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第一章・恋愛レベル、いち
2.ただしイケメンに限る。……は、時と場合による
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“いや、今絶対引き取ってって言おうとしたわよね!?”
確かに残りカスには期待も用もないのかもしれないが、この扱いはあんまりである。
しかしそこはスルーしたらしい陛下が、私とモデル騎士団長を見比べて再び大きく頷き……
「フランチェス騎士団長はまだ婚約者がいなかったな。丁度いい、聖女様と婚約してくれないか」
「なッ!?ど、どうしてですかッ!!」
「えっ!?な、なんでそうなったわけ!?」
さらりと続けられた言葉に二人して噛み付くと、そんな姿に「ほら、息もピッタリだ」と満足気な笑みを向けてきた。
「第六騎士団は新設だ。そこに仮にも聖女様を加えるなら相応の理由が必要だろう。それに婚約者がいないことで令嬢から追いかけ回されて困っていたな?」
「そ、それはそうですが……」
「聖女様も護衛が必要でしょう。聖女というだけで拐われる可能性があるのに魔力をほぼ失われているのですから。彼ならば人間にも魔物にも対抗でき、あとイケメンだ」
「確かにイケメンの話はしましたけど……」
“だからって、初対面の人と婚約とか……”
ちらりと隣を見上げると、モデル騎士団長もこちらを見ていたらしく目がバチッと合い――――
「はぁぁ」
「!」
思い切り不快そうなため息を吐かれカチンとする。
“そんなに嫌そうにしなくてもよくないっ!?”
「私だって不本意なんですけど?」
「そんなん、俺だってそうに決まってるだろ」
「なんですって!?」
「そっちこそ!」
うぎぎ、と唸り合う私たちをゴホンと大きな咳払いが制止する。
その咳払いは猊下から発せられたもので。
「何も今すぐ結婚する訳ではありませんし、お互いを壁とされればよいでしょう」
「偽装婚約、ってことですか?」
「あー、口実作り……的な」
「えぇ。それならば悪くないのでは?」
「それは……」
「まぁ……」
“確かに本来の聖女がどんな力を持ってるのか知らないから教えてくれる人はいるし、何よりRPGには仲間が必須よね”
円滑に進めるための偽装婚約、というのであればそれは確かに悪くはない提案。
相手にもメリットがあるなら遠慮もいらないし、最後は破棄してしまえばいいだけで。
「最初の町で木の棒装備のスライム倒しでレベルアップ……」
「は?」
「つまり、あんたが木の棒ってことね」
「いや、俺のどこが木の棒なんだよ」
私の説明には納得してくれなかったモデル騎士団長だが、先ほどの猊下の説明には納得したようでそれ以上文句は言ってこなかった。
“まさかのスタートだったけど、まぁ、RPGってこんなもんよね!”
チートなんてものにも憧れはあるが、ゲームでいきなり無双する主人公なんてつまらない。
「いいわ、よろしくね!態度悪男!」
「おい!?それまさか俺のあだ名じゃねぇだろうな浅はか聖女!」
「そっちこそ、それ私のあだ名!?」
性格の合わなさを感じつつ、一応私は最初の仲間ってやつを手に入れたらしかった。
そんな初対面の翌日。
第六騎士団の訓練所で、木剣を竹刀に見立てて構え、素振りをする。
“こっちは中学高校と剣道部、卒業した今もたまに道場で鍛練してんだからね!”
……と、RPGにも適応出来ると思った自信のひとつであるこの腕前を、少し鼻高々に披露して。
「ふぅん、魔力が無くても戦う気があるってのは本当だったんだな」
なんて言われてカチンとする。
このなかなか失礼な発言をしたのはもちろん、モデル騎士団長こと態度悪男だ。
「疑ってたってこと少しは隠しなさいよ!あんたほんっとに失礼よね!?」
「仕方ないだろ、疑ってたんだから」
「肯定すんなし!だから態度悪男って呼ばれんのよ!!」
「呼んでんのはお前だけだッ!この出がらし聖女!」
相変わらずうぎぎ、と睨み合う私たちだったが、ふっと態度悪男が息を吐く。
「……この呼び方やめないか。一応婚約者同士だろ」
「えっ、婚約に乗り気なの?」
「んな訳ないだろ!?つか偽装婚約なんだ、偽装しろって話」
「そっちこそでしょ」
「「………………」」
じろりとした視線を向けるが、態度悪男が言うことは確かに一理あって。
「上植立花よ」
「カミウエリッカ?」
「あー、リッカ、だけでいい」
「了解。俺はフランチェス・アッケルマだ。フランチェス……は長いから、フランでいい」
「何それ、愛称ってやつじゃないの?」
“確か貴族だったわよね?そんなに簡単に愛称で呼んでもいいのかしら”
ふと心配になったことを私が聞くと、態度悪男が口にしたのは。
「そうだが、それくらいで呼ばないと余りにも釣り合わないだろ」
「なッ、んですって……!?」
“確かに顔では完全に負けてるけどッ!あとなんか身分も残りカスの私とじゃ比べ物にならないかもしれませんけどぉっ!?”
だからって平然とこんな事を言うなんて!!……と、その言い分に苛立つが、そんな私に彼が言葉を重ねる。
「リッカは聖女だろ。俺とは釣り合わねぇしな」
「……は?逆じゃなくて?」
てっきり私レベルでは自分と釣り合わない、と言われたのかと思ったため態度悪男の言い分に少し驚く。
「そりゃそうだろ。俺は次男だし、騎士団長なんて地位を貰いはしたが実質は新人騎士の寄せ集め騎士団だからな」
「そういう、もんなの?」
「あぁ」
“確か貴族の次男ってスペアって呼ばれるんだっけ”
嫡男に何かあった場合のためのスペア。
嫡男に何もなければ一生表に出ることのない存在。
何者にもなれない彼がやっと掴んだ自分の居場所は、残りカスで出がらしになってしまった聖女より劣ると思っている。
――そんな事実に気付き、少しだけ胸が苦しくなった私は、ギリギリ聞こえるくらいの声量でポツリと『フラン』と呼んでみると、「ははっ、思ったよりも悪くないな」と、どこか満足気な声が聞こえて戸惑った。
それがなんだか堪らなく恥ずかしく感じ、誤魔化すように素振りを再開させる。
そんな私の素振りが気になるのか、態度悪男改めフランがじいっと見つめてきて。
「そんなに見られるとちょっと気になるんだけど」
「あんまりない構えだからつい」
“ま、RPGの世界に剣道なんてないもんねぇ……”
乙女ゲームを希望していた私が、すぐにこのバトル系ゲームに対応した理由のひとつ。
「私、割りと強いのよ?インターハイは出れなかったけど、学校代表として中学高校と頑張ってきたんだからね」
フフンと鼻を鳴らすと、私の言った単語の意味がわからなかったらしくフランが少し怪訝な顔を向けてきて。
「……わかるように例えろって」
「あー、6年以上鍛練して、割りと成績を残してきた、かな」
「なるほどな。つまり実戦経験ありってことか?」
「実戦……ってほどではないかも。私のいた国には戦争も、もちろん魔物とかもいなかったから」
「魔物が……?」
「そー。だからこっちで言う模擬戦くらいじゃない?」
これは最低限戦える能力があるというアピールと、けれどいきなりの実戦ではどこまで通用するかはわかりませんよ。という予防線のつもりだったのだが――――
「……なら、模擬大会でもするか!」
「は?」
フランが大雑把な結論を叩きだしてギョッとする。
「召喚されたばっかでチートどころか能力まで出がらしになった21歳の女に何させようとしてんのよッ」
「俺は22歳になったばかりのまだ実績なんてない新米騎士団長でな。ほぼ同い年ならなんとかなるだろ」
「なるかバカッ!!」
思ったよりも若かったことに少し驚きつつ、精一杯拒否権を主張してみるが――――
「ま、対人戦が一番伸びるから」
なんて爽やかな笑顔を向けられた私には、どうやらその権利はないようだった。
確かに残りカスには期待も用もないのかもしれないが、この扱いはあんまりである。
しかしそこはスルーしたらしい陛下が、私とモデル騎士団長を見比べて再び大きく頷き……
「フランチェス騎士団長はまだ婚約者がいなかったな。丁度いい、聖女様と婚約してくれないか」
「なッ!?ど、どうしてですかッ!!」
「えっ!?な、なんでそうなったわけ!?」
さらりと続けられた言葉に二人して噛み付くと、そんな姿に「ほら、息もピッタリだ」と満足気な笑みを向けてきた。
「第六騎士団は新設だ。そこに仮にも聖女様を加えるなら相応の理由が必要だろう。それに婚約者がいないことで令嬢から追いかけ回されて困っていたな?」
「そ、それはそうですが……」
「聖女様も護衛が必要でしょう。聖女というだけで拐われる可能性があるのに魔力をほぼ失われているのですから。彼ならば人間にも魔物にも対抗でき、あとイケメンだ」
「確かにイケメンの話はしましたけど……」
“だからって、初対面の人と婚約とか……”
ちらりと隣を見上げると、モデル騎士団長もこちらを見ていたらしく目がバチッと合い――――
「はぁぁ」
「!」
思い切り不快そうなため息を吐かれカチンとする。
“そんなに嫌そうにしなくてもよくないっ!?”
「私だって不本意なんですけど?」
「そんなん、俺だってそうに決まってるだろ」
「なんですって!?」
「そっちこそ!」
うぎぎ、と唸り合う私たちをゴホンと大きな咳払いが制止する。
その咳払いは猊下から発せられたもので。
「何も今すぐ結婚する訳ではありませんし、お互いを壁とされればよいでしょう」
「偽装婚約、ってことですか?」
「あー、口実作り……的な」
「えぇ。それならば悪くないのでは?」
「それは……」
「まぁ……」
“確かに本来の聖女がどんな力を持ってるのか知らないから教えてくれる人はいるし、何よりRPGには仲間が必須よね”
円滑に進めるための偽装婚約、というのであればそれは確かに悪くはない提案。
相手にもメリットがあるなら遠慮もいらないし、最後は破棄してしまえばいいだけで。
「最初の町で木の棒装備のスライム倒しでレベルアップ……」
「は?」
「つまり、あんたが木の棒ってことね」
「いや、俺のどこが木の棒なんだよ」
私の説明には納得してくれなかったモデル騎士団長だが、先ほどの猊下の説明には納得したようでそれ以上文句は言ってこなかった。
“まさかのスタートだったけど、まぁ、RPGってこんなもんよね!”
チートなんてものにも憧れはあるが、ゲームでいきなり無双する主人公なんてつまらない。
「いいわ、よろしくね!態度悪男!」
「おい!?それまさか俺のあだ名じゃねぇだろうな浅はか聖女!」
「そっちこそ、それ私のあだ名!?」
性格の合わなさを感じつつ、一応私は最初の仲間ってやつを手に入れたらしかった。
そんな初対面の翌日。
第六騎士団の訓練所で、木剣を竹刀に見立てて構え、素振りをする。
“こっちは中学高校と剣道部、卒業した今もたまに道場で鍛練してんだからね!”
……と、RPGにも適応出来ると思った自信のひとつであるこの腕前を、少し鼻高々に披露して。
「ふぅん、魔力が無くても戦う気があるってのは本当だったんだな」
なんて言われてカチンとする。
このなかなか失礼な発言をしたのはもちろん、モデル騎士団長こと態度悪男だ。
「疑ってたってこと少しは隠しなさいよ!あんたほんっとに失礼よね!?」
「仕方ないだろ、疑ってたんだから」
「肯定すんなし!だから態度悪男って呼ばれんのよ!!」
「呼んでんのはお前だけだッ!この出がらし聖女!」
相変わらずうぎぎ、と睨み合う私たちだったが、ふっと態度悪男が息を吐く。
「……この呼び方やめないか。一応婚約者同士だろ」
「えっ、婚約に乗り気なの?」
「んな訳ないだろ!?つか偽装婚約なんだ、偽装しろって話」
「そっちこそでしょ」
「「………………」」
じろりとした視線を向けるが、態度悪男が言うことは確かに一理あって。
「上植立花よ」
「カミウエリッカ?」
「あー、リッカ、だけでいい」
「了解。俺はフランチェス・アッケルマだ。フランチェス……は長いから、フランでいい」
「何それ、愛称ってやつじゃないの?」
“確か貴族だったわよね?そんなに簡単に愛称で呼んでもいいのかしら”
ふと心配になったことを私が聞くと、態度悪男が口にしたのは。
「そうだが、それくらいで呼ばないと余りにも釣り合わないだろ」
「なッ、んですって……!?」
“確かに顔では完全に負けてるけどッ!あとなんか身分も残りカスの私とじゃ比べ物にならないかもしれませんけどぉっ!?”
だからって平然とこんな事を言うなんて!!……と、その言い分に苛立つが、そんな私に彼が言葉を重ねる。
「リッカは聖女だろ。俺とは釣り合わねぇしな」
「……は?逆じゃなくて?」
てっきり私レベルでは自分と釣り合わない、と言われたのかと思ったため態度悪男の言い分に少し驚く。
「そりゃそうだろ。俺は次男だし、騎士団長なんて地位を貰いはしたが実質は新人騎士の寄せ集め騎士団だからな」
「そういう、もんなの?」
「あぁ」
“確か貴族の次男ってスペアって呼ばれるんだっけ”
嫡男に何かあった場合のためのスペア。
嫡男に何もなければ一生表に出ることのない存在。
何者にもなれない彼がやっと掴んだ自分の居場所は、残りカスで出がらしになってしまった聖女より劣ると思っている。
――そんな事実に気付き、少しだけ胸が苦しくなった私は、ギリギリ聞こえるくらいの声量でポツリと『フラン』と呼んでみると、「ははっ、思ったよりも悪くないな」と、どこか満足気な声が聞こえて戸惑った。
それがなんだか堪らなく恥ずかしく感じ、誤魔化すように素振りを再開させる。
そんな私の素振りが気になるのか、態度悪男改めフランがじいっと見つめてきて。
「そんなに見られるとちょっと気になるんだけど」
「あんまりない構えだからつい」
“ま、RPGの世界に剣道なんてないもんねぇ……”
乙女ゲームを希望していた私が、すぐにこのバトル系ゲームに対応した理由のひとつ。
「私、割りと強いのよ?インターハイは出れなかったけど、学校代表として中学高校と頑張ってきたんだからね」
フフンと鼻を鳴らすと、私の言った単語の意味がわからなかったらしくフランが少し怪訝な顔を向けてきて。
「……わかるように例えろって」
「あー、6年以上鍛練して、割りと成績を残してきた、かな」
「なるほどな。つまり実戦経験ありってことか?」
「実戦……ってほどではないかも。私のいた国には戦争も、もちろん魔物とかもいなかったから」
「魔物が……?」
「そー。だからこっちで言う模擬戦くらいじゃない?」
これは最低限戦える能力があるというアピールと、けれどいきなりの実戦ではどこまで通用するかはわかりませんよ。という予防線のつもりだったのだが――――
「……なら、模擬大会でもするか!」
「は?」
フランが大雑把な結論を叩きだしてギョッとする。
「召喚されたばっかでチートどころか能力まで出がらしになった21歳の女に何させようとしてんのよッ」
「俺は22歳になったばかりのまだ実績なんてない新米騎士団長でな。ほぼ同い年ならなんとかなるだろ」
「なるかバカッ!!」
思ったよりも若かったことに少し驚きつつ、精一杯拒否権を主張してみるが――――
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