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第二章・聖女レベル、ぜろ
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「お前は本当に浅はかすぎるだろうこの浅はか聖女!」
「治まったんだからいいじゃん」
「ほっとけば治まるって言っただろ!」
「えぇ?そうだっけ」
熱に浮かされたようなそんな時間…………が、まるで全て嘘だと思えるほど通常運転に戻ったフランは完全に説教モードに入っていて。
「……なによ、キスしたくせに」
「うっ」
行き過ぎかもしれないが、素股までは治療行為だったとしよう。
そこにキスなんて項目は必要なかったはずなのに、突然奪われたその口付けは。
「私、ファーストキスだったんだけど」
「…………せ、責任は取る」
「どの?」
「どの!?どのってそんなの……」
「キス?それともおっぱい吸ったこと?素股の方?あ、私にぶっかけたことかな」
「全部に決まってるだろ!?あとそんな平然と言うなバカ聖女!」
「バカバカ言わないでよ顔以外悪男!」
「それ絶妙に誉めてんだよ一応聖女!」
改めて思い出した行為たちが恥ずかしいのか、それとも説教で頭に血が上っているのかほんのり赤い顔をしているフラン。
いじけたようにぶつぶつと文句を言っている彼を見ていると、なんだかやっぱり可笑しくて。
「あはは、冗談だって。治療ってやつじゃん?フランが平常とは違ったこともわかってるし、それに触っていいって言ったの、その……私、だし?」
そして少し可愛く見えた。
“からかうのはこれからいにしてあげようかな”なんてどこか満足した私がそう言うと、対照に不満気な顔をしたフランが私をじっと見て。
「責任は取る」
「えー?だからいいって……」
「だからお前も責任取れ!こんの特大浅はかバカ聖女!!!」
「でかくなってる!?」
何故かキレているフランはそんな事を叫びながらちゃっちゃと防具を私にまでしっかりと着せた。
“え、責任って……私も?”
それ何の責任……なんて考え、そういえばフランもはじめてだったと思い出し。
「えっ、ちょ、責任ってそういう!?嘘でしょ?痛み分けみたいなもんじゃない?」
「ない!」
「意固地になって……」
「ない!!」
「えぇ……?」
“責任って、どうやって取ればいいの?”
これ以上は聞く耳を持たないと全身で言うフランに思わず唖然とする。
まさか年齢=彼氏いない歴更新中だった私が、異世界に召喚されて婚約者が出来た挙句、その婚約者から責任を取るよう迫られるなんて誰が想像したというのか。
“一般的に責任と言えば結婚よね?え、偽装婚約だったはずだけど本当に結婚するの……?”
婚約は偽装で結婚は本当って、それの何が偽装に当たるのか。
首を傾げた私の手を取ったフランと共に、他の騎士が待っている地点まで戻ったのだった。
私とフランが戻って来るのを待っていてくれた騎士団の面々。
ちゃんと二人で戻ってきたことにみんなホッとした表情をして。
そしてすぐに視線を少し下に下ろし、ビシッと固まる。
“?”
何を見てるのか、なんて不思議に思い首を傾げつつ、彼らの視線の先は――……
「あっ!」
フランに手を引かれ、繋いだままだったことに気付きぎょっとした。
そしてそれはフランもだったようで。
「……なんでもない」
慌てて手を離したフランが、誰に向けてでもなくボソリとそう言うと、やはり第六騎士団のムードメーカー、みんなのお兄ちゃんことトーマがからかうように笑った。
「照れなくてもいいですよ?団長。婚約者同士ナニしてても問題はありませんし」
「な……っ、おま、まさか近くに……っ」
「……え、本当にナニかしてたんです?」
「!!!」
“うわぁ、イケメンなのに童貞って本当だったんだ”
異世界的保健体育しか習得してないはずなのに、あまりにも熱っぽく大事そうにフランが触れ、それが凄く気持ちよかったから。
だから正直、実は経験が……なんて少し疑っていた。
けれど、この反応を見るにフランは私に嘘なんてついてな――…………
「って、ちょっとフラン!?そんな反応してたら私までなんか色々バレるじゃない!」
「り、リッカこそバレるとか言うな!」
「うわぁ、完全冗談のつもりだったんですけどねぇ 、そっかそっかぁ」
「トーマ!!」
フランに釣られて私まで焦り、そしてそんな私たちを見て他の騎士たちからも笑みが溢れる。
“やっぱり雰囲気いいな”
少人数だからこそのこの近さがまるで部活動を思い出し、なんだから胸にほわりとした温かいものが灯るようだった。
ハプニングはあったものの、結果を見れば怪我人もおらずはじめての討伐は上々で終わった第六騎士団。
成果、というほどの成果はないが、どれだけ弱い魔物であってもどこに何体出現したのかの報告義務があるらしく。
そして第六騎士団が討伐したとなれば、国が気にするだろうは出がらしであっても一応は聖女である私のことで。
「さすがに報告はしなくちゃだな」
少しだけ鬱屈そうな表情になったフランがそうポツリと呟いた。
「私、部屋で待機してたとかにしてくれてもいいけど?」
「それはダメだ、リッカが一体討伐しただろ?ならその功績は評価されるべきだ」
「功績って……」
特注竹刀でタコ殴りにしただけ。
反撃すらしてこなかったセーミンは、恐らくゲームで例えればはじまりの町に出るスライムくらいの位置付けだろう。
“ほんと、真面目なんだから”
そんなレベルの魔物一体を私が討伐したところで、どこまで評価されるのか。
むしろ、守れと言われていた聖女に討伐させただなんて、フランの評価が悪くなる可能性すらあるのに、この堅物騎士団長は私の評価に繋げようとしてくれていて。
“出がらしになったせいで完全放置だもんね。もしかしてそれ、気にしてくれてたのかも”
ただただ顔だけの態度が悪い男だも思った初対面。
それから文句を言いつつも少しずつ仲良くなれたのかも、なんて嬉しく思いながら森を抜けた私たち。
もうすぐ第六騎士団の宿舎に着くという時、門のところに誰かが立っていることに気付いた。
「なんか、マント着けた人が立ってる?」
遠くてよく見えないが、背の高い男性だろう。
右肩にだけ固定されたマントを着け、腰からは大剣。
そして第六騎士団の支給品よりもどう見ても上質な防具を着けたその人を見て、隣を歩いていたフランがギシリと固まった。
「こ、近衛騎士団副団長、ベルザック・ライド卿……!?」
「これはこれは、第六騎士団のフランチェス殿」
「ッ!」
“今、あえて殿って呼んだの?”
正直二つの敬称が違うことはわかるが、どちらが上なのかなど召喚されたばかりの私にはわからず、思わず怪訝な顔をしてしまう。
そんな私に気付いたのか、子爵家の長男であるアベルがこそっと耳打ちしてきた。
「卿というのは、騎士に対する敬称です。殿は、一応敬称ではありますが自分より下の相手に使うことがほとんどですね。友人の息子とかに使うような」
「それって、フランのことを小童だと思ってるだけじゃなく騎士とすら認識してないってこと?」
「ベルザック卿は副団長、フラン団長は規模は別としても団長の地位にいるのですが」
言いづらそうに顔を伏せてしまったアベルの肩をポンッと叩く。
つまりこれは煽りのようなものなのだろう。
もしくは威嚇か牽制か。
“たまに野良がクエスト交じった時にこうなることってあるのよね”
ゲームは平和にプレイするのが一番で、面倒なアカウントはブロックしてしまえばいいが、目の前にいるなら話は別だ。
この厄介な存在にさっきまでのいい雰囲気を壊された私は、少し重苦しい嫌な予感がするのだった。
「治まったんだからいいじゃん」
「ほっとけば治まるって言っただろ!」
「えぇ?そうだっけ」
熱に浮かされたようなそんな時間…………が、まるで全て嘘だと思えるほど通常運転に戻ったフランは完全に説教モードに入っていて。
「……なによ、キスしたくせに」
「うっ」
行き過ぎかもしれないが、素股までは治療行為だったとしよう。
そこにキスなんて項目は必要なかったはずなのに、突然奪われたその口付けは。
「私、ファーストキスだったんだけど」
「…………せ、責任は取る」
「どの?」
「どの!?どのってそんなの……」
「キス?それともおっぱい吸ったこと?素股の方?あ、私にぶっかけたことかな」
「全部に決まってるだろ!?あとそんな平然と言うなバカ聖女!」
「バカバカ言わないでよ顔以外悪男!」
「それ絶妙に誉めてんだよ一応聖女!」
改めて思い出した行為たちが恥ずかしいのか、それとも説教で頭に血が上っているのかほんのり赤い顔をしているフラン。
いじけたようにぶつぶつと文句を言っている彼を見ていると、なんだかやっぱり可笑しくて。
「あはは、冗談だって。治療ってやつじゃん?フランが平常とは違ったこともわかってるし、それに触っていいって言ったの、その……私、だし?」
そして少し可愛く見えた。
“からかうのはこれからいにしてあげようかな”なんてどこか満足した私がそう言うと、対照に不満気な顔をしたフランが私をじっと見て。
「責任は取る」
「えー?だからいいって……」
「だからお前も責任取れ!こんの特大浅はかバカ聖女!!!」
「でかくなってる!?」
何故かキレているフランはそんな事を叫びながらちゃっちゃと防具を私にまでしっかりと着せた。
“え、責任って……私も?”
それ何の責任……なんて考え、そういえばフランもはじめてだったと思い出し。
「えっ、ちょ、責任ってそういう!?嘘でしょ?痛み分けみたいなもんじゃない?」
「ない!」
「意固地になって……」
「ない!!」
「えぇ……?」
“責任って、どうやって取ればいいの?”
これ以上は聞く耳を持たないと全身で言うフランに思わず唖然とする。
まさか年齢=彼氏いない歴更新中だった私が、異世界に召喚されて婚約者が出来た挙句、その婚約者から責任を取るよう迫られるなんて誰が想像したというのか。
“一般的に責任と言えば結婚よね?え、偽装婚約だったはずだけど本当に結婚するの……?”
婚約は偽装で結婚は本当って、それの何が偽装に当たるのか。
首を傾げた私の手を取ったフランと共に、他の騎士が待っている地点まで戻ったのだった。
私とフランが戻って来るのを待っていてくれた騎士団の面々。
ちゃんと二人で戻ってきたことにみんなホッとした表情をして。
そしてすぐに視線を少し下に下ろし、ビシッと固まる。
“?”
何を見てるのか、なんて不思議に思い首を傾げつつ、彼らの視線の先は――……
「あっ!」
フランに手を引かれ、繋いだままだったことに気付きぎょっとした。
そしてそれはフランもだったようで。
「……なんでもない」
慌てて手を離したフランが、誰に向けてでもなくボソリとそう言うと、やはり第六騎士団のムードメーカー、みんなのお兄ちゃんことトーマがからかうように笑った。
「照れなくてもいいですよ?団長。婚約者同士ナニしてても問題はありませんし」
「な……っ、おま、まさか近くに……っ」
「……え、本当にナニかしてたんです?」
「!!!」
“うわぁ、イケメンなのに童貞って本当だったんだ”
異世界的保健体育しか習得してないはずなのに、あまりにも熱っぽく大事そうにフランが触れ、それが凄く気持ちよかったから。
だから正直、実は経験が……なんて少し疑っていた。
けれど、この反応を見るにフランは私に嘘なんてついてな――…………
「って、ちょっとフラン!?そんな反応してたら私までなんか色々バレるじゃない!」
「り、リッカこそバレるとか言うな!」
「うわぁ、完全冗談のつもりだったんですけどねぇ 、そっかそっかぁ」
「トーマ!!」
フランに釣られて私まで焦り、そしてそんな私たちを見て他の騎士たちからも笑みが溢れる。
“やっぱり雰囲気いいな”
少人数だからこそのこの近さがまるで部活動を思い出し、なんだから胸にほわりとした温かいものが灯るようだった。
ハプニングはあったものの、結果を見れば怪我人もおらずはじめての討伐は上々で終わった第六騎士団。
成果、というほどの成果はないが、どれだけ弱い魔物であってもどこに何体出現したのかの報告義務があるらしく。
そして第六騎士団が討伐したとなれば、国が気にするだろうは出がらしであっても一応は聖女である私のことで。
「さすがに報告はしなくちゃだな」
少しだけ鬱屈そうな表情になったフランがそうポツリと呟いた。
「私、部屋で待機してたとかにしてくれてもいいけど?」
「それはダメだ、リッカが一体討伐しただろ?ならその功績は評価されるべきだ」
「功績って……」
特注竹刀でタコ殴りにしただけ。
反撃すらしてこなかったセーミンは、恐らくゲームで例えればはじまりの町に出るスライムくらいの位置付けだろう。
“ほんと、真面目なんだから”
そんなレベルの魔物一体を私が討伐したところで、どこまで評価されるのか。
むしろ、守れと言われていた聖女に討伐させただなんて、フランの評価が悪くなる可能性すらあるのに、この堅物騎士団長は私の評価に繋げようとしてくれていて。
“出がらしになったせいで完全放置だもんね。もしかしてそれ、気にしてくれてたのかも”
ただただ顔だけの態度が悪い男だも思った初対面。
それから文句を言いつつも少しずつ仲良くなれたのかも、なんて嬉しく思いながら森を抜けた私たち。
もうすぐ第六騎士団の宿舎に着くという時、門のところに誰かが立っていることに気付いた。
「なんか、マント着けた人が立ってる?」
遠くてよく見えないが、背の高い男性だろう。
右肩にだけ固定されたマントを着け、腰からは大剣。
そして第六騎士団の支給品よりもどう見ても上質な防具を着けたその人を見て、隣を歩いていたフランがギシリと固まった。
「こ、近衛騎士団副団長、ベルザック・ライド卿……!?」
「これはこれは、第六騎士団のフランチェス殿」
「ッ!」
“今、あえて殿って呼んだの?”
正直二つの敬称が違うことはわかるが、どちらが上なのかなど召喚されたばかりの私にはわからず、思わず怪訝な顔をしてしまう。
そんな私に気付いたのか、子爵家の長男であるアベルがこそっと耳打ちしてきた。
「卿というのは、騎士に対する敬称です。殿は、一応敬称ではありますが自分より下の相手に使うことがほとんどですね。友人の息子とかに使うような」
「それって、フランのことを小童だと思ってるだけじゃなく騎士とすら認識してないってこと?」
「ベルザック卿は副団長、フラン団長は規模は別としても団長の地位にいるのですが」
言いづらそうに顔を伏せてしまったアベルの肩をポンッと叩く。
つまりこれは煽りのようなものなのだろう。
もしくは威嚇か牽制か。
“たまに野良がクエスト交じった時にこうなることってあるのよね”
ゲームは平和にプレイするのが一番で、面倒なアカウントはブロックしてしまえばいいが、目の前にいるなら話は別だ。
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