18 / 31
本編
17.甘い時間は二人きりで
しおりを挟む
――最近気付いたことがある。
「ロレッタ、これこの間気になるって言ってたショーのチケットなんだけど、今度どうかな」
「あはは、確かにそこってちょっと引っかけ問題みたいになってるんだよね。これ俺が去年使ってたノートなんだけど、割りと纏めてるから少しは参考になるんじゃない?」
「そこ段差になってる。お手をどーぞ? 気をつけてね」
“……リドル様が、なんか優しい!”
いや、元々優しい人だった。
たまにからかわれたりもするけれど、基本的には私のことを優先してくれる人だったし、気遣いだっていつもしてくれていた。
けど。
「あの、手……」
「ん? 繋いでいちゃダメ?」
「そんなことないです、むしろ嬉しいといいますかっ」
「そっか。うん、俺も嬉しい」
“より優しくなったっていうか、甘くなったっていうか……!”
いつもの完璧な微笑みではなく、どこかふにゃりと綻ぶような笑顔を向けられて私の心臓がぎゅんと苦しくなる。
いつもより近い距離感に、薄い膜のようにあった最後の壁が取り払われたような気がし、鼓動が高鳴って仕方ない。
「まさかまだ媚薬の効果が残って……、いやいっそ後遺症に……」
「ロレッタ?」
「あっ、いえ! なんでもないですっ」
思わず疑問を口に出してしまったが、彼に聞こえていなかったようで安心した。
「そういえば、この間実技でわからないところがあるって言っていなかったっけ」
ふと思い出したようにリドル様からそう聞かれ、私は素直に頷く。
「はい。実技、特に魔法関係のものはどこでどう主人公と絡むことになるかわからないのでなるべくいい点数を取っておきたいんですが」
うっかり二人っきりでの補修授業、みたいなリドル様が介入出来そうにないイベントに巻き込まれては困るのだ。
もちろん私の成績があまりにも良かった場合は主人公に教える個人授業みたいなパターンもあり得るが、私の実力では頑張ってもせいぜい平均なのでそこは考えなくてもいいだろう。
「そっか、少しなら俺も教えられると思うからやってみる?」
「え!」
さらりと提案された言葉にドキリと心臓が跳ねる。
正直めちゃくちゃありがたい提案ではあるのだが、二人きりの勉強会なんてまさにイベントなのではと疑うが。
“いや、イベントだとすればむしろ積極的にこなすべきよね!?”
そう思いなおした私はリドル様に個人授業をお願いすることになったのだった。
とは言っても、あまり注目を集めるのも得策ではないだろうということで裏庭にある東屋で座りながらでも可能な魔力制御の魔法から始めることにした。
「そうそう、杖の先端に炎を灯すイメージで……うん、その調子だよ」
習っているのは光の具現化。
この世界の魔法とはイメージする力が強く明確なほどより強力な魔法が発動する。
鮮明にイメージできればまるで本当に生きているかのような生き物も「召喚獣」として具現化できる。
だがそのイメージする力が私はとことん弱かった。
“妄想ならできるのに!”
だが妄想力では残念ながら魔法は発動しない。
必死になって杖の先端に意識を集めても、理想的なサイズの半分どころかろうそくの炎くらいの光しか顕現しなかった。
「せめて手のひらサイズくらいの光になってくれないと」
ぶつぶつと一人言を言いながら何度も挑戦し、点いては消えるを繰り返す。
どれくらいそれを繰り返していたのか、トン、と突然肩に小さな衝撃が来て私の頬をふわりと銀糸の髪がくすぐりキリとした。
“え”
思わず半信半疑になりながら重みを感じる方をちらりと見ると、なんとリドル様が私の肩に頭を預けてうたた寝している。
「――――ッ!!」
驚いて声をあげそうになるが必死に押し殺し、深呼吸をした。
“え、ほんとに? リドル様がこんなに無防備にされているところ見たことないんだけど”
となればまず考えられるのがイベントである。
“睡眠姦なの? 睡眠姦よね!?”
いつも完全無欠なリドル様がうたた寝なんてあり得ない。
ならばこれはもうゲームの強制力がかかっているとしか思えず、そして主人公役であるリドル様が寝ているということは私が寝ている彼に跨りえっちなことをするのだと思ったのだが――
「勃って、ない?」
そう、彼のアレがおはようしていないのである。
“私が勃たせるってこと?”
一瞬そう思うが、ここは難易度激甘の18禁同人ゲーム。
イベントで主人公のモノがおっきしていない可能性は低いだろう。
むしろいつでも挿入できるようにいつでも臨戦態勢であるべきだ。
“勃っていないソコをこっそり起こすより、シチュエーションとしては、寝ているのに勃起している彼のソコに我慢できなくて攻略対象が勝手に挿れて楽しんでいる、とかの方がしっくりくるもの”
理由は簡単。スチルの都合である。
主人公の知らないことは描かれないというセオリーがこのゲームにも適応しているのなら、眠っている主人公が目を覚ますと女の子が跨っていた、というスチルになるだろう。
寝ている主人公のソレを口に咥えていた、というスチルは発生しない。
“まぁ、咥えているところに目を覚ますパターンもあるけど”
「今臨戦態勢じゃないならこれはイベントじゃないのよ……!」
平常モードの彼の下半身を眺めながら根拠のない確信をした私は、何故『自主練』『二人きり』『うたた寝』というトリプルコンボで当然あるべきイベントがないのかと内心ツッコミつつそっと杖を下ろした。
灯った光で彼を起こしたくないと思ったからだ。
“疲れていたのね”
いつもうっかり主人公と二人きりにならないように、王女殿下の護衛騎士と連携を取りながら私や他の攻略対象たちを誘導したり送り迎えしてくれたり。
それにイベントが起きたら当然そういった行為にも励む。
学生という身分ではあるが、ここはまさに社交界の縮図。勉学はもちろん、王太子殿下の側近として常に周りを警戒し情報も集めているはずで。
それなのに私の自主練にまで付き合ってくれているのだ。
体がいくつあってもありないだろう。
それにいくら疲れていたとしても、彼が誰の前でもこんな風に無防備にうたた寝するなんてきっとない。
「私だから、だったらいいなぁ」
私に体重を預け無防備に寝てしまったリドル様に、無性に触れたくなった私はきょろきょろと辺りを見回した。
“少しくらいならいいわよね?”
誰もいないことを確認し、規則的な寝息を零す唇に自身の唇をそっと重ねる。
それは表面を掠める程度のものではあったが、理由のない口付けというのは堪らなく私の心を甘美に震わせたのだった。
「――また、アイツ……」
そう呟く影には気付かずに。
「ロレッタ、これこの間気になるって言ってたショーのチケットなんだけど、今度どうかな」
「あはは、確かにそこってちょっと引っかけ問題みたいになってるんだよね。これ俺が去年使ってたノートなんだけど、割りと纏めてるから少しは参考になるんじゃない?」
「そこ段差になってる。お手をどーぞ? 気をつけてね」
“……リドル様が、なんか優しい!”
いや、元々優しい人だった。
たまにからかわれたりもするけれど、基本的には私のことを優先してくれる人だったし、気遣いだっていつもしてくれていた。
けど。
「あの、手……」
「ん? 繋いでいちゃダメ?」
「そんなことないです、むしろ嬉しいといいますかっ」
「そっか。うん、俺も嬉しい」
“より優しくなったっていうか、甘くなったっていうか……!”
いつもの完璧な微笑みではなく、どこかふにゃりと綻ぶような笑顔を向けられて私の心臓がぎゅんと苦しくなる。
いつもより近い距離感に、薄い膜のようにあった最後の壁が取り払われたような気がし、鼓動が高鳴って仕方ない。
「まさかまだ媚薬の効果が残って……、いやいっそ後遺症に……」
「ロレッタ?」
「あっ、いえ! なんでもないですっ」
思わず疑問を口に出してしまったが、彼に聞こえていなかったようで安心した。
「そういえば、この間実技でわからないところがあるって言っていなかったっけ」
ふと思い出したようにリドル様からそう聞かれ、私は素直に頷く。
「はい。実技、特に魔法関係のものはどこでどう主人公と絡むことになるかわからないのでなるべくいい点数を取っておきたいんですが」
うっかり二人っきりでの補修授業、みたいなリドル様が介入出来そうにないイベントに巻き込まれては困るのだ。
もちろん私の成績があまりにも良かった場合は主人公に教える個人授業みたいなパターンもあり得るが、私の実力では頑張ってもせいぜい平均なのでそこは考えなくてもいいだろう。
「そっか、少しなら俺も教えられると思うからやってみる?」
「え!」
さらりと提案された言葉にドキリと心臓が跳ねる。
正直めちゃくちゃありがたい提案ではあるのだが、二人きりの勉強会なんてまさにイベントなのではと疑うが。
“いや、イベントだとすればむしろ積極的にこなすべきよね!?”
そう思いなおした私はリドル様に個人授業をお願いすることになったのだった。
とは言っても、あまり注目を集めるのも得策ではないだろうということで裏庭にある東屋で座りながらでも可能な魔力制御の魔法から始めることにした。
「そうそう、杖の先端に炎を灯すイメージで……うん、その調子だよ」
習っているのは光の具現化。
この世界の魔法とはイメージする力が強く明確なほどより強力な魔法が発動する。
鮮明にイメージできればまるで本当に生きているかのような生き物も「召喚獣」として具現化できる。
だがそのイメージする力が私はとことん弱かった。
“妄想ならできるのに!”
だが妄想力では残念ながら魔法は発動しない。
必死になって杖の先端に意識を集めても、理想的なサイズの半分どころかろうそくの炎くらいの光しか顕現しなかった。
「せめて手のひらサイズくらいの光になってくれないと」
ぶつぶつと一人言を言いながら何度も挑戦し、点いては消えるを繰り返す。
どれくらいそれを繰り返していたのか、トン、と突然肩に小さな衝撃が来て私の頬をふわりと銀糸の髪がくすぐりキリとした。
“え”
思わず半信半疑になりながら重みを感じる方をちらりと見ると、なんとリドル様が私の肩に頭を預けてうたた寝している。
「――――ッ!!」
驚いて声をあげそうになるが必死に押し殺し、深呼吸をした。
“え、ほんとに? リドル様がこんなに無防備にされているところ見たことないんだけど”
となればまず考えられるのがイベントである。
“睡眠姦なの? 睡眠姦よね!?”
いつも完全無欠なリドル様がうたた寝なんてあり得ない。
ならばこれはもうゲームの強制力がかかっているとしか思えず、そして主人公役であるリドル様が寝ているということは私が寝ている彼に跨りえっちなことをするのだと思ったのだが――
「勃って、ない?」
そう、彼のアレがおはようしていないのである。
“私が勃たせるってこと?”
一瞬そう思うが、ここは難易度激甘の18禁同人ゲーム。
イベントで主人公のモノがおっきしていない可能性は低いだろう。
むしろいつでも挿入できるようにいつでも臨戦態勢であるべきだ。
“勃っていないソコをこっそり起こすより、シチュエーションとしては、寝ているのに勃起している彼のソコに我慢できなくて攻略対象が勝手に挿れて楽しんでいる、とかの方がしっくりくるもの”
理由は簡単。スチルの都合である。
主人公の知らないことは描かれないというセオリーがこのゲームにも適応しているのなら、眠っている主人公が目を覚ますと女の子が跨っていた、というスチルになるだろう。
寝ている主人公のソレを口に咥えていた、というスチルは発生しない。
“まぁ、咥えているところに目を覚ますパターンもあるけど”
「今臨戦態勢じゃないならこれはイベントじゃないのよ……!」
平常モードの彼の下半身を眺めながら根拠のない確信をした私は、何故『自主練』『二人きり』『うたた寝』というトリプルコンボで当然あるべきイベントがないのかと内心ツッコミつつそっと杖を下ろした。
灯った光で彼を起こしたくないと思ったからだ。
“疲れていたのね”
いつもうっかり主人公と二人きりにならないように、王女殿下の護衛騎士と連携を取りながら私や他の攻略対象たちを誘導したり送り迎えしてくれたり。
それにイベントが起きたら当然そういった行為にも励む。
学生という身分ではあるが、ここはまさに社交界の縮図。勉学はもちろん、王太子殿下の側近として常に周りを警戒し情報も集めているはずで。
それなのに私の自主練にまで付き合ってくれているのだ。
体がいくつあってもありないだろう。
それにいくら疲れていたとしても、彼が誰の前でもこんな風に無防備にうたた寝するなんてきっとない。
「私だから、だったらいいなぁ」
私に体重を預け無防備に寝てしまったリドル様に、無性に触れたくなった私はきょろきょろと辺りを見回した。
“少しくらいならいいわよね?”
誰もいないことを確認し、規則的な寝息を零す唇に自身の唇をそっと重ねる。
それは表面を掠める程度のものではあったが、理由のない口付けというのは堪らなく私の心を甘美に震わせたのだった。
「――また、アイツ……」
そう呟く影には気付かずに。
36
お気に入りに追加
146
あなたにおすすめの小説
【完結】R-18乙女ゲームの主人公に転生しましたが、のし上がるつもりはありません。
柊木ほしな
恋愛
『Maid・Rise・Love』
略して『MRL』
それは、ヒロインであるメイドが自身の体を武器にのし上がっていく、サクセスストーリー……ではなく、18禁乙女ゲームである。
かつて大好きだった『MRL』の世界へ転生してしまった愛梨。
薄々勘づいていたけれど、あのゲームの展開は真っ平ごめんなんですが!
普通のメイドとして働いてきたのに、何故かゲーム通りに王子の専属メイドに抜擢される始末。
このままじゃ、ゲーム通りのみだらな生活が始まってしまう……?
この先はまさか、成り上がる未来……?
「ちょっと待って!私は成り上がるつもりないから!」
ゲーム通り、専属メイド就任早々に王子に手を出されかけたルーナ。
処女喪失の危機を救ってくれたのは、前世で一番好きだった王子の侍従長、マクシミリアンだった。
「え、何この展開。まったくゲームと違ってきているんですけど!?」
果たして愛梨……もとい今はルーナの彼女に、平凡なメイド生活は訪れるのか……。
転生メイド×真面目な侍従長のラブコメディ。
※性行為がある話にはサブタイトルに*を付けております。未遂は予告無く入ります。
※基本は純愛です。
※この作品はムーンライトノベルズ様にも掲載しております。
※以前投稿していたものに、大幅加筆修正しております。
【完結】ヤンデレ設定の義弟を手塩にかけたら、シスコン大魔法士に育ちました!?
三月よる
恋愛
14歳の誕生日、ピフラは自分が乙女ゲーム「LOVE/HEART(ラブハート)」通称「ラブハ」の悪役である事に気がついた。シナリオ通りなら、ピフラは義弟ガルムの心を病ませ、ヤンデレ化した彼に殺されてしまう運命。生き残りのため、ピフラはガルムのヤンデレ化を防止すべく、彼を手塩にかけて育てる事を決意する。その後、メイドに命を狙われる事件がありながらも、良好な関係を築いてきた2人。
そして10年後。シスコンに育ったガルムに、ピフラは婚活を邪魔されていた。姉離れのためにガルムを結婚させようと、ピフラは相手のヒロインを探すことに。そんなある日、ピフラは謎の美丈夫ウォラクに出会った。彼はガルムと同じ赤い瞳をしていた。そこで「赤目」と「悪魔と黒魔法士」の秘密の相関関係を聞かされる。その秘密が過去のメイド事件と重なり、ピフラはガルムに疑心を抱き始めた。一方、ピフラを監視していたガルムは自分以外の赤目と接触したピフラを監禁して──?
異世界の学園で愛され姫として王子たちから(性的に)溺愛されました
空廻ロジカ
恋愛
「あぁ、イケメンたちに愛されて、蕩けるようなエッチがしたいよぉ……っ!」
――櫟《いちい》亜莉紗《ありさ》・18歳。TL《ティーンズラブ》コミックを愛好する彼女が好むのは、逆ハーレムと言われるジャンル。
今夜もTLコミックを読んではひとりエッチに励んでいた亜莉紗がイッた、その瞬間。窓の外で流星群が降り注ぎ、視界が真っ白に染まって……
気が付いたらイケメン王子と裸で同衾してるって、どういうこと? さらに三人のタイプの違うイケメンが現れて、亜莉紗を「姫」と呼び、愛を捧げてきて……!?
乙女ゲームの世界に転生したら、最恐騎士に追われ愛でられる
中村湊
恋愛
R18乙女ゲーム【聖杯の乙女】の世界に転生したことにある日の出来事を境に気が付いたメイ。悪役令嬢と仲良くなってしまい、彼女の破滅ルートを回避しようとしていたら……ゲームでは忌み嫌われ、嫌がらせなどをしていた兄に溺愛される。
悪役令嬢・フォンテーヌも、男爵令嬢のメイ(主人公)を守ろうと必死になったり。フォンテーヌの婚約者の王子も生ぬるい視線で、温かく?見守り楽しんでいる。
王子の側付き護衛騎士見習いと出逢った日に、メイは彼に異常に気に入れらて……。
推しの兄を助けたら、なぜかヤンデレ執着化しました
群青みどり
恋愛
伯爵令嬢のメアリーは高熱でうなされている時に前世の記憶を思い出し、好きだった小説のヒロインに転生していると気づく。
しかしその小説は恋愛が主軸ではなく、家族が殺されて闇堕ちし、復讐に燃える推しが主人公のダークファンタジー小説だった。
闇堕ちしない推しと真っ当な恋愛を楽しむため、推しの家族を必ず救うと決意する。
家族殺害の危機を回避するために奮闘する日々を送っていると、推しの兄であるカシスと関わるようになる。
カシスは両親殺害の濡れ衣を着せられ処刑される運命で、何より推しが心から慕う相手。
必ず生きてもらわねば……! と強く願うメアリーはカシスと仲良くなり、さらには協力者となる。
「(推しの闇落ちを防ぐために)カシス様には幸せに生き続けて欲しいのです」
メアリーはカシス相手に勘違い発言を連発する中、ついに推しの家族を守ることに成功する。
ようやく推しとの明るい恋愛を楽しめると思っていたが、何やらカシスの様子がおかしくなり──
「君は弟を手に入れるため、俺に近づいて利用しようとしていたんだね」
「俺に愛されて可哀想に」
これは推しと恋愛するため奮闘していた少女が、気づけば推しの兄の重い愛に囚われてしまったお話。
マイナー18禁乙女ゲームのヒロインになりました
東 万里央(あずま まりお)
恋愛
十六歳になったその日の朝、私は鏡の前で思い出した。この世界はなんちゃってルネサンス時代を舞台とした、18禁乙女ゲーム「愛欲のボルジア」だと言うことに……。私はそのヒロイン・ルクレツィアに転生していたのだ。
攻略対象のイケメンは五人。ヤンデレ鬼畜兄貴のチェーザレに男の娘のジョバンニ。フェロモン侍従のペドロに影の薄いアルフォンソ。大穴の変人両刀のレオナルド……。ハハッ、ロクなヤツがいやしねえ! こうなれば修道女ルートを目指してやる!
そんな感じで涙目で爆走するルクレツィアたんのお話し。
転生先が羞恥心的な意味で地獄なんだけどっ!!
高福あさひ
恋愛
とある日、自分が乙女ゲームの世界に転生したことを知ってしまったユーフェミア。そこは前世でハマっていたとはいえ、実際に生きるのにはとんでもなく痛々しい設定がモリモリな世界で羞恥心的な意味で地獄だった!!そんな世界で羞恥心さえ我慢すればモブとして平穏無事に生活できると思っていたのだけれど…?※カクヨム様、ムーンライトノベルズ様でも公開しています。不定期更新です。タイトル回収はだいぶ後半になると思います。前半はただのシリアスです。
大嫌いな次期騎士団長に嫁いだら、激しすぎる初夜が待っていました
扇 レンナ
恋愛
旧題:宿敵だと思っていた男に溺愛されて、毎日のように求められているんですが!?
*こちらは【明石 唯加】名義のアカウントで掲載していたものです。書籍化にあたり、こちらに転載しております。また、こちらのアカウントに転載することに関しては担当編集さまから許可をいただいておりますので、問題ありません。
――
ウィテカー王国の西の辺境を守る二つの伯爵家、コナハン家とフォレスター家は長年に渡りいがみ合ってきた。
そんな現状に焦りを抱いた王家は、二つの伯爵家に和解を求め、王命での結婚を命じる。
その結果、フォレスター伯爵家の長女メアリーはコナハン伯爵家に嫁入りすることが決まった。
結婚相手はコナハン家の長男シリル。クールに見える外見と辺境騎士団の次期団長という肩書きから女性人気がとても高い男性。
が、メアリーはそんなシリルが実は大嫌い。
彼はクールなのではなく、大層傲慢なだけ。それを知っているからだ。
しかし、王命には逆らえない。そのため、メアリーは渋々シリルの元に嫁ぐことに。
どうせ愛し愛されるような素敵な関係にはなれるわけがない。
そう考えるメアリーを他所に、シリルは初夜からメアリーを強く求めてくる。
――もしかして、これは嫌がらせ?
メアリーはシリルの態度をそう受け取り、頑なに彼を拒絶しようとするが――……。
「誰がお前に嫌がらせなんかするかよ」
どうやら、彼には全く別の思惑があるらしく……?
*WEB版表紙イラストはみどりのバクさまに有償にて描いていただいたものです。転載等は禁止です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる