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第二章・聖女レベル、ぜろ
26.失った結果喪うもの※
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ロクサーナの言った通り、すぐに他の騎士たちも駆けつけてくれた。
頭数が増えたというだけで、もう勝てるような気がし、しかしそんな甘い考えは危険だと軽く足をつねる。
「流れはさっきの通りだ!狙うは後ろ足、無理をせず確実に削るぞ!」
フランが叫ぶようにそう指示をし、それぞれが構える。
さすが訓練された騎士団、声に合わせてみんながバラバラに飛びかかるのではなくちゃんと連携を取っていた。
「すごい……」
私も竹刀を構えてタイミングを計ってみるが、出る幕がないとしか言えなかった。
どうやってヘイトを稼いでいるのかはわからないが、オルトロスの攻撃をライザが盾で受け、オルトロスの力をいなしながら弾く。
誘導するかのようにいなした先で待っていたフランがオルトロスの口を狙い剣で突くとすかさずオルトロスが剣を噛み付き攻撃を防いだ。
「狙い通り動いてくれて助かるよ」
オルトロスは双頭。
片方の頭が剣に動きを封じられてももう一方の頭がフランを狙い……
「こっちにもいるんだよなぁ!」
すかさずトーマが横から首を斬りつける。
“浅い!”
トーマの攻撃が思ったより浅く、傷一つつかなかったがオルトロスの注意は引けたようで、その隙を狙いロクサーナ含む他の騎士が後ろ足をそれぞれ斬りつけた。
「ギャァン!」
オルトロスが甲高い声を上げ、攻撃が効いていることを理解する。
“いける!”
頭が無理ならせめて尻尾を、とオルトロスの背後に回り竹刀を構えるが、そんな私に気付いているのかオルトロスの尻尾がシャーッと威嚇をし一瞬怯む。
戦わなくてはと思う気持ちを上回る恐怖。
ギシリと体が強張り……胸元でチャリ、とネックレスが鳴った。
“フラン……!”
みんなの前に立ち誰よりも最初に攻撃を仕掛ける団長。
頑固で、思ったよりも口が悪くてノリも悪い堅物で。
そして誰よりも心配性で。
「もうっ、蛇こっわ!」
そんなフランに心配をかけるだけの私じゃ、彼の後ろ姿しか見れないから。
私は、彼の背中を眺めたいんじゃない。
堂々と彼の隣に立ちたいのだから。
竹刀の鍔と鍔止めをしっかりと押さえ、ぐっと捻る。
そこまで力を入れずとも回り、すぐにカチリと音がして。
「初めて抜いた……」
ストッパーを外しスルリと抜いた剣先は薄く、それでいて銀色に輝いて見えた。
今まで斬ることを避けていた。
それは竹刀という形が慣れていたから。
“それは嘘じゃないけど”
――本当は、斬る覚悟がなかったからだった。
峰打ちなんてない、確実に殺生を目的とし剣をふるうことが怖かったのだ。
死にたくない。生きていたい。みんなと。
何よりも、もう誰も失いたくないから。
カランと鞘を投げ、スッと剣を両手で持ち頭の上まで上げる。この上段の構えは一目隙が多いように見えたのだろう。
オルトロスの尻尾が再び私を狙い……
「ヤァーーーッ!」
私も大きく右足から踏み出し、腕を真っ直ぐ振り下ろした。
はじめて抜いた剣は特注だからか、それだけお金をかけて作ったからか切れ味は抜群でスパッとオルトロスの尻尾を額から真ん中で割くように斬れる。
「ッ、フランみたいに横から斬り落とすのが正解だったわね……」
ビシャッと返り血が顔面にかかり、ぞわりと全身に鳥肌がたった。
けれどこれで尻尾の蛇は絶命した。
もう尻尾からの横槍が入らないなら、後ろ足を狙いやすくもなるはず。
乱雑に血を拭いながらそんなことを考えた時だった。
「トーマ!」
「!?」
フランの鋭い叫びが聞こえ、慌てて声の方へ顔を向けるとそこには――
「トーマ……っ!?」
フランの剣に噛み付いていた側の頭が、トーマのお腹にしっかりと噛み付いていた。
「ぐ……ぅっ」
「トーマッ」
「へ、いきだ……!」
苦しそうに唸りながら、腕を上げたトーマは、自身の剣でオルトロスの左目に剣を突き立てる。
ザグリと刺さりオルトロスの血が舞うが、片目程度では怯まないのかオルトロスはトーマの腹部を離す様子はなくがっしりと噛み付いたままだった。
「くそっ、今斬り落とし……っ」
「フラン!」
フランがトーマに噛み付いている頭を斬り落とそうとするが、そんなフラン目掛け容赦なく爪が襲いかかる。
その爪をライザが盾で受けるが、このままではトーマが危ないのは間違いなかった。
「くそっ」
思わず悪態をついた私は、剣道の型なんて忘れたかのように無茶苦茶な動きでオルトロスの後ろ足を斬りつけ――……
「グッ」
後ろ蹴りされ体が吹っ飛ぶ。
私だけではなく他の騎士もなんども攻撃をし後ろ足に傷をつけていたお陰か威力は弱く、私はゴロゴロと一メートルほど転がる程度ですんだ。
“けど、やっぱり魔力が足りないか”
もしまだ私に魔力が残っていれば弾かれ吹っ飛ばされたのはオルトロスだったはず。
そんなオルトロスの攻撃が私に入ったことで、魔力の枯渇を理解させられた私は苦虫を噛み潰したように顔を歪めた。
「一人じゃありませんよ!」
そこへ飛び出したのはロクサーナ。
彼女の剣は特別仕様なのか細めのレイピアのような形をしており、主に突きで戦っていて。
「ロクサーナ、危ないっ」
私と同じように蹴り飛ばされると思い、慌てて叫ぶ。そんな私の目に映ったのは。
「うそ」
蹴ろうとした後ろ足に深く刺さったロクサーナの剣だった。
蹴り飛ばされるどころか、根本まで深く刺さった剣。
それを素早く抜きまた奥まで突き刺す。
ロクサーナが剣を抜く度にオルトロスから血が飛び散り、しかし怯むことなく何度も何度も突き刺していた。
「ギャン!」
オルトロスが鳴き、暴れようとするが完全に後ろ足が使えないのかグシャリと尻餅をつくように倒れる。
「トドメだ!」
完全にお座りのような体勢になったオルトロスは、その爪で引き裂く攻撃をしかけることも出来ずフランの攻撃を真正面から受けるしかなくて。
ゴトリ、と二つの首を斬り落とす。
そうして二体のオルトロスによる襲撃は呆気なく幕を閉じたのだった。
「聖女さまっ!」
ライザからの悲痛な叫びを聞き、一瞬気が抜けていた私は慌てて彼女の元へ駆け寄る。
その場に寝かされていたのは荒い呼吸をしたトーマだった。
「お願いします、彼を……っ」
「――っ!」
懇願するようにライザが私を見つめ、その視線を受け私の額にじわりと汗が滲んだ。
――助け、られない。
直感的にそう思った。
「や、やってみる」
けれどそんなこと口には出せなくて、トーマの側にしゃがみ噛み付かれた傷から溢れている血を止めるように両手で押さえる。
“発動して……!”
必死に念じながら力を込めると、かすかに魔法が発動しトーマへと流れるが包むほどの魔力はもう残っておらず、足りないのは明らかだった。
――もし私が一体目のオルトロス戦で魔力を使わなければ。
いや。
私が召喚された時、攻略本なんて作らなければ。
そうすれば溢れる魔力でアベルもトーマも一瞬で治療できたのだろう。
いや、そもそも出がらしでさえなければ歴代の聖女のようにこんな少人数で討伐に出るようなことにはならなかったはずだ。
私が出がらしじゃなければ。浅はかじゃなければ。
攻略本なんて作らなければ。
過るのはジープの首。
もし出がらしじゃなかったならば、蘇生なんてことも出来たのだろうか。
“なんで攻略本なんか作っちゃったんだろう”
そんな後悔をしてももちろん遅い。
「アベルのように、救ってくださいますよね……?だって聖女様ですもんね……?」
必死に訴えるライザの声が痛いくらい私に刺さる。
なんとかしたくて、奇跡が起きて欲しくて必死に力を込めるが、私から流れる治癒の魔法は途切れ途切れにしか発動せず、そして荒く浅かったトーマの呼吸は徐々にか細いものになっていった。
「……ッ」
必死に力を込めている私の肩をフランが無理やり起こすように引き、トーマから剥がす。
私がトーマから離れると入れ替りのようにライザがトーマに覆い被さるように抱き付いた。
「もう、いい」
「でもっ」
「もういいから」
静かに話すフラン。
まだ粘れないかと思わず反論し、悲痛な表情のフランを見てそれ以上は何も言えなくなった。
私はどこから間違えてしまったのか。
どうすれば良かったのか。
“いっそ召喚されたのが私じゃなければ”
あのガードレールをうっかりで越えてしまった時、そのまま落下し私が死ねば良かったのかもしれない。
そうすればこんな浅はかな聖女が召喚されることはなく、出がらしではない聖女はセオリー通りの戦い方でみんなを救ったのだろう。
少なくとも魔力不足でこんな結果しかもたらせない聖女失格といえるような結末ではなかったはずだ。
“そもそも、出がらしじゃなければ第六騎士団がオルトロスと対峙することもなかったのに”
何に後悔すればいいのかわからず、私はただぼんやりと泣き叫ぶライザを見下ろすしか出来なかった。
頭数が増えたというだけで、もう勝てるような気がし、しかしそんな甘い考えは危険だと軽く足をつねる。
「流れはさっきの通りだ!狙うは後ろ足、無理をせず確実に削るぞ!」
フランが叫ぶようにそう指示をし、それぞれが構える。
さすが訓練された騎士団、声に合わせてみんながバラバラに飛びかかるのではなくちゃんと連携を取っていた。
「すごい……」
私も竹刀を構えてタイミングを計ってみるが、出る幕がないとしか言えなかった。
どうやってヘイトを稼いでいるのかはわからないが、オルトロスの攻撃をライザが盾で受け、オルトロスの力をいなしながら弾く。
誘導するかのようにいなした先で待っていたフランがオルトロスの口を狙い剣で突くとすかさずオルトロスが剣を噛み付き攻撃を防いだ。
「狙い通り動いてくれて助かるよ」
オルトロスは双頭。
片方の頭が剣に動きを封じられてももう一方の頭がフランを狙い……
「こっちにもいるんだよなぁ!」
すかさずトーマが横から首を斬りつける。
“浅い!”
トーマの攻撃が思ったより浅く、傷一つつかなかったがオルトロスの注意は引けたようで、その隙を狙いロクサーナ含む他の騎士が後ろ足をそれぞれ斬りつけた。
「ギャァン!」
オルトロスが甲高い声を上げ、攻撃が効いていることを理解する。
“いける!”
頭が無理ならせめて尻尾を、とオルトロスの背後に回り竹刀を構えるが、そんな私に気付いているのかオルトロスの尻尾がシャーッと威嚇をし一瞬怯む。
戦わなくてはと思う気持ちを上回る恐怖。
ギシリと体が強張り……胸元でチャリ、とネックレスが鳴った。
“フラン……!”
みんなの前に立ち誰よりも最初に攻撃を仕掛ける団長。
頑固で、思ったよりも口が悪くてノリも悪い堅物で。
そして誰よりも心配性で。
「もうっ、蛇こっわ!」
そんなフランに心配をかけるだけの私じゃ、彼の後ろ姿しか見れないから。
私は、彼の背中を眺めたいんじゃない。
堂々と彼の隣に立ちたいのだから。
竹刀の鍔と鍔止めをしっかりと押さえ、ぐっと捻る。
そこまで力を入れずとも回り、すぐにカチリと音がして。
「初めて抜いた……」
ストッパーを外しスルリと抜いた剣先は薄く、それでいて銀色に輝いて見えた。
今まで斬ることを避けていた。
それは竹刀という形が慣れていたから。
“それは嘘じゃないけど”
――本当は、斬る覚悟がなかったからだった。
峰打ちなんてない、確実に殺生を目的とし剣をふるうことが怖かったのだ。
死にたくない。生きていたい。みんなと。
何よりも、もう誰も失いたくないから。
カランと鞘を投げ、スッと剣を両手で持ち頭の上まで上げる。この上段の構えは一目隙が多いように見えたのだろう。
オルトロスの尻尾が再び私を狙い……
「ヤァーーーッ!」
私も大きく右足から踏み出し、腕を真っ直ぐ振り下ろした。
はじめて抜いた剣は特注だからか、それだけお金をかけて作ったからか切れ味は抜群でスパッとオルトロスの尻尾を額から真ん中で割くように斬れる。
「ッ、フランみたいに横から斬り落とすのが正解だったわね……」
ビシャッと返り血が顔面にかかり、ぞわりと全身に鳥肌がたった。
けれどこれで尻尾の蛇は絶命した。
もう尻尾からの横槍が入らないなら、後ろ足を狙いやすくもなるはず。
乱雑に血を拭いながらそんなことを考えた時だった。
「トーマ!」
「!?」
フランの鋭い叫びが聞こえ、慌てて声の方へ顔を向けるとそこには――
「トーマ……っ!?」
フランの剣に噛み付いていた側の頭が、トーマのお腹にしっかりと噛み付いていた。
「ぐ……ぅっ」
「トーマッ」
「へ、いきだ……!」
苦しそうに唸りながら、腕を上げたトーマは、自身の剣でオルトロスの左目に剣を突き立てる。
ザグリと刺さりオルトロスの血が舞うが、片目程度では怯まないのかオルトロスはトーマの腹部を離す様子はなくがっしりと噛み付いたままだった。
「くそっ、今斬り落とし……っ」
「フラン!」
フランがトーマに噛み付いている頭を斬り落とそうとするが、そんなフラン目掛け容赦なく爪が襲いかかる。
その爪をライザが盾で受けるが、このままではトーマが危ないのは間違いなかった。
「くそっ」
思わず悪態をついた私は、剣道の型なんて忘れたかのように無茶苦茶な動きでオルトロスの後ろ足を斬りつけ――……
「グッ」
後ろ蹴りされ体が吹っ飛ぶ。
私だけではなく他の騎士もなんども攻撃をし後ろ足に傷をつけていたお陰か威力は弱く、私はゴロゴロと一メートルほど転がる程度ですんだ。
“けど、やっぱり魔力が足りないか”
もしまだ私に魔力が残っていれば弾かれ吹っ飛ばされたのはオルトロスだったはず。
そんなオルトロスの攻撃が私に入ったことで、魔力の枯渇を理解させられた私は苦虫を噛み潰したように顔を歪めた。
「一人じゃありませんよ!」
そこへ飛び出したのはロクサーナ。
彼女の剣は特別仕様なのか細めのレイピアのような形をしており、主に突きで戦っていて。
「ロクサーナ、危ないっ」
私と同じように蹴り飛ばされると思い、慌てて叫ぶ。そんな私の目に映ったのは。
「うそ」
蹴ろうとした後ろ足に深く刺さったロクサーナの剣だった。
蹴り飛ばされるどころか、根本まで深く刺さった剣。
それを素早く抜きまた奥まで突き刺す。
ロクサーナが剣を抜く度にオルトロスから血が飛び散り、しかし怯むことなく何度も何度も突き刺していた。
「ギャン!」
オルトロスが鳴き、暴れようとするが完全に後ろ足が使えないのかグシャリと尻餅をつくように倒れる。
「トドメだ!」
完全にお座りのような体勢になったオルトロスは、その爪で引き裂く攻撃をしかけることも出来ずフランの攻撃を真正面から受けるしかなくて。
ゴトリ、と二つの首を斬り落とす。
そうして二体のオルトロスによる襲撃は呆気なく幕を閉じたのだった。
「聖女さまっ!」
ライザからの悲痛な叫びを聞き、一瞬気が抜けていた私は慌てて彼女の元へ駆け寄る。
その場に寝かされていたのは荒い呼吸をしたトーマだった。
「お願いします、彼を……っ」
「――っ!」
懇願するようにライザが私を見つめ、その視線を受け私の額にじわりと汗が滲んだ。
――助け、られない。
直感的にそう思った。
「や、やってみる」
けれどそんなこと口には出せなくて、トーマの側にしゃがみ噛み付かれた傷から溢れている血を止めるように両手で押さえる。
“発動して……!”
必死に念じながら力を込めると、かすかに魔法が発動しトーマへと流れるが包むほどの魔力はもう残っておらず、足りないのは明らかだった。
――もし私が一体目のオルトロス戦で魔力を使わなければ。
いや。
私が召喚された時、攻略本なんて作らなければ。
そうすれば溢れる魔力でアベルもトーマも一瞬で治療できたのだろう。
いや、そもそも出がらしでさえなければ歴代の聖女のようにこんな少人数で討伐に出るようなことにはならなかったはずだ。
私が出がらしじゃなければ。浅はかじゃなければ。
攻略本なんて作らなければ。
過るのはジープの首。
もし出がらしじゃなかったならば、蘇生なんてことも出来たのだろうか。
“なんで攻略本なんか作っちゃったんだろう”
そんな後悔をしてももちろん遅い。
「アベルのように、救ってくださいますよね……?だって聖女様ですもんね……?」
必死に訴えるライザの声が痛いくらい私に刺さる。
なんとかしたくて、奇跡が起きて欲しくて必死に力を込めるが、私から流れる治癒の魔法は途切れ途切れにしか発動せず、そして荒く浅かったトーマの呼吸は徐々にか細いものになっていった。
「……ッ」
必死に力を込めている私の肩をフランが無理やり起こすように引き、トーマから剥がす。
私がトーマから離れると入れ替りのようにライザがトーマに覆い被さるように抱き付いた。
「もう、いい」
「でもっ」
「もういいから」
静かに話すフラン。
まだ粘れないかと思わず反論し、悲痛な表情のフランを見てそれ以上は何も言えなくなった。
私はどこから間違えてしまったのか。
どうすれば良かったのか。
“いっそ召喚されたのが私じゃなければ”
あのガードレールをうっかりで越えてしまった時、そのまま落下し私が死ねば良かったのかもしれない。
そうすればこんな浅はかな聖女が召喚されることはなく、出がらしではない聖女はセオリー通りの戦い方でみんなを救ったのだろう。
少なくとも魔力不足でこんな結果しかもたらせない聖女失格といえるような結末ではなかったはずだ。
“そもそも、出がらしじゃなければ第六騎士団がオルトロスと対峙することもなかったのに”
何に後悔すればいいのかわからず、私はただぼんやりと泣き叫ぶライザを見下ろすしか出来なかった。
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