逢いたくて逢えない先に...

詩織

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忘れてた過去 【飯山省吾】

新しいお父さん、お母さん

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車に連れていかれ、着いた先は大きなお屋敷だった。

「連れてきたぞ」

男女の大人が家の中にいた。

「いいんでしょうか?こんなこと」

「跡継ぎ居ない今、こうするしかないだろ」

「ですけど父さん、こんなことバレたら」

「あいつとは古くからの親友だ。その辺は口が堅い。」

「まだ、亡くなってこっちは切り替えてないって言うのに」

「だからこそだ」


「じゃ、新しいお父さん、お母さんにご挨拶してみようか」

お爺さんはこっちに向かって一言いった。

「こんにちわ」

と挨拶をした。

「これから君の名前は、飯山省吾だ。わかったね?」

「飯山省吾?」

なんで名前を変えないとダメなんだ?


部屋に通され、誰かが住んでたような部屋になってる。

プラモデルがいっぱいあって、見たことないようなおもちゃもあった。

「今日から君の部屋だよ。省吾」

「ほんとに、ここ使っていいの?」

「いいんだよ。そしてこれから俺のことはお爺ちゃんと呼びなさい」

知らない人をお父さん、お母さん、そしてお爺ちゃんと呼ぶ。

新しい家族だから仕方ないけどでもやっぱり言えない。

新しいお父さんお母さんも困った顔してる。

部屋では母、妹の死を毎日考え泣くしかなかった。

学校とかも行かず、家にいることが多い。

新しい家族、そして母妹の死。色々ありすぎて部屋に籠る日々になってしまった。



数日したら、新しいお父さん、お母さん、そしてお爺ちゃんと一緒に旅行にいくらしい。

これから飛行機に乗る。

初めて飛行機を見た。これに乗るんだ。

「さぁ、省吾いくよ」

お爺ちゃんが手をつないでくれて、飛行機の搭乗口に入っていった。

飛行機の中ではずっと寝てたので記憶がない。

着いた先は知らない町だ。外国人ばかり。

そして着いた先はそこまで大きくないビルの建物だった


「こんばんわ、お名前は?」

白髪の男性が話しかけてきた。

「桜井...えっと飯山省吾」

その人はニコって笑って

「では、はじめますか」

と白髪の男性が言うと

「よろしくお願いします」

とお爺ちゃんと、お父さん、お母さんが言った。


「陽一君、よ~くこれを見てね。」

それは10分にも感じたし1時間にも感じた。

ひたすら見るしかなかった。

「君の名前は、飯山省吾。8歳」

「幼稚園はS幼稚園、その時はクマのぬいぐるみが大好きだった」

「私立K小学校の2年1組。算数が大好きでスポーツは野球大好き」

「好きなものはプラモデルを作ること。車のおもちゃはいつもお母さんに買ってって駄々こねる」

「この人がお父さん、この人がお母さん、そしてお爺ちゃんだ」

それからも色々と言われ、半分起きてるんだか寝てるんだがの状態がずっと続いた。


そして最後に

「君はもう桜井陽一でない。桜井陽一は封印しよう」

そう言われて眠りに落ちた。



目が覚めると

「僕お名前は?」

「飯山省吾」

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