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第二章・聖女レベル、ぜろ
16.必要なものより不要なものが大事なもののこともある
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「まぁ実用性のない宝剣はともかく、宝石まで売って良かったのか?」
重くなった雰囲気を壊すように少し明るく言ったフラン。
“別に気にしてないけどなぁ”
確かに何も思わない訳ではないが、ゲームならば割りとよくある展開。
というかそもそも、RPGだとスタートの城を出発した後は自給自足が基本である。
むしろプレイしたどのゲームのどんな勇者も、魔物を倒す度に王様へご褒美催促なんてせず勝手に魔物どころか魔王を倒し世界を救っていた。
王家からのバックアップなんていう発想もなかった身からすれば、死んでもいいくらいに思われていたのだとしても、刺客を送り込まれている訳ではなくついでに褒賞まで貰えるのならば文句はない。
“でも、それは私の感覚なんだよね”
期待していなかった私としては割りきれることだが、それでも必死に怒り案じてくれる存在がいるというのはなんだかとても嬉しく感じる。
そんな彼からの、精一杯の気遣い。
それを無下にするのは、と考えた私も、まるでさっきの重い空気なんてなかったとでもいうように笑顔を浮かべた。
「宝石だって実用性ないからいらないのよ、というか好みじゃなかったし!」
「けど、令嬢ならばああいうのに憧れくらいあるだろう」
「令じょ⋯っ!?あー、まぁ、うーん、そうねぇ、好みのがあれば……くらいかな?」
フランから自然に出た自分に対する『令嬢』という単語にちょっと驚きつつ、お店のウインドウに飾られている商品を歩きながら見てみる。
“けど、全部ゴテゴテしてて好みじゃないのよねぇ”
主役ですと言わんばかりの大きな石に、まるで植物の蔦のように絡まされた台座とチェーン。
そのいたるところにサイズ違いの石がセットされていて、正直ちょっとした筋トレグッズなのではと思うほど重そうなアクセサリーたち。
“確かに時代設定的には社交界とか、パーティーとかでドレスに合わせてつける豪華な宝石⋯はイメージ通りだけど”
それでも、そんな社交とは縁遠い一般市民の異世界人からすればもっとシンプルで華奢なものが好みだった。
「どれも好きじゃないなぁ、あーいう重そうなやつじゃなくて、もっと軽いのがいい」
「装飾品を重さで判断するのはどうかと思うぞ」
「んー、じゃあシンプルなの」
アクセサリーばかりが並んでるお店には好みのものはなかったが、その先にあったお店の前に並べられていた革紐のネックレスにふと目が止まった。
少し短めなところを見るとチョーカーなのだろうか。
今まで見かけたネックレスと違い、細めの焦げ茶色をした革紐に小さめの赤い石が一粒ぶら下がっている。
控えめに、だが太陽光を反射してキラリと輝くそれはどのアクセサリーよりも私の好みに近く目を引いた、のだが。
「あれ可愛いかも!」
こういうのを求めてた、と言わんばかりに指差した私がフランを見上げると、私の指差したチョーカーをフランがじっと見つめ……
「…………リッカ、あれは宝飾品じゃない」
「え!!」
物凄く残念なものを見るようにチョーカー(偽)から私へと視線をうつした。
「あれ、チョーカーじゃないの!?」
「あれは剣紐だ」
「え、うそ!私の知ってる紐と違うんだけど!」
剣道で使う紐といえば面紐や胴紐。
それらは防具を自身に固定するために使う紐であり、決して宝石なんてものがついているようなものではないのだが。
「戦闘中に鞘が邪魔にならないよう足に固定するための紐だ」
一瞬フランの言うことが信じられなかったが、そのチョーカーが売られているお店が、いつの間にか宝飾品店ゾーンから抜け武具屋になっていたことに気付き愕然とした。
「うそ……」
アクセサリーの好みを聞かれ、アクセサリーじゃないものを答えた自分の女子力の低さにガクリと項垂れる。
そしてそんな私が面白かったのか、フランが小さく吹き出した。
「ちょっと、私今ショック受けてるんだけど?デリカシーナシ男」
「ショック受けるべきは今じゃなかったぞ、このおとぼけ聖女」
笑っているフランに文句を言うと、サクッと失礼なあだ名を返され更にムッとする。
「あー、まさか私の美的センスがここまで合わないなんて!」
「元々その美的センスのレベルがどこまであったか怪しいけどな」
「なんですって!?この笑いのツボズレ男!」
「それどんなあだ名だよ、苦し紛れ聖女」
「フランも大概だから!」
悪態をついてみるが、どこか楽しそうに笑っているフランに段々と毒気を抜かれた私も気付けばぷっと笑ってしまっていて。
“ま、楽しそうだからいいか”
おそらく私以上にショックを受けたのだろうこの頑固で堅物で少し繊細な彼のそんな様子に、どこか安堵したのだった。
その後は通りすがりに見つけたカフェに入りケーキを食べる。
意外だったのは、フランが甘いものを進んで注文したことだった。
“なんとなくフランって甘いの苦手そうだと思ったんだけど”
私の付き添いでこの可愛いお店に入ってくれたのかと思ったが、注文したマスカットタルトを一口、二口と食べ進めるフランが少し意外でぼんやりと眺めてしまう。
ところがさっきまで楽しそうに食べ進めていたのに、私がじっと見ていたことに気付いたらしいフランはフォークを置き、何故かスイッと視線を外し眉をひそめた。
「食べないの?」
「あー、その……変だったか?」
「え、何が?」
戸惑いながらそう聞かれ、何のことかわからず首を傾げていると、フランの頬がじわりと赤らんで。
「……俺が甘いのを、好んで食べてたから」
「へ?」
重ねられた言葉にぽかんと口を開いた私は、ふはっと笑いながら自身のチーズスフレをスプーンで掬いフランの前に差し出した。
「甘いのが好きなのは確かに意外だったけど、でも美味しそうに食べてるなって思っただけ」
差し出されたスフレをぽかんと眺めているフラン。
そんなフランに催促するよう、ほら、と軽くスプーンを振ると今度はあわあわと周りを見渡し出して。
「ちょ、何してんだよこのハレンチ聖女!?」
「こっちも美味しいから、一口食べてみなよ」
「だ、だが人前でこんな……!」
「別に婚約者なんだからいいでしょ。それに誰も見てないって」
私の言い分を聞いたフランは、かなり戸惑い躊躇っていたものの……私がひかないと気付いたらしく渋々といった様子でぱくりとスフレを口にした。
口の中でふわりととろけるスフレが美味しかったのか、フランの表情がパアッと明るくなる。
「フランが甘いのを好きでも変だなんて思うわけないでしょ。というか今時甘いものを好きな男の人なんていっぱいいるし」
「リッカ……」
今時、というのがこの異世界にも適応するのかはわからないが、少なくとも私の世界で言えば隠すようなことでも恥ずかしがるようなことでももちろんない。
それどころか、フランの新たな一面を知れてなんだか私は嬉しくすら感じていて。
“って、意外だったからギャップでちょっと可愛いって思っただけだけど!”
ほわんとした気持ちになった私は、まるで自分に言い聞かせるように慌ててそんなことを考えた。
「ほら、俺のも一口やる」
私の内心の葛藤なんて知らないフランは、サクッと自身のタルトを切り分け少し私のお皿に乗せてくれた。
「私にはあーんしてくれないの?」
「なッ!」
からかうようにそう告げると、一気にフランの頬が赤くなる。
そんな純情なフランの様子が、いやフラン自身がやっぱり可愛く見えるのは、それだけ彼と親しくなったからなのだろうか。
――その答えを、私はまだ知らないのだった。
重くなった雰囲気を壊すように少し明るく言ったフラン。
“別に気にしてないけどなぁ”
確かに何も思わない訳ではないが、ゲームならば割りとよくある展開。
というかそもそも、RPGだとスタートの城を出発した後は自給自足が基本である。
むしろプレイしたどのゲームのどんな勇者も、魔物を倒す度に王様へご褒美催促なんてせず勝手に魔物どころか魔王を倒し世界を救っていた。
王家からのバックアップなんていう発想もなかった身からすれば、死んでもいいくらいに思われていたのだとしても、刺客を送り込まれている訳ではなくついでに褒賞まで貰えるのならば文句はない。
“でも、それは私の感覚なんだよね”
期待していなかった私としては割りきれることだが、それでも必死に怒り案じてくれる存在がいるというのはなんだかとても嬉しく感じる。
そんな彼からの、精一杯の気遣い。
それを無下にするのは、と考えた私も、まるでさっきの重い空気なんてなかったとでもいうように笑顔を浮かべた。
「宝石だって実用性ないからいらないのよ、というか好みじゃなかったし!」
「けど、令嬢ならばああいうのに憧れくらいあるだろう」
「令じょ⋯っ!?あー、まぁ、うーん、そうねぇ、好みのがあれば……くらいかな?」
フランから自然に出た自分に対する『令嬢』という単語にちょっと驚きつつ、お店のウインドウに飾られている商品を歩きながら見てみる。
“けど、全部ゴテゴテしてて好みじゃないのよねぇ”
主役ですと言わんばかりの大きな石に、まるで植物の蔦のように絡まされた台座とチェーン。
そのいたるところにサイズ違いの石がセットされていて、正直ちょっとした筋トレグッズなのではと思うほど重そうなアクセサリーたち。
“確かに時代設定的には社交界とか、パーティーとかでドレスに合わせてつける豪華な宝石⋯はイメージ通りだけど”
それでも、そんな社交とは縁遠い一般市民の異世界人からすればもっとシンプルで華奢なものが好みだった。
「どれも好きじゃないなぁ、あーいう重そうなやつじゃなくて、もっと軽いのがいい」
「装飾品を重さで判断するのはどうかと思うぞ」
「んー、じゃあシンプルなの」
アクセサリーばかりが並んでるお店には好みのものはなかったが、その先にあったお店の前に並べられていた革紐のネックレスにふと目が止まった。
少し短めなところを見るとチョーカーなのだろうか。
今まで見かけたネックレスと違い、細めの焦げ茶色をした革紐に小さめの赤い石が一粒ぶら下がっている。
控えめに、だが太陽光を反射してキラリと輝くそれはどのアクセサリーよりも私の好みに近く目を引いた、のだが。
「あれ可愛いかも!」
こういうのを求めてた、と言わんばかりに指差した私がフランを見上げると、私の指差したチョーカーをフランがじっと見つめ……
「…………リッカ、あれは宝飾品じゃない」
「え!!」
物凄く残念なものを見るようにチョーカー(偽)から私へと視線をうつした。
「あれ、チョーカーじゃないの!?」
「あれは剣紐だ」
「え、うそ!私の知ってる紐と違うんだけど!」
剣道で使う紐といえば面紐や胴紐。
それらは防具を自身に固定するために使う紐であり、決して宝石なんてものがついているようなものではないのだが。
「戦闘中に鞘が邪魔にならないよう足に固定するための紐だ」
一瞬フランの言うことが信じられなかったが、そのチョーカーが売られているお店が、いつの間にか宝飾品店ゾーンから抜け武具屋になっていたことに気付き愕然とした。
「うそ……」
アクセサリーの好みを聞かれ、アクセサリーじゃないものを答えた自分の女子力の低さにガクリと項垂れる。
そしてそんな私が面白かったのか、フランが小さく吹き出した。
「ちょっと、私今ショック受けてるんだけど?デリカシーナシ男」
「ショック受けるべきは今じゃなかったぞ、このおとぼけ聖女」
笑っているフランに文句を言うと、サクッと失礼なあだ名を返され更にムッとする。
「あー、まさか私の美的センスがここまで合わないなんて!」
「元々その美的センスのレベルがどこまであったか怪しいけどな」
「なんですって!?この笑いのツボズレ男!」
「それどんなあだ名だよ、苦し紛れ聖女」
「フランも大概だから!」
悪態をついてみるが、どこか楽しそうに笑っているフランに段々と毒気を抜かれた私も気付けばぷっと笑ってしまっていて。
“ま、楽しそうだからいいか”
おそらく私以上にショックを受けたのだろうこの頑固で堅物で少し繊細な彼のそんな様子に、どこか安堵したのだった。
その後は通りすがりに見つけたカフェに入りケーキを食べる。
意外だったのは、フランが甘いものを進んで注文したことだった。
“なんとなくフランって甘いの苦手そうだと思ったんだけど”
私の付き添いでこの可愛いお店に入ってくれたのかと思ったが、注文したマスカットタルトを一口、二口と食べ進めるフランが少し意外でぼんやりと眺めてしまう。
ところがさっきまで楽しそうに食べ進めていたのに、私がじっと見ていたことに気付いたらしいフランはフォークを置き、何故かスイッと視線を外し眉をひそめた。
「食べないの?」
「あー、その……変だったか?」
「え、何が?」
戸惑いながらそう聞かれ、何のことかわからず首を傾げていると、フランの頬がじわりと赤らんで。
「……俺が甘いのを、好んで食べてたから」
「へ?」
重ねられた言葉にぽかんと口を開いた私は、ふはっと笑いながら自身のチーズスフレをスプーンで掬いフランの前に差し出した。
「甘いのが好きなのは確かに意外だったけど、でも美味しそうに食べてるなって思っただけ」
差し出されたスフレをぽかんと眺めているフラン。
そんなフランに催促するよう、ほら、と軽くスプーンを振ると今度はあわあわと周りを見渡し出して。
「ちょ、何してんだよこのハレンチ聖女!?」
「こっちも美味しいから、一口食べてみなよ」
「だ、だが人前でこんな……!」
「別に婚約者なんだからいいでしょ。それに誰も見てないって」
私の言い分を聞いたフランは、かなり戸惑い躊躇っていたものの……私がひかないと気付いたらしく渋々といった様子でぱくりとスフレを口にした。
口の中でふわりととろけるスフレが美味しかったのか、フランの表情がパアッと明るくなる。
「フランが甘いのを好きでも変だなんて思うわけないでしょ。というか今時甘いものを好きな男の人なんていっぱいいるし」
「リッカ……」
今時、というのがこの異世界にも適応するのかはわからないが、少なくとも私の世界で言えば隠すようなことでも恥ずかしがるようなことでももちろんない。
それどころか、フランの新たな一面を知れてなんだか私は嬉しくすら感じていて。
“って、意外だったからギャップでちょっと可愛いって思っただけだけど!”
ほわんとした気持ちになった私は、まるで自分に言い聞かせるように慌ててそんなことを考えた。
「ほら、俺のも一口やる」
私の内心の葛藤なんて知らないフランは、サクッと自身のタルトを切り分け少し私のお皿に乗せてくれた。
「私にはあーんしてくれないの?」
「なッ!」
からかうようにそう告げると、一気にフランの頬が赤くなる。
そんな純情なフランの様子が、いやフラン自身がやっぱり可愛く見えるのは、それだけ彼と親しくなったからなのだろうか。
――その答えを、私はまだ知らないのだった。
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