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本編

9.隠せないほど尖らせて

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「まさかこんなところで遭遇するなんて」

 流石にリドル様もこれは予想外だったのか、唖然としながら外の様子を眺める。
 学園から離れればイベントは起きないのだと思っていたが、まさかこのゲーム、学園外にもイベントがあったということだろうか?

「これ、つまり今から王女殿下と主人公のイベントが始まるということでしょうか?」

 この場で起きるイベントならば、きっとこのフィッティングルームを使ったイベントだろう。
 先日私とリドル様がした保健室のような、第三者がいる状態でのえっちな行為のデート版かもしれない。

“そうよ、普通の衣服店に見えたのにこんなにえっちなナイトドレスがしれっと出されるくらいだもの”

 気付いてしまえばもうそうとしか思えない。
 ここはデートで起こるえっちなイベントの舞台のひとつなのだ。

「でも、王女殿下と主人公がイベントをこなしいるのなら私たちは待っているだけでいいのかしら? だって観客になる店員さんが全てあちらに行ってしまっているわけだし」

 それに学園内とは違いここは少し離れた仕立て屋なのだ。
 この場所を避ければイベントは起きないし、保健室の時のようにバレるかバレないかのイベントであれば登場人物が足りない。

 つまり私たちがここでイベントを模したとしても、達成されない可能性が高いということで――


「いや、あっちではなくこっちがイベントかもしれないよ」
「こっち、ですか?」
「そう。確かにおあつらえ向きに王女殿下とロングロンド令息がここに来たけれど、それはこの部屋で二人きりになるためのつじつま合わせかもしれない」
「それって」
「店内で都合よく、しかもこんなにえっちな服が目の前に置かれた状態で二人きりになるなんて、イベントとしか考えられなくない?」

 そう言われたら、確かにその通りかもしれない。
 自分たちより高貴な方という理由で王女殿下たちが現れたと仮定すると、こちらが本命のイベントだというリドル様の推測は説得力があった。

“だって私の目の前にはスケスケの夜着があるんだもの”

 これをイベントの強制力と言わずなんという?

 それに第三者がいる状況でのギリギリプレイは保健室でやったのだ。
 似た内容のイベントがあるというのもおかしいだろう。

「リドル様の仰る通りですわ、つまり私は今からこのレースの夜着を着ればいいってってことですわね!?」
「わぁ、納得しちゃったかぁ」
「着て参ります!」

 そうとわかれば時間が惜しい。
 王女殿下たちが帰るまでにイベントをこなしてしまわないと、最悪な場面でお店の人が戻って来てしまうかもしれないのだから。

 さっとそのスケスケレースを手にした私がパーテーションの向こうに飛び込む。
 焦っているからか、着ている服を脱ぐのに手こずっている時だった。


「このボタンを外せばいいのかな?」
「り、リドル様!?」
「恥ずかしい? これからえっちなことをするのに?」
「それとこれとは話が別です!」

 思わず抗議するが、むしろ楽しそうに背中のボタンをプチプチと外していくリドル様。
 いくつもあったボタンはあっさりと外され、ストンと足元に着ていたワンピースが落とされる。

「着るのはこのナイトドレスでいいのかな」
「あ、はい」

 持ってきていた夜着を手に取ったリドル様が、そっと羽織るように後ろからかけてかけてくれた。

“今からまた脱がされるのに着るって変な感じね”

 少し戸惑いつつも彼のかけてくれた夜着に腕を通す。
 改めて見てみると、薄いレースが重なったこの夜着は大事なところもスケスケで何一つ隠してくれていなかった。

“それにこのリボン何なのかしら”

 服を前で止めるための大きなリボンはわかる。
 だが乳房の上部にそれぞれあるこの小さなリボンは何なのか。

 思わずじっと見ていると、ナイトドレスを着せ終わったリドル様が私を後ろから抱きしめた。

「りっ、リドルさ……っ」
「保健室でも思ったけど、ロレッタの胸は本当に柔らかいね」
「ひゃっ」

 彼の吐息が耳にかかり、私の胸を夜着の上から持ち上げるように揉みしだく。

 レースの上からやわやわとリドル様の手が私のおっぱいを揉むと、レース地が先端を掠めもどかしい。

「少し固くなってきちゃったね?」
「あっ」

 リドル様の指が私の乳首をカリカリとひっかくと、少し芯を持ち始めていた乳首がすぐにツンと立ちレース地を押し上げ主張した。

「敏感だね。そんなに期待してくれたのかな」

 立った乳首をきゅっと摘ままれ、捏ねられる。
 保健室の時のような直接ではない刺激が、もっともっとと私の情欲を誘った。

「ここのリボンも解いちゃおうか」

 彼の指がさっき気になっていた小さなリボンへと伸び、右側のリボンが解かれるとぷるんと乳首が顔を出した。

「!」
「ふふ、溢れ出ちゃったね?」
「あ、んっ!」

 夜着の上からだった刺激を直接与えられ、その感触にビクリと体が仰け反ってしまう。
 指先でくりくりと乳首を弄られるとその度にびくびくと小さく跳ねた。

「これならロレッタのそこも舐めてあげられるね?」
「や、あぁんっ」

 そう口にしたリドル様がそっと私を振り向かせると、露になった乳首へと吸い付いた。

「んんっ、あ、はぁ……っ」

 ちゅ、と先端に舌が這い、夜着を唾液で濡らさないように気を遣いながら彼が何度もぴちゃりと音を立てながら舐める。

“だめ、これ声が出ちゃう”

 この部屋には今私たち二人だけだが、すぐ隣には王女殿下と主人公、またこの店の人たちもいるのだ。

 いくらイベントである可能性が高いとはいえ声を出すのは極力避けたい、のに。

「ふふ、折角濡らさないように注意していたのに、ロレッタのここが濡らしてしまったようだね」
「ひんっ!」

 くちゅりと指が蜜壺に触れると卑猥な水音が部屋に響く。
 ぐちゅぐちゅと音を立てながら何度も入り口を擦られると、かくんと足から力が抜けた。

「ふふ、気持ち良かったのかな」

 リドル様にもたれるように体を預けると、そっと抱き抱えてパーテーションから出る。

「待っ、ここを出たらっ」

 パーテーションから出ると、部屋の扉を開けた瞬間に全て見られてしまう。
 ソファに寝かされた私が焦ってそう言うが、平然としたリドル様もソファに上がった。

「さっきより濡れてるよ、見られると思って興奮しちゃった?」
「そ、そんなこと……」
「このナイトドレスは買い取らなきゃね」
「うぅう」

 ペラリと夜着の裾を捲って私の秘部を確認したリドル様が笑いながらそんなことを言う。

 
 羞恥から顔を逸らす私をくすりと笑ったリドル様がそっと私の頭を撫でる。
 ただ頭を撫でられただけなのに、私の胸がきゅんと高鳴った。
 

「さっきはこっち触らなかったよね」

 くすくすと笑いながらリドル様の顔が私の左側のリボンに近付き、リボンの紐を咥えて解く。

「ぁ……!」

 両方の乳首が露になり外気に触れてひやりとするが、すぐに彼の熱い口内に含まれた。

「んっ、は、あぁあ……っ」

 ぴちゃぴちゃという音と、ちゅうちゅうと吸われる感覚に頭の奥が痺れる。
 ぞくぞくと快感が走り、じわりと愛液が滲んだのがわかった。

“リドル様は?”

 私ばかりが翻弄されていることに気付き彼の下半身へと視線を向けると、そんな私の視線に気付いたのか彼が私の視界を手のひらで塞ぐ。

「リドル様?」
「ロレッタは見なくていいから」
「でも、イベントは……いえ、こういうのは二人で気持ちよくなってこそで……」

 だから、リドル様にも気持ちよくなって欲しいと思った。一緒に気持ちよくなりたいと、そう思ったのだ。

 そしてそんな気持ちが通じたのか、視界は塞がれたままだがカチャカチャと音が聞こえてきて。

「っ!」

 レース越しに固く熱いモノが私の蜜壺に触れたことに気付きごくりと唾を呑む。

“とうとうシてしまうのね……!?”

 期待とも不安とも言えぬ緊張で体が強張る。
 バクバクと激しく心臓が鳴り、そのあまりのうるささにまるで耳に心臓があるかのようだった。

 けれど私の体が緊張で強張っていたからだろうか、リドル様は下着を脱がす素振りはせず自身の滾ったソレを擦りつける。

「い、挿れないんですか?」

“脱がすかズラすかしないと挿入できないと思うのだけれど”

 不思議に思った私がそう聞くと、そんな私の口を塞ぐように口付けが降ってくる。
 くちゅ、と彼の舌が私の唇を割り口内に入れられた。

 そのまま私の舌を絡め取るように彼の舌が動き、激しく交わる。
 下着越しにあてがわれた彼のソレがゆっくりと動き出し、私の愛液が滲んだソコと擦れ合うとぐちゅぐちゅと卑猥な音が耳を襲った。

「あっ、や、そこ……っ、なんで……」
「ん、挿れないから、少しだけ貸して?」
「ひゃ、あぁっ」

 まるで挿っているかのように打ち付けられる腰が熱くて堪らない。

“奥が切ないわ”

 きゅうきゅうと彼のモノを求めてナカが収縮しているとわかるのに、彼のはそこにはないのだ。
 それが一層苦しいのに、敏感になっている表面を彼のが抉るように動き愛芽を掠める。

 苦しくて、切なくて、でも気持ちいい。

「リドルさまも……きもちい……?」
「ッ、あぁ、気持ちいいよ」
「んあっ!?」

 ぐちゅんと先ほどよりも勢いよく擦られたと思ったら、パタパタと熱いものが突然お腹にかけられる。
 少しツンとした匂いのその白濁したものに触れると、ほぼ無意識に私は指についたそれを口元に持っていき、そのことに気付いたリドル様が慌てたように私の手を拭いた。

「こら、流石にソレはダメだから」
「?」
「可愛い顔してもダメなものはダメ、というか流石にそろそろイベントは終わりそうな気がするから服を着よう」

 苦笑しながらソファから降りたリドル様がすぐに私の脱いだ服を持ってきてくれ、着せてくれた――の、だが。


「ど、どうして……!!」
「弁解の余地もございません」

 私は、このえっちなスケスケの夜着に着替える前に着ていたもともとの下着を愕然として眺める。

「……焦って、その」

“ま、まさかさっき私の手を拭った布が私の下着だったなんて!”

 しょんぼりしたドストライクイケメンは大層眼福ではあるのだが。

“まさかコレもイベントの一部じゃないわよね……!?”

 ここから先、私は学園に帰るまでノーパンで過ごすことになってしまったのだった。
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