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第二章・聖女レベル、ぜろ
20.これが噂の定番の
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トロールの襲撃をなんとか撃退した第六騎士団は、更に森を少し進んだ先で進行を止めた。
理由は単純で、暗くなる前にテントを張り野営の準備をするためである。
対象に直接触れる、という制限のせいで時間がかなりかかってしまったが、それでも全員の治療を終えた私は満足感に浸っていた。
あれだけ恐ろしかったトロールとの対峙。
何も出来なかったという不甲斐なさはやはりショックなことではあるが、『聖女しか使えない』という回復魔法は、自分の存在意義を確かにそこに示してくれていて。
“……ま、出がらしレベルなんだけど”
それでも、自分にしかできないのだと思えば傷ついたメンタルも回復しつつあった。
そしてメンタルが復活したら、気になるのはやはり……
「くっさぁ~い……」
トロールのヨダレが乾き、多少はマシになったもののそれでも臭いものは臭い。
“ていうか、カピカピになってんだけど……”
洗いたい。洗濯したい。というかお風呂に入りたい。
しかし都合よく温泉なんてあるはずなくて。
「せめて湖、いや水溜まりでもいい……」
フランが魔物に媚薬みたいな体液をかけられた時、水溜まりで必死に洗い流していたことを思い出す。
あの時は、そんな場所で?なんて思ったが、いざ自分が似たような立場になったことでなりふり構わないあの気持ちが痛いほどよくわかった。
そしてそんな私の声が聞こえたのか、ロクサーナがくるっと振り返って。
「湖、ありますよ」
「え!」
切実に求めていた一言を与えられ、私の心が急浮上する。
「うそ!どこ!?近い?入れる?あ、湖の中に魔物とかいない?」
私の勢いに気圧されたロクサーナがたじたじとしつつ、教えてくれた。
「もう少し先にはなりますが、水浴びも十分できる湖です。水中には魔物がいないので湖自体は安全ですよ」
「水中には魔物、いないの?」
サメのような魔物がいないことは、水浴びしたい自分としてはありがたいが、いないということが少し不思議で思わず聞き返すと、ジープがロクサーナの脇からぴょこんと顔を出した。
「なんでも、魔王が水を嫌うかららしいですよ」
「え、水が弱点なの?」
「うぅーん、それはよくわからないですね……。水で弱体化したという記録は残ってないんで、弱点というよりはただ嫌ってる、としか」
「そうなんだ?」
“なんだろ、子供がピーマン嫌うみたいなもんかな?”
嫌いはしてるが、ピーマンに恐怖しているわけではない。
本当に魔王にとっての水が子供にとってのピーマンなのかはわからないが、答えを知るすべがない以上考えるだけ無駄ということで。
「そんなことより、まずは水浴びよ……!」
この匂いは乙女的にNG、というよりもう単純に臭くて自分が耐えられない。
ロクサーナに詳しい場所を聞いた私は、ライザをお供にいそいそと着替えを持って湖へ向かったのだった。
体感で10分ほど進んだ先にその湖はあった。
向こう岸も見えるくらいのその湖は、透明度が高く周りの木々から漏れる光を反射しキラキラと輝いていた。
小指くらいの小魚が泳ぐ姿もハッキリ見えるほど澄んだ水は触れると冷たく、お風呂のように肩までしっかり浸かるには向かないだろう。
“それでもいい……!洗い流せるだけで万々歳……!”
ライザに一言断り、いそいそと服を脱いだ私は、まず自分の体についたヨダレを洗い流そうと服を岸に置いたままじゃぶじゃぶと湖に入った。
「気持ちいい……!」
足をつけた時はその冷たさにビクッとしたが、腰まで浸かってしまえば耐えられないほどではない。
外で素っ裸になることに抵抗がないわけではないが、ぶっちゃけ臭いがキツすぎてそれどころじゃなく……
「っていうか、むしろ解放感……!?」
これが開き直りというやつなのかもしれないが、脱いでしまった後だからか羞恥なんて忘れて水浴びを楽しんだ。
「髪も洗いたいぃ、シャンプー欲しい……けど、自然汚染とかになるのかな」
いや、むしろシャンプーという存在があるのだろうか?なんてくだらないことを考えつつ、汚れた体を手のひらで擦る。
バシャバシャと顔を洗うとサッパリし、まるで心が浄化されたようにすら感じた私は、この気持ちよさをせっかくだからライザとも分かち合いたいとそう考えた。
「ねぇ、ライザも入らないー?」
思いきって声をかけるが、近くで見張りがてら待機をしてくれているライザからの返事がなくてドキリとする。
“……え?”
ふっと頭を過ったのは、『そこにいたはずのジープがいなくなった』時の事だった。
もしこんな無防備な状況で魔物に襲われたら?
そして私が魔物に襲われるとすれば、見張りをしてくれていたライザはどこに?
“ライザが私を一人残し戻るはずなんてない。なら――……”
「ら、ライザ!ライザ!?どこにいるの!?」
ザァッと血の気が引き、思わず名前を呼びながら湖から飛び出す。
バクバクと心臓が跳ね、手足の感覚が失われるような錯覚に陥った。
“そんな、うそ、まさかよね……!?”
すみません聖女様、なんてひょっこり顔を出してくれる。
きっとそう、なんて願うが彼女の気配はそこになく、それどころかライザが待っているはずの場所ではない茂みがガサリと揺れた。
ガサガサとした揺れは私の声を追っているのか、すごい勢いでこちらに向かってくる。
「ひっ!」
せめて武器を、と思うが竹刀は先ほど着替えを放置してしまった岸に一緒に置いており、ここから取りに行くには揺れる茂みの方へ向かわなくてはならなくて。
“取りに行く?それともこのまま反対に逃げればいいの……!?”
武器がないのは致命的。
しかし武器があっても恐怖で硬直してしまった私は何も出来なかった。
「ら、ライザ……」
彼女に何かあったかもしれないのに、彼女に助けを求めてしまう自分のなんと不甲斐ないことか。
聖女としても満足な働きは出来ず、勇者なんてもってのほか。
ただのお荷物としか言えない最低な私は、恐怖から体が硬直し、また動けなくなっていて。
すぐ一メートル先。
この目と鼻の先という距離でガサリ、と茂みの揺れが止まり、私の心臓も止まりそうになる。
荒くなる呼吸をなんとか両手で押さえ、どうかこのまま私に気付かず去って欲しいとそう願った、そんな時。
揺れの止まった茂みから、ぴょこんと顔を出したのは――……
「おい、どうした、何かトラブルか!?」
「……は?ふ、フラン?」
「……は?おまッ!?」
半泣きになった私の目の前に顔を出したのは、魔物でもライザでもなく、野営地で騎士たちに指示を出していたフランだった。
「ふ、フラン~~~っ」
私は思ったよりも心細かったらしい。
目の前に現れたフランに心底安堵し、その勢いのまま茂みから半分飛び出した状態で固まってしまったフランに飛び付こうとし――……
“って、私今裸じゃん!”
自身の姿に気付いた私は、抱き付く寸前で立ち止まり、そしてその勢いのまま平手打ちした。
「の、覗き魔!」
「いってぇ!」
バチンとその場に乾いた音が響く。
「なんっでだよ!?叫び声を聞いて駆けつけただけだろハレンチ聖女!」
「でも見たじゃん!全部見たじゃん!!」
「見たんじゃねぇ!見えたんだ!」
「やっぱり見てる!!」
「不可抗力だっつってんだよ!というか、この間既に見てるだろ!?」
「あーー!!そういうこと言う!?このデリカシー無し男!!」
ぎゃいぎゃいと言い合いながら慌てて湖に飛び込んだ私は、先ほどは最高に気持ちいいと思ったこの湖の透明度の高さを恨みつつせめてもの抵抗で肩までちゃぽんと浸かった。
“確かにゲームとか漫画とかでお風呂ドッキリみたいなのあるけど!定番だけど!!”
まさかそのド定番を自分が体験するとは思わなかった私は、この状況に嘆につつ湖に顔も浸けたのだった。
理由は単純で、暗くなる前にテントを張り野営の準備をするためである。
対象に直接触れる、という制限のせいで時間がかなりかかってしまったが、それでも全員の治療を終えた私は満足感に浸っていた。
あれだけ恐ろしかったトロールとの対峙。
何も出来なかったという不甲斐なさはやはりショックなことではあるが、『聖女しか使えない』という回復魔法は、自分の存在意義を確かにそこに示してくれていて。
“……ま、出がらしレベルなんだけど”
それでも、自分にしかできないのだと思えば傷ついたメンタルも回復しつつあった。
そしてメンタルが復活したら、気になるのはやはり……
「くっさぁ~い……」
トロールのヨダレが乾き、多少はマシになったもののそれでも臭いものは臭い。
“ていうか、カピカピになってんだけど……”
洗いたい。洗濯したい。というかお風呂に入りたい。
しかし都合よく温泉なんてあるはずなくて。
「せめて湖、いや水溜まりでもいい……」
フランが魔物に媚薬みたいな体液をかけられた時、水溜まりで必死に洗い流していたことを思い出す。
あの時は、そんな場所で?なんて思ったが、いざ自分が似たような立場になったことでなりふり構わないあの気持ちが痛いほどよくわかった。
そしてそんな私の声が聞こえたのか、ロクサーナがくるっと振り返って。
「湖、ありますよ」
「え!」
切実に求めていた一言を与えられ、私の心が急浮上する。
「うそ!どこ!?近い?入れる?あ、湖の中に魔物とかいない?」
私の勢いに気圧されたロクサーナがたじたじとしつつ、教えてくれた。
「もう少し先にはなりますが、水浴びも十分できる湖です。水中には魔物がいないので湖自体は安全ですよ」
「水中には魔物、いないの?」
サメのような魔物がいないことは、水浴びしたい自分としてはありがたいが、いないということが少し不思議で思わず聞き返すと、ジープがロクサーナの脇からぴょこんと顔を出した。
「なんでも、魔王が水を嫌うかららしいですよ」
「え、水が弱点なの?」
「うぅーん、それはよくわからないですね……。水で弱体化したという記録は残ってないんで、弱点というよりはただ嫌ってる、としか」
「そうなんだ?」
“なんだろ、子供がピーマン嫌うみたいなもんかな?”
嫌いはしてるが、ピーマンに恐怖しているわけではない。
本当に魔王にとっての水が子供にとってのピーマンなのかはわからないが、答えを知るすべがない以上考えるだけ無駄ということで。
「そんなことより、まずは水浴びよ……!」
この匂いは乙女的にNG、というよりもう単純に臭くて自分が耐えられない。
ロクサーナに詳しい場所を聞いた私は、ライザをお供にいそいそと着替えを持って湖へ向かったのだった。
体感で10分ほど進んだ先にその湖はあった。
向こう岸も見えるくらいのその湖は、透明度が高く周りの木々から漏れる光を反射しキラキラと輝いていた。
小指くらいの小魚が泳ぐ姿もハッキリ見えるほど澄んだ水は触れると冷たく、お風呂のように肩までしっかり浸かるには向かないだろう。
“それでもいい……!洗い流せるだけで万々歳……!”
ライザに一言断り、いそいそと服を脱いだ私は、まず自分の体についたヨダレを洗い流そうと服を岸に置いたままじゃぶじゃぶと湖に入った。
「気持ちいい……!」
足をつけた時はその冷たさにビクッとしたが、腰まで浸かってしまえば耐えられないほどではない。
外で素っ裸になることに抵抗がないわけではないが、ぶっちゃけ臭いがキツすぎてそれどころじゃなく……
「っていうか、むしろ解放感……!?」
これが開き直りというやつなのかもしれないが、脱いでしまった後だからか羞恥なんて忘れて水浴びを楽しんだ。
「髪も洗いたいぃ、シャンプー欲しい……けど、自然汚染とかになるのかな」
いや、むしろシャンプーという存在があるのだろうか?なんてくだらないことを考えつつ、汚れた体を手のひらで擦る。
バシャバシャと顔を洗うとサッパリし、まるで心が浄化されたようにすら感じた私は、この気持ちよさをせっかくだからライザとも分かち合いたいとそう考えた。
「ねぇ、ライザも入らないー?」
思いきって声をかけるが、近くで見張りがてら待機をしてくれているライザからの返事がなくてドキリとする。
“……え?”
ふっと頭を過ったのは、『そこにいたはずのジープがいなくなった』時の事だった。
もしこんな無防備な状況で魔物に襲われたら?
そして私が魔物に襲われるとすれば、見張りをしてくれていたライザはどこに?
“ライザが私を一人残し戻るはずなんてない。なら――……”
「ら、ライザ!ライザ!?どこにいるの!?」
ザァッと血の気が引き、思わず名前を呼びながら湖から飛び出す。
バクバクと心臓が跳ね、手足の感覚が失われるような錯覚に陥った。
“そんな、うそ、まさかよね……!?”
すみません聖女様、なんてひょっこり顔を出してくれる。
きっとそう、なんて願うが彼女の気配はそこになく、それどころかライザが待っているはずの場所ではない茂みがガサリと揺れた。
ガサガサとした揺れは私の声を追っているのか、すごい勢いでこちらに向かってくる。
「ひっ!」
せめて武器を、と思うが竹刀は先ほど着替えを放置してしまった岸に一緒に置いており、ここから取りに行くには揺れる茂みの方へ向かわなくてはならなくて。
“取りに行く?それともこのまま反対に逃げればいいの……!?”
武器がないのは致命的。
しかし武器があっても恐怖で硬直してしまった私は何も出来なかった。
「ら、ライザ……」
彼女に何かあったかもしれないのに、彼女に助けを求めてしまう自分のなんと不甲斐ないことか。
聖女としても満足な働きは出来ず、勇者なんてもってのほか。
ただのお荷物としか言えない最低な私は、恐怖から体が硬直し、また動けなくなっていて。
すぐ一メートル先。
この目と鼻の先という距離でガサリ、と茂みの揺れが止まり、私の心臓も止まりそうになる。
荒くなる呼吸をなんとか両手で押さえ、どうかこのまま私に気付かず去って欲しいとそう願った、そんな時。
揺れの止まった茂みから、ぴょこんと顔を出したのは――……
「おい、どうした、何かトラブルか!?」
「……は?ふ、フラン?」
「……は?おまッ!?」
半泣きになった私の目の前に顔を出したのは、魔物でもライザでもなく、野営地で騎士たちに指示を出していたフランだった。
「ふ、フラン~~~っ」
私は思ったよりも心細かったらしい。
目の前に現れたフランに心底安堵し、その勢いのまま茂みから半分飛び出した状態で固まってしまったフランに飛び付こうとし――……
“って、私今裸じゃん!”
自身の姿に気付いた私は、抱き付く寸前で立ち止まり、そしてその勢いのまま平手打ちした。
「の、覗き魔!」
「いってぇ!」
バチンとその場に乾いた音が響く。
「なんっでだよ!?叫び声を聞いて駆けつけただけだろハレンチ聖女!」
「でも見たじゃん!全部見たじゃん!!」
「見たんじゃねぇ!見えたんだ!」
「やっぱり見てる!!」
「不可抗力だっつってんだよ!というか、この間既に見てるだろ!?」
「あーー!!そういうこと言う!?このデリカシー無し男!!」
ぎゃいぎゃいと言い合いながら慌てて湖に飛び込んだ私は、先ほどは最高に気持ちいいと思ったこの湖の透明度の高さを恨みつつせめてもの抵抗で肩までちゃぽんと浸かった。
“確かにゲームとか漫画とかでお風呂ドッキリみたいなのあるけど!定番だけど!!”
まさかそのド定番を自分が体験するとは思わなかった私は、この状況に嘆につつ湖に顔も浸けたのだった。
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