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第一章・落ちこぼ令嬢、肉壁婚約者になる
1.私は、落ちこぼ令嬢です
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――それは幼い頃の、儚い記憶。
私の目の前にいるのは、淡い光のような金色の髪と、太陽の光を反射して色んな色に見える美しい瞳。
その瞳が潤み、色がカラフルな宝石になって溢れそうだと思った私は、慌てて両手で掬おうとその男の子の頬に触れた。
「どうしてそんな顔をしているの?」
「だってみんな、本当の僕のことを見てくれないから。加護ばかりを見て、誰も僕のこと……っ」
こんなに美しい子を見ないなんてあり得ないと思ったけれど、その子が本当に悲しそうだったから私は思い切りその子を抱き締めた。
「なら、ルチアが見てる。何があってもずっとずっと、……えっと……」
「……ジラルド」
「ジルドル! うん、ジルドルのことルチアが誰よりも見てる!」
「いや、ジラルド……、まぁいいか。本当に僕だけを見ててくれるの?」
そっと私の腕の中で首を傾げるその男の子が可愛くて、私は大きく頷いた。
「約束だよ、ルチア。もし僕に加護がなくなって、ただのジラルドになっても僕だけを見てずっと側にいてね」
「うん、約束!」
あれから十四年。あの時五歳だった私は十九になり、あの時八歳だったジルドル……いや、ジラルド・カヴァリア王太子殿下は二十二の年になった。
全属性の加護を持ち、神の愛し子と呼ばれる彼は、微笑めば虹がかかり歩くだけで花が咲く。そして呼吸すれば花に誘われる昆虫のように動物から囲まれるという。
挙句の果てに仲睦まじい国王夫妻の子供が王太子殿下しか出来ないのも、彼が神から愛されすぎている故に他の子宝に恵まれなかったというとんでもない噂まで流れるほどだ。
そんなこの国唯一無二、いやこの世界に唯一無二とされる神の愛し子、ジラルド王太子殿下が、何故……
「何故しれっと一介の侯爵家の朝の食事に参加されてるんですかーッ!」
「おはようルチア。今日も元気で可愛いね」
私の叫びに平然としているどころかむしろにこにこと楽しそうに微笑んでいる殿下は、初めて会った時と変わらないプラチナブロンドが眩しく、全属性の加護が反映しているのかその瞳は角度によってエメラルドにもルビーにもサファイアにも見える。
「コンタリーニ家の食卓は王太子殿下に食べて貰えるほど豪華でしたか!?」
「気持ちはわかるがやめなさい、ルチア」
「まぁ、豪華かは別としても殿下は幼馴染だから食卓にいてもおかしくはないんじゃないか?」
その指摘に苦々しい顔をするお父様と、冷静に考察するお兄様。
そんな二人をギロリと睨み黙らせている間、殿下はふかしたジャガイモを頬張っていた。
“別に我が家は決して貧乏ではないけど、騎士の家系のせいか少しこう……武骨な料理というか”
素材そのものというか。
シンプルを極めたその料理は、華やかな王城で暮らす殿下とはかなりミスマッチに見えた。
「あ、僕のことはあの時みたいにジルドルと呼んでもいいからね。でもそれだとルチアが王族の名前を間違って覚えてるように聞こえるから、ジルって短く呼ぶのはどうかな」
「それ殿下の愛称ですよね!? 王妃殿下に呼ばれてるの聞いたことあるんですけどっ」
当の本人はしれっととんでもない提案をしてきて頭が痛い。
“確かに幼馴染みと言われればそうなんだけど”
我がコンタリーニ家は表では王家の盾、そして裏では王家の影として国を支えて来た。
今ここにお母様がいらっしゃらないのも、諜報を兼ねたお茶会の準備に忙しいからで、そして王太子殿下がいらっしゃるのに準備を優先させる不敬が許されているのは盾として長らく父がこの国の騎士団長を勤めていたからである。
全属性の加護持ちという貴重な存在であった殿下は自由に遊びに出ることが出来ず、唯一彼が安心して遊べる相手が騎士団長の子供たち、つまり私たち兄妹だけだったのだ。
だからこそ、力を付け自由を得た今でも気兼ねなく訪問ししれっと朝食に参加されているのかもしれないが――
にこやかに微笑む殿下へとチラリと視線を向け、ズキリと胸が痛む。
きっと今日彼がコンタリーニ家の朝食に参加したのは、私が先日受けた騎士団試験の結果を聞きに来たからだろう。
“兄のエミディオはトップ通過して今では第一騎士団に所属しているというのに”
私は。
「……あの時のお約束を守れそうにありません」
「ルチア?」
思わずぎゅうっと自身のドレスの裾を掴んでしまう。
だが王太子の彼には遅かれ早かれ知られてしまうから。
意を決した私がガバリと頭を下げると、三人ともがきょとんとした。
そんな彼らの反応には気付かないフリをして頭を下げたまま口を開く。
「騎士団試験に落ちてしまいました!」
自分で口にしたくせに、自分のその言葉に傷つき視界が滲む。
王家の盾として君臨するコンタリーニ家の娘が、まさか……まさか、十歳の子でも受かるという一次試験にすら通らなかっただなんて!!
“あまりにも恥!”
私のその発言を聞いた父と兄から、小さく「あぁ……」という呆れにも似た呟きが聞こえて更に胸がズキズキと痛む。
母も含めた三人には結果が届いた昨晩のうちに報告したのだが、きっと私がこの家の落ちこぼれだと普段の生活から知っていたからだろう、落ちたことに「だろうな」「知っていたわ」「運動神経ないもんな」とそれぞれ言われただけだった。
「騎士団員として、そして王家の盾として殿下をお守りすることが出来ません!」
私の悲痛な叫びを聞いた殿下が今どんな顔をしているのかを見るのが怖くて顔があげられない。
だが、私には言わなくてはいけないことがまだあった。
「それから! 盾になれなかったので影として訓練を積もうとしましたが、影にもなれませんでした!」
一次試験にすら通らないのに諜報とか出来る訳ないじゃなぁーい、なんて爆笑したお母様が、今日も一人で準備をしお茶会に一人で出ることが実質影としても役立たずなのだと告げている。
王家の盾、そして影であるコンタリーニ家とは思えないこの自分の落ちこぼれ具合に心臓が潰れそうだが――まだ、言わなくてはならないことが私には残っていた。
「……更にっ、加護属性の選定結果、私に……、加護はありませんでした……!」
一気に捲し立てるように話しきると、ハタハタと足元に水滴が落ちる。
堪えきれなかった涙が溢れてしまったのだ。
“情けない”
報告すら満足に出来ない自分が情けない。
盾にも影にもなれない自分が恥ずかしい。
そして貴族ならほぼ全員が何かしらの加護を持っているはずなのにその加護すらなかったのだ。
コンタリーニ家どころか貴族としても、私は落ちこぼれ。
そう、落ちこぼ令嬢だったのである。
“こんな私が神の愛し子である殿下のお側にいれるはずないわ……”
幼い頃の約束が守れないことも悲しかったが、殿下の側にいる資格がないということも悲しかった。
全属性の加護がある彼にはいまだに正式な婚約者がいない。
彼に釣り合うほど優秀な令嬢なんてなかなかいないからだ。
その神の愛し子の婚約者に自分がなれるだなんて、そんな大それたことは思ったことないけれど。
それでも。
“幼馴染みとして過ごしたこの十四年間で知った彼の優しさや温かさが大好きだった……”
からかわれているとわかっていても、甘い言葉を囁かれればドキドキとしたしお忍びの視察に誘われればデートなのかも、なんて浮かれもした。
もちろん彼には他意などないとわかっていたけれど、それでも私を誘ってくれることが嬉しかった。
だからこそ近くで彼の幸せを願い、側にいれるだけで良かったのに。それすらももう許されないのだと、その事実が悲しく胸が痛くて堪らない。
「何の役にも立たない私を側に置く必要は、ありません……。どうぞこれからは盾として視察には兄を、情報が欲しければ母を、剣術の指導は変わらず父をご用命ください」
私の目の前にいるのは、淡い光のような金色の髪と、太陽の光を反射して色んな色に見える美しい瞳。
その瞳が潤み、色がカラフルな宝石になって溢れそうだと思った私は、慌てて両手で掬おうとその男の子の頬に触れた。
「どうしてそんな顔をしているの?」
「だってみんな、本当の僕のことを見てくれないから。加護ばかりを見て、誰も僕のこと……っ」
こんなに美しい子を見ないなんてあり得ないと思ったけれど、その子が本当に悲しそうだったから私は思い切りその子を抱き締めた。
「なら、ルチアが見てる。何があってもずっとずっと、……えっと……」
「……ジラルド」
「ジルドル! うん、ジルドルのことルチアが誰よりも見てる!」
「いや、ジラルド……、まぁいいか。本当に僕だけを見ててくれるの?」
そっと私の腕の中で首を傾げるその男の子が可愛くて、私は大きく頷いた。
「約束だよ、ルチア。もし僕に加護がなくなって、ただのジラルドになっても僕だけを見てずっと側にいてね」
「うん、約束!」
あれから十四年。あの時五歳だった私は十九になり、あの時八歳だったジルドル……いや、ジラルド・カヴァリア王太子殿下は二十二の年になった。
全属性の加護を持ち、神の愛し子と呼ばれる彼は、微笑めば虹がかかり歩くだけで花が咲く。そして呼吸すれば花に誘われる昆虫のように動物から囲まれるという。
挙句の果てに仲睦まじい国王夫妻の子供が王太子殿下しか出来ないのも、彼が神から愛されすぎている故に他の子宝に恵まれなかったというとんでもない噂まで流れるほどだ。
そんなこの国唯一無二、いやこの世界に唯一無二とされる神の愛し子、ジラルド王太子殿下が、何故……
「何故しれっと一介の侯爵家の朝の食事に参加されてるんですかーッ!」
「おはようルチア。今日も元気で可愛いね」
私の叫びに平然としているどころかむしろにこにこと楽しそうに微笑んでいる殿下は、初めて会った時と変わらないプラチナブロンドが眩しく、全属性の加護が反映しているのかその瞳は角度によってエメラルドにもルビーにもサファイアにも見える。
「コンタリーニ家の食卓は王太子殿下に食べて貰えるほど豪華でしたか!?」
「気持ちはわかるがやめなさい、ルチア」
「まぁ、豪華かは別としても殿下は幼馴染だから食卓にいてもおかしくはないんじゃないか?」
その指摘に苦々しい顔をするお父様と、冷静に考察するお兄様。
そんな二人をギロリと睨み黙らせている間、殿下はふかしたジャガイモを頬張っていた。
“別に我が家は決して貧乏ではないけど、騎士の家系のせいか少しこう……武骨な料理というか”
素材そのものというか。
シンプルを極めたその料理は、華やかな王城で暮らす殿下とはかなりミスマッチに見えた。
「あ、僕のことはあの時みたいにジルドルと呼んでもいいからね。でもそれだとルチアが王族の名前を間違って覚えてるように聞こえるから、ジルって短く呼ぶのはどうかな」
「それ殿下の愛称ですよね!? 王妃殿下に呼ばれてるの聞いたことあるんですけどっ」
当の本人はしれっととんでもない提案をしてきて頭が痛い。
“確かに幼馴染みと言われればそうなんだけど”
我がコンタリーニ家は表では王家の盾、そして裏では王家の影として国を支えて来た。
今ここにお母様がいらっしゃらないのも、諜報を兼ねたお茶会の準備に忙しいからで、そして王太子殿下がいらっしゃるのに準備を優先させる不敬が許されているのは盾として長らく父がこの国の騎士団長を勤めていたからである。
全属性の加護持ちという貴重な存在であった殿下は自由に遊びに出ることが出来ず、唯一彼が安心して遊べる相手が騎士団長の子供たち、つまり私たち兄妹だけだったのだ。
だからこそ、力を付け自由を得た今でも気兼ねなく訪問ししれっと朝食に参加されているのかもしれないが――
にこやかに微笑む殿下へとチラリと視線を向け、ズキリと胸が痛む。
きっと今日彼がコンタリーニ家の朝食に参加したのは、私が先日受けた騎士団試験の結果を聞きに来たからだろう。
“兄のエミディオはトップ通過して今では第一騎士団に所属しているというのに”
私は。
「……あの時のお約束を守れそうにありません」
「ルチア?」
思わずぎゅうっと自身のドレスの裾を掴んでしまう。
だが王太子の彼には遅かれ早かれ知られてしまうから。
意を決した私がガバリと頭を下げると、三人ともがきょとんとした。
そんな彼らの反応には気付かないフリをして頭を下げたまま口を開く。
「騎士団試験に落ちてしまいました!」
自分で口にしたくせに、自分のその言葉に傷つき視界が滲む。
王家の盾として君臨するコンタリーニ家の娘が、まさか……まさか、十歳の子でも受かるという一次試験にすら通らなかっただなんて!!
“あまりにも恥!”
私のその発言を聞いた父と兄から、小さく「あぁ……」という呆れにも似た呟きが聞こえて更に胸がズキズキと痛む。
母も含めた三人には結果が届いた昨晩のうちに報告したのだが、きっと私がこの家の落ちこぼれだと普段の生活から知っていたからだろう、落ちたことに「だろうな」「知っていたわ」「運動神経ないもんな」とそれぞれ言われただけだった。
「騎士団員として、そして王家の盾として殿下をお守りすることが出来ません!」
私の悲痛な叫びを聞いた殿下が今どんな顔をしているのかを見るのが怖くて顔があげられない。
だが、私には言わなくてはいけないことがまだあった。
「それから! 盾になれなかったので影として訓練を積もうとしましたが、影にもなれませんでした!」
一次試験にすら通らないのに諜報とか出来る訳ないじゃなぁーい、なんて爆笑したお母様が、今日も一人で準備をしお茶会に一人で出ることが実質影としても役立たずなのだと告げている。
王家の盾、そして影であるコンタリーニ家とは思えないこの自分の落ちこぼれ具合に心臓が潰れそうだが――まだ、言わなくてはならないことが私には残っていた。
「……更にっ、加護属性の選定結果、私に……、加護はありませんでした……!」
一気に捲し立てるように話しきると、ハタハタと足元に水滴が落ちる。
堪えきれなかった涙が溢れてしまったのだ。
“情けない”
報告すら満足に出来ない自分が情けない。
盾にも影にもなれない自分が恥ずかしい。
そして貴族ならほぼ全員が何かしらの加護を持っているはずなのにその加護すらなかったのだ。
コンタリーニ家どころか貴族としても、私は落ちこぼれ。
そう、落ちこぼ令嬢だったのである。
“こんな私が神の愛し子である殿下のお側にいれるはずないわ……”
幼い頃の約束が守れないことも悲しかったが、殿下の側にいる資格がないということも悲しかった。
全属性の加護がある彼にはいまだに正式な婚約者がいない。
彼に釣り合うほど優秀な令嬢なんてなかなかいないからだ。
その神の愛し子の婚約者に自分がなれるだなんて、そんな大それたことは思ったことないけれど。
それでも。
“幼馴染みとして過ごしたこの十四年間で知った彼の優しさや温かさが大好きだった……”
からかわれているとわかっていても、甘い言葉を囁かれればドキドキとしたしお忍びの視察に誘われればデートなのかも、なんて浮かれもした。
もちろん彼には他意などないとわかっていたけれど、それでも私を誘ってくれることが嬉しかった。
だからこそ近くで彼の幸せを願い、側にいれるだけで良かったのに。それすらももう許されないのだと、その事実が悲しく胸が痛くて堪らない。
「何の役にも立たない私を側に置く必要は、ありません……。どうぞこれからは盾として視察には兄を、情報が欲しければ母を、剣術の指導は変わらず父をご用命ください」
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