなく慰謝料の請求なんてされたら――
“なんて”
はぁ、と小さくため息を吐く。
慰謝料だとかなんだとか苦しい言い訳だと自分でもわかっていた。
「自然と紺色の本を私も手に取ったなんて、わかりやすすぎるわね」
自嘲気味にポツリと呟く。
どこまで彼に近付いてもいいのか、いつまで許されるのか。
彼に心を許しすぎて、正気に戻った時に拒絶されたら。
彼がまるで当たり前だというように私へ触れたからかもしれない。
もう許されない距離感を望む自分が想像できて少し怖くなった。
「誰に見られるかわからないので嫌です」
「それはつまり、誰にも見られないところで色々したいってこと?」
「なんでそうなったんですか!? 全然違いますけど!」
「そう? じゃあ手を繋いでデートの続きをするか、……そうだな、さっきの続きをしにあの小部屋へ帰るのもいいかもね」
「手を繋ぎます!」
そんな小さな葛藤をぶち壊すようなメルヴィの言葉にぎょっとした私が慌てて彼の手を握ると、すぐにぎゅっと、そしてがっしりがっつりと手を握り返される。
“いや、つよ……”
痛くはないが、離さないという意志が繋がれた手から伝わり思わず苦笑した私は、それでも嫌悪感は感じなくて。
“むしろ嬉しいなんて”
これは本格的にマズイ。
「……って、いつから選択肢は二つしかなくなったんですか!? 手を繋がずにお買い物という可能性もあったのでは!」
「ははっ、その選択肢は売り切れだったみたいだね」
「買い占めたの誰よ!」
「あはは」
軽快に笑い飛ばすメルヴィに呆れつつ、それでも笑っている彼を見ていると少し落ち込んだ気持ちが浮上した。
くだらない話を、くだらないからこそ楽しみながらメルヴィと手を繋いで街を歩く。
前回は石鹸のお店しか見れなかったこともあり、うきうきとした気分で並ぶ店たちへ視線を動かせいていると、あるお店に目が留まった。
「ドレス……」
「入ってみる?」
そういやあの時は結局試着しなかったな、くらいの軽い気持ちだったのだが、私がドレスに興味を持ったと思ったのだろうか。
相変わらずにこにこと笑っている彼の瞳が一段ときらめいて。
「紺色のドレスを贈ろうね」
「着る場面がないんで!」
「なら着る場面を作ろうか」
「着る場面を作ろうか!?」
ずるずると引きずるように店内に入る。
半強制的に足を踏み入れた私は、外からチラッと見えたよりもずっと格式高そうな店内に完全に委縮する。
“こんな格好で入ってもいいの? お、怒られそうなんだけど!”
今の私たちは完全に庶民の服に身を包んでいて、完全にこの店の雰囲気から浮いていた、のだが。
「紺色のドレスはあるかな」
「はい、ただいまお持ちいたします」
何も言われないどころか嫌そうな顔もせず、メルヴィの言葉を聞いた店員だろう女性がすぐに店の奥へと向かった。
「ね、ねぇ、私たち追い出されたりしない?」
「え、なんで?」
二人きりになったタイミングで彼にそう耳打ちするが、私の言ってる意味がわからなかったのか怪訝な顔を向けられて。
「だって私たち、今こんな格好で……!」
「あぁ、大丈夫だよ。ちゃんと俺たちが何者かはわかってるから」
「えぇっ!」
あっけらかんとそう言われ唖然とする。
“それってメルヴィが王太子だって気付いてるってことよね”
一緒に店内に入ったのだ。
彼が身分を表す何かを見せている様子はなかった。
ならば、どこで気付いたというのだろう?
気になる。
どこで身分を明らかにしたのか。
それにさっきの書店でも、前回行った石鹸のお店でも彼を王太子として接しているようには見えなくて。
“なんでこの店でだけわかったのかしら”
「実は伝える合図がある?」
「はずれ」
「んー、じゃあ元々顔見知りだった!」
「ははっ、半分正解かな」
「半分かぁ~」
「この店は」
まるで内緒話をするようにそっと耳元へ顔を近付けられた私の心臓がドキリと跳ねる。
そんな私たちの間に割り込むように背後からコホンと咳払いが聞こえた。
「本日は足をお運びいただき誠にありがとうございます、殿下」
「あぁ、こちらこそ突然すまなかったね」
先ほど店の奥へ消えた女性が紺色のドレスを何着か抱えて戻り、そしてそんな彼女と一緒に現れた一際優雅なマダムがメルヴィへと一礼した。
「実はこの店はね、王族御用達のお店なんだよ」
“だからメルヴィの顔を知っていたのね”
ネタバラシされてしまえば割とすぐにわかりそうな答え。
けれども、ちょっとした謎の解を得ただけでも私の魔女の性は満たされたように感じた。
「そちらのご令嬢のドレスをお求めでしょうか?」
「本当はオーダーメイドにしたいんだけどね。けれど、ここなら一級の新作、それも一点ものが手に入るだろう?」
「重い、重いんですけど新作一点物! しかも王族御用達の高級店のとかっ」
「じゃあ今からオーダーにしようか。すまないが最短でいつ完成する?」
「そうですね、寝ずに作業するとして……」
「ど、どれもすっごく素敵だと思います!」
さらっと徹夜で作業する話になっていることに気付いた私は慌てて目の前に並べられたドレスに視線を移した。
出してくれたそのドレスたちはどれも高級品だと一目でわかるほど上質な布で仕立てられており、透かしレースが入っているものやフリルがふんだんに使われているもの、パールがたくさんついているものなどがあって。
「とりあえず全部?」
「突然王太子感出さないでください!」
メルヴィの瞳が割りと本気そうなことに恐れおののきつつ、出されたそのドレスの内の一着にふと目が止まった。
そのドレスの生地は、他のと違い足元から胸元へ向けて淡い色へと変化していて。
「そちらのドレスはネモフィラの花をイメージしているんですよ」
「ネモフィラの花?」
「はい、殿下。花言葉は『可憐』でございます。お嬢様にぴったりですわ」
「へぇ、それは悪くないね」
“花……?”
ドレスの説明を聞き頷いているメルヴィの頬に両手を添えた私は、そのままグギッと無理やり自分の方へと顔を向け、そして彼の顔をじっと見つめる。
“やっぱり、そうだわ”
「り、リリ!?」
「その花のことは知らないけれど、花じゃなくてメルヴィの瞳の色にそっくり」
「ッ」
彼の紺の瞳は外側から中心部へ濃紺から淡い青へとグラデーションになっている。
その色合いは見ているだけで引き込まれそうなほど美しくて。
「どれかを選ばなきゃなら、これにする」
“別に、一番メルヴィに近いからこれを選んだ訳じゃないけれど!”
それでも、興味を一番引いたそのドレスを私は選んだのだった。
0
お気に入りに追加
51
あなたにおすすめの小説
美貌の騎士団長は逃げ出した妻を甘い執愛で絡め取る
束原ミヤコ
恋愛
旧題:夫の邪魔になりたくないと家から逃げたら連れ戻されてひたすら愛されるようになりました
ラティス・オルゲンシュタットは、王国の七番目の姫である。
幻獣種の血が流れている幻獣人である、王国騎士団団長シアン・ウェルゼリアに、王を守った褒章として十五で嫁ぎ、三年。
シアンは隣国との戦争に出かけてしまい、嫁いでから話すこともなければ初夜もまだだった。
そんなある日、シアンの恋人という女性があらわれる。
ラティスが邪魔で、シアンは家に戻らない。シアンはずっとその女性の家にいるらしい。
そう告げられて、ラティスは家を出ることにした。
邪魔なのなら、いなくなろうと思った。
そんなラティスを追いかけ捕まえて、シアンは家に連れ戻す。
そして、二度と逃げないようにと、監禁して調教をはじめた。
無知な姫を全力で可愛がる差別種半人外の騎士団長の話。
【R18】幼馴染な陛下は、わたくしのおっぱいお好きですか?💕
月極まろん
恋愛
幼なじみの陛下に告白したら、両思いだと分かったので、甘々な毎日になりました。
でも陛下、本当にわたくしに御不満はございませんか?
大嫌いなアイツが媚薬を盛られたらしいので、不本意ながらカラダを張って救けてあげます
スケキヨ
恋愛
媚薬を盛られたミアを救けてくれたのは学生時代からのライバルで公爵家の次男坊・リアムだった。ほっとしたのも束の間、なんと今度はリアムのほうが異国の王女に媚薬を盛られて絶体絶命!?
「弟を救けてやってくれないか?」――リアムの兄の策略で、発情したリアムと同じ部屋に閉じ込められてしまったミア。気が付くと、頬を上気させ目元を潤ませたリアムの顔がすぐそばにあって……!!
『媚薬を盛られた私をいろんな意味で救けてくれたのは、大嫌いなアイツでした』という作品の続編になります。前作は読んでいなくてもそんなに支障ありませんので、気楽にご覧ください。
・R18描写のある話には※を付けています。
・別サイトにも掲載しています。
大嫌いな次期騎士団長に嫁いだら、激しすぎる初夜が待っていました
扇 レンナ
恋愛
旧題:宿敵だと思っていた男に溺愛されて、毎日のように求められているんですが!?
*こちらは【明石 唯加】名義のアカウントで掲載していたものです。書籍化にあたり、こちらに転載しております。また、こちらのアカウントに転載することに関しては担当編集さまから許可をいただいておりますので、問題ありません。
――
ウィテカー王国の西の辺境を守る二つの伯爵家、コナハン家とフォレスター家は長年に渡りいがみ合ってきた。
そんな現状に焦りを抱いた王家は、二つの伯爵家に和解を求め、王命での結婚を命じる。
その結果、フォレスター伯爵家の長女メアリーはコナハン伯爵家に嫁入りすることが決まった。
結婚相手はコナハン家の長男シリル。クールに見える外見と辺境騎士団の次期団長という肩書きから女性人気がとても高い男性。
が、メアリーはそんなシリルが実は大嫌い。
彼はクールなのではなく、大層傲慢なだけ。それを知っているからだ。
しかし、王命には逆らえない。そのため、メアリーは渋々シリルの元に嫁ぐことに。
どうせ愛し愛されるような素敵な関係にはなれるわけがない。
そう考えるメアリーを他所に、シリルは初夜からメアリーを強く求めてくる。
――もしかして、これは嫌がらせ?
メアリーはシリルの態度をそう受け取り、頑なに彼を拒絶しようとするが――……。
「誰がお前に嫌がらせなんかするかよ」
どうやら、彼には全く別の思惑があるらしく……?
*WEB版表紙イラストはみどりのバクさまに有償にて描いていただいたものです。転載等は禁止です。
皇帝陛下は皇妃を可愛がる~俺の可愛いお嫁さん、今日もいっぱい乱れてね?~
一ノ瀬 彩音
恋愛
ある国の皇帝である主人公は、とある理由から妻となったヒロインに毎日のように夜伽を命じる。
だが、彼女は恥ずかしいのか、いつも顔を真っ赤にして拒むのだ。
そんなある日、彼女はついに自分から求めるようになるのだが……。
※この物語はフィクションです。
R18作品ですので性描写など苦手なお方や未成年のお方はご遠慮下さい。
かつて私を愛した夫はもういない 偽装結婚のお飾り妻なので溺愛からは逃げ出したい
おうぎまちこ(あきたこまち)
恋愛
※また後日、後日談を掲載予定。
一代で財を築き上げた青年実業家の青年レオパルト。彼は社交性に富み、女性たちの憧れの的だった。
上流階級の出身であるダイアナは、かつて、そんな彼から情熱的に求められ、身分差を乗り越えて結婚することになった。
幸せになると信じたはずの結婚だったが、新婚数日で、レオパルトの不実が発覚する。
どうして良いのか分からなくなったダイアナは、レオパルトを避けるようになり、家庭内別居のような状態が数年続いていた。
夫から求められず、苦痛な毎日を過ごしていたダイアナ。宗教にすがりたくなった彼女は、ある時、神父を呼び寄せたのだが、それを勘違いしたレオパルトが激高する。辛くなったダイアナは家を出ることにして――。
明るく社交的な夫を持った、大人しい妻。
どうして彼は二年間、妻を求めなかったのか――?
勘違いですれ違っていた夫婦の誤解が解けて仲直りをした後、苦難を乗り越え、再度愛し合うようになるまでの物語。
※本編全23話の完結済の作品。アルファポリス様では、読みやすいように1話を3〜4分割にして投稿中。
※ムーンライト様にて、11/10~12/1に本編連載していた完結作品になります。現在、ムーンライト様では本編の雰囲気とは違い明るい後日談を投稿中です。
※R18に※。作者の他作品よりも本編はおとなしめ。
※ムーンライト33作品目にして、初めて、日間総合1位、週間総合1位をとることができた作品になります。
冷酷無比な国王陛下に愛されすぎっ! 絶倫すぎっ! ピンチかもしれませんっ!
仙崎ひとみ
恋愛
子爵家のひとり娘ソレイユは、三年前悪漢に襲われて以降、男性から劣情の目で見られないようにと、女らしいことを一切排除する生活を送ってきた。
18歳になったある日。デビュタントパーティに出るよう命じられる。
噂では、冷酷無悲な独裁王と称されるエルネスト国王が、結婚相手を探しているとか。
「はあ? 結婚相手? 冗談じゃない、お断り」
しかし両親に頼み込まれ、ソレイユはしぶしぶ出席する。
途中抜け出して城庭で休んでいると、酔った男に絡まれてしまった。
危機一髪のところを助けてくれたのが、何かと噂の国王エルネスト。
エルネストはソレイユを気に入り、なんとかベッドに引きずりこもうと企む。
そんなとき、三年前ソレイユを助けてくれた救世主に似た男性が現れる。
エルネストの弟、ジェレミーだ。
ジェレミーは思いやりがあり、とても優しくて、紳士の鏡みたいに高潔な男性。
心はジェレミーに引っ張られていくが、身体はエルネストが虎視眈々と狙っていて――――
美しくも絶倫な王様は砂漠の舞姫を一夜目から籠絡して溺愛しました
灰兎
恋愛
誰もが一目見たら恋に落ちると言われる程の甘いマスクとは裏腹に「大変に旺盛な」ランドール国王アーサーは、旅の終わりに見た目だけは「非常に妖艶な」踊り子リューシャを見初める。恋多き男と自己認識していた王様が、後悔したり、反省したりしながら、今までのは恋じゃなかったと自覚して、いたいけな舞姫を溺愛の沼にどっぷりはめていく物語です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる