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最終章・勇者レベル、???
37.これを運命と呼ぶならば
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前回よりも魔物と遭遇しなったというのもあるが、何より二回目で私も遠征に少し慣れたこともあり、気付けば前回オルトロスと遭遇した地点よりも進んだ今日。
案の定、な状況に首を傾げたフランが、私にそっと耳打ちしてきた。
「なぁ、今日みんなちょっと冷たくないか……?」
ライザにロクサーナから完全に無視され、顔を赤くしたアベルには恥ずかしさからか逃げられ続けている。
「あー、その、理由は言えないんだけどごめんとだけ言っとく」
「ごめん!?リッカが原因か!おい、何言ったんだこの浅はかリッカ!」
「そうです、私が浅はかの代名詞です」
「認めるレベルのことを……?」
恭しく頭を下げた私を見て愕然とするフラン。
“ほんとごめん”
そんな彼に内心もう一度謝罪しつつみんなと共に進んでいると、どうやら先行していた組が立ち止まっていることに気が付いた。
「どうかした?」
「あ、リッカ様!」
私が声をかけると勢いよく振り向いたのは少しくすんだ金色の髪に琥珀色の瞳、そばかすがトレードマークのロードンという青年騎士である。
「何かあったか?」
「ここ、二手に分かれてるんですよ」
フランの質問に答えながら指差すロードンと一緒に顔を向けると、確かに道が二手に分かれていた。
「道が二つだからって、二手に分かれるのは危険よね?」
「あぁ、得策ではないな。時間はかかるが、全員で片方ずつ進むぞ」
どちらから進むか、進んだ先に何があるのかの想像がつかない以上どちらを選んでも一緒、という結論を出した私たち。
どっち選ぶ?なんて相談し、転がっていた木の棒を立てて手を放し、倒れた方向に進もう!と言ったのは他でもない私だった。
もしこの時反対の道を選んでいれば全てが変わってきたのだろうと、今ならわかる。
けれどこの時の私たちにはそんなことは当然わからず、木の棒が倒れた右側の道へ歩みを進めた。
「なんかさ、前回よりも魔物少なくない?」
オルトロスに遭遇した前回の遠征では、トロールにも遭遇していたしまるではぐれたかのような小さな魔物にも何度か遭遇していた。
けれど今回は初日に見た猪のような魔物としか遭遇しておらず、首を傾げてしまう。
「遭遇しないに越したことはないけどな」
平然とそう言ったフランだったが、明らかに神経を尖らせ周りを警戒していた。
「ただ移動するというのも味気ないですからな。少しこの老いぼれが授業をいたしましょうか」
見た人を逆に恐怖で震えさせそうな笑顔でベルザックが話しかけてきて、思わずごくりと唾を呑む。
“授業とかシンプルに嫌な単語なんだけど、この顔で提案されて断れる人っているのかしら”
テストよりマシか、なんて考えていると私の答えを待たずにベルザックが話し出す。
「魔物が多い時と、魔物が少ない時。この二つの共通点はわかりますかな?」
「え?えぇー……」
“魔物が多いってことは大量発生したってこと?”
大量発生したならそりゃ現れる数も多くなる。
だが、少ない時との共通点……?
答えが見つからず唸っていると、あっさりと答えを教えてくれた。
「どちらも強い魔物が現れた、です」
「強い魔物が?」
「強い魔物から逃げるために弱い魔物が集団で行動する。それに遭遇すれば魔物の大量発生です」
ベルザックの説明を聞き、オルトロスから逃げてきただろうトロールが群れだったことを思い出した。
「じゃあ魔物が少ない時は?共通点ってことは、それも強い魔物が現れたから、ってことなのよね」
「えぇ、そうですとも。答えは単純、弱い魔物が強い魔物に殺されたために遭遇率が減るんです」
説明されたその理由にひゅっと息を呑む。
そりゃ強い魔物から逃げ出すのだから、危険なのだろう。
だが、まさか同じ種族同士でまさか殺し合いがあるとまでは思っていなかった私は戸惑った。
けれどその戸惑いに気付いたベルザックが大きく頷いて。
「魔物が、元は普通の動物だったという通説はご存知ですかな?」
「あ、それは前にフランから……」
「魔物も動物も弱肉強食です。強い魔物を弱い魔物が恐れるように、弱い魔物を蹂躙するのも強い魔物なのです」
ベルザックの話になるほど、なんて思いながら歩いていた私は、そこまで説明されてはたと気が付いた。
“それってつまり”
「い、今魔物と遭遇してないってことはこの近くに強い魔物がいるかもしれないってこと!?」
げっ!と思わず顔を歪めてそう聞くと、ベルザックだけでなくフランまでもが大きく頷いていた。
“だからフラン、こんなに神経を尖らせてたんだ!?”
この先に強い魔物がいるかもしれない。
そう思っただけで私の心臓は痛いくらいに跳ねる。
もう誰も失いたくなんかないのに、またオルトロスのような魔物に出会ってしまったら……
戦い方も考えなくてはならない。
強い魔物が相手である以上、自身を守るために魔力を練らなくてはならないだろう。
けれどむやみに練って、いざまた誰かが怪我をおった時に魔力が足りなくなってしまったら?
“怪我人を出さないために力を使うか、怪我人を治すために力を使うか、か……”
――出がらしの私は、どちらかしか選べないのだ。
ベルザックの話を聞いたせいで、私自身も周りを警戒して見回しながら進む。
前を歩いているライザ、ロクサーナ、アベル、ロードンの様子に変わったところは見当たらない。
私を挟むようにして歩いているフランとベルザックも順番に見て、やはり何もおかしなことなどない――……そう、思いかけた時だった。
亡霊。
その言葉が一番近かったと思う。
何も嫌なオーラはなく、そして何も気配なくそこにただ立っていたのは背の高い男性のよう。
あやふやにしか見えなかったのは距離が遠かったからなどではなく、霞がかったようにただただ認識が出来なかったのだ。
「リッカ、どうかしたのか?」
フランが声をかけたのと、私がフランの前に飛び出したのは同時だった。
反射的に竹刀を握り魔力を練る。
戦闘か治癒かを迷っていたなんて嘘かと思うくらい私はあっさりと全力で魔力を練り上げていた。
「――ぐぁっ」
平手打ちをするような動き。
何故かスローモーションに見えるのに、実際は割り込んだ私の目の前に瞬間移動かと思うほどの速度で立ったその存在。
その存在の魔力と私の魔力が反発し、弾かれたのは私の方だった。
後方に吹っ飛ばされた私はそのまま木に背中を強打する。
かはっと咳き込むが、思い切り叩きつけられたせいで呼吸が出来なかった。
口が閉じれず、バタバタと唾液が落ちる。
今まで見たどの魔物よりも『ヒト』
今まで見たどの魔物よりも『虚無』
どの魔物よりも自分たちに近く、そしてまるで人形のようなその存在。
後方を歩いていた私たちの異変に気付き駆け戻ってきたライザたちもその異常な存在を認識したのだろう。
そしてその場にいた誰もが思った。
――――ソレが、魔王なのだと。
そしてその場にいた誰もが確信した。
――――勝つ術が、ないということを。
逃げ出したい、だが逃げることすら許されないと本能で察した私たちは誰も動けなかった。
一言も声を発せず、指一本動かせない。
唯一動けるのは、その中心にいる魔王だけ。
そんな魔王は、背中を強打し完全に動けなくなっている私へと視線を移した。
移したと言っても何故か顔は認識出来ないのだが、それでもどうしてなのか『見られている』と感じ冷や汗が滲む。
ベルザックすら地面に足が引っ付いたかのように一歩も動けず棒立ち。
そんな彼の横をゆっくりと歩くように通りすぎ、私の方へと一歩、二歩。
確実に迫るその存在からは悪意という悪意は感じず、ただ純粋に私はここで死ぬのだと理解した、その時だった。
「こっちだ!」
怒鳴るような声が聞こえて顔を上げる。
そこには、剣を振り上げ魔王に斬りかかろうとしているフランがいた。
案の定、な状況に首を傾げたフランが、私にそっと耳打ちしてきた。
「なぁ、今日みんなちょっと冷たくないか……?」
ライザにロクサーナから完全に無視され、顔を赤くしたアベルには恥ずかしさからか逃げられ続けている。
「あー、その、理由は言えないんだけどごめんとだけ言っとく」
「ごめん!?リッカが原因か!おい、何言ったんだこの浅はかリッカ!」
「そうです、私が浅はかの代名詞です」
「認めるレベルのことを……?」
恭しく頭を下げた私を見て愕然とするフラン。
“ほんとごめん”
そんな彼に内心もう一度謝罪しつつみんなと共に進んでいると、どうやら先行していた組が立ち止まっていることに気が付いた。
「どうかした?」
「あ、リッカ様!」
私が声をかけると勢いよく振り向いたのは少しくすんだ金色の髪に琥珀色の瞳、そばかすがトレードマークのロードンという青年騎士である。
「何かあったか?」
「ここ、二手に分かれてるんですよ」
フランの質問に答えながら指差すロードンと一緒に顔を向けると、確かに道が二手に分かれていた。
「道が二つだからって、二手に分かれるのは危険よね?」
「あぁ、得策ではないな。時間はかかるが、全員で片方ずつ進むぞ」
どちらから進むか、進んだ先に何があるのかの想像がつかない以上どちらを選んでも一緒、という結論を出した私たち。
どっち選ぶ?なんて相談し、転がっていた木の棒を立てて手を放し、倒れた方向に進もう!と言ったのは他でもない私だった。
もしこの時反対の道を選んでいれば全てが変わってきたのだろうと、今ならわかる。
けれどこの時の私たちにはそんなことは当然わからず、木の棒が倒れた右側の道へ歩みを進めた。
「なんかさ、前回よりも魔物少なくない?」
オルトロスに遭遇した前回の遠征では、トロールにも遭遇していたしまるではぐれたかのような小さな魔物にも何度か遭遇していた。
けれど今回は初日に見た猪のような魔物としか遭遇しておらず、首を傾げてしまう。
「遭遇しないに越したことはないけどな」
平然とそう言ったフランだったが、明らかに神経を尖らせ周りを警戒していた。
「ただ移動するというのも味気ないですからな。少しこの老いぼれが授業をいたしましょうか」
見た人を逆に恐怖で震えさせそうな笑顔でベルザックが話しかけてきて、思わずごくりと唾を呑む。
“授業とかシンプルに嫌な単語なんだけど、この顔で提案されて断れる人っているのかしら”
テストよりマシか、なんて考えていると私の答えを待たずにベルザックが話し出す。
「魔物が多い時と、魔物が少ない時。この二つの共通点はわかりますかな?」
「え?えぇー……」
“魔物が多いってことは大量発生したってこと?”
大量発生したならそりゃ現れる数も多くなる。
だが、少ない時との共通点……?
答えが見つからず唸っていると、あっさりと答えを教えてくれた。
「どちらも強い魔物が現れた、です」
「強い魔物が?」
「強い魔物から逃げるために弱い魔物が集団で行動する。それに遭遇すれば魔物の大量発生です」
ベルザックの説明を聞き、オルトロスから逃げてきただろうトロールが群れだったことを思い出した。
「じゃあ魔物が少ない時は?共通点ってことは、それも強い魔物が現れたから、ってことなのよね」
「えぇ、そうですとも。答えは単純、弱い魔物が強い魔物に殺されたために遭遇率が減るんです」
説明されたその理由にひゅっと息を呑む。
そりゃ強い魔物から逃げ出すのだから、危険なのだろう。
だが、まさか同じ種族同士でまさか殺し合いがあるとまでは思っていなかった私は戸惑った。
けれどその戸惑いに気付いたベルザックが大きく頷いて。
「魔物が、元は普通の動物だったという通説はご存知ですかな?」
「あ、それは前にフランから……」
「魔物も動物も弱肉強食です。強い魔物を弱い魔物が恐れるように、弱い魔物を蹂躙するのも強い魔物なのです」
ベルザックの話になるほど、なんて思いながら歩いていた私は、そこまで説明されてはたと気が付いた。
“それってつまり”
「い、今魔物と遭遇してないってことはこの近くに強い魔物がいるかもしれないってこと!?」
げっ!と思わず顔を歪めてそう聞くと、ベルザックだけでなくフランまでもが大きく頷いていた。
“だからフラン、こんなに神経を尖らせてたんだ!?”
この先に強い魔物がいるかもしれない。
そう思っただけで私の心臓は痛いくらいに跳ねる。
もう誰も失いたくなんかないのに、またオルトロスのような魔物に出会ってしまったら……
戦い方も考えなくてはならない。
強い魔物が相手である以上、自身を守るために魔力を練らなくてはならないだろう。
けれどむやみに練って、いざまた誰かが怪我をおった時に魔力が足りなくなってしまったら?
“怪我人を出さないために力を使うか、怪我人を治すために力を使うか、か……”
――出がらしの私は、どちらかしか選べないのだ。
ベルザックの話を聞いたせいで、私自身も周りを警戒して見回しながら進む。
前を歩いているライザ、ロクサーナ、アベル、ロードンの様子に変わったところは見当たらない。
私を挟むようにして歩いているフランとベルザックも順番に見て、やはり何もおかしなことなどない――……そう、思いかけた時だった。
亡霊。
その言葉が一番近かったと思う。
何も嫌なオーラはなく、そして何も気配なくそこにただ立っていたのは背の高い男性のよう。
あやふやにしか見えなかったのは距離が遠かったからなどではなく、霞がかったようにただただ認識が出来なかったのだ。
「リッカ、どうかしたのか?」
フランが声をかけたのと、私がフランの前に飛び出したのは同時だった。
反射的に竹刀を握り魔力を練る。
戦闘か治癒かを迷っていたなんて嘘かと思うくらい私はあっさりと全力で魔力を練り上げていた。
「――ぐぁっ」
平手打ちをするような動き。
何故かスローモーションに見えるのに、実際は割り込んだ私の目の前に瞬間移動かと思うほどの速度で立ったその存在。
その存在の魔力と私の魔力が反発し、弾かれたのは私の方だった。
後方に吹っ飛ばされた私はそのまま木に背中を強打する。
かはっと咳き込むが、思い切り叩きつけられたせいで呼吸が出来なかった。
口が閉じれず、バタバタと唾液が落ちる。
今まで見たどの魔物よりも『ヒト』
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どの魔物よりも自分たちに近く、そしてまるで人形のようなその存在。
後方を歩いていた私たちの異変に気付き駆け戻ってきたライザたちもその異常な存在を認識したのだろう。
そしてその場にいた誰もが思った。
――――ソレが、魔王なのだと。
そしてその場にいた誰もが確信した。
――――勝つ術が、ないということを。
逃げ出したい、だが逃げることすら許されないと本能で察した私たちは誰も動けなかった。
一言も声を発せず、指一本動かせない。
唯一動けるのは、その中心にいる魔王だけ。
そんな魔王は、背中を強打し完全に動けなくなっている私へと視線を移した。
移したと言っても何故か顔は認識出来ないのだが、それでもどうしてなのか『見られている』と感じ冷や汗が滲む。
ベルザックすら地面に足が引っ付いたかのように一歩も動けず棒立ち。
そんな彼の横をゆっくりと歩くように通りすぎ、私の方へと一歩、二歩。
確実に迫るその存在からは悪意という悪意は感じず、ただ純粋に私はここで死ぬのだと理解した、その時だった。
「こっちだ!」
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