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1.選択肢とはあるようでないことがほとんどである
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“勇者って⋯あの童話とかであるアレ⋯よね?”
なんてあまりにも突然の出来事で呆然としていたが、そんな場合ではないとハッとした私は慌てて挙手した。
「すみません!ここ、どこですか!?」
突然の真っ直ぐに上げられた手に驚いたのか、何故か私とお姫様みたいな彼女の間に騎士みたいな人が割り込んできて。
“⋯えっ、私が不審者なの!?”
思い切り警戒されているっぽいその様子に少しムッとしてしまう。
しかし、そんな私に気付いたのかお姫様みたいな彼女が彼を手で制し、すぐさま近寄ってきた。
“うわ、なんかめっちゃいい香りする⋯”
ふわりと香る高級柔軟剤のような香りにドキッとした私は、自分が寝巻きにしている高校ジャージを着ている事を少し恥ずかしく感じはじめ――
「ここはベルナーデ国です、勇者様。魔王が復活すると予言があったので召喚させていただきました。どうか我が国をお救いくださいませ」
シャランという効果音が聞こえそうなくらい優雅に彼女が跪くと、私を警戒していた騎士っぽい人や神官服着たおじさんたちも恭しく頭を下げ⋯
そしてこの異様な光景に私は冷や汗をかいた。
“――夢?”
私はあの後頭を打って、今も意識が戻っていないとかなのだろうか。
尚も混乱する私の手を、そっと目の前のお姫様っぽい彼女が両手で包み視線が交わる。
プラチナブロンドの髪が光を透かし神々しく、淡い菫色の瞳がまるで決死の覚悟を決めたようにも見えて胸が痛いほど跳ねた。
何故ならその強さと、包まれた手の温かさがどうしても夢とは思えなかったから――
「私はフランカ・ベルナーデ」
「ベルナーデ⋯?」
“国の名前と、同じ⋯?”
「えぇ、魔王を封印したとされる初代勇者の血筋であり父が現国王なので、私もベルナーデを名乗らせていただいておりますわ」
にこりと微笑んだ彼女にザァッと血の気が引く。
「みたい、じゃなくて本物のお姫様じゃん!」
「お姫様⋯だなんて。どうぞ私のことはフランカとお呼びくださいませ、勇者様」
「いや、そんな畏れ多い⋯っていうか、さっきも思ったけどその勇者って?」
色々キャパオーバーしていたせいで後回しになっていたが、私は慌てて『勇者』呼びについて言及した。
だってもしこれが夢ではなく現実だとしたら、漫画やアニメでよくある⋯
「そのままでございますわ。魔王復活の予言があったために召喚の儀にて召喚させていただきました。あなたが私達の⋯、いえ、“私の”勇者様でございます」
“私の⋯?”
わざわざ言い直されたその言葉に引っ掛かりを覚えた私だったが、すぐお姫様が続けた言葉で理解する。
「どうか勇者様。世界のために私と結婚してくださいませ!」
「は⋯、はぁぁぁあ!!?」
理解はしたがワケはわからない。
全くワケがわからない。
なんとなく現実のように感じてしまっているが、そもそもなんで私が勇者なんだ!?
そして結婚って、なんで!?
唖然としている私に、お姫様が申し訳なさそうに目を伏せて口を開き⋯
「⋯まだ幼い勇者様には大変申し訳ないのですが」
「待って」
その言葉を盛大にぶった斬る。
「⋯幼い⋯?」
彼女のその一言に、母の『どう見ても中学生男子』の言葉が脳内再生される。
“⋯まさか”
「あの、これでも一応21歳⋯ですが⋯」
「えっ!!!」
私の発言を聞いて目の前の姫様どころか周りを囲んでいた人達までもがざわつき始めて。
そしてこのざわめきように私は堪らなく嫌な予感がした。
“いくつに思われていたのかは知らないけど⋯”
万が一、億が一。
もしこれが本当に流行りの異世界召喚なるものだったと仮定して。
お姫様と結婚する勇者の性別は、普通ー⋯
そこまで考え私の背中を冷や汗が伝う。
「大丈夫です、勇者様!ご年齢が21歳ならばすぐに子供も産まれるでしょう!」
「こ、子供っ!?」
「予言では、勇者を召喚し魔王を打ち払うか、もしくは勇者と初代勇者の血を継いだ子が産まれればその子が聖なる力で魔王の封印を強められるとの事なのです」
その言葉に後ろの神官達も大きく頷いた。
「⋯あの、ちなみにですが魔王が復活するのはいつなんですかね」
「50年後です」
「ごっ!?ちょ、はぁぁ!?」
さらりと言いきられ思わず噴き出す。
“50年後!?魔王が復活した時私71歳なんですけどっ!”
「どんどん定年が伸びる少子高齢化社会の闇なの!?いくつまで働かせる気!?いや100歩譲って勇者召喚は納得する、けど!!」
「けど?」
「普通復活する前に召喚しない⋯?」
「復活する前に召喚致しましたわ」
にこっと笑顔を向けられ思わず脱力した。
「⋯早すぎるでしょ」
「そんなことありません」
そんな私に彼女が断言する。
「魔王と戦うならば少なくとも被害が出ることでしょう。ですが封印を強めるのであれば被害は出ませんわ」
「だから結婚⋯」
「はいっ!私では⋯ご不満かもしれませんが⋯」
どこか儚げに俯く彼女はとても可愛らしい。
とても可愛らしい⋯が。
たまに広告などで見た異世界召喚ものは主人公が男ならばハーレム展開が多かったが、主人公が女なら護ってくれる騎士やその国の王子と恋に落ちていた。
“つまり召喚された私が!ヒロイン枠!!!”
――そう、この世界のヒロインは私!
しかしそんな私の前にいるのが可憐な本物のお姫様ときたならば。
“ぜっっったい召喚間違えてる!!!!”
奇跡的に本当に私が勇者だったとしても、少なくとも性別は間違えている気がする。
“高校ジャージではなく高校の制服なら一応はスカートだったのに!”
これはマズイのでは⋯?と焦った私は、念のためにとおずおずの口を開いて。
「⋯あの、ちなみになんですが元の世界に帰れたりはします⋯?」
「帰られて⋯しまうのですか⋯?」
「うっ」
しゅんとしたお姫様に胸が締め付けられる。
“可愛い子の悲しそうな顔は反則すぎる⋯!”
だがしかし私では役にたたないのだ。
何故なら女同士だから!!
この世界の事は詳しくないが、少なくとも私の世界の基準で言えば女性同士では子供は出来ない。
子供が出来ないということは、魔王を封じる聖なる力を持った子供も産まれないということで。
“だからって71歳のお婆ちゃん勇者とか厳しい!絵面も厳しいがそもそも私の体力と足腰が厳しそう!!”
「元の世界に戻ることは可能です」
「!」
はっきりとそう言われ私の心は軽くなる。
魔王を倒すにしろ子作りするにしろ、とにかく私はダメなのだ。
魔王復活時の年齢を考えても、また子作りだって生物学的に厳しいのである。
“同性同士の恋愛はいいと思う、けど。むしろBLとかも好きだけど。子供目的の政略結婚に同性は向いてない⋯!”
ならば、自分が女であることを伝え早々に私は帰して貰い、改めて男性勇者を召喚するのがいいだろう。
“その後好きに励んでくれ⋯!”
そう結論を出した私が口を開こうとし時、その言葉を遮るようにお姫様と口を開いた。
「申し訳ないけど、私はおんー⋯」
「元の世界には、召喚された瞬間に戻ることになりますわ」
「⋯⋯え?」
“召喚された、瞬間?”
当たり前と言えば当たり前。
だがしかし、ここにくる寸前の私は石畳に頭から落下していたのではなかっただろうか。
“戻って⋯生き⋯てる?”
そんな事が頭を過りゾッとする。
あれ?私元の世界に戻れなくない?それ『死』じゃない?
「あら?勇者様、今“私”とおっしゃられー⋯」
「言ってない!おっ、俺って言いました!!」
「そうだった⋯かしら?」
「俺です俺!!」
帰れば死。
残れば高齢勇者かお姫様と子作り。
“もっ、もしかしたら女同士でもこの世界なら子供が出来る⋯かも、しれないし!”
最悪50年鍛練を積めば、71歳の勇者でも魔王に勝てる⋯可能性だってなくはない。なくはないはず。多分。
――内心そんな言い訳をした私は、この勘違い召喚に身を任せ。
「佐野玲です」
「サノレイ様?」
「あっ、玲でいいです、お姫様」
「レイですね。⋯レイ、私達は夫婦になるのですよ?」
「あっ、あー、はい、フランカ⋯」
名前を呼ぶととても可憐な微笑みを向けてくれる。
そんな彼女に心の中で盛大に謝罪しつつツッコんだ。
“どっちも妻だけどな!”
――こうして自分の保身の為、私は性別を偽ったヒロイン勇者になってしまったのだった。
なんてあまりにも突然の出来事で呆然としていたが、そんな場合ではないとハッとした私は慌てて挙手した。
「すみません!ここ、どこですか!?」
突然の真っ直ぐに上げられた手に驚いたのか、何故か私とお姫様みたいな彼女の間に騎士みたいな人が割り込んできて。
“⋯えっ、私が不審者なの!?”
思い切り警戒されているっぽいその様子に少しムッとしてしまう。
しかし、そんな私に気付いたのかお姫様みたいな彼女が彼を手で制し、すぐさま近寄ってきた。
“うわ、なんかめっちゃいい香りする⋯”
ふわりと香る高級柔軟剤のような香りにドキッとした私は、自分が寝巻きにしている高校ジャージを着ている事を少し恥ずかしく感じはじめ――
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シャランという効果音が聞こえそうなくらい優雅に彼女が跪くと、私を警戒していた騎士っぽい人や神官服着たおじさんたちも恭しく頭を下げ⋯
そしてこの異様な光景に私は冷や汗をかいた。
“――夢?”
私はあの後頭を打って、今も意識が戻っていないとかなのだろうか。
尚も混乱する私の手を、そっと目の前のお姫様っぽい彼女が両手で包み視線が交わる。
プラチナブロンドの髪が光を透かし神々しく、淡い菫色の瞳がまるで決死の覚悟を決めたようにも見えて胸が痛いほど跳ねた。
何故ならその強さと、包まれた手の温かさがどうしても夢とは思えなかったから――
「私はフランカ・ベルナーデ」
「ベルナーデ⋯?」
“国の名前と、同じ⋯?”
「えぇ、魔王を封印したとされる初代勇者の血筋であり父が現国王なので、私もベルナーデを名乗らせていただいておりますわ」
にこりと微笑んだ彼女にザァッと血の気が引く。
「みたい、じゃなくて本物のお姫様じゃん!」
「お姫様⋯だなんて。どうぞ私のことはフランカとお呼びくださいませ、勇者様」
「いや、そんな畏れ多い⋯っていうか、さっきも思ったけどその勇者って?」
色々キャパオーバーしていたせいで後回しになっていたが、私は慌てて『勇者』呼びについて言及した。
だってもしこれが夢ではなく現実だとしたら、漫画やアニメでよくある⋯
「そのままでございますわ。魔王復活の予言があったために召喚の儀にて召喚させていただきました。あなたが私達の⋯、いえ、“私の”勇者様でございます」
“私の⋯?”
わざわざ言い直されたその言葉に引っ掛かりを覚えた私だったが、すぐお姫様が続けた言葉で理解する。
「どうか勇者様。世界のために私と結婚してくださいませ!」
「は⋯、はぁぁぁあ!!?」
理解はしたがワケはわからない。
全くワケがわからない。
なんとなく現実のように感じてしまっているが、そもそもなんで私が勇者なんだ!?
そして結婚って、なんで!?
唖然としている私に、お姫様が申し訳なさそうに目を伏せて口を開き⋯
「⋯まだ幼い勇者様には大変申し訳ないのですが」
「待って」
その言葉を盛大にぶった斬る。
「⋯幼い⋯?」
彼女のその一言に、母の『どう見ても中学生男子』の言葉が脳内再生される。
“⋯まさか”
「あの、これでも一応21歳⋯ですが⋯」
「えっ!!!」
私の発言を聞いて目の前の姫様どころか周りを囲んでいた人達までもがざわつき始めて。
そしてこのざわめきように私は堪らなく嫌な予感がした。
“いくつに思われていたのかは知らないけど⋯”
万が一、億が一。
もしこれが本当に流行りの異世界召喚なるものだったと仮定して。
お姫様と結婚する勇者の性別は、普通ー⋯
そこまで考え私の背中を冷や汗が伝う。
「大丈夫です、勇者様!ご年齢が21歳ならばすぐに子供も産まれるでしょう!」
「こ、子供っ!?」
「予言では、勇者を召喚し魔王を打ち払うか、もしくは勇者と初代勇者の血を継いだ子が産まれればその子が聖なる力で魔王の封印を強められるとの事なのです」
その言葉に後ろの神官達も大きく頷いた。
「⋯あの、ちなみにですが魔王が復活するのはいつなんですかね」
「50年後です」
「ごっ!?ちょ、はぁぁ!?」
さらりと言いきられ思わず噴き出す。
“50年後!?魔王が復活した時私71歳なんですけどっ!”
「どんどん定年が伸びる少子高齢化社会の闇なの!?いくつまで働かせる気!?いや100歩譲って勇者召喚は納得する、けど!!」
「けど?」
「普通復活する前に召喚しない⋯?」
「復活する前に召喚致しましたわ」
にこっと笑顔を向けられ思わず脱力した。
「⋯早すぎるでしょ」
「そんなことありません」
そんな私に彼女が断言する。
「魔王と戦うならば少なくとも被害が出ることでしょう。ですが封印を強めるのであれば被害は出ませんわ」
「だから結婚⋯」
「はいっ!私では⋯ご不満かもしれませんが⋯」
どこか儚げに俯く彼女はとても可愛らしい。
とても可愛らしい⋯が。
たまに広告などで見た異世界召喚ものは主人公が男ならばハーレム展開が多かったが、主人公が女なら護ってくれる騎士やその国の王子と恋に落ちていた。
“つまり召喚された私が!ヒロイン枠!!!”
――そう、この世界のヒロインは私!
しかしそんな私の前にいるのが可憐な本物のお姫様ときたならば。
“ぜっっったい召喚間違えてる!!!!”
奇跡的に本当に私が勇者だったとしても、少なくとも性別は間違えている気がする。
“高校ジャージではなく高校の制服なら一応はスカートだったのに!”
これはマズイのでは⋯?と焦った私は、念のためにとおずおずの口を開いて。
「⋯あの、ちなみになんですが元の世界に帰れたりはします⋯?」
「帰られて⋯しまうのですか⋯?」
「うっ」
しゅんとしたお姫様に胸が締め付けられる。
“可愛い子の悲しそうな顔は反則すぎる⋯!”
だがしかし私では役にたたないのだ。
何故なら女同士だから!!
この世界の事は詳しくないが、少なくとも私の世界の基準で言えば女性同士では子供は出来ない。
子供が出来ないということは、魔王を封じる聖なる力を持った子供も産まれないということで。
“だからって71歳のお婆ちゃん勇者とか厳しい!絵面も厳しいがそもそも私の体力と足腰が厳しそう!!”
「元の世界に戻ることは可能です」
「!」
はっきりとそう言われ私の心は軽くなる。
魔王を倒すにしろ子作りするにしろ、とにかく私はダメなのだ。
魔王復活時の年齢を考えても、また子作りだって生物学的に厳しいのである。
“同性同士の恋愛はいいと思う、けど。むしろBLとかも好きだけど。子供目的の政略結婚に同性は向いてない⋯!”
ならば、自分が女であることを伝え早々に私は帰して貰い、改めて男性勇者を召喚するのがいいだろう。
“その後好きに励んでくれ⋯!”
そう結論を出した私が口を開こうとし時、その言葉を遮るようにお姫様と口を開いた。
「申し訳ないけど、私はおんー⋯」
「元の世界には、召喚された瞬間に戻ることになりますわ」
「⋯⋯え?」
“召喚された、瞬間?”
当たり前と言えば当たり前。
だがしかし、ここにくる寸前の私は石畳に頭から落下していたのではなかっただろうか。
“戻って⋯生き⋯てる?”
そんな事が頭を過りゾッとする。
あれ?私元の世界に戻れなくない?それ『死』じゃない?
「あら?勇者様、今“私”とおっしゃられー⋯」
「言ってない!おっ、俺って言いました!!」
「そうだった⋯かしら?」
「俺です俺!!」
帰れば死。
残れば高齢勇者かお姫様と子作り。
“もっ、もしかしたら女同士でもこの世界なら子供が出来る⋯かも、しれないし!”
最悪50年鍛練を積めば、71歳の勇者でも魔王に勝てる⋯可能性だってなくはない。なくはないはず。多分。
――内心そんな言い訳をした私は、この勘違い召喚に身を任せ。
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「サノレイ様?」
「あっ、玲でいいです、お姫様」
「レイですね。⋯レイ、私達は夫婦になるのですよ?」
「あっ、あー、はい、フランカ⋯」
名前を呼ぶととても可憐な微笑みを向けてくれる。
そんな彼女に心の中で盛大に謝罪しつつツッコんだ。
“どっちも妻だけどな!”
――こうして自分の保身の為、私は性別を偽ったヒロイン勇者になってしまったのだった。
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