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本編
6.今更な提案
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「ふふっ」
週明けの月曜日。
いつものように出社し、仕事道具を出すべく通勤カバンを開けるとがま口カバーの付いた手帳が目に飛び込み思わず笑みが溢れる。
この手帳カバーは、先日光希と京都へ行った時に彼が買ってくれた物だった。
折角京都まで来たのだから、とそのまま街歩きをした私たち。
その通りがてら、京都らしい平屋の可愛らしいがま口専門店を見つけたのだ。
“記念にってプレゼントしてくれたのよね”
新幹線のチケット代も受け取ってくれなかったので流石に断ったのだが、俺を買ったんだから余すことなく堪能してよ、と謎に自信満々な光希から押し切られる形で受け取った。
『俺を買った』なんて言いつつ結局今回も私はほぼお金を払っておらず、なんとか受け取ってくれたのはそのがま口専門店でこっそり私も彼へのプレゼントにと買ったキーケースのみである。
「凄く穏やかな時間だったな……」
京都では土地勘があるからと終始彼がリードしてくれ、楽しそうに案内してくれる光希についていくばかりだった。
亮介に“受け身”と言われたことで任せきりなことが少し気になったものの、彼がその土地土地の解説や大学に通っていた時の思い出を混ぜて話してくれるお陰で楽しい時間を過ごしたのだ。
それに、私が興味を示し質問したことなどは特に嬉しそうに説明してくれ、彼も私との時間を楽しんでくれているのだとそう思えたことも大きい。
受け身な私をつまらないと言った亮介と、結果的に受け身にはなってしまったが一緒に楽しんだ光希。
同じことも見る角度で違う感情になるというのは、当たり前だが重要なことなのだと再認識する。
“これを仕事にも活かせたら”
そこまで考え、いまだに返事の来ていないinforsy connect株式会社へ送ったメールへと視線を移す。
最初に送信してからもうすぐ一か月。
いつもの私なら、縁はなかったのだとこのまま諦める。けど。
視界の端に映るのは京都の思い出、そしてそこで改めて見つけたインコネの『原点』だった。
「アプローチ方法を変えてみる、か」
『不器用な朱里のために普通の構内案内をしてあげようかな』なんて言っていた光希は、大学構内を案内がてら色んな思い出話をしてくれた。
インタビューではただ“もっと手軽に”というコンセプトで構築されたシステムだったが、実際はみんなでああでもないこうでもないと相談しながら組み立てたこと。
それらがまるで少年たちが秘密基地を作るような、そんな錯覚までするほどワクワクとしたということ。
前回のメールでは、御社のサービスをより広めて有名にするお手伝いを、というアピールをした。
でもこのインコネというアプリは、元々は仲間内で使うという狭い範囲に向けたもの。そしてその『原点』を今も大事に思っているなら、このアピールでは相手は絶対揺れないだろう。
悩みながらキーボードへと手を伸ばす。
そう、彼らはきっと今でも秘密基地で遊んでいるのだから。
『お世話になっております。前回は不躾なメールを送ってしまい誠に申し訳ありませんでした。そして重ねてお詫び致します、私ももっとわくわくしたい。だから、私がわくわくする手伝いをしてくれませんか? 御社のシステムならきっとそれが出来ると信じて。木浦朱里』
迷いつつ作り上げたメールは、ビジネスメールとはとても言えないような酷いものだった。
もし私がこんなメールを受け取ったら、きっと周りに文句を言ってすぐ削除しただろう。
“でも、これが私の今の気持ちだもの”
送信ボタンを押す時はさすがに不安で手が震えたが、勢いをつけてそのまま送った。
――そして、返事が来たのだ。
一度会って話がしたい、と。
「本当か、木浦!」
「は、はいっ、明後日の木曜日にアポイントいただきました!」
「どこに行けばいいんだ!?」
「先方が出向いてくださるそうです、場合によっては現システムを確認したいって!」
企画広報課がざわめくのも仕方ない。
大企業になったからこそ従来のシステムを大事にし、どこか閉鎖的になっていたシーサイドエルホールディングスが、新進気鋭の企業であるinforsy connectと手を結ぶかもしれないのだ。
それは間違いなく新しい風を呼び、そしてそれらは確実に新規顧客へも繋がる。
しかも相手がどこともまだ提携していないinforsy connectというのは更に価値が上がる。
この企画がもし形になればきっと一大プロジェクトになるだろう。
一瞬光希へメッセージを送ろうかと思ったが、すぐにスマホから手を離した。
まだアピールする機会を貰えただけ。
それになんとなく、彼も私からのメッセージは待っていないような気がした。
“それより企画を練り直さなきゃ!”
木曜日はきっと彼も来る。
その時、彼らのお眼鏡にかなうような『わくわく』を詰め込むために。
私はすぐに書式テンプレートを開いたのだった。
◇◇◇
約束の日時はあっという間に来た。
今日の話し合いでは上司も同席してくれることになったが、企画を提案しアポイントを取ったのは私のため基本は私主体で進めることになるだろう。
今までもいくつか企画を立ち上げて来たが、こんなに大きな企画の提案は初めてのためどうしても緊張してしまう。
その緊張を紛らわすべく、彼らが来社する前に最終確認をしようと私は一人ノートパソコンと企画書を持って14時からおさえていた第八会議室へと向かった。
まさに、その時。
「朱里」
「……畑野さん」
私に声をかけてきたのは、親へ挨拶をした以来顔すらあわせていなかった亮介だった。
「今すごい話題になってんじゃん」
まるで婚約破棄なんてなかったかのようににこにこと爽やかな笑顔を向けてくる亮介にイラッとする。
以前はこの笑顔が好きだったけれど、彼の本性を知ったからか、それとも穏やかな光希の笑顔とは全然違うからかむしろ寒気すら感じた。
「あの、要件は何ですか」
「朱里ちょっと冷たくない? 確かにちょっと俺たちすれ違っちゃったけど、結婚の約束をした仲だろ」
“何よ今更!”
変わらずにこにことしながら言われたその言葉に唖然とする。
一方的に破棄したのはそっちのくせに、一体どの面下げてそんなことを言えるのかと頭が痛くなるが、重ねられた亮介の言葉はもっとあり得ないものだった。
「でさ、確かにプライベートのパートナーにはなれなかったけど、俺たちの仲だろ? 仕事のパートナーにはしてくんない?」
「……は?」
「だからさ、インコネとの企画の件。営業の担当者は俺を推してよ」
何を言っているのか。言葉の意味がわかるが理解が追いつかず唖然としていると、亮介が私に一歩ずつ近付いてくる。
もう彼には許していない距離感まで近付かれ、私は慌てて後退った。
“確かに亮介の部署は営業開発課だけど”
簡単に言えばシステムを弄れる営業部。
得意先の窓口として対応することがほとんどだが、今回のような業務提携や共同企画なんかをする時は営業開発課がかなり発言権を持つ。
だからこそ普段は企画広報課から依頼を入れて顔合わせの場に営業開発課からも人員を出して貰うことが多いのだが、今回の場合はシステム開発はインコネ側に依頼すると上司とも話し合いそのような企画書を作って来ていたので必要はなかった。
その事を説明しさっさと会議室へ行きたいのだが、どんどん距離を詰める亮介に戸惑い上手く言葉が出ない。
距離を取りたくて後退っていった結果、とうとう私の背中が壁にぶつかりこれ以上彼から逃げられないことを悟る。
「だからその、今回は」
「なんで頷いてくんないの? 俺の事まだ好きだろ」
“何なのその自信!?”
亮介の言葉に愕然としていると、何をどう判断したのか彼が大きくため息を吐いた。
「わーかった、じゃあ結婚してやるよ。今回の企画が成功したら出世間違いなしだし、まぁお前も一応社長令嬢だしな」
「勝手に何言ってんの!?」
「何怒ってんだよ?」
「怒るに決まってるでしょ! バカなことばかり言わないで!!」
「バカだぁ!?」
「痛っ」
私が拒否するなんて思ってもいなかったのか、苛立った亮介に思い切り腕を掴まれる。
成人男性の力で思い切り掴まれ、私の手首がギシリと痛んだ。
「離し……」
「何してんの」
「はぁ!? お前誰だよ」
「あ、え?」
折れそうなくらい強い力で掴まれていた手が無理やり剥がされ、私を背に庇うように亮介と間に割り込んで来た大きな背中。
「光希……?」
「もう大丈夫だよ」
にこりと向けられる笑みは、何度も見た温かく優しい笑顔。
無意識に亮介と比べ、誰よりも見たいと思った恋しい人の微笑みだった。
週明けの月曜日。
いつものように出社し、仕事道具を出すべく通勤カバンを開けるとがま口カバーの付いた手帳が目に飛び込み思わず笑みが溢れる。
この手帳カバーは、先日光希と京都へ行った時に彼が買ってくれた物だった。
折角京都まで来たのだから、とそのまま街歩きをした私たち。
その通りがてら、京都らしい平屋の可愛らしいがま口専門店を見つけたのだ。
“記念にってプレゼントしてくれたのよね”
新幹線のチケット代も受け取ってくれなかったので流石に断ったのだが、俺を買ったんだから余すことなく堪能してよ、と謎に自信満々な光希から押し切られる形で受け取った。
『俺を買った』なんて言いつつ結局今回も私はほぼお金を払っておらず、なんとか受け取ってくれたのはそのがま口専門店でこっそり私も彼へのプレゼントにと買ったキーケースのみである。
「凄く穏やかな時間だったな……」
京都では土地勘があるからと終始彼がリードしてくれ、楽しそうに案内してくれる光希についていくばかりだった。
亮介に“受け身”と言われたことで任せきりなことが少し気になったものの、彼がその土地土地の解説や大学に通っていた時の思い出を混ぜて話してくれるお陰で楽しい時間を過ごしたのだ。
それに、私が興味を示し質問したことなどは特に嬉しそうに説明してくれ、彼も私との時間を楽しんでくれているのだとそう思えたことも大きい。
受け身な私をつまらないと言った亮介と、結果的に受け身にはなってしまったが一緒に楽しんだ光希。
同じことも見る角度で違う感情になるというのは、当たり前だが重要なことなのだと再認識する。
“これを仕事にも活かせたら”
そこまで考え、いまだに返事の来ていないinforsy connect株式会社へ送ったメールへと視線を移す。
最初に送信してからもうすぐ一か月。
いつもの私なら、縁はなかったのだとこのまま諦める。けど。
視界の端に映るのは京都の思い出、そしてそこで改めて見つけたインコネの『原点』だった。
「アプローチ方法を変えてみる、か」
『不器用な朱里のために普通の構内案内をしてあげようかな』なんて言っていた光希は、大学構内を案内がてら色んな思い出話をしてくれた。
インタビューではただ“もっと手軽に”というコンセプトで構築されたシステムだったが、実際はみんなでああでもないこうでもないと相談しながら組み立てたこと。
それらがまるで少年たちが秘密基地を作るような、そんな錯覚までするほどワクワクとしたということ。
前回のメールでは、御社のサービスをより広めて有名にするお手伝いを、というアピールをした。
でもこのインコネというアプリは、元々は仲間内で使うという狭い範囲に向けたもの。そしてその『原点』を今も大事に思っているなら、このアピールでは相手は絶対揺れないだろう。
悩みながらキーボードへと手を伸ばす。
そう、彼らはきっと今でも秘密基地で遊んでいるのだから。
『お世話になっております。前回は不躾なメールを送ってしまい誠に申し訳ありませんでした。そして重ねてお詫び致します、私ももっとわくわくしたい。だから、私がわくわくする手伝いをしてくれませんか? 御社のシステムならきっとそれが出来ると信じて。木浦朱里』
迷いつつ作り上げたメールは、ビジネスメールとはとても言えないような酷いものだった。
もし私がこんなメールを受け取ったら、きっと周りに文句を言ってすぐ削除しただろう。
“でも、これが私の今の気持ちだもの”
送信ボタンを押す時はさすがに不安で手が震えたが、勢いをつけてそのまま送った。
――そして、返事が来たのだ。
一度会って話がしたい、と。
「本当か、木浦!」
「は、はいっ、明後日の木曜日にアポイントいただきました!」
「どこに行けばいいんだ!?」
「先方が出向いてくださるそうです、場合によっては現システムを確認したいって!」
企画広報課がざわめくのも仕方ない。
大企業になったからこそ従来のシステムを大事にし、どこか閉鎖的になっていたシーサイドエルホールディングスが、新進気鋭の企業であるinforsy connectと手を結ぶかもしれないのだ。
それは間違いなく新しい風を呼び、そしてそれらは確実に新規顧客へも繋がる。
しかも相手がどこともまだ提携していないinforsy connectというのは更に価値が上がる。
この企画がもし形になればきっと一大プロジェクトになるだろう。
一瞬光希へメッセージを送ろうかと思ったが、すぐにスマホから手を離した。
まだアピールする機会を貰えただけ。
それになんとなく、彼も私からのメッセージは待っていないような気がした。
“それより企画を練り直さなきゃ!”
木曜日はきっと彼も来る。
その時、彼らのお眼鏡にかなうような『わくわく』を詰め込むために。
私はすぐに書式テンプレートを開いたのだった。
◇◇◇
約束の日時はあっという間に来た。
今日の話し合いでは上司も同席してくれることになったが、企画を提案しアポイントを取ったのは私のため基本は私主体で進めることになるだろう。
今までもいくつか企画を立ち上げて来たが、こんなに大きな企画の提案は初めてのためどうしても緊張してしまう。
その緊張を紛らわすべく、彼らが来社する前に最終確認をしようと私は一人ノートパソコンと企画書を持って14時からおさえていた第八会議室へと向かった。
まさに、その時。
「朱里」
「……畑野さん」
私に声をかけてきたのは、親へ挨拶をした以来顔すらあわせていなかった亮介だった。
「今すごい話題になってんじゃん」
まるで婚約破棄なんてなかったかのようににこにこと爽やかな笑顔を向けてくる亮介にイラッとする。
以前はこの笑顔が好きだったけれど、彼の本性を知ったからか、それとも穏やかな光希の笑顔とは全然違うからかむしろ寒気すら感じた。
「あの、要件は何ですか」
「朱里ちょっと冷たくない? 確かにちょっと俺たちすれ違っちゃったけど、結婚の約束をした仲だろ」
“何よ今更!”
変わらずにこにことしながら言われたその言葉に唖然とする。
一方的に破棄したのはそっちのくせに、一体どの面下げてそんなことを言えるのかと頭が痛くなるが、重ねられた亮介の言葉はもっとあり得ないものだった。
「でさ、確かにプライベートのパートナーにはなれなかったけど、俺たちの仲だろ? 仕事のパートナーにはしてくんない?」
「……は?」
「だからさ、インコネとの企画の件。営業の担当者は俺を推してよ」
何を言っているのか。言葉の意味がわかるが理解が追いつかず唖然としていると、亮介が私に一歩ずつ近付いてくる。
もう彼には許していない距離感まで近付かれ、私は慌てて後退った。
“確かに亮介の部署は営業開発課だけど”
簡単に言えばシステムを弄れる営業部。
得意先の窓口として対応することがほとんどだが、今回のような業務提携や共同企画なんかをする時は営業開発課がかなり発言権を持つ。
だからこそ普段は企画広報課から依頼を入れて顔合わせの場に営業開発課からも人員を出して貰うことが多いのだが、今回の場合はシステム開発はインコネ側に依頼すると上司とも話し合いそのような企画書を作って来ていたので必要はなかった。
その事を説明しさっさと会議室へ行きたいのだが、どんどん距離を詰める亮介に戸惑い上手く言葉が出ない。
距離を取りたくて後退っていった結果、とうとう私の背中が壁にぶつかりこれ以上彼から逃げられないことを悟る。
「だからその、今回は」
「なんで頷いてくんないの? 俺の事まだ好きだろ」
“何なのその自信!?”
亮介の言葉に愕然としていると、何をどう判断したのか彼が大きくため息を吐いた。
「わーかった、じゃあ結婚してやるよ。今回の企画が成功したら出世間違いなしだし、まぁお前も一応社長令嬢だしな」
「勝手に何言ってんの!?」
「何怒ってんだよ?」
「怒るに決まってるでしょ! バカなことばかり言わないで!!」
「バカだぁ!?」
「痛っ」
私が拒否するなんて思ってもいなかったのか、苛立った亮介に思い切り腕を掴まれる。
成人男性の力で思い切り掴まれ、私の手首がギシリと痛んだ。
「離し……」
「何してんの」
「はぁ!? お前誰だよ」
「あ、え?」
折れそうなくらい強い力で掴まれていた手が無理やり剥がされ、私を背に庇うように亮介と間に割り込んで来た大きな背中。
「光希……?」
「もう大丈夫だよ」
にこりと向けられる笑みは、何度も見た温かく優しい笑顔。
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