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試行と結果
第34話 負荷
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光耐久試験が終了するまで経過を待つ日々となった。あとは設置して放置、終了したら【物質鑑定】するだけとなった。
現在残っている課題は、ポーション瓶が割れない対策についてが残る。割れないようにするにはどうしたらよいか? 午前の家業の店番をしながらアイデアを考える。
瓶を保護する方向で案をだす。クッション材を付ける。バンパーを嵌める。箱をつける。紐を巡らす。
瓶の材質を変える方向だと、衝撃相手より硬いものを作る。逆に柔らかくして柔軟性を持たせる。落下時に、魔法的な力で宙に浮かす。衝撃を逃す。などが考えられた。
陶磁器はたくさんのものが入り混じった商品だ。形も様々だ。多孔質の粘土に空気が混じると素地の密度が低下する。試作した磁器でもガラスと同程度の硬度を保ってはいる。さらなる改善案が求められるだろう。
価格についても考える。ポーションはけがなどで使用する。従来品のポーションは銀貨10枚。こっちの物価では少し良いご飯を食べられるくらいの価値だ。あまり強気の値段設定はできない。現在作成しているポーションに付加価値をつけ、30枚くらいまでの価格設定としたい。これは商人見習いとしての考えだ。両親と協議として値段を決めることになりそうだ。
現在のポーション瓶は無地のままだった。パラケル爺さんと話をしていた絵付けによる魔術回路に期待したい。風魔法にて陶器の破損の衝撃を感知する。空気のクッションで衝撃を緩和することが今のところ第一の考えとなる。できるだけ秘匿性の少ないものが必要だ。魔導具としてはすぐに解析されてしまうだろう。あえて汎用性のあるものとして、新規性を捨てる。本数を作成するので単純化に重き置けばよいだろう。単価を安くするためには魔石はクズ魔石程度で動くものとしたい。瓶は使い回して洗浄後、稼働テスト後に再利用とすることも考えたい。再利用とするとクズ魔石を埋め込むときは蓋部分が候補だ。
午前の仕事が終わり、爺さんの魔導具店に移る。爺さんは相変わらず、従来のポーション作りだ。絵付け部分のアイデアを話す。
「瓶が割れづらくする方法を午前中に考えてみました。風魔法で衝撃を緩やかにする方法はありますか?できれば消費する魔石が少ない方向で」
「魔導具は衝撃吸収の陣が必ずあるな。高価なものが破損したら文句を言われる。ポーションくらいの大きさを守るには、クズ魔石をさらに砕いたかけらでも充分に作動するぞ。」
と、近くに転がっているクズ魔石を粉々に砕き、そのうちの一つを見せる。大きさで言うと5mmくらいだ。
「それなら単価には影響しなそうですね。回路はどのようなモノを使用しているのでしょうか?」
「それなら教本の魔法陣の項目にある。ここのページだ」
本をパラパラめくり、風魔法の章を広げる。
「魔術師ならまず考えることだ。教本に載っていることは、魔術師や魔導具を扱う者なら誰でも知っているだろう。それなりに汎用性も高いし新規性もない。回路を秘匿しなくても良いのは利点だ。まあ、ワシが秘匿を開放したのだがな」
わっはっは、とパラケル爺さんは笑う。
「ポーション瓶のどの場所に衝撃が入っても守られるのでしょうか?」
「回路が巡っているところが守備範囲となるな。ポーション瓶だと図柄のように一周回せば問題ないだろう。」
「単価が安い商品なので、魔術部分で新規性を求めたくはないですね。版画にして転写しやすいように工夫するくらいでしょうか」
「ああ、そのくらいで良いと思うぞ」
「あと魔石部分を取り外しし易いように蓋部分に設置できるようにしたいです。」
「なるほど。蓋部分か。蓋の魔石の色で残量を判断もしやすいな」
魔石は、採取すぐは有色で、魔力が抜けると徐々に透明になっていく。透けるほど魔力は抜けて残量はなくなるようだ。
「はい。魔導回路は摺り合わせの部分で回路を合わせることを想定しています。蓋と魔石は封印の紙で抑えればズレないと思います」
「それなら封印に使用する紙は一度くっつけると開封時にボロボロになるように付与ができるぞ。魔石の動力を使用すればよい」
「紙への版画で可能でしょうか?」
「魔術負荷は軽い。封印程度ならまず大丈夫だ。前例もある」
爺さんはかなり乗り気だ。このまま版画まで作ってしまおう、とポーション用磁器を測りとる。そういえばポーション用磁器の規格はまだだったことを思い出した。磁器の幅や高さと円周を決める。できるだけ、丸みを帯びないように。側面は転写しやすいように平らな円柱状に。魔石を置く蓋の形状も共通認識を持つ。一度決めたら後は量産だ。合わせて封印紙の長さ、幅を決め、破損防止の回路に重ならないようにデザインを決めていった。
現在残っている課題は、ポーション瓶が割れない対策についてが残る。割れないようにするにはどうしたらよいか? 午前の家業の店番をしながらアイデアを考える。
瓶を保護する方向で案をだす。クッション材を付ける。バンパーを嵌める。箱をつける。紐を巡らす。
瓶の材質を変える方向だと、衝撃相手より硬いものを作る。逆に柔らかくして柔軟性を持たせる。落下時に、魔法的な力で宙に浮かす。衝撃を逃す。などが考えられた。
陶磁器はたくさんのものが入り混じった商品だ。形も様々だ。多孔質の粘土に空気が混じると素地の密度が低下する。試作した磁器でもガラスと同程度の硬度を保ってはいる。さらなる改善案が求められるだろう。
価格についても考える。ポーションはけがなどで使用する。従来品のポーションは銀貨10枚。こっちの物価では少し良いご飯を食べられるくらいの価値だ。あまり強気の値段設定はできない。現在作成しているポーションに付加価値をつけ、30枚くらいまでの価格設定としたい。これは商人見習いとしての考えだ。両親と協議として値段を決めることになりそうだ。
現在のポーション瓶は無地のままだった。パラケル爺さんと話をしていた絵付けによる魔術回路に期待したい。風魔法にて陶器の破損の衝撃を感知する。空気のクッションで衝撃を緩和することが今のところ第一の考えとなる。できるだけ秘匿性の少ないものが必要だ。魔導具としてはすぐに解析されてしまうだろう。あえて汎用性のあるものとして、新規性を捨てる。本数を作成するので単純化に重き置けばよいだろう。単価を安くするためには魔石はクズ魔石程度で動くものとしたい。瓶は使い回して洗浄後、稼働テスト後に再利用とすることも考えたい。再利用とするとクズ魔石を埋め込むときは蓋部分が候補だ。
午前の仕事が終わり、爺さんの魔導具店に移る。爺さんは相変わらず、従来のポーション作りだ。絵付け部分のアイデアを話す。
「瓶が割れづらくする方法を午前中に考えてみました。風魔法で衝撃を緩やかにする方法はありますか?できれば消費する魔石が少ない方向で」
「魔導具は衝撃吸収の陣が必ずあるな。高価なものが破損したら文句を言われる。ポーションくらいの大きさを守るには、クズ魔石をさらに砕いたかけらでも充分に作動するぞ。」
と、近くに転がっているクズ魔石を粉々に砕き、そのうちの一つを見せる。大きさで言うと5mmくらいだ。
「それなら単価には影響しなそうですね。回路はどのようなモノを使用しているのでしょうか?」
「それなら教本の魔法陣の項目にある。ここのページだ」
本をパラパラめくり、風魔法の章を広げる。
「魔術師ならまず考えることだ。教本に載っていることは、魔術師や魔導具を扱う者なら誰でも知っているだろう。それなりに汎用性も高いし新規性もない。回路を秘匿しなくても良いのは利点だ。まあ、ワシが秘匿を開放したのだがな」
わっはっは、とパラケル爺さんは笑う。
「ポーション瓶のどの場所に衝撃が入っても守られるのでしょうか?」
「回路が巡っているところが守備範囲となるな。ポーション瓶だと図柄のように一周回せば問題ないだろう。」
「単価が安い商品なので、魔術部分で新規性を求めたくはないですね。版画にして転写しやすいように工夫するくらいでしょうか」
「ああ、そのくらいで良いと思うぞ」
「あと魔石部分を取り外しし易いように蓋部分に設置できるようにしたいです。」
「なるほど。蓋部分か。蓋の魔石の色で残量を判断もしやすいな」
魔石は、採取すぐは有色で、魔力が抜けると徐々に透明になっていく。透けるほど魔力は抜けて残量はなくなるようだ。
「はい。魔導回路は摺り合わせの部分で回路を合わせることを想定しています。蓋と魔石は封印の紙で抑えればズレないと思います」
「それなら封印に使用する紙は一度くっつけると開封時にボロボロになるように付与ができるぞ。魔石の動力を使用すればよい」
「紙への版画で可能でしょうか?」
「魔術負荷は軽い。封印程度ならまず大丈夫だ。前例もある」
爺さんはかなり乗り気だ。このまま版画まで作ってしまおう、とポーション用磁器を測りとる。そういえばポーション用磁器の規格はまだだったことを思い出した。磁器の幅や高さと円周を決める。できるだけ、丸みを帯びないように。側面は転写しやすいように平らな円柱状に。魔石を置く蓋の形状も共通認識を持つ。一度決めたら後は量産だ。合わせて封印紙の長さ、幅を決め、破損防止の回路に重ならないようにデザインを決めていった。
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