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1.きみと一緒に過ごしたい
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「ん、好き、好きだよ蓮⋯っ」
「や、やめ、奥突きなが⋯っ、ちく⋯び、ダメ⋯っ」
「なんで?ここグリグリされるの好きじゃん、ほらっ」
「ひゃあんッ!あッ、あき、あきらぁ⋯ッ」
ぱちゅんぱちゅんと音が響き、その卑猥な音すらももう俺の羞恥を誘えないほど溺れていく。
目の奥をチカチカと瞬く星にくらくらし、俺は後ろからズンズンと腰を動かす彰に全てを委ね枕に顔を押し付けてイきそうなのを堪えていた。
「⋯ね、噛みたい、蓮、噛んでいい?いいよね?お願い⋯番になろ?」
「や⋯っ、ダメ、やだ⋯っ」
「なんで?俺達付き合ってもう8年だよ?」
「や、やぁ、⋯ッ!あ、あぁあ⋯⋯ッ」
ガジガジとチョーカーに歯をたてられているのを感じる。
そのまま一際奥まで挿れた彰は、ギュッと俺の乳首をつねってきて。
「~~~ッッ」
その痛いくらいの刺激に、俺はあっさりと達してしまったのだった。
大河内彰と出会ったのは大学初日の経済の講義だった。
必須科目だった上に、オメガである俺はめちゃくちゃ勉強してやっと入った大学ということもあってかなり気合いを入れていて。
そしてたまたま隣に座ったのが、他でもない彰だった。
彰はアルファ特有のエリートオーラなんてものはなく、それどころか少し天然で可愛い感じで。
オメガだとかアルファだとか関係なく仲良くなった俺達は、あまりにもありきたりで、だからこそ穏やかに気持ちを育み付き合い始めた。
「れーん、蓮の好きな監督のドラマ始まるよ」
「え、まじ?今行くわ」
勝手知ってる彰の家。
最早自分の家よりも居心地のいいこの部屋で、まるで自室のようにテレビの前のソファに並んで座ると、すかさず彰が膝掛けをかけてくれる。
「湯冷めしちゃダメだよ?」
「⋯ん、ありがと」
特に大きな喧嘩もなくこの8年過ごし、これからもずっと一緒に居れれば⋯と願えば願うほど、彰が番になろうと言ってくるほど⋯俺には頷く事が出来なくて――
「あ、これ“運命の番”がテーマになってるドラマなんだね」
彰の言葉に思わずビクッと肩を跳ねさせる。
「蓮?」
「ん?あー、いや、これ系多いよな」
「そだねぇ、運命かぁ⋯」
しみじみと続けられる“運命”という言葉に、ジュクリと心臓が傷んだ。
――運命の番。
ドラマや漫画ではよくある設定だが、そもそもその『運命』に出会える人間はどれだけいるのだろうか?
“一目見たらわかる⋯か”
穏やかに、緩やかに。
じっくりと想いを育んだ俺達には無縁の言葉。
重ねた時間に、育んだ絆に誇りを持っているとしても⋯
“⋯もし彰が、その運命とやらに出会ったとしたら⋯”
オメガは噛まれたアルファしか受け付けなくなる。
しかしアルファは何人でも番を作る事が生物学上可能で。
“番になったとして、もし彰に『ホンモノ』が現れたら⋯。それでも、俺に会いに来てくれるのか?抱いてくれるのか?”
彰のいない未来を想像し、彰だけを求めて泣く自分が簡単にイメージ出来てしまう。
1人世界に取り残されるようなじわりとした恐怖が、「番になろう」と言ってくれる彰を受け入れられない理由だった。
“好きだよ、すげー好き。だからこそ⋯怖い”
ぽすんと彰の肩に頭を預けると、柔らかく微笑んだ彰がそっと頭を撫でてくれた。
「俺、蓮のこの柔らかな茶髪好きだな」
「⋯俺は猫ッ毛の黒髪好きだぞ。あとそのタレ目も」
「えっ、俺の全部じゃん」
「彰の全部ってその2つで構成されてんのかよ」
はは、と笑い合う。
くだらない軽口が心地よく、穏やかな時間に俺はそっと瞳を閉じた。
“――付き合えているだけで、今側にいてくれるだけで感謝しねぇとな⋯”
「や、やめ、奥突きなが⋯っ、ちく⋯び、ダメ⋯っ」
「なんで?ここグリグリされるの好きじゃん、ほらっ」
「ひゃあんッ!あッ、あき、あきらぁ⋯ッ」
ぱちゅんぱちゅんと音が響き、その卑猥な音すらももう俺の羞恥を誘えないほど溺れていく。
目の奥をチカチカと瞬く星にくらくらし、俺は後ろからズンズンと腰を動かす彰に全てを委ね枕に顔を押し付けてイきそうなのを堪えていた。
「⋯ね、噛みたい、蓮、噛んでいい?いいよね?お願い⋯番になろ?」
「や⋯っ、ダメ、やだ⋯っ」
「なんで?俺達付き合ってもう8年だよ?」
「や、やぁ、⋯ッ!あ、あぁあ⋯⋯ッ」
ガジガジとチョーカーに歯をたてられているのを感じる。
そのまま一際奥まで挿れた彰は、ギュッと俺の乳首をつねってきて。
「~~~ッッ」
その痛いくらいの刺激に、俺はあっさりと達してしまったのだった。
大河内彰と出会ったのは大学初日の経済の講義だった。
必須科目だった上に、オメガである俺はめちゃくちゃ勉強してやっと入った大学ということもあってかなり気合いを入れていて。
そしてたまたま隣に座ったのが、他でもない彰だった。
彰はアルファ特有のエリートオーラなんてものはなく、それどころか少し天然で可愛い感じで。
オメガだとかアルファだとか関係なく仲良くなった俺達は、あまりにもありきたりで、だからこそ穏やかに気持ちを育み付き合い始めた。
「れーん、蓮の好きな監督のドラマ始まるよ」
「え、まじ?今行くわ」
勝手知ってる彰の家。
最早自分の家よりも居心地のいいこの部屋で、まるで自室のようにテレビの前のソファに並んで座ると、すかさず彰が膝掛けをかけてくれる。
「湯冷めしちゃダメだよ?」
「⋯ん、ありがと」
特に大きな喧嘩もなくこの8年過ごし、これからもずっと一緒に居れれば⋯と願えば願うほど、彰が番になろうと言ってくるほど⋯俺には頷く事が出来なくて――
「あ、これ“運命の番”がテーマになってるドラマなんだね」
彰の言葉に思わずビクッと肩を跳ねさせる。
「蓮?」
「ん?あー、いや、これ系多いよな」
「そだねぇ、運命かぁ⋯」
しみじみと続けられる“運命”という言葉に、ジュクリと心臓が傷んだ。
――運命の番。
ドラマや漫画ではよくある設定だが、そもそもその『運命』に出会える人間はどれだけいるのだろうか?
“一目見たらわかる⋯か”
穏やかに、緩やかに。
じっくりと想いを育んだ俺達には無縁の言葉。
重ねた時間に、育んだ絆に誇りを持っているとしても⋯
“⋯もし彰が、その運命とやらに出会ったとしたら⋯”
オメガは噛まれたアルファしか受け付けなくなる。
しかしアルファは何人でも番を作る事が生物学上可能で。
“番になったとして、もし彰に『ホンモノ』が現れたら⋯。それでも、俺に会いに来てくれるのか?抱いてくれるのか?”
彰のいない未来を想像し、彰だけを求めて泣く自分が簡単にイメージ出来てしまう。
1人世界に取り残されるようなじわりとした恐怖が、「番になろう」と言ってくれる彰を受け入れられない理由だった。
“好きだよ、すげー好き。だからこそ⋯怖い”
ぽすんと彰の肩に頭を預けると、柔らかく微笑んだ彰がそっと頭を撫でてくれた。
「俺、蓮のこの柔らかな茶髪好きだな」
「⋯俺は猫ッ毛の黒髪好きだぞ。あとそのタレ目も」
「えっ、俺の全部じゃん」
「彰の全部ってその2つで構成されてんのかよ」
はは、と笑い合う。
くだらない軽口が心地よく、穏やかな時間に俺はそっと瞳を閉じた。
“――付き合えているだけで、今側にいてくれるだけで感謝しねぇとな⋯”
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