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二章
こわい
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息を整えて、彼に向き直った。彼は表情が読み取れない顔をしていた。何を考えているのだろうか。
「とりあえず早く取り除きましょう」
「ああ」
「手洗ってきます」
彼をそのままその場に放置して、川で手を洗う。帰ってきてから潤滑ジェルのようなものを手にとり、手の中でぐちゃぐちゃと掻き回す。
「触りますよ」
立ったまま、彼を前から抱きしめるような形で事を行う。彼は縋りつくかのように私の体に枝垂れかかっていた。まず体内から少し出ている部分に液体を垂らして、グプグプと少し上下に揺らした。少し動く感覚はするが、まだ全然取り出せそうもなかった。
「痛いですか」
「いたい…」
どうやら痛いようだ。
彼は先程まで少し体調が回復していたようだったが、再び顔色が悪くなっていた。褪せた顔色には怯えが浮かび、目には痛みと不安が宿っていた。彼の筋肉は強張り、微細な震えが手足に走っていた。呼吸も浅く、苦しそうに胸を押さえながら息を吸っているのが見て取れた。
「寝転がれますか?」
彼の体が緊張しているのがわかり、立ったままでいるのは厳しいだろうと感じた。私は彼に寝転がることができるか尋ねると、彼は小さく頷いた。
「失礼」
私は上着を脱いで、埃まみれのソファーに敷いた。正直いって焼け石に水で、ホコリは空中に待っているし汚いが仕方がないだろう。
「この体勢、怖くないですか」
私は彼の腰をグッと持ち上げて、正常位の挿入前の格好を取らせた。彼は目に涙を浮かべて、震えている。彼は怯えた表情を浮かべていた。目には不安と緊張が宿り、微妙に震える唇からは息苦しさが伝わってきた。まだ大したことはしていないが、彼は怯えていた。
「こわい、こわい……」
どうやらこの体勢は怖いようだ。まんまセックスの体勢だから色々なことを思い出してしまうのだろうか。
「………明かり…」
彼は少し涙を流しながら何かを呟いた。その声は弱々しく、震えるような響きを持っていた。あんなにも自信に溢れ、強かった彼がこうなるとは。私は少し悲しい気持ちになった。
「明かり?」
「明かりが欲しい、お前が誰かわからなくなって…頭の中ぐちゃぐちゃになる…こわい、」
どうやら錯乱しているようだ。薄暗い中で、私を見ると体を触るのが外敵か、誰なのか分からなくなってしまうようだ。彼はすすり泣きながら、私の手を握っている。
私は彼から離れた。
「…あれ、どこ…」
後ろから心細い声が聞こえる。可哀想だが、ロウソクか何かがないかさがそう。
残された家具を見る。古びた戸棚の中は前の家主が残したものが残っていた。ロウソクとマッチが1本入っている。湿気ていないといいが。
「……薄暗いですが…どうですか」
「………」
私はロウソク立てを持って彼に近寄る。彼は私の顔を見て、特に大きく表情を変えた訳では無いが、呑んでいた息をゆっくり吐いていた。
「触りますよ」
一声かけて、正常位の格好は先程怖いと言われたため、バックの格好にさせた。
「いや、いやだこの格好!」
そうすれば彼は狂乱したかのように暴れ始めた。私は目を丸くして、またもや正常位の格好に戻す。彼は肩で息をしながら私を睨みつけていた。
「てめえの顔面見せながらやれって言ってんだよボケ」
泣きながら怒られた。啜り泣きしていた彼はもはや号泣していて、手で涙を拭っていた。たしかにそうだ。顔が見えないと怖いんだったな。私はしかしほとほと困り果てた。どのような体勢ですれば良いのだろう。
「私の体が近づくのは怖いですか」
「………こわい、けど我慢はできる」
「あなたを膝の上に載せるのは?」
「………我慢出来る」
私は彼を向かい合うようにして自分の膝の上にゆっくりと乗せた。そして私は正座した自分自身の足を、乗っている彼の足ごと少し広げた。必然的に、尻の当たりが少し開く。
私はまた手に多めに潤滑油を出した。そして広がった尻の部分に垂らす。
「中腰になれますか」
「…なれ…なれる……」
私の正座している足の外側に足を置かせて、膝立ちになってもらう。上半身は座っている私にもたれ掛かる形になった。つまり彼は座っている私の上で向かい合い、尻をつきだしているような体勢になった。
彼はそのような体勢にされる際も、ずっとじっと私の顔を見ていた。肩で息をしている。具合が悪そうだ。
「普通だったらここで、例えば体を触りながら声掛けをするんですが…そういうの苦手ですか」
「……お前だったら大丈夫」
私は彼の背中を撫でながら、髪を耳にかける。そしてその耳をコソコソと触った。彼は少しくすぐったそうに肩を竦めた。
耳を触っていた手をお尻の方に移動させる。潤滑油がぐちゅっと音を立てた。
「大丈夫、怖くないよ」
そう言いながら、そのディルドを少し動かす。やはり乾いているのか動かしずらかった。私は背中を撫でていた方の手に油をたらして、ディルドを動かしつつその部分に油を付けた。
このような行為をしているのに、彼の体は驚くほど冷たい。緊張していて、少しも快感を感じていない。
「こわ、こわい。こ、こわい」
彼は再び目をぎゅっととじた。
私は穴とディルドの間に小指を入れて、少し隙間を作る。そしてそこから潤滑油を投与した。
「おえっ………」
「痛いですか」
彼はショックからかえずいている。私がそう尋ねても、彼は返事を返さなかった。ガタガタと私の肩を持っている手が震えている。
「とりあえず早く取り除きましょう」
「ああ」
「手洗ってきます」
彼をそのままその場に放置して、川で手を洗う。帰ってきてから潤滑ジェルのようなものを手にとり、手の中でぐちゃぐちゃと掻き回す。
「触りますよ」
立ったまま、彼を前から抱きしめるような形で事を行う。彼は縋りつくかのように私の体に枝垂れかかっていた。まず体内から少し出ている部分に液体を垂らして、グプグプと少し上下に揺らした。少し動く感覚はするが、まだ全然取り出せそうもなかった。
「痛いですか」
「いたい…」
どうやら痛いようだ。
彼は先程まで少し体調が回復していたようだったが、再び顔色が悪くなっていた。褪せた顔色には怯えが浮かび、目には痛みと不安が宿っていた。彼の筋肉は強張り、微細な震えが手足に走っていた。呼吸も浅く、苦しそうに胸を押さえながら息を吸っているのが見て取れた。
「寝転がれますか?」
彼の体が緊張しているのがわかり、立ったままでいるのは厳しいだろうと感じた。私は彼に寝転がることができるか尋ねると、彼は小さく頷いた。
「失礼」
私は上着を脱いで、埃まみれのソファーに敷いた。正直いって焼け石に水で、ホコリは空中に待っているし汚いが仕方がないだろう。
「この体勢、怖くないですか」
私は彼の腰をグッと持ち上げて、正常位の挿入前の格好を取らせた。彼は目に涙を浮かべて、震えている。彼は怯えた表情を浮かべていた。目には不安と緊張が宿り、微妙に震える唇からは息苦しさが伝わってきた。まだ大したことはしていないが、彼は怯えていた。
「こわい、こわい……」
どうやらこの体勢は怖いようだ。まんまセックスの体勢だから色々なことを思い出してしまうのだろうか。
「………明かり…」
彼は少し涙を流しながら何かを呟いた。その声は弱々しく、震えるような響きを持っていた。あんなにも自信に溢れ、強かった彼がこうなるとは。私は少し悲しい気持ちになった。
「明かり?」
「明かりが欲しい、お前が誰かわからなくなって…頭の中ぐちゃぐちゃになる…こわい、」
どうやら錯乱しているようだ。薄暗い中で、私を見ると体を触るのが外敵か、誰なのか分からなくなってしまうようだ。彼はすすり泣きながら、私の手を握っている。
私は彼から離れた。
「…あれ、どこ…」
後ろから心細い声が聞こえる。可哀想だが、ロウソクか何かがないかさがそう。
残された家具を見る。古びた戸棚の中は前の家主が残したものが残っていた。ロウソクとマッチが1本入っている。湿気ていないといいが。
「……薄暗いですが…どうですか」
「………」
私はロウソク立てを持って彼に近寄る。彼は私の顔を見て、特に大きく表情を変えた訳では無いが、呑んでいた息をゆっくり吐いていた。
「触りますよ」
一声かけて、正常位の格好は先程怖いと言われたため、バックの格好にさせた。
「いや、いやだこの格好!」
そうすれば彼は狂乱したかのように暴れ始めた。私は目を丸くして、またもや正常位の格好に戻す。彼は肩で息をしながら私を睨みつけていた。
「てめえの顔面見せながらやれって言ってんだよボケ」
泣きながら怒られた。啜り泣きしていた彼はもはや号泣していて、手で涙を拭っていた。たしかにそうだ。顔が見えないと怖いんだったな。私はしかしほとほと困り果てた。どのような体勢ですれば良いのだろう。
「私の体が近づくのは怖いですか」
「………こわい、けど我慢はできる」
「あなたを膝の上に載せるのは?」
「………我慢出来る」
私は彼を向かい合うようにして自分の膝の上にゆっくりと乗せた。そして私は正座した自分自身の足を、乗っている彼の足ごと少し広げた。必然的に、尻の当たりが少し開く。
私はまた手に多めに潤滑油を出した。そして広がった尻の部分に垂らす。
「中腰になれますか」
「…なれ…なれる……」
私の正座している足の外側に足を置かせて、膝立ちになってもらう。上半身は座っている私にもたれ掛かる形になった。つまり彼は座っている私の上で向かい合い、尻をつきだしているような体勢になった。
彼はそのような体勢にされる際も、ずっとじっと私の顔を見ていた。肩で息をしている。具合が悪そうだ。
「普通だったらここで、例えば体を触りながら声掛けをするんですが…そういうの苦手ですか」
「……お前だったら大丈夫」
私は彼の背中を撫でながら、髪を耳にかける。そしてその耳をコソコソと触った。彼は少しくすぐったそうに肩を竦めた。
耳を触っていた手をお尻の方に移動させる。潤滑油がぐちゅっと音を立てた。
「大丈夫、怖くないよ」
そう言いながら、そのディルドを少し動かす。やはり乾いているのか動かしずらかった。私は背中を撫でていた方の手に油をたらして、ディルドを動かしつつその部分に油を付けた。
このような行為をしているのに、彼の体は驚くほど冷たい。緊張していて、少しも快感を感じていない。
「こわ、こわい。こ、こわい」
彼は再び目をぎゅっととじた。
私は穴とディルドの間に小指を入れて、少し隙間を作る。そしてそこから潤滑油を投与した。
「おえっ………」
「痛いですか」
彼はショックからかえずいている。私がそう尋ねても、彼は返事を返さなかった。ガタガタと私の肩を持っている手が震えている。
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