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最終章・勇者レベル、???
42.折ってみせようそのフラグ
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「おはよ~」
あくび混じりにテントから出てきた私に、既に準備を終えていたフランがため息を吐く。
「緊張感なさすぎないか?まぁ緊張でガチガチよりかはいいんだが」
“フランが遅くまでシたからなのに!”
その言い分に思わずムッとしていると、さっきのフランよりも大きなため息をベルザックが吐いて。
「フランチェス団長こそ、時と場合は選ぶべきかと」
「「!」」
さらりと言われたその一言に私とフランが顔を見合せギョッとする。
「ちょっと!そこで顔赤らめないでよ!?」
「それリッカもだからな!」
じわりと顔を赤くしたフランに慌てて文句を言うと、間髪いれずにフランが言い返す。
こんな朝だというのにぎゃいぎゃいといつも通りな私たちは、今日が運命の日なのだ。
「今日は魔王が住んでいるという森の奥へ向かう」
フランの言葉に全員が頷く。
魔王の住んでいる場所は漠然と『森の奥』とされているだけで正確な場所はわかっていないため、昨日魔王が消えた道の先を目指す予定となっていた。
“そこまで大きな森じゃないから、方向さえわかっているなら今日再び会うことになる……”
もちろん昨日のように、ふらっと魔王が現れる可能性もあるだろう。
昨晩魔王や魔物が襲撃して来なかったのは単純に川の近くにテントを張ったからである。
「魔王を討伐する……として、どうしたらいいんだろ」
ぽつりと漏らすと、アベルがパッと顔を上げた。
「やっぱり不意を突くしかないと思います」
「却下だ」
アベルの提案を即却下したのはフラン。
「誰かが飛び出して隙を作るというのは非合理的すぎるし、犠牲を前提とした戦闘はすべきではない」
却下されたアベルが少し俯くと、そんなアベルの横からベルザックが手を上げた。
「なら、その囮役が私ならどうですかな?」
「それも却下!」
そんなベルザックを止めたのは私だ。
“召喚補正かわかんないけど、反発して弾いてきた私の魔力が弾かれたんだもん”
ならばどれだけ強い力や能力、経験があっても無意味な可能性が高い。
触れただけでライザの盾と腕を破壊したのだ。
魔王との対峙で魔王に触れるのは危険すぎる。
「ねぇ、魔物が水回りにいないのは魔王が嫌うからって聞いたんだけど」
「そういう文献もあるが、確証はないぞ」
「でも、なんでだろってなんか気になる」
もちろんそれを弱点と仮定し戦略に組み込むのはまずい。
外した時、逆にこちらがピンチになる可能性が高いからだ。
“でも、気になる”
屍のようだったが、魔王だって生きているならば水は必須。
飲みはしているだろうと考えれば、嫌っているというのは『水』ではない可能性もある。
「水辺……?それとも水の中にあるもの?」
だが湖と川にあるものは違うし、共通してあるものが何なのかピンと来ない。
“それに、やっぱり一番引っかかるのはコルネリアって名前よね”
Cornelia
やはり何度思い出してもそれは流暢な英語だった。
そしてこっちの世界で英語を話せるのは、召喚された聖女だけだろう。
「聖女……か」
思わずぽつりと呟く。
もし私が浅はかに攻略本なんて作らなければ。
“そうすれば今、ベルザックを含めた10人でここにいたかもしれないのに”
それに聖女じゃなく女なのに勇者を目指すなんてことを言い出す必要もなかっただろう……と考え、ふと思考を止める。
「女勇者……」
最近のゲームは性別が選べるものが多いし、別に遡って考えても女の勇者が主人公のゲームもあった。
だからこそ勇者を目指す!なんて言い出したのだから。
“でも、漠然と勇者イコール男ってイメージはあるな”
だからこそ女性の勇者を『女』勇者と呼んでいたのだろう。
――――なら、聖女は?
聖『女』召喚なだから当然女性が召喚されるんだと思っていた。
けれど私はプレイしていたゲームでその職業を知ってる。
「聖者」
聖なる力を持つ男性。
コルネリアという名の聖女はいなかった。
だが、もし召喚されたのがコルネリアという女性ではなく、魔王だったなら。
そして私にとってのフランのような存在が、魔王にとってのコルネリアさんだったのなら。
“そうだよ、召喚された補正で魔物を弾いてきたんだから、もし魔王も召喚された人なんだったら単純な力比べじゃん……!”
マックスな力と出がらしの私なら、私が弾かれて当然なのではないだろうか?
そこまで考え、私はゾクリと震えた。
もし魔王が本当に召喚されたのなら、何故魔王という存在になったのか。
簡単に私の仲間を殺した相手。けれど、彼自身がこの国に恨みを持ち、だからこそずっとここにいるのだとすれば……
――……私たちを殺すのが目的なら、勝ち目どころか付け入る隙すらない可能性が……
「リッカ!」
「ふぁい!?」
考え込んでいた私をフランの声が現実に引き戻す。
どこか不安そうな顔をしていたフランになんでもないとアピールするため、無理やり笑った私はわざとらしいくらい明るい声を出しながら立ち上がった。
「ごめん!誰かさんのせいで寝不足だっただけっ!」
「あ、おい」
「顔洗ってくる、すぐ戻るね!」
嫌な想像を振り切るように小走りで川へ向かった私は、バシャバシャと顔を洗う。
冷たい川の水が心地よく、こんがらがった頭が少しスッキリした。
「リッカ」
どうやら付いてきたらしいフランが私の背後から覗く。
水面に写ったフランと目を合わせた。
「なに?フランも顔を洗いにきたって訳じゃないよね?」
流れる川の水面越しだからか、どこかフランの顔が少し不安そうに揺れている気がし思わず振り返る。
振り返った先にいたフランは、水面越しに見た不安そうな表情ではなく決意を孕んだように少し顔を赤らめていて。
「この戦いが終わったら、俺と結婚して欲しい」
「死亡フラグって知ってる?」
私の前に跪いたフランのその言葉に気付けば反射的にそう返事をしていた。
“あ、ヤバ”
私の返事を聞き、完全にムスッとしてしまったフランに焦りつつもじわじわと笑いが込み上げる。
「……死亡フラグとやらは知らんが、絶対いい言葉じゃないということだけはわかった」
「あー、違う違うの、これはその……」
魔王という最大の敵に挑む前だというのに、何故このタイミングでフラグとも戦わなくてはならないんだと考え、そしてそんなことがなんだか堪らなく面白くて。
「……貴方となら、喜んでって意味かな」
「死亡ってついてたぞ」
「こっちでは結婚式に言わない?病める時も、健やかなる時もって」
「あー……」
ガシガシと頭をかいたフランは、不服そうな顔をする。
「つまり死が二人を分かつまで共にいましょうってことよ」
「お前絶対言いくるめようとしてるだろ?」
「あははっ」
堪えきれずに私が笑い出すと、釣られたのかフランも笑う。
そのまま私の手を取ったフランが右手の甲に口付けを一つ落として。
「返事は?」
「はいっ!」
私たちは死亡フラグ――ではなく、未来の約束をした。
「突然背後から覗くからびっくりしたじゃん」
「声はかけただろ」
「でも、揺れる水面に写ったフランはなんか不安そうに見えて……」
そこまで口に出した私はハッとする。
“写る……?”
森の中にはなくて、水辺でなら代用出来ること。
それは例えば、鏡のように姿を確認するということだとしたら――?
「魔王が嫌がったのは、水そのものじゃなくて自分の姿を見ることだとしたら」
そんな魔王の心を魔物たちも察し、だからこそ彼らも近付かないようになったのだとすれば。
「あと、一つ……」
コルネリアという存在の答えを見つけられれば、勝ち目なんてないと思われたその邪悪なまでの完璧な強さに綻びを作れる――
私はそう確信していたのだった。
あくび混じりにテントから出てきた私に、既に準備を終えていたフランがため息を吐く。
「緊張感なさすぎないか?まぁ緊張でガチガチよりかはいいんだが」
“フランが遅くまでシたからなのに!”
その言い分に思わずムッとしていると、さっきのフランよりも大きなため息をベルザックが吐いて。
「フランチェス団長こそ、時と場合は選ぶべきかと」
「「!」」
さらりと言われたその一言に私とフランが顔を見合せギョッとする。
「ちょっと!そこで顔赤らめないでよ!?」
「それリッカもだからな!」
じわりと顔を赤くしたフランに慌てて文句を言うと、間髪いれずにフランが言い返す。
こんな朝だというのにぎゃいぎゃいといつも通りな私たちは、今日が運命の日なのだ。
「今日は魔王が住んでいるという森の奥へ向かう」
フランの言葉に全員が頷く。
魔王の住んでいる場所は漠然と『森の奥』とされているだけで正確な場所はわかっていないため、昨日魔王が消えた道の先を目指す予定となっていた。
“そこまで大きな森じゃないから、方向さえわかっているなら今日再び会うことになる……”
もちろん昨日のように、ふらっと魔王が現れる可能性もあるだろう。
昨晩魔王や魔物が襲撃して来なかったのは単純に川の近くにテントを張ったからである。
「魔王を討伐する……として、どうしたらいいんだろ」
ぽつりと漏らすと、アベルがパッと顔を上げた。
「やっぱり不意を突くしかないと思います」
「却下だ」
アベルの提案を即却下したのはフラン。
「誰かが飛び出して隙を作るというのは非合理的すぎるし、犠牲を前提とした戦闘はすべきではない」
却下されたアベルが少し俯くと、そんなアベルの横からベルザックが手を上げた。
「なら、その囮役が私ならどうですかな?」
「それも却下!」
そんなベルザックを止めたのは私だ。
“召喚補正かわかんないけど、反発して弾いてきた私の魔力が弾かれたんだもん”
ならばどれだけ強い力や能力、経験があっても無意味な可能性が高い。
触れただけでライザの盾と腕を破壊したのだ。
魔王との対峙で魔王に触れるのは危険すぎる。
「ねぇ、魔物が水回りにいないのは魔王が嫌うからって聞いたんだけど」
「そういう文献もあるが、確証はないぞ」
「でも、なんでだろってなんか気になる」
もちろんそれを弱点と仮定し戦略に組み込むのはまずい。
外した時、逆にこちらがピンチになる可能性が高いからだ。
“でも、気になる”
屍のようだったが、魔王だって生きているならば水は必須。
飲みはしているだろうと考えれば、嫌っているというのは『水』ではない可能性もある。
「水辺……?それとも水の中にあるもの?」
だが湖と川にあるものは違うし、共通してあるものが何なのかピンと来ない。
“それに、やっぱり一番引っかかるのはコルネリアって名前よね”
Cornelia
やはり何度思い出してもそれは流暢な英語だった。
そしてこっちの世界で英語を話せるのは、召喚された聖女だけだろう。
「聖女……か」
思わずぽつりと呟く。
もし私が浅はかに攻略本なんて作らなければ。
“そうすれば今、ベルザックを含めた10人でここにいたかもしれないのに”
それに聖女じゃなく女なのに勇者を目指すなんてことを言い出す必要もなかっただろう……と考え、ふと思考を止める。
「女勇者……」
最近のゲームは性別が選べるものが多いし、別に遡って考えても女の勇者が主人公のゲームもあった。
だからこそ勇者を目指す!なんて言い出したのだから。
“でも、漠然と勇者イコール男ってイメージはあるな”
だからこそ女性の勇者を『女』勇者と呼んでいたのだろう。
――――なら、聖女は?
聖『女』召喚なだから当然女性が召喚されるんだと思っていた。
けれど私はプレイしていたゲームでその職業を知ってる。
「聖者」
聖なる力を持つ男性。
コルネリアという名の聖女はいなかった。
だが、もし召喚されたのがコルネリアという女性ではなく、魔王だったなら。
そして私にとってのフランのような存在が、魔王にとってのコルネリアさんだったのなら。
“そうだよ、召喚された補正で魔物を弾いてきたんだから、もし魔王も召喚された人なんだったら単純な力比べじゃん……!”
マックスな力と出がらしの私なら、私が弾かれて当然なのではないだろうか?
そこまで考え、私はゾクリと震えた。
もし魔王が本当に召喚されたのなら、何故魔王という存在になったのか。
簡単に私の仲間を殺した相手。けれど、彼自身がこの国に恨みを持ち、だからこそずっとここにいるのだとすれば……
――……私たちを殺すのが目的なら、勝ち目どころか付け入る隙すらない可能性が……
「リッカ!」
「ふぁい!?」
考え込んでいた私をフランの声が現実に引き戻す。
どこか不安そうな顔をしていたフランになんでもないとアピールするため、無理やり笑った私はわざとらしいくらい明るい声を出しながら立ち上がった。
「ごめん!誰かさんのせいで寝不足だっただけっ!」
「あ、おい」
「顔洗ってくる、すぐ戻るね!」
嫌な想像を振り切るように小走りで川へ向かった私は、バシャバシャと顔を洗う。
冷たい川の水が心地よく、こんがらがった頭が少しスッキリした。
「リッカ」
どうやら付いてきたらしいフランが私の背後から覗く。
水面に写ったフランと目を合わせた。
「なに?フランも顔を洗いにきたって訳じゃないよね?」
流れる川の水面越しだからか、どこかフランの顔が少し不安そうに揺れている気がし思わず振り返る。
振り返った先にいたフランは、水面越しに見た不安そうな表情ではなく決意を孕んだように少し顔を赤らめていて。
「この戦いが終わったら、俺と結婚して欲しい」
「死亡フラグって知ってる?」
私の前に跪いたフランのその言葉に気付けば反射的にそう返事をしていた。
“あ、ヤバ”
私の返事を聞き、完全にムスッとしてしまったフランに焦りつつもじわじわと笑いが込み上げる。
「……死亡フラグとやらは知らんが、絶対いい言葉じゃないということだけはわかった」
「あー、違う違うの、これはその……」
魔王という最大の敵に挑む前だというのに、何故このタイミングでフラグとも戦わなくてはならないんだと考え、そしてそんなことがなんだか堪らなく面白くて。
「……貴方となら、喜んでって意味かな」
「死亡ってついてたぞ」
「こっちでは結婚式に言わない?病める時も、健やかなる時もって」
「あー……」
ガシガシと頭をかいたフランは、不服そうな顔をする。
「つまり死が二人を分かつまで共にいましょうってことよ」
「お前絶対言いくるめようとしてるだろ?」
「あははっ」
堪えきれずに私が笑い出すと、釣られたのかフランも笑う。
そのまま私の手を取ったフランが右手の甲に口付けを一つ落として。
「返事は?」
「はいっ!」
私たちは死亡フラグ――ではなく、未来の約束をした。
「突然背後から覗くからびっくりしたじゃん」
「声はかけただろ」
「でも、揺れる水面に写ったフランはなんか不安そうに見えて……」
そこまで口に出した私はハッとする。
“写る……?”
森の中にはなくて、水辺でなら代用出来ること。
それは例えば、鏡のように姿を確認するということだとしたら――?
「魔王が嫌がったのは、水そのものじゃなくて自分の姿を見ることだとしたら」
そんな魔王の心を魔物たちも察し、だからこそ彼らも近付かないようになったのだとすれば。
「あと、一つ……」
コルネリアという存在の答えを見つけられれば、勝ち目なんてないと思われたその邪悪なまでの完璧な強さに綻びを作れる――
私はそう確信していたのだった。
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