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最終話.育む気持ち
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「⋯って、穏やかってそうじゃないーー!!」
「穏やかな未来を作ろうね?」
私が男を装わなくなったからか、私に女装だったとバレたからか。
別件で張っていた、というフランカ達に捕らえられたアゴットはその取り巻きと一緒に騎士団で尋問を受けているらしくー⋯
「アゴット達の尋問に付き添うべきだったんじゃない!?捕まえたのはフランカ達でしょ!」
「ランドリューが行ってるし、拷も⋯尋問は妹の得意分野だからなぁ」
「今とんでもない得意分野聞こえた!聞きたくなかった!!」
「じゃあ俺がレイの耳を塞いであげるね」
「⋯ひ、ひゃあっ」
気付けば完全に組み敷かれている私の耳に、フランカの舌がいれられる。
生温い舌がぴちゃりと音を響かせて私の体をゾクゾクと震えさせた。
「⋯もっ、なんで突然⋯っ」
「いや、突然じゃないでしょ。この間も言ったじゃん?覚えてろって」
「覚え⋯⋯あっ」
確かに言われた。
完全にフランカを女だと思って抱き締めながら寝た時に確かに言われたけれども⋯っ!
「あれは女の子だった!」
「そしてレイは男の子だったよね、男女が入れ替わっただけじゃない?」
「えぇえ⋯っ!?」
ゆっくり育む宣言はどこにいったのかと疑問に思うほど早急な進み具合に正直戸惑う私に気付いたのか、覆い被さったまま私の顔をじっと見つめてくる。
“髪の毛が短いだけでこんなに印象が違うんだ⋯”
長いかどうかと違いだけで顔の造りはまんまフランカなのに、あの美少女は今やどう見ても青年にしか見えなくて。
「⋯私も髪の毛、伸ばそうかなぁ」
「?」
「そしたら、男の子に間違われない⋯よね」
それは少しでもフランカに可愛く見られたくて言った事だったのだが。
「⋯それ、誰に見せたいの」
「え?」
「ランドリュー?まさかアゴットじゃないよな?」
「え、えぇ⋯?」
“いや、フランカですけど??”
という言葉はフランカの唇が私の口を塞いだせいで声にならずに消えてしまって。
「ま、待ってそうじゃ⋯ひゃあっ」
そのままフランカの唇が首を滑り鎖骨を舐める。
そのまま軽く歯を立てられて、私の体がビクリと跳ねた。
「俺は最初から女って気付いてたじゃん。俺だけじゃダメなの?」
「それは、そう⋯だけど⋯っ」
「じゃあ、なに」
“前にも一度思ったけど⋯、これってフランカの嫉妬⋯だよね?”
男の子に間違われるような私に何故嫉妬する必要があるのかわからず、それなのに妬いてくれるフランカがもう女の子には見えないのに可愛くて⋯
「フランカに、可愛く見られたいからだよ⋯」
「ッ!」
ポツリとそう伝えると、フランカの真っ白な肌が赤く染まった。
“やっぱり可愛いなぁ”
なんて思わずまじまじと見る私だったのだが⋯
「――ん、んぁ⋯っ!?」
突然胸に手を這わされてドキッとする。
「や、待って!そこは⋯っ」
「待てない、煽ったレイが絶対悪い」
「やだ、やだやだっ!」
「⋯なんで」
“なんでって、そんなの⋯”
「ち、小さい、から⋯っ、恥ずかしい⋯⋯って、言ってるのにぃ⋯っ!」
赤くなった顔を見られたくなくて両腕で顔を隠しながら正直に告げると、勢いよく服を捲られあっさりとブラが露出した。
「?こんなコルセット初めて見た」
「ば⋯っ!ま、まじまじと見な⋯っ、でぇ⋯!」
ブラの上から揉みつつ観察するフランカに精一杯抗議するが、もちろん聞いてくれるはずもなく。
「俺はレイのならなんでも好きだけどなぁ」
なんて上機嫌に笑いながらブラの隙間に指を入れたフランカがくすぐるように乳首を刺激する。
「レイ、これの脱がし方わかんないんだけど」
「じ、じゃあ脱がさな⋯でっ」
「脱がさなくても触れるし見れるし舐めれるよ?」
「ひゃ、ぁあんっ」
くいっとそのままブラをズラしたフランカは、露になった乳首にちゅ、と吸い付いた。
「でも脱がしたいなぁ⋯?」
「う、うぅん、んん⋯っ!」
指先でカリカリと引っ掻くように刺激しながら、その菫色の瞳をすうっと細めたフランカがまるで誘惑するようにそう見つめ。
「じゃ、切るか!」
「ダメぇ!!!」
パッと手を離してカラッと笑いながらそう言い、私は慌ててフランカを止める。
“これ1枚しかブラないんだって!!”
こんな事でこの唯一無二のものを失う訳にはいかないと思った私は、羞恥に負けそうになりながらどこかわくわくしているフランカの前で自ら外すことになり。
「う、うぅ⋯」
「もう見たのに」
「脱がされるのと自ら脱ぐのは違うんだって⋯」
うじうじとしつつも、意を決した私がパサリとブラを外した。
「ふふ、可愛い」
「⋯それはサイズがってことじゃないわよね?」
「ははっ、レイの全部が可愛いって意味だよ」
じとっとフランカを睨むが効果なんてなかったらしく、再び押し倒された私はもう何も着けていない上半身を隠すのを諦め覆い被さるフランカに腕を回した。
「ー⋯観念した?」
「観念っていうか⋯」
“女同士じゃ子供が出来ないっていう部分が引っ掛かってストッパーになっていただけで、とっくに気持ちはフランカに向いてたし⋯”
そこまで考え、そう言えば言ってなかったな、と思いそっと口を開く。
「⋯フランカのこと、好きだよ?」
「ッ」
溢すようにそう伝えると、一瞬目を見開いたフランカは花が綻ぶようなあのとびきりの笑顔を私に向けて。
「あぁ、俺も。突然家族や親しい人と引き離す事になってしまった分、俺が誰よりもレイを大事にするから⋯」
「ん」
帰ってもどうせDEAD ENDだったのだ。
未練がないとは言わないが、それでも前を向いたときに私は一人じゃないと教えてくれたフランカとなら。
「私も、フランカを大事にするね」
ちゅ、と軽く啄むように掠めた唇が、そのまま何度も私の唇を食むように動かされる。
それがくすぐったくて唇を開けると、すかさずその隙間からフランカの舌が口内にいれられて。
「ん、んんっ」
くちゅくちゅと水音を漏らしながら舌を絡められ、そのまま強く吸い上げられる。
相変わらず胸を揉んでいたフランカの手は、気付けばツンと立っていた乳首をきゅっと摘まんで。
「ひゃ⋯!」
くりくりと捏ねるように刺激され、体をゾクリとした快感が走った。
脳が沸騰しそうなほど熱く、激しい口付けで酸素が足りない。
酸素を求めて口を開けば開いた分だけフランカの舌で蹂躙され、快感を体に覚え込まされた。
暫くそうして私の感度を高めていたフランカは、胸を弄っていた手のひらをするりと動かし臍に指を入れる。
「んぁ!?」
「ねぇ、アゴットにどこ触られたの」
「ん、んん⋯っ、や、そこは⋯触られてない⋯っ」
「じゃこっちは?」
「は、はぅ⋯っ!」
そのまま撫でるように下腹部を触れたフランカは、下着の中にまで手を入れてしまって。
「そ、そこも触られてな⋯っ」
「ほんと?それは嬉しいな。じゃあ俺だけ?」
「ん、んん⋯っ!フランカ、だけ⋯っ」
「ふふ、やった」
与えられた快感でソコが湿っているのを感じる。
そしてその潤った場所の感覚を確かめるように、指の腹で何度も擦ったフランカはそのままズルリと下着ごと一気にずらしてしまって。
「きゃ⋯っ!」
「自分で脱ぐのと脱がされるのは違うんでしょ?こっちは俺が脱がしてあげるね」
「やっ、待ー⋯っ!ひっ!」
脱がされて外気が冷たい。
それはつまりそこから十分過ぎるほど愛液が溢れているということで⋯
ぴちゃ、と温かいものが触れる。
ビクッとした私が視線を落とすと、脱がしたフランカがそこに顔を埋めていた。
「あっ、だめ⋯っ、そんなとこ、汚い⋯っ」
「なんで?俺にされてこーなってるんでしょ。嬉しいけど?」
「や、あぁんっ」
ぷくりと芯を持った豆をフランカが吸い、舌先で弾く。
その度にピリッとした快感が私の腰を跳ねさせて。
「あっ、あぁあっ!んぁあ!」
「可愛い、可愛いなレイは⋯っ」
フランカの唾液と混じった私の愛液がぐちゃぐちゃになって溢れる。
それを指に絡めると、くちゅりと蜜壺に挿れられて。
部屋に響く音が堪らなく羞恥を煽り、私の全身を絶頂に導いた。
ゆっくり抽挿していた指が増え、ナカを指の腹で強く擦ると今まで感じたことのない刺激が駆け巡り脳を痺れさせる。
「はじめて、なのにぃ⋯っ」
何度も指で私を導かれるのが嫌で抗議するが、その度に言葉を塞ぐよう口付けされた私はただ抱きつくしか出来なくて⋯
「ー⋯はじめてが、俺じゃやだ?」
「ん、んぁ⋯っ、あ、⋯え?」
指の動きを止めるどころかスピードを上げ、ナカをバラバラに動かされる。
何を聞かれたのかわからず、私はひたすら嬌声を溢れさせていて――
“はじめてが、フランカじゃ、やだ⋯?”
「レイ、俺にされたくない?」
「あ、んぁ、あんっ、んんっ」
「ほんとに俺じゃだめ?」
「や、やだ⋯っ、だめ⋯っ」
ぐりっと強く親指で豆を擦られ、ナカに挿入された二本の指が一際強くお腹側をナカから擦る。
ビクビクと腰が跳ね、足の指先まで力が入りまた導かれる⋯その寸前で、私が精一杯フランカの肩を押すとやっと止まってくれた。
「⋯ん、今日はここまでにする⋯?」
にこりと微笑んだフランカは相変わらず可愛かったけれどー⋯
“作り笑顔ってバレバレだし⋯”
いつもの花が綻ぶような笑顔とはかけはなれていて、それが愛おしいと感じてしまう。
“ほんと、すっかり絆されちゃったー⋯”
「うん、フランカの指でイくのはもうここまでにする⋯」
「⋯は?」
「フランカの、ちょうだい⋯」
口にするのは恥ずかしかったが、既に散々恥ずかしいことをされており、そして恥ずかしいことをまだするのだと口にした⋯のだが、一向にフランカが何も言ってくれなくて。
「⋯あ、あの、何か言ってくれないとちょっと恥ずかし――ひゃぁぁあ!?」
「ッ」
恥ずかしさから文句を口にした私だったが、熱いモノがぐっとあてがわれたと思ったら、ぬぷっと蜜壺に押し込まれる。
メリメリと痛みを伴いながらゆっくり進むそれは今まで感じたことのない圧迫感を私に与え――
「ほんと、レイって⋯!」
「あ、あぁっ、ぁぁあ⋯!」
ズッと挿入され抉じ開けられるのは快感とはかけはなれていたが、ずっと快感を覚え込まされたからか、それとも相手がフランカだったかなのか⋯
痛みだけではない確かな何かも感じていた。
「⋯泣かないで、レイ」
「泣いて⋯ない⋯っ」
「そっか」
じわりと滲む目尻にフランカが吸い付く。
生理的に溢れる涙を舐めながら、それでも私が泣いてないと言えばそれをそのまま受け入れてくれるから。
「動いて、いいから⋯」
「ッ、ん⋯わかった。受け入れてくれてありがと」
“私を受け入れてくれたのはフランカのくせに”
この世界に呼んでくれて。
このままの私を認めてくれて。
私の強がりも全て受け入れたフランカは、初めて会ったときに向けてくれたみたいな花が綻ぶような笑顔を私にくれた。
「あ、ぁっ、あんっ、んんん!」
「ん、⋯っ」
どちゅっと音を溢しながら奥を何度も貫かれる。
最奥をグリグリと抉じ開けつつ、強くナカを擦られると私の瞳の奥が白く弾けた。
肌と肌がぶつかる音が、ぱちゅぱちゅと響く卑猥な水音がどこか遠く感じ、フランカに揺すられる腰が自分のものとは思えないほど熱く痺れる。
「ふら、フラ⋯カ⋯っ」
「ん、レイ、すきだよレイ⋯!」
「わた⋯も、すき、だいすき⋯っ」
フランカを求め下りてきた子宮口の中にまで無理やり捩じ込むように私を奥のその奥まで暴いたフランカは、そのままびゅくびゅくと震わせて。
“ナカ⋯あつ⋯”
じわりと広がるその熱をただただ感じるのだった。
「⋯残念?」
「何が?」
フランカとそういう行為をするようになった私の存在意義は、もちろん50年後に復活する魔王の封印を強める事の出来る子供を産むということなのだが⋯
残念ながらまだ子供は出来ていなくて。
“国の事を誰よりも想ってるフランカはがっかりしてるかも⋯”
なんて不安に思ったのだが。
「んー、でもまだ50年あるし?」
「それでいいの?」
「だって俺、子供も好きだけどレイとの新婚生活も楽しみたいなって思ってるからさ」
そう笑ったフランカに、じわりと嬉しさが込み上げる。
「ゆっくり育むんだろ?」
「⋯うん!」
そんな私たちの間に念願の子供をが出来るのは、きっとそう遠くない未来――
「穏やかな未来を作ろうね?」
私が男を装わなくなったからか、私に女装だったとバレたからか。
別件で張っていた、というフランカ達に捕らえられたアゴットはその取り巻きと一緒に騎士団で尋問を受けているらしくー⋯
「アゴット達の尋問に付き添うべきだったんじゃない!?捕まえたのはフランカ達でしょ!」
「ランドリューが行ってるし、拷も⋯尋問は妹の得意分野だからなぁ」
「今とんでもない得意分野聞こえた!聞きたくなかった!!」
「じゃあ俺がレイの耳を塞いであげるね」
「⋯ひ、ひゃあっ」
気付けば完全に組み敷かれている私の耳に、フランカの舌がいれられる。
生温い舌がぴちゃりと音を響かせて私の体をゾクゾクと震えさせた。
「⋯もっ、なんで突然⋯っ」
「いや、突然じゃないでしょ。この間も言ったじゃん?覚えてろって」
「覚え⋯⋯あっ」
確かに言われた。
完全にフランカを女だと思って抱き締めながら寝た時に確かに言われたけれども⋯っ!
「あれは女の子だった!」
「そしてレイは男の子だったよね、男女が入れ替わっただけじゃない?」
「えぇえ⋯っ!?」
ゆっくり育む宣言はどこにいったのかと疑問に思うほど早急な進み具合に正直戸惑う私に気付いたのか、覆い被さったまま私の顔をじっと見つめてくる。
“髪の毛が短いだけでこんなに印象が違うんだ⋯”
長いかどうかと違いだけで顔の造りはまんまフランカなのに、あの美少女は今やどう見ても青年にしか見えなくて。
「⋯私も髪の毛、伸ばそうかなぁ」
「?」
「そしたら、男の子に間違われない⋯よね」
それは少しでもフランカに可愛く見られたくて言った事だったのだが。
「⋯それ、誰に見せたいの」
「え?」
「ランドリュー?まさかアゴットじゃないよな?」
「え、えぇ⋯?」
“いや、フランカですけど??”
という言葉はフランカの唇が私の口を塞いだせいで声にならずに消えてしまって。
「ま、待ってそうじゃ⋯ひゃあっ」
そのままフランカの唇が首を滑り鎖骨を舐める。
そのまま軽く歯を立てられて、私の体がビクリと跳ねた。
「俺は最初から女って気付いてたじゃん。俺だけじゃダメなの?」
「それは、そう⋯だけど⋯っ」
「じゃあ、なに」
“前にも一度思ったけど⋯、これってフランカの嫉妬⋯だよね?”
男の子に間違われるような私に何故嫉妬する必要があるのかわからず、それなのに妬いてくれるフランカがもう女の子には見えないのに可愛くて⋯
「フランカに、可愛く見られたいからだよ⋯」
「ッ!」
ポツリとそう伝えると、フランカの真っ白な肌が赤く染まった。
“やっぱり可愛いなぁ”
なんて思わずまじまじと見る私だったのだが⋯
「――ん、んぁ⋯っ!?」
突然胸に手を這わされてドキッとする。
「や、待って!そこは⋯っ」
「待てない、煽ったレイが絶対悪い」
「やだ、やだやだっ!」
「⋯なんで」
“なんでって、そんなの⋯”
「ち、小さい、から⋯っ、恥ずかしい⋯⋯って、言ってるのにぃ⋯っ!」
赤くなった顔を見られたくなくて両腕で顔を隠しながら正直に告げると、勢いよく服を捲られあっさりとブラが露出した。
「?こんなコルセット初めて見た」
「ば⋯っ!ま、まじまじと見な⋯っ、でぇ⋯!」
ブラの上から揉みつつ観察するフランカに精一杯抗議するが、もちろん聞いてくれるはずもなく。
「俺はレイのならなんでも好きだけどなぁ」
なんて上機嫌に笑いながらブラの隙間に指を入れたフランカがくすぐるように乳首を刺激する。
「レイ、これの脱がし方わかんないんだけど」
「じ、じゃあ脱がさな⋯でっ」
「脱がさなくても触れるし見れるし舐めれるよ?」
「ひゃ、ぁあんっ」
くいっとそのままブラをズラしたフランカは、露になった乳首にちゅ、と吸い付いた。
「でも脱がしたいなぁ⋯?」
「う、うぅん、んん⋯っ!」
指先でカリカリと引っ掻くように刺激しながら、その菫色の瞳をすうっと細めたフランカがまるで誘惑するようにそう見つめ。
「じゃ、切るか!」
「ダメぇ!!!」
パッと手を離してカラッと笑いながらそう言い、私は慌ててフランカを止める。
“これ1枚しかブラないんだって!!”
こんな事でこの唯一無二のものを失う訳にはいかないと思った私は、羞恥に負けそうになりながらどこかわくわくしているフランカの前で自ら外すことになり。
「う、うぅ⋯」
「もう見たのに」
「脱がされるのと自ら脱ぐのは違うんだって⋯」
うじうじとしつつも、意を決した私がパサリとブラを外した。
「ふふ、可愛い」
「⋯それはサイズがってことじゃないわよね?」
「ははっ、レイの全部が可愛いって意味だよ」
じとっとフランカを睨むが効果なんてなかったらしく、再び押し倒された私はもう何も着けていない上半身を隠すのを諦め覆い被さるフランカに腕を回した。
「ー⋯観念した?」
「観念っていうか⋯」
“女同士じゃ子供が出来ないっていう部分が引っ掛かってストッパーになっていただけで、とっくに気持ちはフランカに向いてたし⋯”
そこまで考え、そう言えば言ってなかったな、と思いそっと口を開く。
「⋯フランカのこと、好きだよ?」
「ッ」
溢すようにそう伝えると、一瞬目を見開いたフランカは花が綻ぶようなあのとびきりの笑顔を私に向けて。
「あぁ、俺も。突然家族や親しい人と引き離す事になってしまった分、俺が誰よりもレイを大事にするから⋯」
「ん」
帰ってもどうせDEAD ENDだったのだ。
未練がないとは言わないが、それでも前を向いたときに私は一人じゃないと教えてくれたフランカとなら。
「私も、フランカを大事にするね」
ちゅ、と軽く啄むように掠めた唇が、そのまま何度も私の唇を食むように動かされる。
それがくすぐったくて唇を開けると、すかさずその隙間からフランカの舌が口内にいれられて。
「ん、んんっ」
くちゅくちゅと水音を漏らしながら舌を絡められ、そのまま強く吸い上げられる。
相変わらず胸を揉んでいたフランカの手は、気付けばツンと立っていた乳首をきゅっと摘まんで。
「ひゃ⋯!」
くりくりと捏ねるように刺激され、体をゾクリとした快感が走った。
脳が沸騰しそうなほど熱く、激しい口付けで酸素が足りない。
酸素を求めて口を開けば開いた分だけフランカの舌で蹂躙され、快感を体に覚え込まされた。
暫くそうして私の感度を高めていたフランカは、胸を弄っていた手のひらをするりと動かし臍に指を入れる。
「んぁ!?」
「ねぇ、アゴットにどこ触られたの」
「ん、んん⋯っ、や、そこは⋯触られてない⋯っ」
「じゃこっちは?」
「は、はぅ⋯っ!」
そのまま撫でるように下腹部を触れたフランカは、下着の中にまで手を入れてしまって。
「そ、そこも触られてな⋯っ」
「ほんと?それは嬉しいな。じゃあ俺だけ?」
「ん、んん⋯っ!フランカ、だけ⋯っ」
「ふふ、やった」
与えられた快感でソコが湿っているのを感じる。
そしてその潤った場所の感覚を確かめるように、指の腹で何度も擦ったフランカはそのままズルリと下着ごと一気にずらしてしまって。
「きゃ⋯っ!」
「自分で脱ぐのと脱がされるのは違うんでしょ?こっちは俺が脱がしてあげるね」
「やっ、待ー⋯っ!ひっ!」
脱がされて外気が冷たい。
それはつまりそこから十分過ぎるほど愛液が溢れているということで⋯
ぴちゃ、と温かいものが触れる。
ビクッとした私が視線を落とすと、脱がしたフランカがそこに顔を埋めていた。
「あっ、だめ⋯っ、そんなとこ、汚い⋯っ」
「なんで?俺にされてこーなってるんでしょ。嬉しいけど?」
「や、あぁんっ」
ぷくりと芯を持った豆をフランカが吸い、舌先で弾く。
その度にピリッとした快感が私の腰を跳ねさせて。
「あっ、あぁあっ!んぁあ!」
「可愛い、可愛いなレイは⋯っ」
フランカの唾液と混じった私の愛液がぐちゃぐちゃになって溢れる。
それを指に絡めると、くちゅりと蜜壺に挿れられて。
部屋に響く音が堪らなく羞恥を煽り、私の全身を絶頂に導いた。
ゆっくり抽挿していた指が増え、ナカを指の腹で強く擦ると今まで感じたことのない刺激が駆け巡り脳を痺れさせる。
「はじめて、なのにぃ⋯っ」
何度も指で私を導かれるのが嫌で抗議するが、その度に言葉を塞ぐよう口付けされた私はただ抱きつくしか出来なくて⋯
「ー⋯はじめてが、俺じゃやだ?」
「ん、んぁ⋯っ、あ、⋯え?」
指の動きを止めるどころかスピードを上げ、ナカをバラバラに動かされる。
何を聞かれたのかわからず、私はひたすら嬌声を溢れさせていて――
“はじめてが、フランカじゃ、やだ⋯?”
「レイ、俺にされたくない?」
「あ、んぁ、あんっ、んんっ」
「ほんとに俺じゃだめ?」
「や、やだ⋯っ、だめ⋯っ」
ぐりっと強く親指で豆を擦られ、ナカに挿入された二本の指が一際強くお腹側をナカから擦る。
ビクビクと腰が跳ね、足の指先まで力が入りまた導かれる⋯その寸前で、私が精一杯フランカの肩を押すとやっと止まってくれた。
「⋯ん、今日はここまでにする⋯?」
にこりと微笑んだフランカは相変わらず可愛かったけれどー⋯
“作り笑顔ってバレバレだし⋯”
いつもの花が綻ぶような笑顔とはかけはなれていて、それが愛おしいと感じてしまう。
“ほんと、すっかり絆されちゃったー⋯”
「うん、フランカの指でイくのはもうここまでにする⋯」
「⋯は?」
「フランカの、ちょうだい⋯」
口にするのは恥ずかしかったが、既に散々恥ずかしいことをされており、そして恥ずかしいことをまだするのだと口にした⋯のだが、一向にフランカが何も言ってくれなくて。
「⋯あ、あの、何か言ってくれないとちょっと恥ずかし――ひゃぁぁあ!?」
「ッ」
恥ずかしさから文句を口にした私だったが、熱いモノがぐっとあてがわれたと思ったら、ぬぷっと蜜壺に押し込まれる。
メリメリと痛みを伴いながらゆっくり進むそれは今まで感じたことのない圧迫感を私に与え――
「ほんと、レイって⋯!」
「あ、あぁっ、ぁぁあ⋯!」
ズッと挿入され抉じ開けられるのは快感とはかけはなれていたが、ずっと快感を覚え込まされたからか、それとも相手がフランカだったかなのか⋯
痛みだけではない確かな何かも感じていた。
「⋯泣かないで、レイ」
「泣いて⋯ない⋯っ」
「そっか」
じわりと滲む目尻にフランカが吸い付く。
生理的に溢れる涙を舐めながら、それでも私が泣いてないと言えばそれをそのまま受け入れてくれるから。
「動いて、いいから⋯」
「ッ、ん⋯わかった。受け入れてくれてありがと」
“私を受け入れてくれたのはフランカのくせに”
この世界に呼んでくれて。
このままの私を認めてくれて。
私の強がりも全て受け入れたフランカは、初めて会ったときに向けてくれたみたいな花が綻ぶような笑顔を私にくれた。
「あ、ぁっ、あんっ、んんん!」
「ん、⋯っ」
どちゅっと音を溢しながら奥を何度も貫かれる。
最奥をグリグリと抉じ開けつつ、強くナカを擦られると私の瞳の奥が白く弾けた。
肌と肌がぶつかる音が、ぱちゅぱちゅと響く卑猥な水音がどこか遠く感じ、フランカに揺すられる腰が自分のものとは思えないほど熱く痺れる。
「ふら、フラ⋯カ⋯っ」
「ん、レイ、すきだよレイ⋯!」
「わた⋯も、すき、だいすき⋯っ」
フランカを求め下りてきた子宮口の中にまで無理やり捩じ込むように私を奥のその奥まで暴いたフランカは、そのままびゅくびゅくと震わせて。
“ナカ⋯あつ⋯”
じわりと広がるその熱をただただ感じるのだった。
「⋯残念?」
「何が?」
フランカとそういう行為をするようになった私の存在意義は、もちろん50年後に復活する魔王の封印を強める事の出来る子供を産むということなのだが⋯
残念ながらまだ子供は出来ていなくて。
“国の事を誰よりも想ってるフランカはがっかりしてるかも⋯”
なんて不安に思ったのだが。
「んー、でもまだ50年あるし?」
「それでいいの?」
「だって俺、子供も好きだけどレイとの新婚生活も楽しみたいなって思ってるからさ」
そう笑ったフランカに、じわりと嬉しさが込み上げる。
「ゆっくり育むんだろ?」
「⋯うん!」
そんな私たちの間に念願の子供をが出来るのは、きっとそう遠くない未来――
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日ごろからジスレーヌをよく思っていなかった令嬢たちは、揃ってジスレーヌが毒を入れるところを見たと証言。令嬢たちの嘘を信じたリュシアンは、ジスレーヌを「裁きの家」というお屋敷に幽閉するよう指示する。
そこは二十年前に魔女と呼ばれた女が幽閉されて死んだ、いわくつきの屋敷だった。何とか幽閉期間を耐えようと怯えながら過ごすジスレーヌ。
一方、ジスレーヌを閉じ込めた張本人の王子はジスレーヌを気にしているようで……。
◇小説家になろうにも掲載中です!
◆表紙はGilry Drop様からお借りした画像を加工して使用しています
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