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二章
Side レイ〈3/7〉
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帰ってきたらその男は、手に犬の皿と飯を持っていた。これはここに性奴隷として連れてこられて真っ先にされる、自己肯定感をなくすための調教だ。俺は過去のトラウマに囚われた。
俺は手足を縛られ、無理やり犬の皿に盛られた飯を口に押し込まれる。粘り気のある食べ物は口の中で嫌悪感を引き起こし、喉を通ることなく唾液と混ざり合った。俺は飲み込むことができず、苦しみと屈辱の中で抵抗するが、力を尽くしても無駄だった。
「食べないのかい。美味しいのに」
喉につっかえ、吐き気が襲ってくる。ショックと痛みが俺の体を襲い、息苦しさとともに、吐き気が喉をこぼれるように締めつけた。舌が苦い味で覆われ、胃から押し寄せる痛みに耐えられなかった。
「……や、やめろ」
紛れもない屈辱と蔑視だ。無慈悲な扱いと、人間としての尊厳を奪われた屈辱が、俺の心に深く刻まれた。苦悶の中で、俺は必死に息を吸い込もうとしたが、息ができない。
「君、うちの従業員を何人も殺しておいて、この程度で泣き言言ってんじゃないよ」
彼はまた俺を殴りつけた。恐怖で身体が激しく震えた。思考が一時的に混濁し、周囲の光景がぼやけ、まるで現実から引き離されたような錯覚に襲われた。
俺は次第に尊厳を失っていく感覚に襲われた。
「このつけは体で払ってもらう。ここで無償労働してもらうよ」
俺はその言葉を聞いて彼を睨みつけた。体は恐怖で言うことを聞かないが、それでも言いたかった。
「…俺が復讐を果たしたんだ。俺を性奴隷にしたそのつけが、お前の部下の死だ」
そう口答えした瞬間、彼の顔には不快そうな表情が浮かび、怒りに満ちた目つきがこちらをじっと睨んでいた。彼の眉間にはしわが寄り、唇は軽く歪んでいるようで、イライラが顕れているようだった。
「………口答えする子は面倒だし嫌いだよ。お客様にお出しして恥ずかしくないように調教してやろう」
俺はついにその男に抱かれた。腹の中でそれが脈打つ。玩具では説明のつかない熱さと質量が紛れもなく俺が彼に抱かれている証明だ。
「君はなんで産まれてきたのかな。今まで楽しかったことはあったかい?」
彼は俺に向かって罵詈雑言を浴びせかけた。まるで、冷酷な刃のように俺の心に突き刺さって出血でもしているかのように胸が傷んだ。彼の声は荒々しく、言葉は猛毒で、俺の耳を腐らせてゆく。
「人の役に立ったことは?何も無いだろう。奪われ奪う世界にいただけのただのならずものだ」
殴られる
呼吸が次第に乱れ、胸が圧迫されるような感覚に襲われた。息苦しさが胸に広がり、酸素が足りないような錯覚が体を支配した。息を吸っても吸い込んだ空気が心地よく感じられず、むしろ苦しいだけだった。
「君が生きていても、誰も感謝しないよ。部下だって逃げ出しただろう。みんな君を恨んでる。君は、誰にも慕われていない」
「………」
「誰も助けに来てくれないよ」
目はチカチカと光り、周囲の景色が不安定に揺れ動いているように見えた。現実と夢幻が交錯し、視界がぼやける。頭の中で死にたい消えたいという思いがくすぶり、自分自身がどこにいるのかさえも分からなくなる。生きることへの希望が消え失せ、暗闇に取り込まれるような気分に襲われる。
「これでも気持ちが良くないのかい?きみ、若いのに性欲死んでいるね」
彼は俺の体内の1箇所を激しくゴリゴリと付いた。その後奥をガンガンと突き続ける。俺はなんの快感も感じず、ただ体内を抉られるような感覚に襲われて苦しかった。何も気持ちよくない。気持ち悪いし痛いだけ。
「…………」
「可哀想に」
耳に蓋ができたような感覚がする。頭がぼんやりとしてきて、彼の罵倒はよく聞こえなかったが、所々聞こえた言葉は俺の頭の中を切り刻んだ。
俺は手首を噛みきろうとする。じんわりと伝う血の味。ガシガシと噛み続ける。絶望の中で自己傷害行為に走ることで、絶望の痛みを一時的にでも解消しようとした。昔からの癖で、絶望して本当に死にたくなるとしてしまう自傷行為だった。
「君が1番嫌っていたことをしてあげよう」
彼は腰のスピードを早めた。俺は嫌な予感がして、逃げようとした。しかし上から押さえつけられ逃げられないように腰を引かれて、体重をかけられて。そうして逃げられる訳もなく、彼の腕の中で暴れただけだった。
そして、彼は俺の中で射精した。
「……おえっ」
中でどくどくと波打つ感覚。熱い何かが注がれる感覚。吐き気がする。
射精、子供を作ろうとしているのか。気持ち悪い。子供なんて作らなくて良い。俺なんぞの子供なんか不幸せに決まっている。気持ち悪い。産みたくない。かつてのトラウマと共に様々な声が俺の中でこだまして、何重にも頭の中で声が聞こえるような感覚がして。混乱した意識の中で言葉にならない絶望の声が俺の中で響く。
「はは、君の子なんて不幸せにしかならないよ」
混乱した頭の中にその言葉が何重にもなって響いて入ってくる。何故俺をそんなに責め立てるのか、何故俺は生きているのか?そんな思考が頭によぎる。
そして彼は俺の腹を何度も殴った。痛い。死にそうだ。これなんの意味があるんだ。こんな行為になんの意味が。
涙が無意識に溢れ、俺の頬を伝って地面に滴り落ちた。心の中に抱えた感情が痛烈に表れていた。
殺してやる。いつか、いつか殺してやるからな。そう思いながら意識を失った。
俺は手足を縛られ、無理やり犬の皿に盛られた飯を口に押し込まれる。粘り気のある食べ物は口の中で嫌悪感を引き起こし、喉を通ることなく唾液と混ざり合った。俺は飲み込むことができず、苦しみと屈辱の中で抵抗するが、力を尽くしても無駄だった。
「食べないのかい。美味しいのに」
喉につっかえ、吐き気が襲ってくる。ショックと痛みが俺の体を襲い、息苦しさとともに、吐き気が喉をこぼれるように締めつけた。舌が苦い味で覆われ、胃から押し寄せる痛みに耐えられなかった。
「……や、やめろ」
紛れもない屈辱と蔑視だ。無慈悲な扱いと、人間としての尊厳を奪われた屈辱が、俺の心に深く刻まれた。苦悶の中で、俺は必死に息を吸い込もうとしたが、息ができない。
「君、うちの従業員を何人も殺しておいて、この程度で泣き言言ってんじゃないよ」
彼はまた俺を殴りつけた。恐怖で身体が激しく震えた。思考が一時的に混濁し、周囲の光景がぼやけ、まるで現実から引き離されたような錯覚に襲われた。
俺は次第に尊厳を失っていく感覚に襲われた。
「このつけは体で払ってもらう。ここで無償労働してもらうよ」
俺はその言葉を聞いて彼を睨みつけた。体は恐怖で言うことを聞かないが、それでも言いたかった。
「…俺が復讐を果たしたんだ。俺を性奴隷にしたそのつけが、お前の部下の死だ」
そう口答えした瞬間、彼の顔には不快そうな表情が浮かび、怒りに満ちた目つきがこちらをじっと睨んでいた。彼の眉間にはしわが寄り、唇は軽く歪んでいるようで、イライラが顕れているようだった。
「………口答えする子は面倒だし嫌いだよ。お客様にお出しして恥ずかしくないように調教してやろう」
俺はついにその男に抱かれた。腹の中でそれが脈打つ。玩具では説明のつかない熱さと質量が紛れもなく俺が彼に抱かれている証明だ。
「君はなんで産まれてきたのかな。今まで楽しかったことはあったかい?」
彼は俺に向かって罵詈雑言を浴びせかけた。まるで、冷酷な刃のように俺の心に突き刺さって出血でもしているかのように胸が傷んだ。彼の声は荒々しく、言葉は猛毒で、俺の耳を腐らせてゆく。
「人の役に立ったことは?何も無いだろう。奪われ奪う世界にいただけのただのならずものだ」
殴られる
呼吸が次第に乱れ、胸が圧迫されるような感覚に襲われた。息苦しさが胸に広がり、酸素が足りないような錯覚が体を支配した。息を吸っても吸い込んだ空気が心地よく感じられず、むしろ苦しいだけだった。
「君が生きていても、誰も感謝しないよ。部下だって逃げ出しただろう。みんな君を恨んでる。君は、誰にも慕われていない」
「………」
「誰も助けに来てくれないよ」
目はチカチカと光り、周囲の景色が不安定に揺れ動いているように見えた。現実と夢幻が交錯し、視界がぼやける。頭の中で死にたい消えたいという思いがくすぶり、自分自身がどこにいるのかさえも分からなくなる。生きることへの希望が消え失せ、暗闇に取り込まれるような気分に襲われる。
「これでも気持ちが良くないのかい?きみ、若いのに性欲死んでいるね」
彼は俺の体内の1箇所を激しくゴリゴリと付いた。その後奥をガンガンと突き続ける。俺はなんの快感も感じず、ただ体内を抉られるような感覚に襲われて苦しかった。何も気持ちよくない。気持ち悪いし痛いだけ。
「…………」
「可哀想に」
耳に蓋ができたような感覚がする。頭がぼんやりとしてきて、彼の罵倒はよく聞こえなかったが、所々聞こえた言葉は俺の頭の中を切り刻んだ。
俺は手首を噛みきろうとする。じんわりと伝う血の味。ガシガシと噛み続ける。絶望の中で自己傷害行為に走ることで、絶望の痛みを一時的にでも解消しようとした。昔からの癖で、絶望して本当に死にたくなるとしてしまう自傷行為だった。
「君が1番嫌っていたことをしてあげよう」
彼は腰のスピードを早めた。俺は嫌な予感がして、逃げようとした。しかし上から押さえつけられ逃げられないように腰を引かれて、体重をかけられて。そうして逃げられる訳もなく、彼の腕の中で暴れただけだった。
そして、彼は俺の中で射精した。
「……おえっ」
中でどくどくと波打つ感覚。熱い何かが注がれる感覚。吐き気がする。
射精、子供を作ろうとしているのか。気持ち悪い。子供なんて作らなくて良い。俺なんぞの子供なんか不幸せに決まっている。気持ち悪い。産みたくない。かつてのトラウマと共に様々な声が俺の中でこだまして、何重にも頭の中で声が聞こえるような感覚がして。混乱した意識の中で言葉にならない絶望の声が俺の中で響く。
「はは、君の子なんて不幸せにしかならないよ」
混乱した頭の中にその言葉が何重にもなって響いて入ってくる。何故俺をそんなに責め立てるのか、何故俺は生きているのか?そんな思考が頭によぎる。
そして彼は俺の腹を何度も殴った。痛い。死にそうだ。これなんの意味があるんだ。こんな行為になんの意味が。
涙が無意識に溢れ、俺の頬を伝って地面に滴り落ちた。心の中に抱えた感情が痛烈に表れていた。
殺してやる。いつか、いつか殺してやるからな。そう思いながら意識を失った。
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