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第一章・恋愛レベル、いち
8.討伐の報酬は王道を望む
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「ところでさ、ドロップアイテムとかないの?」
ゲームの定番といえば、討伐報酬でもあるドロップアイテム。
今までプレイしてきたゲームで言えば、討伐後の魔物は消えドロップアイテムだけが残されるのだが――……
“そもそも討伐した魔物、倒した後も消えないのよね”
それでも、ゲームでは省略してあっただけでここが現実というのであればそれには納得できる。
納得できるが……
「そんなもんないぞ」
「なんでよ!?定番は踏んどきなさいよー!」
ドロップアイテムがないのに、何が楽しくて討伐しなくてはならないのか……と一瞬頭を過ったものの。
「魔物を倒すのは市民のためだ。俺たちには力があり、守る義務があり、そして志がある。報酬のためにすることじゃない……が、強いていうなら名誉か?」
真面目な顔をしたフランにそう断言されると、それ以上文句は言えなくて。
“名誉って言われても困るんけど……”
名誉じゃ腹は膨れんのよ、なんて情緒のカケラもないことを考えながら、しかしどこか満足そうなフランを見ていると少し自分も満たされたような錯覚に陥り笑ってしまう。
「もしかして私って聖女の自覚があるってこと……!?」
「勇者目指してんじゃなかったか?浮かれ聖女」
「それ過去一不名誉なあだ名なんだけど中身悪男!」
相変わらずな私たちに周りはもうすっかり慣れたもの……というこの状況は、ある意味私がこの異世界に馴染んだということなのかもしれない。
“ま、どうせ出がらし聖女だしね”
召喚したくせに期待されていない……というのは多少思うこともあるが、出がらしになったのは自分のうっかりの責任である。
だが期待されてないということはマイペースにこの異世界冒険を楽しめるということでもあって。
「でも、だったら尚のこと何かしらのご褒美は欲しいのよねぇ」
ドロップアイテムがなく、名誉……はまあないよりある方が嬉しいが今求めているのはそれじゃない。
“ゲームだったら……”
目には見えないが経験値、あと特殊ボス討伐による条件解放で買える商品が増えたりするが倒したのは大きなセミ。
セミ討伐によって解放するアイテムなんて、それメガホンとかじゃないの?なんて想像し、その使い道のわからなさに項垂れる。
「もしくは新エピソードの追加とか、かな」
メインストーリーの進行は主人公キャラのレベルによって解放されることが割とある。
それはゲームの進行を円滑に進めるための制作サイドの優しさだ。
“もし次のエピソードが始まるならどんな系統だろ?”
セーミンはどう考えてもボス級ではない……とすれば、最初の難敵として中ボスとか?仲間の追加……は、こんだけ騎士団のメンバーがいるんだしまだ無いと思うけど、なんて考え……
「まさか魔王サイドの幹部キャラ登場……?」
――あり得る。
それはものすごくあり得る。
序盤で負け確イベントが発生し、敵の強さを見せつけられるというのは定番中の定番であり王道中の王道だ。
“むしろこれ以上の王道展開ないんじゃない……!?”
だが、もし負け確イベントが起きたとして、私の能力が出がらしだということはエピソードに影響するかもしれないという事実にドキリとした。
本来の能力があれば、瀕死だとしても一命を取り留める可能性がある。
何しろ回復特化の聖属性魔法なのだ。
出がらしということも込みの展開なら、さすがにこんな序盤で誰かが消えるようなことはないはず。
けれど『王道』というものはいつだって我々を裏切らないもの――――
――――そして、そういう時の第六感というものは働くもので。
「フラン!なんだか嫌な予感がするから、警戒を強めて欲し……」
「リッカ!!」
あ、と思った時には、私の視界は全てフランの背中でいっぱいになる。
接近に気付かなかった、いや、ソレは最初からそこにいたのだ。
「く……ッ!」
「ふ、フラン!?」
私をソレの攻撃から庇ったフランの頭から赤い血……ではなく、少し粘り気のあるピンクの液体が滴って。
「やぁあ!」
ガクッと片膝をつくフランの向こうで、私を攻撃してきた魔物をアベルが一突きで倒す。
「厄介なことになりましたね」
慌てて駆け寄ったライザが、顔を真っ青にしていて。
「これ、どうなる!?毒!?」
アベルが一突きで倒せたということは肉体的に強い魔物ではないのだろう。
だが、魔物は魔法を使う。聖属性魔法が特効なように、強力な闇属性魔法を使うのだ。
“闇属性魔法の定番といえば……”
「まさか、呪い!?」
「まぁ、呪いっちゃー呪い……かな」
目を合わせないアベルと青ざめたライザ、そんな二人の間から現れたトーマが“呪い”だと肯定する。
「治さなきゃ……!私の魔法なら、きっと」
「いらん!俺に触るな!」
「な、なんでよっ!?確かに出がらしだけど、魔法が枯れたわけじゃないし!」
「いいから、今はほっといてくれ」
「ちょ……!」
慌てて回復魔法をかけようとした私だったのだが、そんな私の手を振り払ったフランはよたよたと一人茂みの向こうへ歩いて行ってしまって。
「あー、まぁ団長ならそうするか」
「え……?」
この突然の展開と、出がらしだが一応回復魔法が使えるのに拒絶されたせいで呆然としていると、何故かちょっと楽しそうな様子のトーマがあっさりとそのネタバラシをしてくれた。
「さっきの魔物の粘液のは催淫効果があるんだよ」
「…………さいいん」
「確かにリッカの魔法なら完全に効果は抜けなくても軽減するとは思うんだがな」
“そっちの『王道』だったか!!”
序盤での負け確イベントと同じくらい、冒険中のパーティーメンバーがえっちな魔法にかけられるというのも定番というほどよくあるイベントで。
普通はヒロインがそういう魔法にかかる気もしなくはないが、まぁフランは顔がいいのでヒロイン枠だと言われれば納得できる。
“ま、こういうイベントってハーレムもの以外でも案外よくあるものだしね”
むしろある意味健全なRPGにこそおまけでそういった要素が含まれることが多いくらいだ。
生死をかけたような……どころかどう考えてもボーナスイベントに近い安全なものだったことに安堵していると、トーマがプッと小さく噴き出して。
「ま、かすんかすんのその魔力じゃ、触れないと効果ないからなぁっはっは!」
「!!!」
“確かに……!”
私の魔法の効果範囲は出がらしゆえに直接触れれる距離感。
フランはが仮に強制発情状態に陥っているなら、性格的に他人を寄せ付けはしないだろう。
治療とはいえ、そんな状態の自分に触れる……なんて堅物野郎なら拒絶して当然だ。
けれど、催淫効果がどれほど強いものなのかはわからないが、あの頭がカッチコチのフランが下半身もカッチコチになっていたとしたら……
「それは面白……じゃなくて、心配ね!」
「絶対面白がってるところは減点だが、サクッと治せるのはリッカだけだしな。……どっちの意味でも」
「どっちのって?」
付け足された言葉に疑問を持った私が問うが、トーマは教える気がないのかくるりと背を向け倒した魔物の処理に手こずるアベルのもとへ歩いて行ってしまって。
“ま、いいか。なんにしろフランの様子を確認できるの私しかいないしね”
回復効果のある聖属性魔法が使えるのは聖女として召喚された私だけ。
ならば現状フランを救えるのも私しかいない訳で。
「ふふん、今最前列で見物しに行ってあげるからね!」
――この時の私は、トーマの言った『どっちの』という意味がまだわかっていなかったのだ。
そして自分が出がらし聖女であり、出がらしになった原因が自分の欲望によるうっかりという、浅はか聖女であるということも失念していた。
だから。
「――――本当に、いいんだな?」
「ふぇっ?」
まさか、まさかまさか自分にこんな展開が起きるだなんて、本当に想定なんてしていなかったのだった。
ゲームの定番といえば、討伐報酬でもあるドロップアイテム。
今までプレイしてきたゲームで言えば、討伐後の魔物は消えドロップアイテムだけが残されるのだが――……
“そもそも討伐した魔物、倒した後も消えないのよね”
それでも、ゲームでは省略してあっただけでここが現実というのであればそれには納得できる。
納得できるが……
「そんなもんないぞ」
「なんでよ!?定番は踏んどきなさいよー!」
ドロップアイテムがないのに、何が楽しくて討伐しなくてはならないのか……と一瞬頭を過ったものの。
「魔物を倒すのは市民のためだ。俺たちには力があり、守る義務があり、そして志がある。報酬のためにすることじゃない……が、強いていうなら名誉か?」
真面目な顔をしたフランにそう断言されると、それ以上文句は言えなくて。
“名誉って言われても困るんけど……”
名誉じゃ腹は膨れんのよ、なんて情緒のカケラもないことを考えながら、しかしどこか満足そうなフランを見ていると少し自分も満たされたような錯覚に陥り笑ってしまう。
「もしかして私って聖女の自覚があるってこと……!?」
「勇者目指してんじゃなかったか?浮かれ聖女」
「それ過去一不名誉なあだ名なんだけど中身悪男!」
相変わらずな私たちに周りはもうすっかり慣れたもの……というこの状況は、ある意味私がこの異世界に馴染んだということなのかもしれない。
“ま、どうせ出がらし聖女だしね”
召喚したくせに期待されていない……というのは多少思うこともあるが、出がらしになったのは自分のうっかりの責任である。
だが期待されてないということはマイペースにこの異世界冒険を楽しめるということでもあって。
「でも、だったら尚のこと何かしらのご褒美は欲しいのよねぇ」
ドロップアイテムがなく、名誉……はまあないよりある方が嬉しいが今求めているのはそれじゃない。
“ゲームだったら……”
目には見えないが経験値、あと特殊ボス討伐による条件解放で買える商品が増えたりするが倒したのは大きなセミ。
セミ討伐によって解放するアイテムなんて、それメガホンとかじゃないの?なんて想像し、その使い道のわからなさに項垂れる。
「もしくは新エピソードの追加とか、かな」
メインストーリーの進行は主人公キャラのレベルによって解放されることが割とある。
それはゲームの進行を円滑に進めるための制作サイドの優しさだ。
“もし次のエピソードが始まるならどんな系統だろ?”
セーミンはどう考えてもボス級ではない……とすれば、最初の難敵として中ボスとか?仲間の追加……は、こんだけ騎士団のメンバーがいるんだしまだ無いと思うけど、なんて考え……
「まさか魔王サイドの幹部キャラ登場……?」
――あり得る。
それはものすごくあり得る。
序盤で負け確イベントが発生し、敵の強さを見せつけられるというのは定番中の定番であり王道中の王道だ。
“むしろこれ以上の王道展開ないんじゃない……!?”
だが、もし負け確イベントが起きたとして、私の能力が出がらしだということはエピソードに影響するかもしれないという事実にドキリとした。
本来の能力があれば、瀕死だとしても一命を取り留める可能性がある。
何しろ回復特化の聖属性魔法なのだ。
出がらしということも込みの展開なら、さすがにこんな序盤で誰かが消えるようなことはないはず。
けれど『王道』というものはいつだって我々を裏切らないもの――――
――――そして、そういう時の第六感というものは働くもので。
「フラン!なんだか嫌な予感がするから、警戒を強めて欲し……」
「リッカ!!」
あ、と思った時には、私の視界は全てフランの背中でいっぱいになる。
接近に気付かなかった、いや、ソレは最初からそこにいたのだ。
「く……ッ!」
「ふ、フラン!?」
私をソレの攻撃から庇ったフランの頭から赤い血……ではなく、少し粘り気のあるピンクの液体が滴って。
「やぁあ!」
ガクッと片膝をつくフランの向こうで、私を攻撃してきた魔物をアベルが一突きで倒す。
「厄介なことになりましたね」
慌てて駆け寄ったライザが、顔を真っ青にしていて。
「これ、どうなる!?毒!?」
アベルが一突きで倒せたということは肉体的に強い魔物ではないのだろう。
だが、魔物は魔法を使う。聖属性魔法が特効なように、強力な闇属性魔法を使うのだ。
“闇属性魔法の定番といえば……”
「まさか、呪い!?」
「まぁ、呪いっちゃー呪い……かな」
目を合わせないアベルと青ざめたライザ、そんな二人の間から現れたトーマが“呪い”だと肯定する。
「治さなきゃ……!私の魔法なら、きっと」
「いらん!俺に触るな!」
「な、なんでよっ!?確かに出がらしだけど、魔法が枯れたわけじゃないし!」
「いいから、今はほっといてくれ」
「ちょ……!」
慌てて回復魔法をかけようとした私だったのだが、そんな私の手を振り払ったフランはよたよたと一人茂みの向こうへ歩いて行ってしまって。
「あー、まぁ団長ならそうするか」
「え……?」
この突然の展開と、出がらしだが一応回復魔法が使えるのに拒絶されたせいで呆然としていると、何故かちょっと楽しそうな様子のトーマがあっさりとそのネタバラシをしてくれた。
「さっきの魔物の粘液のは催淫効果があるんだよ」
「…………さいいん」
「確かにリッカの魔法なら完全に効果は抜けなくても軽減するとは思うんだがな」
“そっちの『王道』だったか!!”
序盤での負け確イベントと同じくらい、冒険中のパーティーメンバーがえっちな魔法にかけられるというのも定番というほどよくあるイベントで。
普通はヒロインがそういう魔法にかかる気もしなくはないが、まぁフランは顔がいいのでヒロイン枠だと言われれば納得できる。
“ま、こういうイベントってハーレムもの以外でも案外よくあるものだしね”
むしろある意味健全なRPGにこそおまけでそういった要素が含まれることが多いくらいだ。
生死をかけたような……どころかどう考えてもボーナスイベントに近い安全なものだったことに安堵していると、トーマがプッと小さく噴き出して。
「ま、かすんかすんのその魔力じゃ、触れないと効果ないからなぁっはっは!」
「!!!」
“確かに……!”
私の魔法の効果範囲は出がらしゆえに直接触れれる距離感。
フランはが仮に強制発情状態に陥っているなら、性格的に他人を寄せ付けはしないだろう。
治療とはいえ、そんな状態の自分に触れる……なんて堅物野郎なら拒絶して当然だ。
けれど、催淫効果がどれほど強いものなのかはわからないが、あの頭がカッチコチのフランが下半身もカッチコチになっていたとしたら……
「それは面白……じゃなくて、心配ね!」
「絶対面白がってるところは減点だが、サクッと治せるのはリッカだけだしな。……どっちの意味でも」
「どっちのって?」
付け足された言葉に疑問を持った私が問うが、トーマは教える気がないのかくるりと背を向け倒した魔物の処理に手こずるアベルのもとへ歩いて行ってしまって。
“ま、いいか。なんにしろフランの様子を確認できるの私しかいないしね”
回復効果のある聖属性魔法が使えるのは聖女として召喚された私だけ。
ならば現状フランを救えるのも私しかいない訳で。
「ふふん、今最前列で見物しに行ってあげるからね!」
――この時の私は、トーマの言った『どっちの』という意味がまだわかっていなかったのだ。
そして自分が出がらし聖女であり、出がらしになった原因が自分の欲望によるうっかりという、浅はか聖女であるということも失念していた。
だから。
「――――本当に、いいんだな?」
「ふぇっ?」
まさか、まさかまさか自分にこんな展開が起きるだなんて、本当に想定なんてしていなかったのだった。
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