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第二章・聖女レベル、ぜろ
24.セオリーは通じない※
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「くそ、浅いな……!」
二人でオルトロスを撹乱しながら少しずつ削る。
ボス級の魔物はHPが高い、それはゲームの基本だが。
“プレイしてる時は持久戦くらい余裕だったんだけど”
アベルが倒されている以上、セオリー通りにゆっくり削っていく余裕なんてない。
何かオルトロスにトドメをさせるようなキッカケが欲しいが……
攻めあぐねている私とフラン。
オルトロスも、私かフランどちらから潰そうか迷っているのか私たちの顔をギョロリと見比べた。
粘りつくようなその視線が、どう見ても『捕食者』のものであることが堪らなく不愉快で。
「こんだけ戦っても、アンタにとったら私たちは獲物ってことね」
思わず私から舌打ちが漏れる。
ギュ、と握る竹刀がチャキリと鳴る。
フランの言う通りこの鞘から抜けば何か変わるのかと一瞬迷うが……
ふと過るのは舞う鮮血。
何度も試合でおこなってきた打ち込みと、実際に斬るという行為は全然違う。
それに斬らなくても、魔物に触れれば弾くことができるのだから――……
“……弾く、ことができる?”
ポツリと呟きハッとする。
少し触れて数歩下がらせるだけでは完全に隙はつけないけれど。
「フラン!!今度こそ、トドメを!」
「は!?おまっ、何をやる気だっ」
さすが私の婚約者。やらかすことはお見通しなんだ、なんて思いこんな瞬間だと言うのに思わずニッと笑ってしまう。
私の笑みに気付いたのだろうフランは、一層苦々しい表情になったがすぐにオルトロスへと視線を戻した。
肝心のオルトロスは、再びフランが狙いを定めたのに気付いたのか私ではなくフランの方に視線を動かし――……
「ぅりゃぁあ!」
私は要である竹刀をその場に捨て、そのままオルトロスの後ろ足に抱きついた。
“一瞬だけ怯ませる、じゃ足りないなら……!”
触れた瞬間に避けられては効果は薄い。
ならば、ずっと張り付いてやれば必ずオルトロスは焦るはず。
そう考えた私は全力でしがみつく。
案の定驚いたオルトロスが私を剥がそうと暴れるが、こっちだって自分と、そしてアベルの命もかかっているのだ。
死に物狂いの無我夢中で張り付き、精一杯力んで魔法を発動する。
ワンチャンこのまま気絶でもしてくれれば、と思ったがそこまではいかない。
けれど、その隙をフランは見逃さなかった。
「これがッ、トドメだッ!」
飛んで勢いをつけたフランがそのまましっかりと両手で剣を持ち真っ直ぐに剣を振り下ろす。
――狙うはオルトロスの首。
ザシュッという音がし、その後にゴトリと鈍い音がした。
その音と同時に暴れまわっていた体がピタリと動きを止める。
両目を瞑り必死にしがみついていた私が慌てて目を開くと、目の前には返り血で身を染めたフランと、胴体と斬り離されたオルトロスの首が転がっていて……
「うっ」
思わずえずくが必死に耐える。
私はえずいている場合ではなく、一刻も早くアベルの元に駆け寄り回復魔法をかけなくてはいけなくて――――
「リッカ!!」
「……え?」
焦ったようなフランの声が鋭く響き、そして、あ。と思う。
“そうだ、この魔物って尻尾が蛇になってたんだ”
本体が首と斬り離されても動くだなんて信じられない。
もしかして尻尾と頭は別の個体だったとでもいうのだろうか。
だが、信じられなくてもこの私の拳より大きい、まるでアナコンダのようなこの尻尾が私の首を狙って噛みつこうとしていることは間違いなくて。
“これは、避けれない”
死ぬ瞬間は全てがスローモーションで見えるって本当だったんだ、なんてぼんやりと自身に襲いかかるオルトロスの尻尾を眺めていた。
その時。
「ふぐっ」
「!?」
突如私とオルトロスの尻尾の間に割り込んだ何かがあった。
一瞬で視界を塞いだその存在が、トーマの背中であることを一拍遅れで気付く。
「なっ」
「――ッ」
「リッカ!」
私の首を狙っていたオルトロスの尻尾が割り込んだトーマの腕に噛みつき、そしてオルトロスの首同様にフランが尻尾も切り落とした。
「と、トーマっ、腕っ」
「あぁ、問題ない!それより無事かぁ?」
「あ、うん……いや!アベルが!」
少し痛そうにしつつ腕に噛みついているままの尻尾を外し地面に投げ捨てたトーマ。
フランはまた動き出さないかを慎重に見極めているのか剣を下ろすことはせず、頭と尻尾が切り離されたオルトロスを睨んでいる。
その場を二人に任せた私は、地面に倒れているアベルへと慌てて駆け寄った。
“良かった、息がある……!”
腹部を爪でかなり抉られたのか、三本の傷がお臍辺りから胸近くまで切り裂かれてはいたのものの、しっかりと防具を着込んでいたお陰でオルトロスの爪自体は内臓までは傷つけていなかったらしい。
それでも、一目で危険だとわかるほどの出血をしているアベルの息はかなり浅く、熱を出しているのか全身が燃えるように熱かった。
「お願い、止まって……!」
未だに血が溢れているアベルの腹部を止血するように両手で押さえ、必死に祈るよう力を込める。
私の手のひらからじわりと温かいものが溢れ、それがアベルの体を包むようにゆっくりゆっくりと流れた。
“もし私の力が出がらしになってなければ、もっと一瞬で治せたのかも”
しかしそんなことを今更後悔しても仕方なく、どうか間に合えと念じながら治療を続ける。
体感10分ほどだろうか。
ふっとアベルの荒かった呼吸が治まり、穏やかな呼吸に変わる。
その様子に気付いた私がごくりと唾を呑みながらゆっくりと手のひらを外すと、血が溢れていた腹部の傷は醜くぼこりと赤黒くなってはいたが塞がっていた。
「やった……、の、かな?」
私の限界では見た目までは戻せなかったようだが、少なくとも傷は塞がっていることに安堵する。
アベルの意識はまだ戻っていないものの、表情も心なしか穏やかなものに変わっていたのできっと『聖女としての役割』ができたのだと実感した。
“これでアベルは大丈夫だよね……!”
ほっとしながら顔を上げると、心配そうに私の手元を覗いているフランと目が合いピースをする。
この世界にピースサインがないのか、一瞬怪訝そうな顔をしたものの、それでもアベルの呼吸が落ち着いたのと満面の笑みの私で察したのか、フランも表情をふっと和らげ――――……
ゴトッと何かがフランの背後を過り地面に落ちた。
「え、なに?」
その突然の出来事に慌てた私がフランの体越しに覗こうとし、それをフランが慌てて制止する。
「ダメだリッカ、見るな!」
「え……?」
見るな、と制止されてももう遅く、フランの脇あたりからぴょこんと顔を出した私。
その“ナニカ”が飛んできて地面にぶつかり、そのまま転がった後を順番に視線を動かしながら見て――そして唖然とした。
鈍いゴトッと音をさせぶつかった地面にはワインレッドのような深い赤がピシャッと広がり、転がった後はまるでミミズが這ったような少し蛇足したような赤い線が残っていて。
そしてその赤い線の先に転がっていたもの。
――それは、今朝まで一緒に恋バナをしていたジープの頭だった。
二人でオルトロスを撹乱しながら少しずつ削る。
ボス級の魔物はHPが高い、それはゲームの基本だが。
“プレイしてる時は持久戦くらい余裕だったんだけど”
アベルが倒されている以上、セオリー通りにゆっくり削っていく余裕なんてない。
何かオルトロスにトドメをさせるようなキッカケが欲しいが……
攻めあぐねている私とフラン。
オルトロスも、私かフランどちらから潰そうか迷っているのか私たちの顔をギョロリと見比べた。
粘りつくようなその視線が、どう見ても『捕食者』のものであることが堪らなく不愉快で。
「こんだけ戦っても、アンタにとったら私たちは獲物ってことね」
思わず私から舌打ちが漏れる。
ギュ、と握る竹刀がチャキリと鳴る。
フランの言う通りこの鞘から抜けば何か変わるのかと一瞬迷うが……
ふと過るのは舞う鮮血。
何度も試合でおこなってきた打ち込みと、実際に斬るという行為は全然違う。
それに斬らなくても、魔物に触れれば弾くことができるのだから――……
“……弾く、ことができる?”
ポツリと呟きハッとする。
少し触れて数歩下がらせるだけでは完全に隙はつけないけれど。
「フラン!!今度こそ、トドメを!」
「は!?おまっ、何をやる気だっ」
さすが私の婚約者。やらかすことはお見通しなんだ、なんて思いこんな瞬間だと言うのに思わずニッと笑ってしまう。
私の笑みに気付いたのだろうフランは、一層苦々しい表情になったがすぐにオルトロスへと視線を戻した。
肝心のオルトロスは、再びフランが狙いを定めたのに気付いたのか私ではなくフランの方に視線を動かし――……
「ぅりゃぁあ!」
私は要である竹刀をその場に捨て、そのままオルトロスの後ろ足に抱きついた。
“一瞬だけ怯ませる、じゃ足りないなら……!”
触れた瞬間に避けられては効果は薄い。
ならば、ずっと張り付いてやれば必ずオルトロスは焦るはず。
そう考えた私は全力でしがみつく。
案の定驚いたオルトロスが私を剥がそうと暴れるが、こっちだって自分と、そしてアベルの命もかかっているのだ。
死に物狂いの無我夢中で張り付き、精一杯力んで魔法を発動する。
ワンチャンこのまま気絶でもしてくれれば、と思ったがそこまではいかない。
けれど、その隙をフランは見逃さなかった。
「これがッ、トドメだッ!」
飛んで勢いをつけたフランがそのまましっかりと両手で剣を持ち真っ直ぐに剣を振り下ろす。
――狙うはオルトロスの首。
ザシュッという音がし、その後にゴトリと鈍い音がした。
その音と同時に暴れまわっていた体がピタリと動きを止める。
両目を瞑り必死にしがみついていた私が慌てて目を開くと、目の前には返り血で身を染めたフランと、胴体と斬り離されたオルトロスの首が転がっていて……
「うっ」
思わずえずくが必死に耐える。
私はえずいている場合ではなく、一刻も早くアベルの元に駆け寄り回復魔法をかけなくてはいけなくて――――
「リッカ!!」
「……え?」
焦ったようなフランの声が鋭く響き、そして、あ。と思う。
“そうだ、この魔物って尻尾が蛇になってたんだ”
本体が首と斬り離されても動くだなんて信じられない。
もしかして尻尾と頭は別の個体だったとでもいうのだろうか。
だが、信じられなくてもこの私の拳より大きい、まるでアナコンダのようなこの尻尾が私の首を狙って噛みつこうとしていることは間違いなくて。
“これは、避けれない”
死ぬ瞬間は全てがスローモーションで見えるって本当だったんだ、なんてぼんやりと自身に襲いかかるオルトロスの尻尾を眺めていた。
その時。
「ふぐっ」
「!?」
突如私とオルトロスの尻尾の間に割り込んだ何かがあった。
一瞬で視界を塞いだその存在が、トーマの背中であることを一拍遅れで気付く。
「なっ」
「――ッ」
「リッカ!」
私の首を狙っていたオルトロスの尻尾が割り込んだトーマの腕に噛みつき、そしてオルトロスの首同様にフランが尻尾も切り落とした。
「と、トーマっ、腕っ」
「あぁ、問題ない!それより無事かぁ?」
「あ、うん……いや!アベルが!」
少し痛そうにしつつ腕に噛みついているままの尻尾を外し地面に投げ捨てたトーマ。
フランはまた動き出さないかを慎重に見極めているのか剣を下ろすことはせず、頭と尻尾が切り離されたオルトロスを睨んでいる。
その場を二人に任せた私は、地面に倒れているアベルへと慌てて駆け寄った。
“良かった、息がある……!”
腹部を爪でかなり抉られたのか、三本の傷がお臍辺りから胸近くまで切り裂かれてはいたのものの、しっかりと防具を着込んでいたお陰でオルトロスの爪自体は内臓までは傷つけていなかったらしい。
それでも、一目で危険だとわかるほどの出血をしているアベルの息はかなり浅く、熱を出しているのか全身が燃えるように熱かった。
「お願い、止まって……!」
未だに血が溢れているアベルの腹部を止血するように両手で押さえ、必死に祈るよう力を込める。
私の手のひらからじわりと温かいものが溢れ、それがアベルの体を包むようにゆっくりゆっくりと流れた。
“もし私の力が出がらしになってなければ、もっと一瞬で治せたのかも”
しかしそんなことを今更後悔しても仕方なく、どうか間に合えと念じながら治療を続ける。
体感10分ほどだろうか。
ふっとアベルの荒かった呼吸が治まり、穏やかな呼吸に変わる。
その様子に気付いた私がごくりと唾を呑みながらゆっくりと手のひらを外すと、血が溢れていた腹部の傷は醜くぼこりと赤黒くなってはいたが塞がっていた。
「やった……、の、かな?」
私の限界では見た目までは戻せなかったようだが、少なくとも傷は塞がっていることに安堵する。
アベルの意識はまだ戻っていないものの、表情も心なしか穏やかなものに変わっていたのできっと『聖女としての役割』ができたのだと実感した。
“これでアベルは大丈夫だよね……!”
ほっとしながら顔を上げると、心配そうに私の手元を覗いているフランと目が合いピースをする。
この世界にピースサインがないのか、一瞬怪訝そうな顔をしたものの、それでもアベルの呼吸が落ち着いたのと満面の笑みの私で察したのか、フランも表情をふっと和らげ――――……
ゴトッと何かがフランの背後を過り地面に落ちた。
「え、なに?」
その突然の出来事に慌てた私がフランの体越しに覗こうとし、それをフランが慌てて制止する。
「ダメだリッカ、見るな!」
「え……?」
見るな、と制止されてももう遅く、フランの脇あたりからぴょこんと顔を出した私。
その“ナニカ”が飛んできて地面にぶつかり、そのまま転がった後を順番に視線を動かしながら見て――そして唖然とした。
鈍いゴトッと音をさせぶつかった地面にはワインレッドのような深い赤がピシャッと広がり、転がった後はまるでミミズが這ったような少し蛇足したような赤い線が残っていて。
そしてその赤い線の先に転がっていたもの。
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