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第二章・聖女レベル、ぜろ
18.知ってる名前なら、知ってる特性であることを望む
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『危なくなったら、絶対に剣を抜け。必ず“斬る”んだ』
なんて何度も念を押されつつ始まったはじめての遠征。
「ヤァーーッ!」
やはり一撃一撃は現役騎士には敵わないが、それでもこの特注竹刀を相棒に私は走り回っていた。
「ねねっ!セミの時も思ったんだけど」
「セーミンな」
「私、結構強いんじゃない?」
うきうきとした気分でフランを見上げると、かなり嫌そうな顔を向けられる。
「お前のは遊びだ、ままごと聖女」
「はぁ!?なんでよ!確かにトドメはさしてないけどさぁ」
森を進み最初に現れたのは小型の魔物。
兎のような見た目だが大きな一本の角と二本の長い牙があった。
見た目通りの素早さで突撃してきたが、剣道は一瞬で勝敗が決まるスポーツ。
基本である中段の構えで対峙した私は、真っ直ぐ突撃してきたその魔物の角を横払いして弾き籠手を狙う時の要領で竹刀を突き出した。
相手が小型だったこともあり、その一撃であっさり体勢を崩したところをアベルがすかさずトドメをさす。
試合ではなく討伐である以上連携プレーはむしろ必須だと思うのだが。
“なによ、小型の魔物くらい一撃で仕留めろとかそういうこと?それとも聖女なんだから魔法を使えってことなの?”
正直はじめて討伐に成功したセミ改めセーミンよりもスムーズに討伐出来たと自負していたからこそ、フランのその様子が気に入らなかった。
「どこが不満なのかわかんないけど、私は私の方法で勇者目指すんだからね」
「だからお前は聖女だと……いや、というかそもそも俺が言いたいのは」
「あー、はいはい!」
距離が近付いたと思ったからこそ、否定ばかりのフランに苛立って仕方ない。
楽しく討伐、とまでは言わなくても、パーティーメンバーとして和気あいあいと旅したいと思っていたからだ。
“ま、ゲームだと一列に並んでマップを歩くばかりで会話なんて設定されてなかったけどさ”
まだ何か言っていたフランを無視して前を歩いていた騎士たちに合流する。
突然魔物に不意を突かれても誰かがすぐにフォロー出来るよう必ず複数人で行動しており、私が突撃したのはライザ含め三人のチームだった。
「ちょっと聞いてよ、ライザぁぁ」
「聖女様」
高い位置で長い赤茶の髪をひとつに結んでいるライザ。
そんなライザとは対照に緑髪を短く切り揃えているのがロクサーナ。
“それと、この長いふわふわウェーブのブロンドヘアがジープだったよね”
第六騎士団に所属している三人の女騎士たち。
少しむさ苦しい騎士団の花といえる彼女たちに割り込むと、フランのせいで苛立った心が癒されるように感じる。
「もー、リッカでいいってば!聖女って言っても出がらしなんだし」
自虐ネタのようにいつもの『出がらし』というワードを出したからか、ロクサーナがくすっと小さく笑いを溢す。
「……っと、すみません、いつもの団長との掛け合いを思い出してつい」
「いいっていいって、私もこれ、もはやネタだと思ってるし」
「もう、リッカ様ってば」
一緒にいたジープもくすくすと笑いだし、念願の和気あいあいとした会話を楽しむ。
そして女子が四人も揃ったとなれば、話題はもちろん恋バナに行き着くもので。
「というかさ、ライザはトーマと長いの?」
「ふぇっ!?わ、わた、私ですか……!?」
第六騎士団で唯一魔法を扱えるのはライザのみ。
守りの魔法を発動出来る彼女は、魔物たちからの攻撃を全て受けとめ弾くタンク役。
そんなドシンと構え冷静な彼女が、トーマという単語で顔を赤く染め狼狽えている姿はたまらなく可愛かった。
「ねね、どっちから?どっちから告ったの?」
「そ、それはそのっ、な、内緒です……っ」
「え?向こうからって言ってたじゃない」
「ちょっとロクサーナ!」
「へぇ~、トーマからなんだぁ」
「聖女様までっ」
きゃっきゃと会話を楽しんでいると、にこにこしていたジープがくるっと私へ向き直って。
「あの、リッカ様こそどうなんですか?」
「え?私?」
何を聞かれているのか一瞬わからず、思わずきょとんとしていると更にジープが口を開いた。
「団長とのことです!やっぱり突然こちらに来てしまった寂しさを埋めてくれたりとか、したんですか?」
「えっ、フランとのこと!?」
まさか自分が聞かれるとは思っていなかったため思わず声が裏返るが、確かに言われてみれば私とフランが偽装婚約と知らない彼女たちからすれば気になる話題のひとつなのだろう。
「寂しさを埋める……ってほどショックは受けなかったからなぁ」
突然来てしまった私としては、この非現実的な現状はやはり転移というより精巧にできたVRやRPGの世界という印象が強く、こんなことを言うと批判が出そうではあるがゲーム感覚が抜けなかった。
「どちらかといえば、今は」
討伐が楽しい、なんて口にしかけて慌てて黙る。
この世界からすれば魔物の被害は深刻で、いくらゲーム感覚が抜けていないからと言っても口に出すべきではないと気付いた私が途中で話を切ったのだが、ライザたちが空気を凍らせる。
“やばい、実はもう口滑らせてた……!?”
なんて冷や汗を滲ませつつ、彼女たちの様子を横目で窺うとどうやら視線の先は私ではなく前方のようだった。
「何かいる?」
目を凝らしてみるが、特に何も見えなくて。
やっぱり実は失言してたかな、なんて再びライザの方に視線を戻した時だった。
――――ガァン!
鼓膜に直接響いたかのような音にビクリと体を強張らせる。
音がした方に慌てて顔を向けたがそこには何もなく、しかし地面が何かで抉られていて。
“って、あれ?さっきまでここにジープが……”
「聖女様ッ!!」
再び先ほど響いた音と同じ音がしたと思ったら、目の前がライザの背中でいっぱいになる。
そしてそのライザの向こうには、まるで熊のようなサイズの人形の魔物がいた。
「トロールです!」
「トロール!?わ、私の知ってるトロールと違うんだけど!」
「聖女様の世界にもトロールがいるのですね……っ!」
“ゲームの中や映画の中でだけど”
なんて返事をする余裕はなく、そのトロールからの攻撃を弾いたライザが再び盾を構えた。
ゲームや映画で見たトロールは、パワーはあるがスピードが遅く、主に足元を攻撃し体勢を崩しすような戦い方をするのが基本だったはずだが、どう考えても目の前のトロールは素早さも兼ね備えていて。
“というかジープは!?”
ハッとして周りを見渡す。
先ほどの大きな音がトロールからの攻撃の音だというなら、ジープは……!
「よそ見しないでくださいッ!」
再び音が響き、ライザが少し後退る。
守りの魔法のお陰かダメージ自体はないようだが、その威力のせいで押されているようだった。
“このままじゃ……!”
これだけ大きな音が響いているのだ、今魔物と相対しているということはもう他の騎士にも伝わっているだろう。
周りの警戒と偵察を兼ねて行動していると言っても、他の騎士グループとの距離は30メートルほどしか離れていない。
荷物があるとはいっても、20秒もあればきっと誰かは応援に駆けつけてくれるはず。
なのに。
“なんで来ないの?”
小型の魔物やセーミンのような動きの遅い、脅威の少ない魔物としか遭遇していなかったせいで一秒一秒が物凄く長く感じているだけなのだろうか。
「た、戦わなきゃ」
ライザは私を守るために防御に徹してくれている。
ジープとロクサーナが見えないが、初撃がジープに当たっていたのだとすればロクサーナはジープの方へ行ったのかもしれない。
もしくは、二人同時に殴り飛ばされた可能性もある。
――もしそうなら。
“今戦えるのは私しかいない、だから私がやらなきゃ”
そう思うのに、私の両足はまるで地面に埋まってしまったかのように微動だにしなかった。
なんて何度も念を押されつつ始まったはじめての遠征。
「ヤァーーッ!」
やはり一撃一撃は現役騎士には敵わないが、それでもこの特注竹刀を相棒に私は走り回っていた。
「ねねっ!セミの時も思ったんだけど」
「セーミンな」
「私、結構強いんじゃない?」
うきうきとした気分でフランを見上げると、かなり嫌そうな顔を向けられる。
「お前のは遊びだ、ままごと聖女」
「はぁ!?なんでよ!確かにトドメはさしてないけどさぁ」
森を進み最初に現れたのは小型の魔物。
兎のような見た目だが大きな一本の角と二本の長い牙があった。
見た目通りの素早さで突撃してきたが、剣道は一瞬で勝敗が決まるスポーツ。
基本である中段の構えで対峙した私は、真っ直ぐ突撃してきたその魔物の角を横払いして弾き籠手を狙う時の要領で竹刀を突き出した。
相手が小型だったこともあり、その一撃であっさり体勢を崩したところをアベルがすかさずトドメをさす。
試合ではなく討伐である以上連携プレーはむしろ必須だと思うのだが。
“なによ、小型の魔物くらい一撃で仕留めろとかそういうこと?それとも聖女なんだから魔法を使えってことなの?”
正直はじめて討伐に成功したセミ改めセーミンよりもスムーズに討伐出来たと自負していたからこそ、フランのその様子が気に入らなかった。
「どこが不満なのかわかんないけど、私は私の方法で勇者目指すんだからね」
「だからお前は聖女だと……いや、というかそもそも俺が言いたいのは」
「あー、はいはい!」
距離が近付いたと思ったからこそ、否定ばかりのフランに苛立って仕方ない。
楽しく討伐、とまでは言わなくても、パーティーメンバーとして和気あいあいと旅したいと思っていたからだ。
“ま、ゲームだと一列に並んでマップを歩くばかりで会話なんて設定されてなかったけどさ”
まだ何か言っていたフランを無視して前を歩いていた騎士たちに合流する。
突然魔物に不意を突かれても誰かがすぐにフォロー出来るよう必ず複数人で行動しており、私が突撃したのはライザ含め三人のチームだった。
「ちょっと聞いてよ、ライザぁぁ」
「聖女様」
高い位置で長い赤茶の髪をひとつに結んでいるライザ。
そんなライザとは対照に緑髪を短く切り揃えているのがロクサーナ。
“それと、この長いふわふわウェーブのブロンドヘアがジープだったよね”
第六騎士団に所属している三人の女騎士たち。
少しむさ苦しい騎士団の花といえる彼女たちに割り込むと、フランのせいで苛立った心が癒されるように感じる。
「もー、リッカでいいってば!聖女って言っても出がらしなんだし」
自虐ネタのようにいつもの『出がらし』というワードを出したからか、ロクサーナがくすっと小さく笑いを溢す。
「……っと、すみません、いつもの団長との掛け合いを思い出してつい」
「いいっていいって、私もこれ、もはやネタだと思ってるし」
「もう、リッカ様ってば」
一緒にいたジープもくすくすと笑いだし、念願の和気あいあいとした会話を楽しむ。
そして女子が四人も揃ったとなれば、話題はもちろん恋バナに行き着くもので。
「というかさ、ライザはトーマと長いの?」
「ふぇっ!?わ、わた、私ですか……!?」
第六騎士団で唯一魔法を扱えるのはライザのみ。
守りの魔法を発動出来る彼女は、魔物たちからの攻撃を全て受けとめ弾くタンク役。
そんなドシンと構え冷静な彼女が、トーマという単語で顔を赤く染め狼狽えている姿はたまらなく可愛かった。
「ねね、どっちから?どっちから告ったの?」
「そ、それはそのっ、な、内緒です……っ」
「え?向こうからって言ってたじゃない」
「ちょっとロクサーナ!」
「へぇ~、トーマからなんだぁ」
「聖女様までっ」
きゃっきゃと会話を楽しんでいると、にこにこしていたジープがくるっと私へ向き直って。
「あの、リッカ様こそどうなんですか?」
「え?私?」
何を聞かれているのか一瞬わからず、思わずきょとんとしていると更にジープが口を開いた。
「団長とのことです!やっぱり突然こちらに来てしまった寂しさを埋めてくれたりとか、したんですか?」
「えっ、フランとのこと!?」
まさか自分が聞かれるとは思っていなかったため思わず声が裏返るが、確かに言われてみれば私とフランが偽装婚約と知らない彼女たちからすれば気になる話題のひとつなのだろう。
「寂しさを埋める……ってほどショックは受けなかったからなぁ」
突然来てしまった私としては、この非現実的な現状はやはり転移というより精巧にできたVRやRPGの世界という印象が強く、こんなことを言うと批判が出そうではあるがゲーム感覚が抜けなかった。
「どちらかといえば、今は」
討伐が楽しい、なんて口にしかけて慌てて黙る。
この世界からすれば魔物の被害は深刻で、いくらゲーム感覚が抜けていないからと言っても口に出すべきではないと気付いた私が途中で話を切ったのだが、ライザたちが空気を凍らせる。
“やばい、実はもう口滑らせてた……!?”
なんて冷や汗を滲ませつつ、彼女たちの様子を横目で窺うとどうやら視線の先は私ではなく前方のようだった。
「何かいる?」
目を凝らしてみるが、特に何も見えなくて。
やっぱり実は失言してたかな、なんて再びライザの方に視線を戻した時だった。
――――ガァン!
鼓膜に直接響いたかのような音にビクリと体を強張らせる。
音がした方に慌てて顔を向けたがそこには何もなく、しかし地面が何かで抉られていて。
“って、あれ?さっきまでここにジープが……”
「聖女様ッ!!」
再び先ほど響いた音と同じ音がしたと思ったら、目の前がライザの背中でいっぱいになる。
そしてそのライザの向こうには、まるで熊のようなサイズの人形の魔物がいた。
「トロールです!」
「トロール!?わ、私の知ってるトロールと違うんだけど!」
「聖女様の世界にもトロールがいるのですね……っ!」
“ゲームの中や映画の中でだけど”
なんて返事をする余裕はなく、そのトロールからの攻撃を弾いたライザが再び盾を構えた。
ゲームや映画で見たトロールは、パワーはあるがスピードが遅く、主に足元を攻撃し体勢を崩しすような戦い方をするのが基本だったはずだが、どう考えても目の前のトロールは素早さも兼ね備えていて。
“というかジープは!?”
ハッとして周りを見渡す。
先ほどの大きな音がトロールからの攻撃の音だというなら、ジープは……!
「よそ見しないでくださいッ!」
再び音が響き、ライザが少し後退る。
守りの魔法のお陰かダメージ自体はないようだが、その威力のせいで押されているようだった。
“このままじゃ……!”
これだけ大きな音が響いているのだ、今魔物と相対しているということはもう他の騎士にも伝わっているだろう。
周りの警戒と偵察を兼ねて行動していると言っても、他の騎士グループとの距離は30メートルほどしか離れていない。
荷物があるとはいっても、20秒もあればきっと誰かは応援に駆けつけてくれるはず。
なのに。
“なんで来ないの?”
小型の魔物やセーミンのような動きの遅い、脅威の少ない魔物としか遭遇していなかったせいで一秒一秒が物凄く長く感じているだけなのだろうか。
「た、戦わなきゃ」
ライザは私を守るために防御に徹してくれている。
ジープとロクサーナが見えないが、初撃がジープに当たっていたのだとすればロクサーナはジープの方へ行ったのかもしれない。
もしくは、二人同時に殴り飛ばされた可能性もある。
――もしそうなら。
“今戦えるのは私しかいない、だから私がやらなきゃ”
そう思うのに、私の両足はまるで地面に埋まってしまったかのように微動だにしなかった。
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