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最終章・勇者レベル、???
40.決戦前夜の過ごし方
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「なんか、四人ってまさに勇者パーティーって感じね」
RPGのパーティーメンバーは四人、という私の中のゲーム基準で発言すると、わざとらしいほど大きなため息をフランが吐いた。
「お前、どうせまたゲームって……」
「思ってないって。いや、ゲームのイメージはあるけどさ、ちゃんとこれが現実だって、今はもうわかってるから」
私がハッキリと口にすると、どこか緊張した様子で近くにいたアベルが頷いた。
「ていうか、もしこれがゲームだったらこんなパーティー絶対組まないわよ。盾(アベル)、剣士(フラン)、剣士(ベルザック)、剣士(自分)て地獄じゃん」
「リッカも剣士カテゴリーか」
「何か文句が?」
「ねぇよ」
まるで討伐に出る前のように明るく、くだらないやり取り。
私とフランのやり取りを聞いて、緊張で強張っていたアベルがくすりと笑った。
“良かった”
「緊張しすぎは良くないが、気の抜きすぎも危険だと言うことを忘れずにな。力量が追い付いていないと理解しているなら特にだ」
「は、はい……っ」
そんな和やかな空気にピシャリとベルザックの厳しい声が響く。
言われたアベルは表情を引き締め、特別ダメージを受けてはいないようだが……
“せっかくの雰囲気でそんな言い方ってなくない?”
和やかな空気を壊された私がムッとする。
そんなベルザックは私が睨んでいるなんてどうでもいいというかのように軽くスルーし、今度はフランへと向き直って。
「そう思うだろう?フランチェス“団長”」
「まぁ、一理あ……、は?」
フランから間抜けな声が漏れ、そしてその場にいた私とアベルも思わず顔を見合わせる。
「え、い、今……?」
殿、ではなく、団長。
呼ばれたフランが未だにぽかんとしているのが少し面白く、そしてそんなフランの様子にベルザックはどこか不服そうな顔をしていた。
「……あの魔王に圧倒された場面で、聖女様を守るためにいち早く行動した姿は認めるべきだと思ったのだがな。そんなに呆けた顔をしているようなら、認めるのは早かったかもしれん」
「そ、それはっ」
「まぁ、これが最後の討伐になることを祈り我が命、預けましょうぞ」
「……!あぁ、第六騎士団長として、預かり受けた」
頑なだったムキゴリが改心ゴリラになったことを私も微笑ましく思いつつ、聞かなくてはと思っていたことを口にする。
「ねぇ、コルネリアって名前の聖女っていた?」
もし私の推測が正しければ、そこに何かしらの関係がある。
そしてそここそが突破口なのだと考えた、のだが。
「私が知る中ではその名前の聖女様はおりませんでしたな」
「え!?」
「あぁ、俺もテストでその名前は書かなかったな」
“聖女の名前ってテストに出るんだ”
というかテスト、あるんだ。
それはフランが貴族だからなのか、騎士になるためのテストだったのかはわからないが、懐かしく、そして嫌な三文字に思わずげんなりする。
そしてそれ以上に、私は動揺していた。
“コルネリアって、聖女の名前じゃないの?”
自分の立てた推測が簡単に崩れ、そしてそれは同時に突破口になると思った取っ掛かりを失ったことを意味していた。
なら、なんであの時魔王は攻撃を止めたのか。
触れただけで破壊されたライザの両腕。
触れる寸前で止められた私。
フランが飛び出した時にフリーズしたことと関係があるのだろうか。
“ダメだ、全然わかんない”
だが、わからないからと立ち止まっている訳にもいかず、魔王が消えた先を目指し足を進めた。
「アベル!」
「はいっ」
盾を構えるアベルの姿はどこかライザを彷彿とさせるが、ライザは珍しい魔法を使える騎士だった。
魔力で底上げした防御力があってこその戦いであり、それを突然習得することは不可能。
そんなアベルが導き出した戦い方は、魔物を引き付け盾で攻撃を受け止めるのではなく……
「ベルザックさまっ」
「任せろ!」
アベルが魔物の攻撃が当たる寸前で転がるように横へ飛び退くと、そこにいたベルザックが剣を大きく振り下ろす。
アベルを追い回すのに夢中になっていた魔物は、“ずっとそこにいた”ベルザックに簡単に斬り捨てられた。
“上手い……!”
あからさまな誘導に引っかかるほど魔物の頭は悪くない。
また、死角から飛び出そうにも野生の勘が働くのか魔物は危険察知能力が高く避けられがちで、こちらから不意を突いて近付くのは難易度が高かった。
けど、それはあくまでもこちらから近付いたら、の話。
逃げ惑うアベルを追いかける魔物が他三人の誰かの近くを通った時に斬りつける、アリジゴクのような待ちの作戦は少し時間がかかるもののこの少人数でも着実に成果を上げられた。
“アベルも、どこかに誘導をと考えるんじゃなく仲間のところに逃げることを目標に走って貰ってるからか凄く自然だし”
ひたすらアベルだけを走らせてしまってはいるが、それはご愛敬である。
そうやって少しずつ進んだ私たちは、どんどん魔物が出なくなっていることに気付いていた。
それはまるで、魔王が突然現れた時を思い出させる静けさだった。
「今日はここで野営する」
フランの言葉を聞き、さっと荷物を下ろしてテントを張る。
もう一緒に張ってくれたライザも、張り方が雑だと几帳面さを発揮するロクサーナももういない。
“ジープと寝転がりながらアベルをからかうの楽しかったな”
近くに湖があったので軽く汗を流してテントに戻る。
もうからかう役目は私だけになってしまった、なんて思いながらアベルの待つテントを勢い良く開けた私は、そこにいるはずのアベルがいなかったことに驚き――……
「なんで、フラン!?」
「第一声がそれか!?」
そこにいたのがフランで再び驚いた。
「さすがに婚約者と同じ騎士団の仲間とはいえ男と二人で一晩……は、なしだろ」
「だ、ダメだって!フランがここにいるってことはベルザックとアベルが二人きりってことでしょ!?アベルの貞操が危ない!」
「危なくねぇよ!?アベルは男だって忘れたのか!?」
「覚えてるわよ!覚えてるけど危険なことに関係ないでしょ!?」
「なんでだよ!?」
「なんでだろ!?」
お互い若干混乱しつつ、二人で顔を見合せ思わず吹き出す。
「そもそもアベルは男でありそして何より一人前の騎士だ。自分の貞操は自分で守るだろうし、そもそもその疑いは二人ともに失礼だろ」
冷静に諭されると、確かにあのベルザックがいたいけなアベルを手篭めにするような想像は全くできない。
“それはそうかも”
と、フランの言葉に納得した私はやっとテントの中に腰を落ち着けた。
まだ討伐に出て数日。
けれど一気に色んなことがあったせいで、とても長い時間だったように感じ……
「なんか、フランとこうやって過ごすの久しぶりに感じる」
「バタバタしてたもんな」
“多分、明日が魔王との決戦になる”
結構奥まで進んだということと、何より魔物の出没率から私たち四人の誰も口には出さなかったが皆そう感じていた。
二人きりの空間にいるからか、なんだか久しぶりに甘えたくなった私がフランに引っ付くようにしてもたれると、フランもコツンと頭をこちらに寄せてきた。
この重さがなんだか私を安心させる。
「……この戦いが終わったら、リッカの帰る方法探してみるか」
まるで晩ご飯の材料を探しに行こうと誘うように口を開くフラン。
“そんな方法、ないよ”
それは私が状況から出した結論で。
「ないものを探す必要ないよ」
私もまるで欲しかった食材が売り切れていたかのように軽くそう口にした。
――この世界が現実だと認めた時から、ここで生きる覚悟を決めていたから。
そんな私の決意ごと包むように、フランが私を抱き締める。
「なら、無事に帰ったら結婚しよう」
「ねぇ、死亡フラグって知ってる?」
「その返事は想定外だ」
「……喜んで!」
噛み合っているような、噛み合っていないような会話が心地いい。
軽くなるような心に身を委ねた私がそっと目を瞑ると、それを待っていたかのようにフランの唇がそっと私と重ねられた。
RPGのパーティーメンバーは四人、という私の中のゲーム基準で発言すると、わざとらしいほど大きなため息をフランが吐いた。
「お前、どうせまたゲームって……」
「思ってないって。いや、ゲームのイメージはあるけどさ、ちゃんとこれが現実だって、今はもうわかってるから」
私がハッキリと口にすると、どこか緊張した様子で近くにいたアベルが頷いた。
「ていうか、もしこれがゲームだったらこんなパーティー絶対組まないわよ。盾(アベル)、剣士(フラン)、剣士(ベルザック)、剣士(自分)て地獄じゃん」
「リッカも剣士カテゴリーか」
「何か文句が?」
「ねぇよ」
まるで討伐に出る前のように明るく、くだらないやり取り。
私とフランのやり取りを聞いて、緊張で強張っていたアベルがくすりと笑った。
“良かった”
「緊張しすぎは良くないが、気の抜きすぎも危険だと言うことを忘れずにな。力量が追い付いていないと理解しているなら特にだ」
「は、はい……っ」
そんな和やかな空気にピシャリとベルザックの厳しい声が響く。
言われたアベルは表情を引き締め、特別ダメージを受けてはいないようだが……
“せっかくの雰囲気でそんな言い方ってなくない?”
和やかな空気を壊された私がムッとする。
そんなベルザックは私が睨んでいるなんてどうでもいいというかのように軽くスルーし、今度はフランへと向き直って。
「そう思うだろう?フランチェス“団長”」
「まぁ、一理あ……、は?」
フランから間抜けな声が漏れ、そしてその場にいた私とアベルも思わず顔を見合わせる。
「え、い、今……?」
殿、ではなく、団長。
呼ばれたフランが未だにぽかんとしているのが少し面白く、そしてそんなフランの様子にベルザックはどこか不服そうな顔をしていた。
「……あの魔王に圧倒された場面で、聖女様を守るためにいち早く行動した姿は認めるべきだと思ったのだがな。そんなに呆けた顔をしているようなら、認めるのは早かったかもしれん」
「そ、それはっ」
「まぁ、これが最後の討伐になることを祈り我が命、預けましょうぞ」
「……!あぁ、第六騎士団長として、預かり受けた」
頑なだったムキゴリが改心ゴリラになったことを私も微笑ましく思いつつ、聞かなくてはと思っていたことを口にする。
「ねぇ、コルネリアって名前の聖女っていた?」
もし私の推測が正しければ、そこに何かしらの関係がある。
そしてそここそが突破口なのだと考えた、のだが。
「私が知る中ではその名前の聖女様はおりませんでしたな」
「え!?」
「あぁ、俺もテストでその名前は書かなかったな」
“聖女の名前ってテストに出るんだ”
というかテスト、あるんだ。
それはフランが貴族だからなのか、騎士になるためのテストだったのかはわからないが、懐かしく、そして嫌な三文字に思わずげんなりする。
そしてそれ以上に、私は動揺していた。
“コルネリアって、聖女の名前じゃないの?”
自分の立てた推測が簡単に崩れ、そしてそれは同時に突破口になると思った取っ掛かりを失ったことを意味していた。
なら、なんであの時魔王は攻撃を止めたのか。
触れただけで破壊されたライザの両腕。
触れる寸前で止められた私。
フランが飛び出した時にフリーズしたことと関係があるのだろうか。
“ダメだ、全然わかんない”
だが、わからないからと立ち止まっている訳にもいかず、魔王が消えた先を目指し足を進めた。
「アベル!」
「はいっ」
盾を構えるアベルの姿はどこかライザを彷彿とさせるが、ライザは珍しい魔法を使える騎士だった。
魔力で底上げした防御力があってこその戦いであり、それを突然習得することは不可能。
そんなアベルが導き出した戦い方は、魔物を引き付け盾で攻撃を受け止めるのではなく……
「ベルザックさまっ」
「任せろ!」
アベルが魔物の攻撃が当たる寸前で転がるように横へ飛び退くと、そこにいたベルザックが剣を大きく振り下ろす。
アベルを追い回すのに夢中になっていた魔物は、“ずっとそこにいた”ベルザックに簡単に斬り捨てられた。
“上手い……!”
あからさまな誘導に引っかかるほど魔物の頭は悪くない。
また、死角から飛び出そうにも野生の勘が働くのか魔物は危険察知能力が高く避けられがちで、こちらから不意を突いて近付くのは難易度が高かった。
けど、それはあくまでもこちらから近付いたら、の話。
逃げ惑うアベルを追いかける魔物が他三人の誰かの近くを通った時に斬りつける、アリジゴクのような待ちの作戦は少し時間がかかるもののこの少人数でも着実に成果を上げられた。
“アベルも、どこかに誘導をと考えるんじゃなく仲間のところに逃げることを目標に走って貰ってるからか凄く自然だし”
ひたすらアベルだけを走らせてしまってはいるが、それはご愛敬である。
そうやって少しずつ進んだ私たちは、どんどん魔物が出なくなっていることに気付いていた。
それはまるで、魔王が突然現れた時を思い出させる静けさだった。
「今日はここで野営する」
フランの言葉を聞き、さっと荷物を下ろしてテントを張る。
もう一緒に張ってくれたライザも、張り方が雑だと几帳面さを発揮するロクサーナももういない。
“ジープと寝転がりながらアベルをからかうの楽しかったな”
近くに湖があったので軽く汗を流してテントに戻る。
もうからかう役目は私だけになってしまった、なんて思いながらアベルの待つテントを勢い良く開けた私は、そこにいるはずのアベルがいなかったことに驚き――……
「なんで、フラン!?」
「第一声がそれか!?」
そこにいたのがフランで再び驚いた。
「さすがに婚約者と同じ騎士団の仲間とはいえ男と二人で一晩……は、なしだろ」
「だ、ダメだって!フランがここにいるってことはベルザックとアベルが二人きりってことでしょ!?アベルの貞操が危ない!」
「危なくねぇよ!?アベルは男だって忘れたのか!?」
「覚えてるわよ!覚えてるけど危険なことに関係ないでしょ!?」
「なんでだよ!?」
「なんでだろ!?」
お互い若干混乱しつつ、二人で顔を見合せ思わず吹き出す。
「そもそもアベルは男でありそして何より一人前の騎士だ。自分の貞操は自分で守るだろうし、そもそもその疑いは二人ともに失礼だろ」
冷静に諭されると、確かにあのベルザックがいたいけなアベルを手篭めにするような想像は全くできない。
“それはそうかも”
と、フランの言葉に納得した私はやっとテントの中に腰を落ち着けた。
まだ討伐に出て数日。
けれど一気に色んなことがあったせいで、とても長い時間だったように感じ……
「なんか、フランとこうやって過ごすの久しぶりに感じる」
「バタバタしてたもんな」
“多分、明日が魔王との決戦になる”
結構奥まで進んだということと、何より魔物の出没率から私たち四人の誰も口には出さなかったが皆そう感じていた。
二人きりの空間にいるからか、なんだか久しぶりに甘えたくなった私がフランに引っ付くようにしてもたれると、フランもコツンと頭をこちらに寄せてきた。
この重さがなんだか私を安心させる。
「……この戦いが終わったら、リッカの帰る方法探してみるか」
まるで晩ご飯の材料を探しに行こうと誘うように口を開くフラン。
“そんな方法、ないよ”
それは私が状況から出した結論で。
「ないものを探す必要ないよ」
私もまるで欲しかった食材が売り切れていたかのように軽くそう口にした。
――この世界が現実だと認めた時から、ここで生きる覚悟を決めていたから。
そんな私の決意ごと包むように、フランが私を抱き締める。
「なら、無事に帰ったら結婚しよう」
「ねぇ、死亡フラグって知ってる?」
「その返事は想定外だ」
「……喜んで!」
噛み合っているような、噛み合っていないような会話が心地いい。
軽くなるような心に身を委ねた私がそっと目を瞑ると、それを待っていたかのようにフランの唇がそっと私と重ねられた。
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