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13.忍び寄る影
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今日は珍しく何の授業もなく、またテオドルの情報がどこかにないかと積極的に参加していお茶会などもなかったので、リーヤと街へ遊びに来ていた。
「何か足りない物はあったかしら?」
「そうですね、便箋は新しくしたばかりですし」
「あ、じゃあインクとかみてみようかな」
「はい」
足りない物や欲しい物を考えながら大した目的もなくふたりだけで気ままに街をぶらつく。
護衛を連れていないのは、もちろんここが自分の領地内であり治安がいいことを知っているからだ。
(憲兵はもちろん、自警団もあるものね)
街の安全を見守りパトロールなどもしてくれている自警団がしっかりしており、憲兵も普通は貴族相手だと動きにくいことが多いが自警団と連携を取り上手くやってくれている。
なんとあのテレーゼ子爵を摘発したのも自警団だった。
その二団体が目を光らせてくれているので、護衛なしでも安心して買い物に来れるのである、が。
(つけられてるわね)
はぁ、とこっそりため息を吐いた私が気付かれないように背後を確認する。
物取りかと思ったが、相手は意外にもスウェン先生だった。
今回の人生では一度も我が家へ来ることなく断り別の家庭教師を雇ったので私との接点はないはず。
それなのにここにいる彼へ違和感を覚える。
「……リーヤ、悪いんだけど憲兵を呼んできて貰えないかしら」
「え?」
「つけられているみたいなの」
「ッ! かしこまりました、すぐに呼んで参りますので必ず人目が沢山あるところでお待ちください」
「わかったわ」
私の言葉を聞いて息を呑んだリーヤが、さり気ない仕草で離れる。
その瞬間を待っていたのだろう、スウェン先生が早歩きで近付いてきた。
「スクヴィス伯爵令嬢ですね?」
「……こんにちは、えっと、どちら様でしょう?」
(まさかこんな大通りで声をかけられるなんて)
流石に人通りが多いので襲われることはないだろうが、人目を避けるかと思っていたので内心焦る。
店内で揉めでもしたら迷惑をかけるからと店に入るのを躊躇ったことを後悔した。
「これは失礼致しました、貴女がお断りになられた家庭教師のスウェン・ドレクスレルと申します」
(引っかかる言い方ね)
内心ムッとするが、そんなことを顔に出しても仕方ない。
私は口元に両手を当てて驚いた表情を作った。
「まぁ……! そうでしたの、こんなに格好いい方だったのなら断らなかったら良かったわ」
私の言い方がお気に召したのか、先生の表情が少しだけ表情を和らぐ。
そのあまりの単純さに、男ってみんなこうなのかしら、なんて少し呆れてしまった。
「それでその先生が一体何の用でしょう?」
「あ、その……、今からでも僕を雇う気はありませんか?」
「え?」
(まさか後をつけた理由が売込みなの?)
そんなことをしなくても、前の人生で先生はかなり人気の先生だった。
雇用側ではなく先生が選ぶ側だったし、何故私が選ばれたのか疑問に思ったほど。
確かに今回は家庭教師を断ったが、それ以外に何もしておらず、だからこそ、彼が回帰をきっかけに不人気になったとは思えない。
婿入り先に我が伯爵家が丁度いいこともわかっているが、この国にいる令嬢は私だけではないのだ。
野心もあるが実力もある先生ならもっと良縁を結べると思うのだが……事態はそう簡単ではなかったらしい。
「実は教える前から断られたせいで、僕に何か問題があるのではと誰も雇って貰えなくなったんです」
「ど、どうしてそんな」
「貴女の今の家庭教師が辺境伯家の親戚だったからですよ。僕からの護衛も兼ねているのでは、と噂になっておりまして」
告げられたその言葉に唖然としてしまう。
穏便に別の家庭教師をつけたつもりだったのに、まさかそんなことになっていただなんて。
(確かに武力的にも優秀な家門だけど、先生は……確かにちょっと護身術も教えて貰ったりしたけど)
だが、決して護衛を兼ねた依頼なんてしていない。
けれど世間がそうは思わなかったということなのだろう。
つまり私は守って貰うためにわざわざ辺境伯家出身の先生を雇った被害者の令嬢で、スウェン先生はそこまで嫌悪されるほどの何かをやらかした加害者になってしまっているらしい。
「で、ですがそもそも私が今学んでいるのは経営学なんです。スウェン先生の専門は魔法学ですよね? 興味のある学問が変わったのだから先生を変えるのは当然だと思うのですが」
「であれば、今から魔法学も学んでください」
「えぇ? いえ、私は」
「貴女が僕を雇えば、全て収まり僕の目的だって!」
突然声を荒げたスウェン先生が私の右手首を掴む。
その事に驚いたものの、私はなんとか気持ちを落ち着けて両手を握った。
(このまま自分の肩目掛けて引き抜けば……!)
まさかこんなに早く教わったばかりの護身術が活きるなんて、と思いつつ勢いづけて引き抜くと、あっさりとスウェン先生の手から逃れることに成功する。
「あ、待て!」
「待てって言われて待つわけないでしょ!?」
慌てて駆け出すと、なりふり構っていられないのか怒鳴りながら追いかけられた。
(このまま人目が多いところを走って……)
「?」
一瞬気付かなかったほどの小さな違和感。
だが、その小さな違和感に鳥肌が立つ。あまりにも静かだった。
それに。
「誰も私たちを見ていない……?」
大通りだから、人目があるから。
何かをされても、これだけの目撃者がいるなら私に有利に働くはずだなんて思っていた。
――先生は何故私がひとりになるまで待っていたのだろうか。
一緒にいたのはただのか弱い侍女であって、騎士でもなんでもないのに。
(私にあまり才能が無かったせいで思い付きもしなかったわ)
きっと今、何かしらの魔法が働いているということに。
相手は、魔法学を教えられるほど優秀な『魔法使い』なのだ。
(誰も私たちを見ていないのは、そもそも見えていないってこと? 視覚を弄ったの?)
いや、ここにいる人たち全員に魔法をかけるのは不可能。ならばきっと魔法をかけられたのは私だろう。
「まさか、さっき腕を掴まれた時に?」
対象に直接触れるとこで強い魔法をかけた可能性がある。
それはどんな魔法だったのか。
私を見えなくする魔法? それとも私を感知出来なくする魔法かもしれない。
だがどちらにせよ、私が逃げ場を失ったことに違いはなかった。
このまま逃げ回り、リーヤが憲兵を連れてきてくれたとしても私が見つからないのでは助けようがない。
私の体力にだっていつか限界はくる。
そうなった時、再び先生に捕まって終わりだ。
(捕まったらどうなるかしら)
先生の言っていた『目的』が以前の人生と同じどこかの貴族家への婿入りだとすれば、そして私のせいで婿入り先がなくなったのだとすれば。
おそらくは我が家へと婿入りを狙って来るのだろう。
――既成事実を作ってでも。
(そんなの嫌! 絶対嫌!!)
段々息があがり呼吸が苦しくなる。
限界が近い。嫌悪感のみで必死に足を動かすが、先生との距離が近付いている気配がしゾッとした。
怖い、と初めて思った。
(四回も死んだのに)
テオドルに殺される瞬間ですら、彼の赤い瞳が涙で滲むのが悲しかっただけなのに、テオドルではない人に触れられるかもしれないと想像しただけで恐怖で心が萎縮する。
――あぁ、こうやって追われるのは二度目だ。
あの時はテオドルと一緒だった。
そして私が伸ばしていた髪の毛を掴まれテオドルと引き離されたことも思い出す。
(あれ以来一度も髪の毛を伸ばさなくて良かったわ)
そのお陰で今先生に髪の毛を掴まれる心配はないだろう。
あの時も髪の毛を切っていたら、こんなことにはなっていなかったのだろうか。
(ううん、きっと遅かれ早かれ捕まってたわ)
そしてそれは、多分今も。
「何か足りない物はあったかしら?」
「そうですね、便箋は新しくしたばかりですし」
「あ、じゃあインクとかみてみようかな」
「はい」
足りない物や欲しい物を考えながら大した目的もなくふたりだけで気ままに街をぶらつく。
護衛を連れていないのは、もちろんここが自分の領地内であり治安がいいことを知っているからだ。
(憲兵はもちろん、自警団もあるものね)
街の安全を見守りパトロールなどもしてくれている自警団がしっかりしており、憲兵も普通は貴族相手だと動きにくいことが多いが自警団と連携を取り上手くやってくれている。
なんとあのテレーゼ子爵を摘発したのも自警団だった。
その二団体が目を光らせてくれているので、護衛なしでも安心して買い物に来れるのである、が。
(つけられてるわね)
はぁ、とこっそりため息を吐いた私が気付かれないように背後を確認する。
物取りかと思ったが、相手は意外にもスウェン先生だった。
今回の人生では一度も我が家へ来ることなく断り別の家庭教師を雇ったので私との接点はないはず。
それなのにここにいる彼へ違和感を覚える。
「……リーヤ、悪いんだけど憲兵を呼んできて貰えないかしら」
「え?」
「つけられているみたいなの」
「ッ! かしこまりました、すぐに呼んで参りますので必ず人目が沢山あるところでお待ちください」
「わかったわ」
私の言葉を聞いて息を呑んだリーヤが、さり気ない仕草で離れる。
その瞬間を待っていたのだろう、スウェン先生が早歩きで近付いてきた。
「スクヴィス伯爵令嬢ですね?」
「……こんにちは、えっと、どちら様でしょう?」
(まさかこんな大通りで声をかけられるなんて)
流石に人通りが多いので襲われることはないだろうが、人目を避けるかと思っていたので内心焦る。
店内で揉めでもしたら迷惑をかけるからと店に入るのを躊躇ったことを後悔した。
「これは失礼致しました、貴女がお断りになられた家庭教師のスウェン・ドレクスレルと申します」
(引っかかる言い方ね)
内心ムッとするが、そんなことを顔に出しても仕方ない。
私は口元に両手を当てて驚いた表情を作った。
「まぁ……! そうでしたの、こんなに格好いい方だったのなら断らなかったら良かったわ」
私の言い方がお気に召したのか、先生の表情が少しだけ表情を和らぐ。
そのあまりの単純さに、男ってみんなこうなのかしら、なんて少し呆れてしまった。
「それでその先生が一体何の用でしょう?」
「あ、その……、今からでも僕を雇う気はありませんか?」
「え?」
(まさか後をつけた理由が売込みなの?)
そんなことをしなくても、前の人生で先生はかなり人気の先生だった。
雇用側ではなく先生が選ぶ側だったし、何故私が選ばれたのか疑問に思ったほど。
確かに今回は家庭教師を断ったが、それ以外に何もしておらず、だからこそ、彼が回帰をきっかけに不人気になったとは思えない。
婿入り先に我が伯爵家が丁度いいこともわかっているが、この国にいる令嬢は私だけではないのだ。
野心もあるが実力もある先生ならもっと良縁を結べると思うのだが……事態はそう簡単ではなかったらしい。
「実は教える前から断られたせいで、僕に何か問題があるのではと誰も雇って貰えなくなったんです」
「ど、どうしてそんな」
「貴女の今の家庭教師が辺境伯家の親戚だったからですよ。僕からの護衛も兼ねているのでは、と噂になっておりまして」
告げられたその言葉に唖然としてしまう。
穏便に別の家庭教師をつけたつもりだったのに、まさかそんなことになっていただなんて。
(確かに武力的にも優秀な家門だけど、先生は……確かにちょっと護身術も教えて貰ったりしたけど)
だが、決して護衛を兼ねた依頼なんてしていない。
けれど世間がそうは思わなかったということなのだろう。
つまり私は守って貰うためにわざわざ辺境伯家出身の先生を雇った被害者の令嬢で、スウェン先生はそこまで嫌悪されるほどの何かをやらかした加害者になってしまっているらしい。
「で、ですがそもそも私が今学んでいるのは経営学なんです。スウェン先生の専門は魔法学ですよね? 興味のある学問が変わったのだから先生を変えるのは当然だと思うのですが」
「であれば、今から魔法学も学んでください」
「えぇ? いえ、私は」
「貴女が僕を雇えば、全て収まり僕の目的だって!」
突然声を荒げたスウェン先生が私の右手首を掴む。
その事に驚いたものの、私はなんとか気持ちを落ち着けて両手を握った。
(このまま自分の肩目掛けて引き抜けば……!)
まさかこんなに早く教わったばかりの護身術が活きるなんて、と思いつつ勢いづけて引き抜くと、あっさりとスウェン先生の手から逃れることに成功する。
「あ、待て!」
「待てって言われて待つわけないでしょ!?」
慌てて駆け出すと、なりふり構っていられないのか怒鳴りながら追いかけられた。
(このまま人目が多いところを走って……)
「?」
一瞬気付かなかったほどの小さな違和感。
だが、その小さな違和感に鳥肌が立つ。あまりにも静かだった。
それに。
「誰も私たちを見ていない……?」
大通りだから、人目があるから。
何かをされても、これだけの目撃者がいるなら私に有利に働くはずだなんて思っていた。
――先生は何故私がひとりになるまで待っていたのだろうか。
一緒にいたのはただのか弱い侍女であって、騎士でもなんでもないのに。
(私にあまり才能が無かったせいで思い付きもしなかったわ)
きっと今、何かしらの魔法が働いているということに。
相手は、魔法学を教えられるほど優秀な『魔法使い』なのだ。
(誰も私たちを見ていないのは、そもそも見えていないってこと? 視覚を弄ったの?)
いや、ここにいる人たち全員に魔法をかけるのは不可能。ならばきっと魔法をかけられたのは私だろう。
「まさか、さっき腕を掴まれた時に?」
対象に直接触れるとこで強い魔法をかけた可能性がある。
それはどんな魔法だったのか。
私を見えなくする魔法? それとも私を感知出来なくする魔法かもしれない。
だがどちらにせよ、私が逃げ場を失ったことに違いはなかった。
このまま逃げ回り、リーヤが憲兵を連れてきてくれたとしても私が見つからないのでは助けようがない。
私の体力にだっていつか限界はくる。
そうなった時、再び先生に捕まって終わりだ。
(捕まったらどうなるかしら)
先生の言っていた『目的』が以前の人生と同じどこかの貴族家への婿入りだとすれば、そして私のせいで婿入り先がなくなったのだとすれば。
おそらくは我が家へと婿入りを狙って来るのだろう。
――既成事実を作ってでも。
(そんなの嫌! 絶対嫌!!)
段々息があがり呼吸が苦しくなる。
限界が近い。嫌悪感のみで必死に足を動かすが、先生との距離が近付いている気配がしゾッとした。
怖い、と初めて思った。
(四回も死んだのに)
テオドルに殺される瞬間ですら、彼の赤い瞳が涙で滲むのが悲しかっただけなのに、テオドルではない人に触れられるかもしれないと想像しただけで恐怖で心が萎縮する。
――あぁ、こうやって追われるのは二度目だ。
あの時はテオドルと一緒だった。
そして私が伸ばしていた髪の毛を掴まれテオドルと引き離されたことも思い出す。
(あれ以来一度も髪の毛を伸ばさなくて良かったわ)
そのお陰で今先生に髪の毛を掴まれる心配はないだろう。
あの時も髪の毛を切っていたら、こんなことにはなっていなかったのだろうか。
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